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ガールズ&パンツァー もう一人の転校生

作者:stk
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一回戦第八試合 名門、北海学園

 
前書き
少し早いですが4月分です。 

 
「ただ今より。大狩流派祭決勝トーナメント一回戦第八試合、国立北海学園対宮城県立青葉女子学園の試合を始めます。一同、礼。」
「「よろしくね。」」
「「よろしくお願いします。」」
今年の北海学園は例年に比べてに比べて経験者が多く。
白河女子高校と同等と呼ばれているほどである。
それに、今日のステージは草原兼森の冬バージョン。
どっからどう見ても北海学園に有利な戦場なのである。
今回のステージを決めたのはここの管理者。
つまりは夏村未来である。
子供の遊び感覚でステージを決めたわけではないと思う。多分だけど何かしらの理由はあるはず。
私はそう思っています。
なお、今日の実況は白河女子高校現レッドチーム隊長の大狩氷華がします。
ちなみに私がここにいるのは北海学園の偵察がメインです。
「はぁ~。この試合の結末は誰にでも詠めそうな気がするんだけどね。」
実際、誰もいない観客席をみればこの試合の期待度は低いみたい。
私はそこまで過小評価はしないけどね。
でも勝てるかはともかく、ここまで来たことは誉めるべきだよね。
この大会に初参加で決勝トーナメントまで来たんだから。
「この会場の説明を行います。まず、このステージは四季全てをいつでも体験出来るように私たちの科学技術を数動員して作りました。そして人口島でありながら、本物そっくりな自然。これにより本州同様の試合を行えると考えています。」
やっぱり訳のわからない技術だね。
私たちでは理解できないよ。
「それでは試合開始。」
おっとー。
始まったね。
今までのデータによると青葉女子学園はただ突っ込むだけの集団だったはずだよね。
一体、どう動くのかな?
「あれ~。氷華じゃん。なにやってるの?」
「梨華お姉さま。・・・あのね。これには理由があるの。」
たしか梨華お姉さまがいまいる大洗女子学園は青葉女子学園と仲が良かったんだよね。
これは失礼なことを言っちゃった。
「なんのこと?私はただ試合を見に来ただけだよ。そこに興味を無さそうな氷華がいたから声をかけただけなんだけど。」
興味が無さそうって。
まぁ、興味なんて無かったのですけど。
私のことを見抜けるなんて。
流石は梨華お姉さまですね。
「梨華お姉さまは青葉女子学園の応援ですか?」
仲がいいくらいだもん。
応援に来てもおかしくないよね。
「ううん。私たちは本当に試合を見に来ただけだよ。」
梨華お姉さまがただ試合を見に来るだけなんてありえない。
なにかこの試合で確かめたいことがあるんだ。
この勝敗が明らかな試合で。
《ドォーン》
『北海学園、二両行動不能。残り三両。』
へ?
今なんて言ってましたか?
北海学園の戦車が行動不能?
あり得ません。
一体どんな手を使ったと言うのですか?
「へぇ~。抜け穴式包囲網ですか。珍しいですね。」
抜け穴式包囲網とは読んで字のごとく。
まず、敵戦車を囲んでから、あえて逃げ道を一本作ります。
それも仕掛け側のミスを装って。
そしてその逃げ道から逃げた戦車を待ち伏せしていた戦車で叩くと言う戦法。
一試合で一回しか使えないであろう戦術である。
まさかこんな技を使ってくるなんて。
結構侮れないね、桜さん。



「お姉ちゃん。青葉女子学園にそんなこと大技ができるなんて思わないのですが。」
氷華の言う通りでもある。
でも桜の戦術は私の思っていた上をも行っている。
「お姉ちゃん。なにか知っているなら教えてくださいよ。」
「氷華。今の私たちは敵どおしなんですよ。そんな私にそんなことを聞くのですか?」
「お姉ちゃん。なんか冷たくなった?」
「冷たくなんかないよ。ただ、一般的に考えてものを言ってるだけだよ。」
それにしてもひとつの作戦がうまくいったからといって、このまま簡単に勝てるとは思えないのだけどね。
相手もそんなにバカではない。
ここ状況から打開する手をもう考え付いているはず。
《ドォーン》
大型のディスプレイに映し出されたのは北海学園の戦車が一斉に雪の固まりに向かって発砲したこと。
雪に発砲してもなんの・・・あっ!
そうか。
青葉女子学園は本拠地から考えてこう言うての作戦には詳しくない。
そもそも、雪、冬のステージでは北海学園や予選トーナメントの室蘭水産高等学校、釧路女子高等学校、登別高等学校、恵庭高等学校、上越高等学校などには勝てるわけがない。
《ドォーン》
《ドォーン、ドォーン》
『青葉女子学園、三両行動不能。残り二両。』
雪で視界を悪くしてから移動して、囲んでいた三両を叩く。
なんて言うか、雪国ならではの発想だね。
どうなるかはまだわからないけど、ここからが大変だね。
とくに桜にとっては。
二両しかないとなると作戦を考えるのは難しい。
三両ならまだなんとかなったけど。
今までの青葉女子学園なら正面から突っ込むだけなんだけど、今回は様子が違う。
一体どおするの?





「隊長。これで相手の戦力は結構削れたのではないですか?」
「違うよ。ここからが大変なんだよ。」
私も青葉女子学園だから侮っていたよ。
まさかここまで戦略を考えてくるなんて。
なんだか久しぶりにドキドキしてきたよ。
「はる。相手はたぶん、一対二に持ち込もうとすると思うんだ。」
「へぇ~。それはなんでそう思ったの?」
なんでって言われてもね~。
だった一両あたりの戦力の違いがあって、私たちの方が上ならば一対一では勝てないとすぐにわかるはず。
それなら何かしらの方法で一両ずつ誘きだして、行動不能にする方が確率は高い。
よく奥州の人たちが使っていたと言われる戦法だね。
でもこんな戦法をまだ使う人がいたなんて。
私としてはそこが一番驚きなんだけどね。
「はる。私の方が年下で経験も浅いんだけど、そんな私から聞いて恥ずかしくないの?」
「そりゃ~、恥ずかしいかもしれないですけど、私よりもさえのほうが上手いのは分かりきっていることですから。」
なんだ。
はるも一緒なんだ。
はるだけは私に対抗意識を持ってくれていると思っていたのに。
残念だな~。
大森も私と同じで大狩家の分家であるはずなのに。
そもそも次の隊長ははるの予定だったんだよ。
「さえ。そろそろ仕掛けないの?」
「まだ。今迂闊に動いても相手の場所は特定できないから、相手が少しでも動くのを待つよ。」
「最近、さえが何を考えているか分からないのだけどね。」
最近ね~。
と言うことは、はるも少しは私がやってきった練習の意味は少しは分かっているんだ。
ならこのあとの行動はわかってほしいのでけどな~。
期待しても無理っぽいから諦めるけど。
『隊長。敵戦車の足跡を確認しました。』
「了解です。」
偵察に出していた仲間からの報告を受けると、
私はその地点から私たちに回り込むためのルートを二ルート考えた。
それは、
「森にはいってから私たちに攻撃を仕掛けるかもしれない。だから一両はそっちにいって。」
『了解。』
そしてもう一両はたぶん、回り込むんではなくて、もう一度今さっきの場所に戻ってくる。
だから正面に一両を配置。
「足跡があった方に一両向かって。」
『了解。』
たぶん、これでチェックメイト。
相手の裏の裏の裏まで詠まないといけないよ。
そしてとっさの判断も大事かな。
今日みたいに情報と違うこともあるみたいだからね。
それにしても、青葉女子学園にここまでの策士がいたなんてね。
驚いたよ。
正直なところ、私たちのチームに欲しいかな。
でも私たち相手によく頑張った方だよ。
私たちに勝てそうなのは白河女子高か黒森峰女学院、プラウダ高校しかないと思う。
そういった意味だと本当に可哀想だね。
『隊長。一両発見しました。』
回り込んだいた敵戦車を偵察のために出した仲間が見つけてくれた。
しかも私の予感だと今見つけたのは相手の隊長が乗っていると思われる戦車だと思う。
それを迎撃できたのならそれに越したことはない。
『隊長。正面にも戦車が戻ってきましたが、こちらには気付いていないようです。』
これはチャンス。
二両一編に撃破できるよ。
それなら。
「二両とも、一発で決めるよ。」
何時もよりかは長かったかな。
でも結果は同じだからいいかな。
「それでは準備ができた戦車より撃っていいよ。」
『『了解。』』
そして数秒のやり取りが終わり。
《ドォーン、ドォーン。》
試合終了かな。
『青葉女子学園、二両行動不能。よって北海学園の勝利。』
いつも通りかな。
でも私としては楽しい試合だったよ。




「どうするんだよ。もう私たちも入れて二両しか残っていないぞ。(桜のやつ、一体何を考えているんだ?)」
「・・・どうするの?」
このままいつものようにやってはすぐにばれる。
それなら相手の考えていることの裏を詠んで、
「二人とも。私たちは一度、側面に行くよ。」
「「ええぇぇぇぇーーーーー。」」
そんなに驚くことかな?
でも何時の行動パターンじゃないから当然の反応かな?
それでもこうしないといけないと思うの。
私たちがこの試合を勝つためにはいつもの行動パターンを捨てないといけない。
無闇に突っ込むのは絶対にやってはいけない。
そうなると、もう一両には、
「一旦、側面に行く振りをしてからそのあとすぐに今のところに戻ってきて、そこから相手戦車を狙って。」
「了解です。」
北海学園の隊長も中々の策士とは聞いているけど、情報が少なすぎれば私たちの行動は詠めないよね。
それに、今は玲菜も協力してくれているしね。
平塚水産高校附属中学では特別賞を受賞した程の腕前だものね。
昨日の夜は皆に内緒で二人で作戦も考えた。
万が一のことも考えておいてよかったとも今は思っている。
「側面に着きましたが、相手戦車は一両しかいません。」
一両しかいない?
まさか、
「全方位に注意して。私たちが逆に誘き寄せられたのかもしれない。」
『桜。どうしよう。行動を詠まれていたみたいだよ。』
玲菜たちもなの?
万事休すかな。
「急いで砲塔を回転させて。」
『了解。』
「私たちも回転させちゃって。」
「了解。」
後ろから回り込まれる確率が一番高い。
それなら《ドォーン、ドォーン。》えっ?
『青葉女子学園。二両行動不能。よって北海学園の勝利。』
まさか影に隠れていたなんて。
気付かなかった。
『ゴメン。間に合わなかったよ。』
「ううん。気にしないで。」
やっぱり強いよ、北海学園は。






「北海学園の勝利。」
「「「「ありがとうございました。」」」」
さえにしては手こずってやっていたけどそこまで苦戦するものかな?
梨華お姉さまはこの結果をどお見ているのかな?
「梨華お姉さま?今日の試合はいかがでしたか?」
「う~ん。」
そこまで難しいのですか?
「簡単にいってしまえば桜の作戦が甘かったで済むけど、それ以外にも色々と問題があったね。」
その問題が気になるんですけど?
しかしそのあとも梨華お姉さまは大切な情報や、今の試合の反省点を教えてくれはしませんでした。
今日の試合結果
一回戦第八試合。
北海学園vs青葉女子学園
北海学園の逆転勝利。
一回戦第七試合
修善寺女子高校vsサンダース大附属高
サンダース大附属高が無線傍受を逆手にとられて二大会連続初戦敗退。 
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