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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第55話 麻帆良祭最終日-その2-

 
前書き
麻帆良祭終了です 

 
 超(チャオ)がISを装備して高畑氏をボコボコにした頃、オレ・リニス・木乃香・フェイト・アルフがそれをどこで見ていたかというと、実は麻帆良の世界樹の中腹の枝の上からだ。
 サーチャーを跳ばして一部始終を見ていたりする。
 意外と高畑氏が粘った気もしないではないが、想定の範囲内だ。
 もちろん、次々と他の魔法先生がやられていくのもだが。



 とまぁそんな感じで関東魔法協会では今回の件の収拾は不可能と判断して行動に移ることにする。

 で、どうするかというと簡単な話で、超が世界樹の魔力を使って何からの行動をするなら、「その世界樹が無ければいいよね」、という話だ。

 ぶっちゃけ、木乃香の膨大な魔力を軸に世界樹を「時の庭園」へ転移させるだけなんだけどね。

 ついでにオレ達も一緒に転移してしまえば、どこからも察知されなくなるので完璧なはずだ。





  ☆  ★  ☆  





 というわけで、「時の庭園」だ。

 実際「世界樹をどこかに転移させ、超の計画を根本的なところから破綻させる」というのは結構早くに思いついたが、「どこに?」というのでかなり迷った。

 日本異能協会の本拠地に転移させようかとも思ったが、世界樹が移設されたことを関東魔法協会あるいは魔法世界のメガロメセンブリア連合にばれるといらぬちょっかいをかけられると思い、関係者以外にばれない「時の庭園」に転移させることにしたのだ。

 あらかじめ準備しておいた「時の庭園」内の丘?っぽい処に世界樹を植え替え休憩していると麻帆良学園に残してきた千雨から連絡が入る。

 どうやら無事超の計画は防げたらしい。

 世界樹を失った超は呆然としていたようだが、計画の失敗を悟り、元世界樹のあった丘に戻り、そこから消えたらしい。

 うん、あれだ。恐らくどうにもならないのでそれこそ改めて過去に戻るなり、元々自分のいた時間軸に戻って行ったんだろう。

 超を捕まえることはできなかったが、それ自体は自分の任務に入っていないのでどうでもいいか。





  ☆  ★  ☆  





 さて、麻帆良祭最終日から3日経った。

 現在の状況を軽くまとめると、ネギ以外の魔法先生は最終日の翌日、正確にはそれぞれが時間跳躍弾で跳ばされた24時間後に麻帆良学園の敷地内にある人目の付かない丘へと時間転移してきた。

 当然何が何やらわからん状態だったようだけど、高畑氏を筆頭に自分らがテロリスト超にしてやられたことだけは理解したらしい。

 というか、世界樹が無くなっているんだから理解せざるを得なかった。

 ああ、超だが結局彼女は麻帆良祭最終日より姿が見えず、世界樹を盗んだテロリストとして指名手配されている。
 魔法の暴露云々はフェイクだったという結論だ。


 ………。


 おかげで、世界樹の件は誰にも話せなくなってしまいました。


 閑話休題。


 近衛近衛門は現在拘留中だ。

 裏の世界云々ではなく、表の世界で拘留されている。

 理由はISコアの紛失についてらしい。

 世界で467個、その内日本にある数が20個---それでもアメリカに続いて世界第2位の保有数なのだが---で、政府より託され麻帆良で研究されていた物が超ともども行方不明になったのだ。最優先で事情徴集やら責任追及やらで拘留されても仕方がない、んだろう。

 近衛近衛門が表の世界で拘留されているため、麻帆良学園代表者不在で裏の世界の話は進んで行く。
 高畑氏?
 一応前線に出ず、時間跳躍弾で跳ばされなかった魔法先生が学園長代理で話し合いに参加はしたらしいが、世界樹を盗まれるなんて言う失態を犯した立場でほとんど発言できず---それでも近衛近衛門が話し合いに参加できていたら何らかの発言はしただろうが---話し合いは進んでいく。

 紆余曲折の上最初に決まったのは魔法学園としての麻帆良学園の解体と日本異能協会への関東魔法協会の吸収だ。

 世界樹が無くなってしまったことで、麻帆良市内に麻帆良結界を張り続けることが不可能となり、世界樹の魔力の残滓を使うことにより、日々徐々に結界を緩め、1月後には麻帆良結界が無くなる予定だ。

 魔法世界出身の関東魔法協会所属の魔法使いから反対意見は多々あったが、世界樹という結界の要が無くなった以上どうすることもできず、元々の世界樹の保護という理由が無くなったのもあり、メガロメセンブリアの麻帆良学園都市という魔法世界の出先機関の放棄が決定した。

 麻帆良結界が無くなったことにより、魔法世界出身の魔法使い達にも今後彼らの言う旧世界の日本で活動しにくくなるのはわかったのだろう---代替地を用意しろと言うふざけた意見も一部出たが一考にすら値しなかった---続々と魔法世界に帰ることを表明している。

 もっとも彼らの言う旧世界での出先機関である「麻帆良学園都市」を失う原因となった彼らに魔法世界でどんな立場があるのかは疑問だが。
 ただ、原作を知っているオレとしては一応オコジョ刑は逃れているんだからましなんじゃないかと思う。

 そして、魔法世界出身の魔法使いがいなくなれば、関東魔法協会としては、日本異能協会に帰属するのは自明の理であり、吸収されることが決定した。

 さて、テロリスト超一味であるが、スナイパーとして魔法先生を一蹴した「龍宮真名」は逃亡に成功し捕まっていない。裏世界で指名手配はされたらしいが、魔法世界に逃げてしまえば逃げ切れるだろう。協力者である「葉加瀬聡美」は司法取引が成立し、日本異能協会の下で研究奉仕することで落ち着いた。また、電子戦で関東魔法協会を散々に翻弄した「絡繰茶々丸」は創造主たる超の命令であったことも鑑み、砕いて言うと主であるエヴァへの貸し一つというカタチとなった。「四葉五月」については、超の資金調達に利用されただけであり、裏関係に関わりはないという結論となり、一定の監視下に数年おかれることとなった。そして、「朝倉和美」は彼女及び彼女の周りの諸々の証言により、知っていた上での協力者と認定され、地球世界から魔法世界への追放が決定した。超一味で他に処罰できないという大人の事情もあり、いささか厳しいがあえて言うなら自業自得である。

 なお、行方不明のネギだが、超について「全て任せてください!!」とか言っていたらしいので、その責任を取ることになるだろう。

 朝倉同様魔法世界への追放とオコジョ刑ぐらいか。

 近衛近衛門というネギを庇う存在がいないので減刑も難しいだろう。あるとしたら魔法世界での減刑から「英雄の息子」という操り人形化だろう。

 もっとも3日経った現在、神楽坂、宮崎、桜咲、長瀬、綾瀬、早乙女、古(クー)の7人と一緒に行方不明なのでむしろそっちの方がマズイ。
 神楽坂、桜咲、ついでに長瀬は保護者が裏世界の関係者、古は保護者が海外なので未だに騒ぎになっていないが、宮崎と早乙女と綾瀬は両親共に一般人なのでバレたらワイドショーネタだろう。
 当然、日本異能協会による隠蔽が行われるだろうが、対象が今回の元凶のネギだけにおざなりの対応になりかねん。

 どうなることやら………。
 
 

 
後書き
とまぁ、こんな感じでこの世界での近衛門の野望は潰えました。
とりあえず今後この世界ではISコアは466個となります。 
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