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クー=シー

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第五章

「しかもそれでな」
「これまで誰にも見付からなかったのね」
「いや、凄い泥棒がいたな」
「全くよ」
「けれどな」
 それでもだとだ、ヘンリーはメアリーの焼いた肉を食べながら妻に話した。
「運がよかったな」
「お家の中で居眠りしていたなんてね」
「そこを通報出来てな」
「本当に運がよかったわ」
「というか泥棒が盗みに入った家で居眠りとかな」
「間抜けな話よね」
 このことも話すのだった。
「ちょっとな」
「ないことだけれどね」
「ああ、けれど本当にな」
「運がよかったわね」
「全くだな」
「そうよね」 
 しみじみと二人で言うのだった、そしてアーサーも言うのだった。
「だから、グリーンがいるからだよ」
「ははは、今回もか」
「グリーンが幸運をもたらしてくれたのね」
「だから助かったんだな」
「何も盗まれずに済んだのね」
「そうだよ、グリーンがいてくれているからだよ」
 こう言ってだ、アーサーはそのグリーンの方に顔を向けた。グリーンは彼の横で自分の御飯であるドッグフードを食べている。
「だからね」
「今回も助かった」
「そういうことね」
「グリーンは僕達の幸運の妖精だよ」
 まさにそれだというのだ。
「本当にね」
「そうだな、じゃあこれからも」
「グリーンに宜しくね」
 両親はそんな我が子の言葉に笑顔になった、そして。
 そのグリーンを見てだ、こう彼に言った。
「じゃあこれからもな」
「宜しくね」
 グリーンは何も語らない、犬だからだ。しかし一家でその彼を暖かい目で見るのだった。
 その彼が今日もリビングで寝ているとだ、不意に。
 何故かその前にペットショップの店長さんがいた、店長さんはにこにことしてグリーンに対してこう言ってきた。
「起きてるかい?」
「おじさん?」
「そうじゃよ」
 こう笑顔でだ、店長さんはグリーンに応えた。 
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