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とある委員会の委員長 番外編~STB編~

作者:stk
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神々の古代兵器
  第二話

「僕と友達になってください。」
「えっ?」
あれ?
僕、なんか変なこと言ったかな?
僕としては大真面目だったんだけど。
「あの。私なんかで良いのですか?」
「えっ?もちろんだよ。僕はね、僕のことを開発者や研究者としか見てくれなかった人たちが多かったせいか、人に好意を持つことがあまりできないんだ。でも姫柊さんは僕をただの人間として見てくれた。それだけで十分だよ。」
そう。
僕を僕として見てくれる人間は僕が知っている限り三人しかいない。
一人は僕の姉、木原雫。
もう一人は僕の妹の木原咲。
そして最後に今見つけた姫柊雪菜。
まさか敵と考えていた獅子王機関の剣巫に僕が望むことを言われるなんて。
思ってもいなかったよ。
「でもゴメンね。僕は僕のやることがあるからいかなる場合でも姫柊さんの手伝いは出来ないんだ。」
本当にゴメンね。
でもこれがルールなんだ。
仕事に関係すること以外で僕は力を行使することが出来ないんだ。
「気にしないでください。私は誰かの力を借りようなんて思っていません。」
それもどうかとは思うけど。
「それにしても歩くんはどおして学園都市のそこまで拘るのですか?」
それは簡単だよ。
「僕には肉親が二人しかいなくてね。僕の肉親は姉と妹しかいないんだ。」
僕の両親は分かっていない。
分かっているのはDNA検査の結果で僕がしず姉と咲と肉親にあると言うことだけ。
「しず姉は学園都市の闇と昔からずっと戦ってきているんだ。」
学園都市の闇は多分だけど姫柊さんの考えている以上に暗く、深い。
それは底が決して見えることがないくらい。
「咲はしず姉よりは安全なところにいるんだ。咲はイギリス清教第零聖堂区。通称ネセサリウスで魔術生誕の理由を探っているんだ。」
魔術生誕の理由を探しているといくらかの危険はある。
十字教にとって好ましくない理由が出てきてしまった場合は処罰を受けてします。
そのせいで今までにも多くの生誕理由を探ったものたちが殺されている。
でも僕は咲ならそんなヘマをしないと信じているんだけどね。
「だから僕はね、危険な道をわたっている姉の手伝いをしたいと思ったんだ。闇を潰すことはできなくても、姉の研究者としての頭脳を借りたいと思っている人間は大勢いる。そこで僕は姉の代わりに危険な実験であっても参加しているんだ。こう見えて、僕も学園都市(あっち)では名の知られた研究者なんだよ。」



「お待ちしてました。ってあれ?木原雫博士ではないのですか。」
「すいません。代わりと言ってはなんですが、僕が手伝います。」
私は名刺ケースから一枚の名刺を取り出した。
「お前があの木原歩か!!!」
「はい。そうです。・・・ところで何なんですか?このおんぼろ設備は!いくら実験をしてもこれでは成功しないのでは?」
設備が古すぎる。
こんなのでは出来るものも出来ないよ。
「うるさい!!!お前ならこの計画を成功に導けるんだろ!!!」
「はぁ~。」
またか。
どこの研究者もやっぱり同じなんだね。
「僕の名前を聞いただけでそんなことどおして言うの?あなたたちも研究者でしょ。自分達でやってみようとか思わないの?」
「そんなことはどおでもいい。とにかく失敗は許さないからな!!!」
「あのさ、おじさんたちは自分が何を言っているのか分かってるの?」
「どお言うことだ!」
まったく。
研究者なら少しは頭を使って考えなよ。
それでも本当に研究者なの?
・・・あっ。
そうか。
だからこの人たちは簡単な研究もろくに出来ない無能な連中なのか。
「僕はあなたたちが出来ないから代わりに実験をやるんだよ。簡単に言ってしまうとね、つまりこの実験はもう僕の仕事なんだよ。だから実験の成功も失敗も僕が決める。それが嫌なら他を当たってよ。」
「勝手なことを抜かすな!!!これは俺たちが考えた研究だ。お前が成功の有無を決めていいわけがないだろう!!!」
あっ、そっ。
なら僕は帰るだけだよ。
それじゃあ頑張ってね、無能な研究者のおじさん方。
僕は後ろを振り返り来た道を帰ろうとした。
「実験の内容を知られて普通に帰すとか思ってねえだろうな!!!」
はぁ~。
めんどくさいな~。
それにしてもこの人たちはバカなのかな?
僕に勝てるとでも思っているのかな?
思い上がりも甚だしいな。
「おじさんたち。今なら見逃してあげるけど、どおする?」
「小僧。お前こそこの人数から逃げれるとでも思っているのか!!!」
「ふふふ。はーはっはは。バカな人たち。」
このおじさんたちは僕を怒らせるのが好きみたいだね。
仕方がない。
おじさんたち。
死んで!!!
辺り一体に強い風が吹き始めた。
もちろん僕の能力である。
「こんな風ごときで勝てるとで思っているのか!!!」
こんなのまだ序の口だよ。
本番はこれからだよ。
僕が発生させたこの風に電気を流し込めば、
「終わりだよ、おじさんたち。それじゃあ、バイバイ、風電(ふうでん)。」
いつの間にかおじさんたちは風の渦に囲まれていた。
そして外側にいた人から順に、
「「うわわわぁぁぁぁーーーー。」」
感電し、倒れていった。
この電気の電圧は軽く見積もっても300万V。
人が触れれば一瞬にして丸焦げである。
段々と渦は小さくなり渦の中に残っているのは威勢の良かったあのおじさんだけになっていた。
「すまん。悪かった。だから助けてくれ。お願いだ。」
最後は許しを請うんだ。
最低だね。
「おじさん。僕はもう飽きちゃったんだ。」
「と言うことは?」
「能力を止めるなんてめんどくさいことはしたくない。」
「そんな。待ってくれ!」
「じゃあね。おじさん。」
僕は空間移動(テレポート)をしてあの場所から離れてきた。
僕の憶測だと生存者はいないはず。

次の日のニュースであの研究所の名前が上がっていた。
研究者たちは研究中の事故のによる感電死でその場にいた全員が事故死と言うことで片付けられていた。



「歩くん。私は研究者である以前に一人の人間として歩くんを見ています。これから歩くんを道具みたいに使う人が現れたときは私が許しません!」
なんでだろう。
すごく嬉しい。
科学的な根拠はなにもないというのに。
「・・・姫柊さん。」
僕は姫柊さんに抱きついた。
僕の年齢からするにまだ甘えたい年頃なんだと、無理に理由を探していた。
「姫柊さん。お願いがあるんだ。」
「なんですか?」
「僕の前から消えないで!」
なんだか告白みたいで恥ずかしい。
でも言わずにいられなかった。
「歩くん。恥ずかしいので離れてもらえますか?」
「いや。」
離れたくないけど何時かは離れなければならない。
なら抱きつけるときはおもいっきり抱きついておかないと。
「歩くん。そろそろ授業が始まっちゃいますよ。」
「もう少しだけ。」
なんでだろう。
こうしているとなんだか幸せな気分になってきた。



「授業をサボって屋上で抱き合っているとはいいご身分だな。」
まさか空隙の魔女に見つかるなんて。
僕も甘かった。
まさか空隙の魔女がここの教師をやっているなんて。
一生の不覚だ~。
「攻魔師同士で何を考えていたのかじっくりと聞かせてもらおうか!」
不味いな~。
逃げても捕まるし、どうすれば?
「南宮先生。私が悪いんです。私が幼少の話を聞いてほしいなんていってしまったから。」
!!!
「何を言っているのさ。元々は僕のわがままが原因なんだから。」
そう。
僕は授業のことを分かっていて、姫柊さんと一緒にいたくて残ってもらったんだから。
「空隙の魔女。僕が知っている情報はなんでも教えます。だから姫柊さんには・・・僕の友達は返してあげてください。」
「ちょっと待ってください。あゆ「いいだろう。」・・・南宮先生。それなら私も。」
「転校生は今すぐ教室に戻って授業を受けろ。」
結構厳しい人なのかな?
驚きだね!
あっ。ヤバイや。
もし空隙の魔女と二人っきりで話をしたなんていったらしず姉に何て言われることか。
「それから孤独な死神。学校では南宮先生と呼べ。」
「はい。ですが僕からもお願いが。」
「なんだ。」
「なるべく孤独な死神と呼ばないでください。」
「そうか。木原。行くぞ。」
どのにつれていかれるやら。 
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