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東方清天落

作者:にゅるめ
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5話

 
前書き
前回からかなり間があいてしまいました。
頑張ります。
第5話、スタートです。 

 
―――博麗神社 階段―――

境内へと続いているだろう階段を上る。
階段は思っていた通りなかなかに長く、疲れる。

「……。」

言葉もない。さて、鳥居が近くなってきた。これで巫女がいなかったらどうしようか。
どうもできないけど。

「……ふぅ。やっと終わりか。」

階段を上りきり鳥居をくぐると、広くもないが狭くもない、ちょっと広いくらいか?
賽銭箱のあたりで、巫女らしき人物が竹箒を持って掃除している。
……と思えば座って茶と煎餅を齧り始めた。
彼女が博麗神社の巫女だろうか。そんなことを考え、歩き出そうとすると。

「おーい!」
「……?」

声をかけられたかと思い振り向くが……誰もいない。
?風が……

「暑いぜ暑いぜ。相も変わらず暇そうだな、霊夢。」
「なによ、ちゃんと仕事してるじゃない。」
「私には茶を飲んで煎餅を食べているようにしか見えなかったんだが。」
「休憩よ、休憩。こんな暑い日に掃除なんてやってられないわ。」

先ほどちゃんと仕事してると言っていたのは何だったのか。
というか今、飛んでこなかったか?箒に乗って。
特にリアクションは無いし、これが常識なのだろうか。

ちなみに、金髪のロングヘアーに黒い大きな三角帽子。目も、金色……かな?
服のほうも白と黒のまさに魔法使いといった服装に、これまた定番な
箒を持っている。ちなみに、身長は少し小さい。

「そんなんじゃいつまで経っても掃除は終わんないぜ。」
「のんびりでいいのよ。のんびりで。あわてて終わらせる必要がどこに
 あるのよ。」

巫女のほうは霊夢というらしい。
黒い髪に大きな赤いリボン。顔の横で髪の一部をまとめて、
赤い髪飾りを付けている。だいたい肩ぐらいの長さか。
巫女装束……?は、変わった様式をしている。
胸元には赤いリボン。問題の装束は、下半身は普通の巫女が着用するものと共通しているが、上半身のほうは、袖が繋がっていなく、肩周りや脇が露出する、特徴的なデザインをしている。

「確かに掃除はあわてる必要はないが、あっちはあわてたほうがいいんじゃないのか?」

いいのか。掃除はいいのか。仕事なんじゃないのか。
ていうかお前さっきツッコんでたろう。

「あっち……?」
「ああ、もしかして参拝客なんて久しぶりすぎてわかんなくなっているのか?」
「……参拝客?」

飛んできた方の少女がこちらを向き、合わせるように巫女のほうもこちらに目を向ける。

ツッコミをしている場合じゃないみたいだ。
ていうかこっちに気づいていなかったのか。

「……参拝客っていうか、あれはどう見ても。」

とりあえず、話しかけないわけにもいかない。
もともとそれが目的だし、きっかけができたのだ、切り出しやすい。

巫女たちのほうへ歩みを進める。

「……外来人じゃない。」

どうやら俺が外来人だってことは気づいているようだ。
ならば話もはやい。なんかめんどくさそうな顔をされたが気にしない。

「……。」
「……。」

誰だきっかけができたーやら切り出しやすいーと言ったやつは。
依然こちらを「めんどくさそうなやつが来たななんなんだよ?」みたいな顔で見てきている。飛んできた少女は初めからその気はないようだ。

どうしたらいいのだろうか……。

「……あー、えっと、博麗神社の巫女さんを探して来たんですけど、
 あなたがそうですか?」
「そうよ。それで?どうしたの?」
「はい、僕、外来人なんですけど、昨日こっちに送られてきたばかりなんです。
 それで、偶然出会った人に、それなら神社に行って、巫女に会うといいと
 言われたもので。」
「そう。自分が外来人だってことは、わかってるのね?」
「ええ、さっき言った人がいろいろと教えてくださったので……。」

そこで俺は妹紅と慧音に教えてもらったことで、確かな事だけを、俺が知っていることとして巫女に伝えた。

「……ふーん。それじゃあ、あなたはどうしたいの?」
「?どうしたい?」
「外の世界に帰りたいかってことよ。私なら今すぐにでもあなたも外にいかせてあげられるわ。」

驚いた。慧音が長いことこちらにいるだろうと言っていたから、そう簡単には
出ることはできないと思っていたのだが……。
だがまぁ、帰ることはできない。

「いえ、元の世界には戻りたくはないです。というより、戻れないというか……。」
「なんだ?外でなんかやらかしたのか?」

飛んできた方の少女に話しかけられた。やらかした、か……
印象悪くなりそうだけど、他に思い浮かばないな……

「やらかしたというか、うーん……。」
「なんだ、はっきりしないな、別にいいけれど。」

いいのか。じゃあなんで聞いたんだ。

「じゃあ、あんたはこっちに住むってこと?」
「一生というわけではないですが……そうですね、しばらくはこちらに住むつもりです。」
「でもあんた住むとこはどうすんのよ?人里には空いてる家なんてないだろうし。
 まさか、神社に住むっていうんじゃないでしょうね?」
「いや、そこは大丈夫です。当てはあるので。」
「……ふーん?そう。なら、私がこれ以上とやかく言う事は無いわね。」
「いいのか?霊夢?一応スぺカとか説明した方がいいと思うんだが。」
「大丈夫でしょ。どうせさっき言ってた、『送られたときにあった人』に教えてもらってるでしょ。まぁ、知ってても妖怪に襲われたら普通の人だったらダメだろうけど。」

ふむ。

「……んーと……はい、教えてもらってます。他にも基本な事なら大体は教えてもらってます。」
「なんだ、そうなのか。心配して損したぜ。それじゃあ話はこれで終わりだな。
 私は霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)っていうんだ。なんか困ったことがあったら相談に乗るぜ?」
「そういえば自己紹介まだだったわね。博麗霊夢(はくれい れいむ)よ。ここ博麗神社の巫女ね。」
「あ、僕は天城照平です。ほんとありがとうございました。」
「んじゃあ天城、人里まで送っていくよ、妖怪に襲われたら大変だしな。」
「お願いしてもいいですか?霧雨さん。」
「ああ、構わないぜ。あと、魔理沙でいいぜ。さん付けで呼ばれるのはあまり慣れてないんでな。敬語も。」
「じゃあ、魔理沙、よろしくね。少し手前で降ろしてくれるとうれしいな。」
「わかった。じゃあ、霊夢、ちょいと行ってくるぜ。」
「はいはい、途中で落っことさないようにね。」

不吉な事を言われたが気にしない。飛べるのが驚くに値しないのなら、別に大丈夫だろう。

―――移動中 夕方―――

「……あ、魔理沙。ここらへんで大丈夫だよ。」
「お、そうか?ちょっと待ってな。」

ゆっくりと下降する。
地面が近くなり、俺から先に降りる。

「ふぅ、助かったよ、魔理沙。ありがとう。」
「これぐらい、気にしなくていいよ。普段も暇なときは神社にいるから、困ったら
 とりあえず行ってみるといいぜ。」
「うん、わかった。……早速、ひとつ聞いてもいいかな?」
「おう、なんだ?」
「スペルカードルールは教えてもらったんだけど、弾幕とかよくわかんなくって……。
 どうすれば弾幕になるのかとか、そもそも弾幕の出し方とか、まるでわかんなくって。」
「ああ、そんなことか。簡単だぜ。」

そういって魔理沙は、ポンと星の形をした弾(弾幕だから弾だろう)を一つ、手の上に
出した。
うむ、なるほどわからん。

「簡単って言ったって……どうやってだしたのさ。」
「まぁまぁそう焦るな。私のこれは、魔法で生み出してるんだ。」
「魔法?それ僕には無理じゃない。」
「焦るなって。私はこうやって作っているが、何も弾幕はこれだけじゃない。
 霊夢なんかは、お札をばらまいて弾幕にしているぜ。」
「いや、僕には無理ですよ。」
「物わかりが悪いな。つまりは、何でもいいってことだ。木の葉を集めて飛ばしても、
 水しぶきを飛ばしてもいい。もちろん相手を殺してしまってはダメだがな。」

殺してはダメ……妖怪退治はどういう扱いなんだろうか。

「なんでもいいって……例えば、例えばの話。それが個人の持つ能力によるものでも?」
「ああ、そうだ。……なにか勘違いしてそうだから言っておくぜ。
 スペルカードはあくまで遊びであって、血なまぐさいものではない。
妖怪が人を襲ったり、人が妖怪退治をするのとは全くの別物だぜ?」
「ああ、そうなんだ。そういうのも全部スぺカで行うものだと思ってたよ。」

あくまで喧嘩であって、本気の殺し合いではないってことか。

「残念ながらもう日も落ちてきたから見せてやれないが、機会があったら見せてやるよ。
 もう今日は帰るぜ。」
「ああ、うん。また今度ねー。」

魔理沙は箒に乗って森のほうへと飛んで行った。
家はあっちの方なのか。

「さーて、これからどうしようかな。まずは寝床からだ……。」

魔理沙たちの前ではああいったものの、当てなど全くない。
妖怪相手にどれほど自分の力が通用するか試したがためにこんなとこに降ろしてもらったが、スぺカ以外では心配だ。いきなり死んではいけないだろう。
妖怪というくらいだから結構強いだろうし。
妖精は相手にしたくないしなぁ。

「とりあえず、魔理沙と鉢合わせないようにするか。」

俺は魔理沙とは逆方向へ歩いて行った。
同じく森だけれども。
 
 

 
後書き
どうでしょうか?
やはり会話文も説明文も難しいです。
全部ですね。
口調とか激ムズムズムズ丸です。 
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