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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員

作者:木偶の坊
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 第13話 夏休み―― そして追試

 
前書き
第13話です。

テストって恐ろしいですよね。

ちなみに作者は保健だけなら学年でトップです。(作者が通ってる高校は底辺クラスであるが…) 

 
明るい光が目の前を覆う。


消毒剤の匂いがする……。病室か。


「あ~よく寝た~」
「あ!! 天原さん!!」
目を覚ますと間宮あかりの妹、間宮ののかがいた。


「やあ、ののかちゃん」
「天原さん……良かった……」
「いや~心配かけちゃったみたいだね」
「本当に良かった……」
ののかちゃんが手を握ってくる。女の子の手に触れるなんて初めてだな。


「おっす、勇人、見舞いに…………」
雄一が突然病室に入ってくる。そして、ののかちゃんが僕の手を握ってるところを見て目を見開いて固まる。 空気の読めない奴め……。



「「「…………」」」
沈黙が続く。




「雄一!! (0w0)<ナズェミデルンディス!(なぜ見てるんです!)」
いかん、口が回らん。


「勇人、お前……毎日、ののかちゃんが見舞いに来てるから、不思議に思ってたが……まさか……。な、なあ、勇人、約束……したよな? 童貞同士、組んで長生きして一緒に仙人になろうって……」
ええ!? 雄一が変なこと言ってる……。仙人って……。


「い、いや。組むとは約束したけど……そこまでは言ってないよ……」
「…………」


「(0w0)<オンドゥルルラギッタンディスカー! (本当に裏切ったんですか!)」
ええ!? 雄一もかよ!?


「(0w0)<ウゾダドンドコドーン! (嘘だそんなこと!)」
雄一が何か言いながら走り去っていく……。



「あ、あの、天原さん……ごめんなさい……」
「いや……。ノックもせず、勝手に入ってきた雄一が悪いからののかちゃんが謝る必要なんてないよ」
「で、でも……」
「大丈夫だよ。次の日にはいつも通り仲良くしてるからさ」



「勇人君! さっき雄一君が外国語を叫びながら走っていったんだけど何があったの!?」
「お姉ちゃん!」

間宮あかりといつも一緒にいるメンバーが病室に入ってくる。


「や、やあ、みんな。ちなみに雄一が言っていた外国語は僕が知る限り存在しないはずだ。雄一は気が動転してて、口が回らなかっただけだよ」
「そ、そうなんだ……ってののか、今日も来てたの?」
「うん」
「そういえば雄一が毎日来ていたっていってたね。本当に心配をかけちゃったね。」
「いいえ、天原さんだって私のお見舞いに来てくれてたじゃないですか!」
(毎日は行ってないよ……ごめんね、ののかちゃん……そして火野に島、にやけてんじゃねえよ)



「天原勇人……やはり、あかりちゃんだけじゃなく……ののかちゃんまで誑かしてたんですね……」
殺意丸出しの目で佐々木が僕を見てくる。


「してないからね!? なんで君はいつも殺す気満々の目で僕を睨んでくるの!?」
「黙りなさい、下等生物、いえ、fucking human」
「……………………」
(佐々木、冗談でも女の子がそんな事を言ったらだめだよ……いや、今のって冗談なのか?割と真面目な顔をしていた気がするけど……)


「そういえば僕ってどれくらい寝てたの?」
「勇人君……実は昨日…………夏休みに入ったんだよ…………」
ん? 夏休み? 


「え………何? 聞こえなかったよ、もう一回行ってくれる?」
「だから……勇人君が運び込まれて……そのまま……夏休みに入って…………」
「…………………………」


「ええええええええええええ!!!!!! マジで!? 僕ってそんなに寝てたの!?」
どうやらさっきの間宮の言葉は冗談ではないらしい。


「おまけに中間考査も受けてないから、追試が待ってるぜ。あ、でも天原なら補修も付いてくるな。お前、高校の範囲は愚か、中学や小学レベルの問題も怪しいからな」
「え!? そうでしたの!? なるほど、それじゃ活躍しても武偵ランク定期外考査を受けられないのも納得ですわ」
火野が僕の学力を暴露し、それに納得した島が僕を見下す顔で見てくる。く……反論できない……。


「…………」
(仕方ないじゃん……小学校に通うなんて充実した生活なんて送ってなかったんだから……)


それより、マジかぁ……。追試と補修とか……。


「そんな事より勇人君!! 今度、皆で旅行にいこうって話しになったんだけど勇人君も行けるかな?」
突然、間宮がそんな話しをしてくる。旅行か~確かに行きたいな。


「う~ん。追試と補修があるからな~でも早く終わらせることができれば行けると思うよ」
「ちっ」
佐々木が舌打ちしてくる。なんでや……。


「ほんと!? 良かった~これで全員行けるね!!」


その後、旅行に必要な物を買おうということになり、詳しいことはまた後日話し合うことにして解散した。






皆が帰り、日も完全に沈み――


「ふむ、これなら明日にでも退院できるでしょう」
「本当ですか!?」
「ああ、しかし、君が運び込まれた時には目を疑ったよ。なにをどうしたらあんな状態になるのかね?」
「まあ、色々とあったんですよ」
「そうですか……」






翌日――


無事に退院して、今から追試を受けに行く所だ。






「では、始めてください」






国語
① 次の漢字の読みを書きなさい。 ①蜆  ②天照大神 

(こんなもん分かるかああ!!!)



        回答 知らんがね  回答 てんてるだいじん







数学
① 図の台形はAB=18cm, BC=8cm, CD=12cm, ∠ABC=∠BCD=90° である。点Pが頂点Aを出発してA→B→C→Dと毎秒2cmで進む。出発してからx秒後の△APDの面積をycm2とする。次の問いに答えよ。

点Pが辺AB上にいるときについて。
xの変域を求めよ。
yをxの式で表せ。  

   
            回答 点P動くなよ。




② 兄は家を出発し、分速80mで1500m離れた駅に向った。
兄が出発した6分後には弟が、分速200mで同じ道を通り駅に向った。

弟が兄に追いつくのは、弟が家を出てから何分後
ですか。



            回答 兄貴待ってやれよ。そしたら済む問題だ。





歴史

① 五右衛門風呂とは、江戸時代の天下の大泥棒にちなんでつけられた名前だが、この大泥棒とはだれか。


            回答 石川雄一




② 1615年に発生した合戦で、徳川氏と豊臣氏が天下を賭けて争った。この戦はなんという戦か答えろ。


            回答 第1次日本大戦





理科
① 生物の体を構成する最小の単位を何というか答えよ。



            回答 オラ〇ル細胞




② 静止した電荷によって引き起こされる物理現象をなんというか答えよ。



            回答 青電気



 

英語
① 次の英語を日本語に直せ。 I help you.




             回答 私はあなたを助けると見せかけてぶちのめします。




② アヒルを英語で書け。

     
             回答 fuck





保健体育
① 目の前で急に人が倒れて苦しんでいます。どうしますか。

             
             回答 「言い残すことはあるか?」と問う。





② テニス、卓球、バドミントンなどのスポーツにおいて、2人対2人で行う試合のことをなんと言いますか。

             回答 チームデスマッチ




家庭科 
① 五大栄養素をすべて答えろ。



             回答 大麻 O-157 炭水爆物 (^ω^ ) シラネーゼ






② 子供は(  )や(  )と関わりながら成長していきます。         
  (  )に当てはまる語を答えよ。



             回答 ロリコン ショタコン 





③ 階段の事故を防ぐための対策を一つあげなさい。



             回答 4足歩行をする。







「よし!! いつもよりはできたぞ!!」
 





「天原!!! テメエ、おちょくってんのか!!!!!!」

バキッ!!!  

「ぎゃあああああああ!!!! 僕の骨がああああ!!!」
真面目にやったのに怒られたでござる。世の中って理不尽だな。




「いって~何がいけないんだ? 何が? 全く、いつも白紙で出してたから怒られると思ってたのに、空欄埋めても結局怒られるじゃないか」
本気で何がいけないのか分からない勇人だった。


「ん? お前も追試か?」
「え?」
突然、男子生徒に声をかけられた。誰だ? 見た感じ、先輩っぽいけど……。それに、どこかで見覚えがある顔をしているな……。


「えーと? どちら様で?」
「ああ、すまんな。名乗るのを忘れていた。俺は空山勇輝。三年だ。学科は……そうだな……当ててみろ」


「え? うーん、強襲科ですか?」
「ほう、そう思った理由は?」


「空山先輩は戦闘に慣れていそうな感じがしたので強襲科か諜報科の2つに絞り、諜報科であなたを見かけたことはないので強襲科と予想しました」
「なるほど、良い勘をしている。正解だ。ちなみにランクはEだ」
「おや、僕と同じですね。僕も諜報科Eランクですよ。 確かに先輩は実力を隠すのはお上手そうですね」

「最後の言葉にはあえて触れないでおこう。そういえば名前を聞いていなかったな」
「あ、そうでしたね。では改めて、僕の名前は天原勇人と言います」
「勇人? ………………お前、東京出身か? 両親は?」
!? なんでこんなことを聞くんだ……?


「……さあ? 東京出身ですが、親の顔なんて覚えてませんから」


「そうか……兄弟は?」
兄弟?


「……いるかもしれないし、いないかもしれないと答えておきましょう。色々ありましてね。面倒を見てくれていた年上の子がいたいたんですけどね。もしかしたらその子が僕の兄かもしれませんね」

「そうか…………」
「…………」
「まあ、お互いに仲良くしようぜ。同じ“出身”同士な」
!? 同じ出身!? と言うことは……


「先輩、やっぱり!?」
「おっと、急用を思い出した。じゃあな」
「…………」
(一体、何者なんだ? それに僕の事を知っている……?)




「空山勇輝……やっぱり、“裏”の出身だよな……」
(それに……見覚えがある顔だ…………)



 
 

 
後書き
勇人君が珍解答を連発しましたが、皆さんも一回ぐらいは珍解答をしたことがあるのではないでしょうか?

実際に作者は中学の頃に静電気を青電気と書きました。 
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