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東方清天落

作者:にゅるめ
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4話

 
前書き
さて、4話です。
慧音の丁寧語とそうでないときの
境界がわからない……。
儚月抄は漫画版しか読んでないのです。
なんの言い訳にもなりませんがね。 

 
「……くぁ、ふう。よく寝たな……」

宿なんて初めてだから心配だったが、思っていたよりも疲労があったのか、
ぐっすりと眠れた。ふと洗い場のほうを見ると、夜に洗った食器はもう回収されていた。

「……ん。そいえば今何時くらいだろう。時計は……っと。」

ふむ。これは本当に明治時代らしい。定時法であるのが幸いか。
時刻は……だいたい10時30分位か。

「さて、昼には少し早いかも知れないが、長居するのもなんだ。散歩でもしよう。」

起きたら声をかけてくれって言っていた気がする。
鏡で変なところは無いかチェックし、受付のほうへと歩く。

「……あら、おはよう。調子はどうだい?」
「おはようございます。おかげさまで大分良くなりました!」
「そうかい、そりゃよかった。この後はどうするんだい?」
「ええ、ちょうどこっちに来た時に知り合った方がいるんですけど、
 その人と一緒に博麗神社ってとこに行くつもりです。」

正確には少し違うが、まぁ、こんなものだろう。

「ん、久しぶりに聞いたね、博麗神社。ここから結構長いし、妖怪も出るから早めに行った方がいいと思うわよ?」
「はい、そうします。……ところで、こんなことを聞いていいのかわかりませんが。」
「ん?なんだい?だいたいの事ならわかるし、遠慮なく聞いてくれていいよ?」
「それでは……。えと、妖怪がここ、里を襲う事って、ないんですか?」

そう、妖怪が人を襲うものならば、こうして人間が集まっている人里など、
餌場になりえるのではないか。俺はそのことが気になっていた。

「ん、それは滅多にないね。というより、ありえないって言ってもいいかもしれないね。
 事情はどうせ巫女から聞くだろうから省くけど、襲われるって言ったって、喧嘩とかそんなもんさ。」

ここでも事情。妖怪と人間のバランスが~なんて妹紅が言っていた気がするし、
色々あるのかもしれない。巫女かぁ。

「そうなのですか……。すみません、突然に。」
「いいのよ、別に。それに待ち合わせてるんだろう?喋ってて大丈夫なのかい?」
「……ああ、そうですね。では、そろそろ。」
「ああ、いっといで。またそのうち、また来てくれたら、うれしいね。」
「ふふ、では、そのうちに。」

おばちゃんと挨拶を交わして俺は宿を出る。昼というと、大体正午あたりか。
あと1時間くらいあるな……。

「ぐるっと一周してみるか。昨日の人にも会えたらいいな。」

まぁ、会えないだろうけど。用もないのに寺子屋にいくのは気が引ける。
昨日の妹紅の言っていたことを思い出し、考えながらそこらをぶらぶらしよう。

(妹紅は、幻想郷以外を外の世界と呼んでいるって言ってたな。ということは幻想郷は
 中……というか、内側なのか?といっても何かで区切られているようにも見えない。
 俺には陸続きにしか見えないが……形式的にそう呼んでいるだけ?ありえないか。
 ここ以外に世界が存在していることを当たり前のように言っていたし。
 となると、外の、僕の居た世界にも幻想郷は存在していた?)

考えれと考えなくちゃいけないことが出てくる。なんともスッキリしない。
はやく巫女に会えないものか。見たものでしか考えられないこの頭が恨めしい。

(……意外と広いんだな。何もせずに歩いてもまだ半分くらいか?少しペース上げたほうがいいかも知れないな。)

もう大体20分ちょい……30分といったほうがいいかも知れないくらいの時間は
経っていた。
やはり未知に関して解読するのは難しい。これだけ長いこと考えても何もわからない。
頭使うのも疲れてきたし、ここからは本格的にふらふらしよう。
本格もなにもないが。

―――数十分後―――

さて、ここらでそろそろ人里一周。住めるようなとこ見つからなかったな……。
そこらへんも巫女に聞いてみようか……頼ってばかりで甘ったるい事この上ないけど。

(昨日はここらへんで別れたんだっけ?間違えてはないと思うが。)

昨日別れたあたりで待つこと数分。妹紅が見えた。

「……あ、妹紅!良かった。場所ここで間違えてたらどうしようかと思った。」
「ん、少し待たせたかしら?」
「いや、そんなことはないよ?初めてきた場所って、なにかと不安になるものだよ。」
「そういう風には見えないけどね。お昼食べてないでしょう?」
「うん、食べてない。妹紅も?」
「ええ、そうよ。お金の使い方ついでにいいかと思って。」
「ほんとに助かるよ。ぐるっとは回ったけど、全然わかんないし。」
「そうでしょうね。それじゃあ早速……と行きたいとこだけど、教えるのは私じゃあないわ。お昼も一緒じゃあない。」
「え?じゃあ……妹紅の知り合いの人?」
「そうよ。生憎と私にも色々と用事があってね。ついてきて?」
「うん、わかった。」

言われて後ろをついていくと、なんとなく見たところ……というか完全に寺子屋に向って
いた。ん?まさか、妹紅の知り合いって?

「ちょっと待ってて。確か、今日は寺子屋のほうはやってないと思うから。」

そう言って妹紅は中へと入っていった。いや、ホント偶然なんてレベルじゃあないだろう。
少し経って。

「……待たせたわね。神社まで一緒に行ってくれるそうよ。」
「ちょっと待て、妹紅!準備が……ん、ごめんなさい。お待たせしました……って、え?」
「ど、どうも。」

やはりそうだった。昨日の宿まで案内してくれた人だ。

「あれ?神社に行きたい外来人って、あなた?」
「あはは……、はい、そうです。僕です。」
「ん?なんだ?あなたたちもう会ってたの?」

僕は妹紅にあのあと何があったのかを簡単に説明した。

「ああ、そういうこと。慧音らしいね。」
「……そういえば、お名前伺ってませんでした。僕は天城照平って、言います。」
「ああ、すまない。私は上白沢 慧音(かみしらさわ けいね)と言います。
 ……妹紅、私の事紹介してなかったのか?」
「いや、まぁ、しょうがないだろ?まともに人と話すのも久しぶりだし。」
「まったく、気持ちはわかるけど、もう少し人とコミュニケーションとるようにしないとだめですよ?」

彼女は上白沢慧音というらしい。
妹紅と同じように腰ほどまでの長い髪、頭には帽子と赤いリボンをつけている。
服は上下一体の青い服。袖は結構短く、白い。胸元にも赤いリボン。
下半身のほうはスカートになってて、白のレースが幾重にも重なっているよう。

「別にいいでしょ、それに今はこっちのが重要じゃない?」
「む、確かに。お昼は済ませたんですか?」
「ううん、まだよ。お金の使い方とかも、教えてあげてくれない?」
「よし、わかった。じゃあ、あとは任せてください。妹紅も忙しいでしょう?」
「そうね、私はそろそろ帰るとするわ。また後でね。」
「あ、うん。ありがとね、妹紅。」

妹紅と上白沢さんは結構仲がいいみたいだ。

「さて、それじゃあ私の事は慧音って呼んで構わないですよ?もう知らない仲じゃないんですし。それと、敬語も。私のはまぁ、癖なので。」
「え?いいの?あんまり褒められた言葉づかいじゃないよ?僕。」
「構いませんよ。これから長い事こっちにいるでしょうし。」
「じゃあ、そうするよ。これからよろしくね、慧音。」
「ええ、よろしくお願いします。照平。」

それから俺たちは適当に昼ご飯を済ませ、神社へと向かった。

―――人里から博麗神社 道中―――

「さて、照平。まだ妖怪とは戦ったことはないですよね?」
「うん、幻想郷に来てからちらほらとは見たけれど。」

意外にも人里にも妖怪がいた。人とともに生活をする妖怪もいるらしい。
スペルカードルールができた影響なのだろうか。

「まぁ、基本妖怪も人間を襲う事はあれど喰うまではあまりしないですけどね。」
「え?そうなの?なんか妹紅が言っていたのと違うような……。」
「口下手ですからね、妹紅は。妖怪の存在意義として人間に恐れられるというのがあって、
 それを満たすために、形だけでもというのがほとんどです。
 人を驚かすのが生き甲斐な妖怪とかもいますし。基本やるやられるは
 “スペルカードルール”を用いるのが多いですね。」
「……うーん、言い方が悪いかもだけれど、妹紅は少し古いというか、遅れてる?
 なんかそのスペルカードルールも新しいからよくわかんない、って言っていたし。」
「あはは!そうかもしれませんね。」

慧音にいろいろ教えてもらいながら神社に向かう。
なるほど、敵意や殺意は妖怪として必要不可欠なのか。
実際に喰われることもあるみたいだから、怯える必要が無いわけでもないみたいだけれど。
妖怪と人間のバランスか。

そんなことを考えていると、視界に黒い塊が見えた。

(……なんだ?あれ?黒い……っていうか、暗いっていうか、そういうもんじゃない。)

ふよふよと漂っているだけのように見えるが、あれも妖怪なのだろうか?

「……ねぇ、慧音?あの黒い塊はいったい?」
「ん?……ああ、あれも妖怪です。あまり自分から人を食べることは無いですが、
 たまたま鉢合わせたりしたら逃げるのをおすすめします。」
「そうなんだ……。でも、あの黒いのはなんなの?まさかあれが妖怪?」
「いえ、あれは妖怪自身で出している魔法の闇です。松明さえ無効化されてしまうので、
 人が入ったら視界は無いと思います。気を付けたほうがいいですよ?」

様々な妖怪がいるんだな。人となんら変わらない妖怪もいたし、一人のときは
注意した方がいいな。

「さっきの話の続きですけど、これまた普通に人を食べたり襲ったりする妖怪もいるんですよね。」
「え!そうなの?」
「ほとんどいませんけどね。例えば向こうに見える大きな山。妖怪の山と呼ばれているんですけど、あそこの妖怪たちは仲間意識、縄張り意識が強く、侵入者を許さず排除しにかかるので、いかないほうがいいです。」
「妖怪にもいろんな奴がいるんですねぇ。」
「そこらへんは人間とそう変わらないかもしれないですね。」

力が強すぎる人間たちとでも考えればいいのだろうか。
まぁ、それは会って話してみないとわからないか。

そんなことを話してかなり時間が経った、と思う。
神社遠すぎだろ、初詣めんどくさそう。

「そろそろ着くと思いますよ?ほら、階段が見えてきたでしょう?」

ふむ、確かに見えていたが……階段上りたくない。
これ初詣ちょーめんどくさいパティーンじゃん。

「さて、なぜだか妖怪が襲ってきませんでしたね。普段なら神社までは
 妖怪がでるのですが……。」
「え?そうなの?妖怪がいるっていう感じもしなかったけれど、いつもは居るの?」
「はい、というより参拝客がいない原因にそれもありますね。」

参拝客がいない?初耳だぞ、それ。そんな当たり前のことのように言われても。
人里の近くにだって神社も寺もそんなにあるわけじゃないし。
しかもそれ「も」って。他にもあるのか、いない原因が。
……そういやおばちゃんも、久しぶりに聞いた、なんて言っていたな。

「では、申し訳ありませんが私はここらで。寺子屋は休みですが、もう一つ仕事が
 あるので……。」
「あ、忙しいのに、ごめんね?昨日からほんとに助かったよ。ありがとう。」
「ここからはもう妖怪も出ませんから、安心してください。
 私が巫女に説明できればよかったんですけど……。」
「いや、少しは自分で頑張らないと。いつまでも世話になってちゃ悪いしねぇ。」
「うむ、そうだな。ではそろそろ、失礼しますね。」
「うん、今日もありがとうね。」

さて、この長い階段を上らなくては。こういう時にほんと魔法が使えたらいいのにと思う。
バヒューンとひとっ飛びみたいな、ね。
 
 

 
後書き
スペルカードルールとか、妖怪は人間をどの程度食べているのかとか。
ぜんぜんわからないです。
説明も分かり辛い、矛盾とかありまくりです。
そもそも妖怪は人間を食べてもいいのだろうか。
スペカに勝っても人を食べちゃいけないみたいだし。
わけわかめー!! 
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