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妖精の義兄妹の絆

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連合軍

時はさかのぼり、30分前
ここは合流地点である青い天馬の別荘。そこには既に3つのギルドが集まっていた。
妖精の尻尾からはナツ、グレイ、ルーシィ、エルザ、ハッピー。
青い天馬からは、一夜、ヒビキ、レン、イブ。
蛇姫の鱗からは、ジュラ、リオン、シェリー。
「これで3つのギルドがそろった。残るは化猫の宿の連中のみだ。」
そう言ったのは蛇姫の鱗のエース、岩鉄のジュラだった。
彼は大陸に10人しかいないと言われている聖十大魔道の一人だ。
「連中というか、二人だけと聞いてまぁす。」
そう訂正したのは青い天馬のエース、一夜だった。
その風貌からはとても強そうには見えないが、かなりの実力者のようだ。
「二人だと!!?こんな危ねー作戦にたった二人だけよこすってのか!!?」
「ちょ、ちょっと…どんだけヤバイ奴らが来るのよぉ~。」
そう驚いたのは妖精の尻尾の氷の造形魔導士のグレイと星霊魔導士のルーシィだった。
その時、

タッタッタッタッ

「きゃあっ。痛ぁ…。」

誰かが盛大に転んだ。みんなその人物に注目している。
「あ、あの…遅れてごめんなさい。化猫の宿から来ました、ウェンディです。よろしくお願いします!!」
ウェンディはみんなに挨拶した。
「子供!?」
「女!!?」
「ウェンディ?」
各々驚いた表情をしていた。

キョロキョロ

ウェンディは辺りを見渡している。
「これで全てのギルドがそろった。」
「話進めるのかよっ!!!」
グレイがジュラに鋭くつっこむ。
「この大がかりな討伐作戦にこんなお子様一人をよこすなんて…、化猫の宿はどういうおつもりですの?」
シェリーがウェンディを見て不安を洩らした。
「あら、一人じゃないわよ。ケバいお姉さん。」
「私たちもいますよ。」
「シャルル!エマ!」
ウェンディがそう呼んだのは二人いや、正確には二匹の猫だった。
「ネコ!!!」
ヒビキ、レン、イブ通称トライメンズの三人はシャルルとエマを見て驚いた。
「キュピーン」
ハッピーは同じ猫であるシャルルに目を奪われていた。
シャルルも視線に気づいたのかハッピーに目を移す、がすぐに目をそらした。
「ねぇ、ルーシィ。あのコにオイラの魚あげてきて。」
「きっかけは自分でつくらなきゃダメよ。」
ルーシィはハッピーのお願いを軽く受け流した。
「あ、あの…私…戦闘はぜんぜんできませんけど…、みなさんの役に立つサポートの魔法いっぱい使えます。
だから仲間はずれにしないでください~。」
ウェンディはそう言いながらぐずってしまった。
「そんな弱気だからなめられるの!アンタは。」
「まぁまぁ。」
ウェンディを叱るシャルルをエマが鎮めている。
「すまんな…。少々驚いたがそんなつもりは毛頭ない。よろしく頼む、ウェンディ。」
妖精の尻尾のエルザがウェンディに詫びた。エルザは妖精女王“ティターニア"の字で名が知れ渡っている。
「うわわ…エルザさんだ。…本物だよシャルル、エマ。」
「思ってたより良い女ね。」
「品がありそうですね。」
三人のエルザに対する第一印象は良いようだ。
「お、オイラの事知ってる?ネコマンダーのハッピー!!」
すかさずハッピーはシャルルにアピールした。しかし、またもやシャルルは無視した。
「てれてる…かわいい~。」
「相手にされてないようにも見えるけど。」
ルーシィはハッピーにつっこんだ。
「あの娘、将来美人になるぞ。」
「今でも十分かわいいよ。」
レンとイブがウェンディについて話している。
「さ、お嬢さんこちらへ…。」
「えっ、あの…。」
ヒビキは神業的な速さでウェンディをエスコートした。
「早っ!!!」
すかさずつっこむ。
離れた所から見ていた一夜とジュラが話していた。
「あの娘…なんという香りだ…、ただ者ではないな。」
「気づいたのか一夜殿、あれはワシ等とは何か違う魔力だ…。エルザ殿も気づいているようだが。」
「さ、さすが。」
一夜とジュラ、そしてエルザはウェンディの魔力に反応した。
場所を戻してトライメンズがウェンディに絡んでいた。
「オレンジジュースでいいかな。」
「おしぼりをどうぞ。」
「あの…えーと…。」
「なんなのこのオスども!!」
「あ、私はカプチーノをお願いします。」
ウェンディは困っており、シャルルはいらいらしていて、エマは好物のカプチーノを注文した。
「ウェンディ…。」
妖精の尻尾のナツはウェンディを見て何か考え事をしている。このナツもエルザとは違う意味で有名人だ。
「どうしたナツ。」
グレイがナツに尋ねる。
「どこかで聞いたことがあるようなないような…、う~む…。


思いだしてくんねーか?」
「知るか!!!」
ナツはグレイに無茶ぶりした。
ナツは再びウェンディの方に目を向けたとき、ウェンディと目があった。

にこぉ

ウェンディはナツに笑顔を向けるがナツはやはり思い出せなさそうな顔をしていた。
「さて、全員そろったようなので、私の方から作戦の説明をしよう。」
一夜が作戦内容を説明するようだ。
「あ、待ってください、まだお…ムグッ。」
「?なにかな。」
「なんでもないわ、続けてちょうだい。」
シャルルはウェンディの口を塞ぎ、一夜に説明を促した。
「うむ。とその前にトイレの香りを。」
「おい。」
「そこに香りってつけるな…。」
グレイがちょこちょこ歩きをする一夜につっこんだ。
一夜が戻ってくるまでの間、ウェンディはシャルルに言った。
「ヒソヒソ…なんでお兄ちゃんの事話さないの…?」
「タクヤも言ってたでしょ。こいつらに話したりしたらタクヤを助けにいく可能性があるわ。
そうなっては連合軍の作戦が水の泡になるの。私たちが全滅でもしたらそれこそ六魔将軍の思うつぼだわ。」
シャルルはウェンディに事の重大さを説明した。
「それにタクヤなら大丈夫です。一度でもウェンディの約束を破ったことはありますか?」
「フルフル…、そうだよね。お兄ちゃんならきっと…。」
ウェンディはシャルルとエマのおかげで納得した。
ちょうどそのとき、トイレから一夜が帰ってきた。








「ここから北に行くとワース樹海が広がっている。古代人たちはその樹海にある強大な魔法を封印した。





その名を、ニルヴァーナ。」
「?」
「ニルヴァーナ?」
「聞かぬ魔法だ。」
「ジュラ様は?」
「いや、知らんな。」
妖精の尻尾も蛇姫の鱗も知らない魔法だった。
「知ってる?てか、魚いる?」
「結構。」
ハッピーは作戦そっちのけでシャルルに魚をプレゼントしようとしたが、あっけなく断られた。
「古代人が封印するほどの破壊魔法という事だけはわかっているが。」
「どんな魔法かはわかってないんだ。」
レンとイブがみんなに説明する。
「六魔将軍が樹海に集結したのはきっと、ニルヴァーナを手に入れる為なんだ。」
さらにヒビキが補足する。
「我々はそれを阻止する為、六魔将軍を討つ!!!!」
「こっちは12人、敵は6人。だけどあなどっちゃいけない。この6人がまたとんでもなく強いんだ。」
そう言い終わるとヒビキは6つのモニターを出した。
「毒蛇を使う魔導士、コブラ。その名からしてスピード系の魔法を使うと思われる、レーサー。
天眼のホットアイ。心を覗けるという女、エンジェル。この男の情報が少ないのだがミッドナイトと呼ばれている。
そして奴等の司令塔、ブレイン。」
ヒビキが六魔将軍のコードネームを伝えると、さらに説明を続けた。
「それぞれがたった一人でギルドの一つくらいは潰せるほどの魔力を持つ。我々は数的有利を利用するんだ。」
「あ、あの…あたしは頭数に入れないでほしいんだけど…。」
「私も戦うのは苦手です。」
ルーシィとウェンディは弱音をはいた。
「ウェンディ!!弱音をはかないの!!」
やはりシャルルが叱った。
「安心したまえ、我々の作戦は戦闘だけにあらず。奴等の拠点を見つけてくれればいい。」
一夜がルーシィとウェンディに言った。
「拠点?」
「今はまだ奴等を捕捉できていないが樹海は奴等の仮説拠点があると推測される。」
リオンの疑問をレンが素早く対応する。
「もし可能なら奴等全員をその拠点に集めてほしい。」
一夜の提案にグレイが言った。
「どうやって?」
「殴ってにきまってんだろ。」
「けっきょく戦うんじゃない。」
ルーシィがナツの発言につっこんだ。話が進まないのでエルザが話を戻した。
「集めてどうするのだ?」
エルザが質問したとき、ヒビキが空に指を指した。
「我がギルドが大陸に誇る天馬、クリスティーナで拠点もろとも葬り去る!!!!」
「おぉ!!!」
「魔導爆撃艇!?」
リオンとシェリーがその存在に驚いた。
「てか、人間相手にそこまでやる?」
「そういう相手なのだ。よいか…戦闘になっても決して一人で戦ってはいかん。敵一人に対して必ず二人以上でやるんだ。」
ルーシィはジュラに喝を入れられ血の気が引くのを感じた。
「おしっ!!!燃えてきたぞ。」
ナツは気合入れ別荘から全力疾走で走り出した。
「6人まとめてオレが相手してやるァー!!!!」
「ナツ!!!」
「話聞いてねーだろ!!」
「仕方ない、行くぞ。」
「うえ~。」
「ったく、あのバカ。」
エルザ、ルーシィ、グレイもナツの後を追って別荘を出た。
「妖精の尻尾には負けられんな。行くぞシェリー。」
「はい!!!」
「リオン!!シェリー!!」
ジュラの声は届かず、リオンとシェリーも別荘を後にした。
「俺たちも行くぞ!!」
「うん!!」
「エンジェルかぁ。」
同じくトライメンズも後を追う。
「あわわわ…。」
ウェンディはその場からしばらく動けないでいた。
「大丈夫…!!オイラがついてるよ。」
なんとも頼もしいセリフを言ったが、
「ウェンディ行くわよっ!!ほら!メスネコも!!」
「わっわっ。」
「待ってくださぁい。」
ウェンディたちには全然聞こえていなかったようだ。
「あ!!待ってよ~。」
ハッピーはさっきとは対照的な頼りない声を洩らして後を追った。

ドタドタドタドタ

「やれやれ。」
「メェーン。」
ジュラと、一夜はため息をついていた。
「なにはともあれ作戦開始だ。我々も行くとしよう。」
「その前にジュラさん。」
先を急ごうとしたジュラを一夜は引き留めた。
「かの聖十大魔道の一人だと聞いていますが…、その実力はマスターマカロフにも匹敵するので?」
一夜がジュラに質問した。一夜が言うマスターマカロフとは妖精の尻尾のマスターであり、聖十大魔道の一人なのだ。
「滅相もない。聖十の称号は評議会で決めるもの、ワシなどは末席。
同じ称号を持っていてもマスターマカロフと比べられたら天と地ほど差があるよ。」
ジュラは恐れ多いという気持ちでいっぱいだった。
「ほう。それを聞いて安心しました。マカロフと同じ強さだったらどうしようと思ってまして…。」
そのとき、
「!うっ。」
ジュラは辺りに漂う香りに気づいた。
「な、なんだ、この臭いは…!!?」
必死で臭いを吸わないようにとジュラは口に手を当てたが手遅れだった。
「相手の戦意を消失させる魔法の香り…だってさ。」
その瞬間、一夜はジュラに潜ませていた短剣を腹部へ突き刺した。
「ぐほっ。」
ジュラは強烈な痛みに耐えながら一夜を見ると、一夜の体が形を変え二つの人形のようなものになった。
「ふう。」
「戻ったー。」
ジュラは目の前で何が起きているのかわからないでいた。
「一夜って奴エロイ事しか考えてないよ。」
「考えてないね!ダメな大人だね。」
二つの人形がジュラの目の前で流暢に喋っている。
「はいはい!文句言わない。」
そのとき、奥から一人の女が現れた。
「「ピーリピーリ」」
「こ、これは…。」
ジュラは女に問いかけた。
「あー…、あのキタナイ男ねぇ…。




コピーさせてもらったゾ。おかげでアナタたちの作戦は全部わかったゾ。」
この女の名はエンジェル。六魔将軍の一人である。
「「僕たちコピーした人のかんがえまでわかるんだー。」」
「な…。」
ジュラは驚愕した。
「は~い。まずは2人しとめたゾ。」
その頃、一夜はトイレで気を失っていた。
「メェーン。」
ジュラも痛みに耐えきれず気絶してしまった。
「邪魔はさせないゾ。光の子たち。
邪魔する子は天使“エンジェル”が裁くゾ。」
ついに、六魔将軍が動き出した。

 
 

 
後書き
はい!7話完了。…これでムズいですね。セリフ間違ってないか原作を読み返して書いてますがなかなかムズいです。
どういう言い回しにするか、どんな言い回しがあるのか、そんなことばっかり考えています。
あぁ、誰か…。私に国語力ください。ということで次回もなるべく早く投稿しようとおもいますのでよろしくお願いします。 
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