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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第6章:女の決意・男の勘違い
  第38話:隙あらば攻撃

 
前書き
今日は私にとって記念日だったので、なんとか書き終え更新しました。
何の記念日かはヒミツ♥ 

 
(デスキャッスル)
マーニャSIDE

リュカの言葉責めと、一方的な攻撃というド変態プレイに苛まれてた化け物デスピサロが、ロザリーの愛(笑)という奇跡によって、元の姿に戻ってゆく。
ウルフが“リュカの作戦はキングレオのときと同じ”と説明してたけど、その彼すらも不安にさせるドSぶりだった。

「うっ……ロ、ロザリー……危ないじゃないか、化け物に近付いちゃ……」
元のイケメン(リュカ似)に戻り記憶も復活した様で、無茶をするロザリーに優しく叱るデスピサロ。
これで彼に状況を説明し、理解を得られれば一段落つくと思ってたのだが……

「トウッ!」(ゲシッ!)「ぐはぁ!!」
何を考えたのかリュカのドロップキックがデスピサロに炸裂!
化け物から元に戻った為、全裸(マッパ)だったのだが、そこそこのイチモツを御開帳し気絶した。

「リュカさんと顔は同じですけど、アソコは小さいですね姉さん」
「下品な事を言うんじゃありません!」
何でこんな娘に育ってしまったのか……つーか今はそれどころじゃないだろうに。
何でリュカは攻撃したんだ!?

「な、何をするんですかリュカさん!?」
「そうだリュカ! デスピサロ様は正気を取り戻してたんだぞ!」
「え、そうなのぉ? また暴れ出すんじゃないかと思ってトドメを……テヘ♥」

絶対嘘だ! 同じ顔が情けない姿で、情けない事を言ってるのがムカついたんだ、きっと。
ロザリー・ラピスは大激怒、私達は唖然としてるのだが、家族は大爆笑でリュカの行動を容認している。なんて非常識な一族なんだ!?

マーニャSIDE END



(デスキャッスル)
シンSIDE

コイツがデスピサロ……俺の家族と村の人々を殺した張本人。
憎しみに囚われてはいけない事は解ってる……しかし、リュカさんのドロップキックに唖然としながらも、気分が良かった事も事実。
でも、あの非常識一家と同類と思われたくないから彼には紳士的な態度で接しよう。

「し、しかし……本当にリュカさんとソックリですよね」
「そうだなシン君。これは見分けを付ける為に(デスピサロ)の顔に大きい傷を付けておくか?」
何とか話を進めようと口を開いたのだけど、非常識一族は非常識さを炸裂させ続け、笑いながら酷い事を言い出した。

「何てことを言うんですかウルフさんは!? ピサロ様の顔に傷など付けさせませんよ!」
「そうよウルフ君! 別人とは言え、この顔に傷を付ける事は私が許しません! 
私の旦那と同じ顔なのよ!」
ロザリーさんが怒るのは解るけど、さっきまで大笑いしてたビアンカさんが怒るのは……

「それに見分けなら付くでしょ! パンツ脱がせば一目瞭然よ!」
「そうですねビアンカさん! アレだけは全然似てませんもんね」
やっぱりビアンカさんも非常識一族だったが、ミネアさんまでも非常識発言をするとは……

「こ、こら……下品な事を言うんじゃないと言ってるでしょミネア!」
妹さんにだけはマーニャさんがツッコミを入れる。
しかし、この非常識な雰囲気は継続したままだ。どうしよう……

「ほら……リーダーが纏めないとダメでしょ(笑)」
俺の脇腹を肘で突き、この状況を纏める様シンシアがせっついてくる。
えぇ~俺なのぉ~……

「あ、あの……パンツ脱がさなくても区別付くでしょ! デスピサロさんは銀髪だし耳も長い。何より目付きが悪ですよ」
「そうだよ、僕の方が断然イケメンだよ!」
あぁ……折角纏めようとしてるのに、非常識代表がまた口を挟んできた。

「それよりさぁ……何時までもここに居るのはやめようよ。そいつも裸だし、服は無いの? 武器は側に落ちてたけど、普段から裸だったの?」
「ち、違います! お洋服は私の部屋に戻れば替えがありますぅ!」
ロザリーさんが頬を膨らませリュカさんの言葉に抗議する。

「ロザリーヒルか……仕方ない、ルーラ使ってやるか。ほらウルフ……その全裸(マッパ)男を担げ。一旦ロザリーヒルへ行くぞ」
「何で俺が男を担がなきゃならないんだよ!? 嫌だよ……服着てるならいざしらず、全裸(マッパ)状態なんて御免被る!」

「無礼な事を言うな馬鹿者! 私がお運びするからお前等は近付くな」
「だ、ダメですよラピスさんは! だって……下心あるでしょ?」
リュカさんとウルフさんが裸デスピサロさんを押し付け合ってると、業を煮やしたラピスさんがデスピサロさんを運ぶ役目を買って出た。しかしロザリーさんがそれに反対する。

「し、下心とは心外です!」
「だって……ラピスさんはピサロ様の事を好きなんでしょ? 何か……嫌です、我が儘なのは解ってるんですけど、何か嫌なんです!」

「ほら……やっぱりウルフが担ぐべきだよね」
「ふざけんな、同じ顔のお前が担げ! ルーラを使う張本人が担いだ方が無駄が無くて良いだろうが!」
「黙れ馬鹿共……デスピサロ様を物扱いするんじゃない! 私が丁重にお運びするから良いんだ!」

「ダメです! 私のピサロ様にエッチな感情で触れないで下さい」
あぁ……だめだ。
コイツ等じゃ話が堂々巡りになる。

「俺が……俺がデスピサロさんを運びます! 以前は家族を殺されて憎んでましたけど、リュカさんの言葉で憎しむ事の無意味さを知りました。だから……」
コイツ等には有無を言わせず大声で志願する。

流石に理解したのか、皆さん静かになった……しかし、
「うん。じゃぁその鎧は変えた方が良いな。おいトルネコ……確か『刃の鎧』持ってたよな? それを一旦シンに貸してあげてよ。その方が面白い(笑)」

「お、面白いって何ですか!? ト、トルネコさんもそんな危ない鎧を用意しないで下さいよ!」
リュカさんの無茶苦茶な提案に、即座に対応するトルネコさんが腹立つ!
いくら自分を売り込みたいからって……

「良い子ちゃんな事言ってるけど、奴が寝てる間に少しは両親の敵討ちをしちゃおうって思ってるんだろ? 殺さないまでもアレちょん切ってやろうとか思ってんだろう?」
心配げにデスピサロさんを抱きかかえるロザリーさんと、彼の剣を抱きかかえるラピスさんが“サイテ~!”って感じの目で俺を睨む。そんな気無いのに!

「ちょん切るならアンタのを切ってやるよ、出せこの野郎!!」
「お、シン君……手伝うぞ俺も」
思わず出た俺の言葉にウルフさんが嬉しそうに同意してきた。どうしてそんなに楽しそうなんだ?

「ちょっとアンタ達……リュカのソレは私のなんだからね! 勝手な事すると殺すわよ……」
やばい……ビアンカさんを敵に回してしまった!
「ち、違うんですよビアンカさん! ビアンカさんはお美しいんだし、もっと良い男を見つけるべきなんです。ね、ねぇウルフさん!?」

「馬鹿、リュカさん以上の男なんて居るわけ無いだろ!」
あ、裏切られた。
満面の笑顔でウルフさんに裏切られたよ、俺。

「ピサロ様は渡しませんからね!」
進退窮まって辺りを見回してたら、偶然ロザリーさんと目が合い、勘違いした彼女が声高らかに抗議する。
すると……

「要らないわよ、そんな根暗祖チン野郎なんて!」
「ひど~いビアンカさん! ピサロ様のは祖チンじゃないですぅ! リュカさんのが大きすぎるんですぅ!」
おいおい……美女が二人、大声で何を言っちゃってるんだい!?

「そうだそうだ! アンタの暴れん坊将軍はデカ過ぎだー! ちょっとは周囲への配慮をしろ馬鹿野郎」
「黙れ馬鹿者! 美女達への配慮の結果、今の暴れん坊将軍が存在するんだ……敬意をはらえ小市民ども!」

「まったくその通りです、リュカさんのソレは他に類を見ない程素晴らしいですわ! 敬意をはらうべきです……ね、ラピスさん!」
「え~っと……この件に関しては同意です。申し訳ございませんロザリー様」

つくづく自分が非常識団体に身を置いてると思える。
ミネアさんとラピスさんの愛人二人が、正妻であるビアンカさんと連合してリュカさん擁護派へ付いた。

ミネアさんの暴走を押さえないマーニャさんに視線を移すと、『もう無理!』とばかりに両手を合わせ頭を下げてくる。
ダメだ……これ以上この連中と関わってると、何時が自身の常識も崩壊しそうだ。

「もう解りましたよ……兎も角ロザリーヒルへ……俺がデスピサロさんを抱えますから、リュカさんはルーラで運んで下さいよ。本当お願いしますよ……」
早く全てを終わらせて、リュカさん達から離れなきゃ……

シンシアに視線を向けると、心底楽しそうに爆笑している。
頼むよ本当に……

シンSIDE END



 
 

 
後書き
「暴れん坊将軍」の対義語は「小市民」と確定しました。
みんなよろしくね。 
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