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魔法少女リリカルなのは ~黒影の死神~

作者:白鳥才牙
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『三十四話』~歌姫を探せ 後編~

 拓斗side

 誘拐などの状況に遭遇した場合、最初にすることは連絡だ。
 警察ではない。日本の警察は誘拐やテロなどにはあまり強くない。
 この時に連絡するのは戦力になる人間に限る。
 今回連絡するのは当然――


『拓斗君どうしたんだい? 君が携帯電話に掛けてくるなんて珍しいじゃないか』


 ――士郎だ。
 今現在、俺が知っている一般人で一番強いのは士郎だ。それに高町家には恭也さんや美由紀さんもいる。
 戦力にはもってこいだ。


「まあな。少し困ったことに遭遇してな」

『困ったこと?』

「なのは達が誘拐された」

『っ!? …それで?』

「何処に行ったかは分からないが、今から探知をかけてみる。できれば保険として恭也さんと美由紀さんに協力を頼みたいんだが」

『分かった。今は恭也しかいないから恭也を捜索に出す。場所が分かり次第恭也に連絡してくれ。僕も準備してからすぐに行く』

「分かった」


 そう言ってから通話を切る。


「『ソウルプロテクト』解除。『索敵複眼方陣(サーチングサイト・スクエア)』」


 周囲に無数の光の枠が出現する。
 その枠には様々な場所の映像が流れていた。

 『索敵複眼方陣(サーチングサイト・スクエア)』は簡単にいえばミッドなどで言うサーチャーの役割をする魔法だ。
 違うところは機械ではなく純粋な魔力のみで構成されているところだろうか。

 サーチングサイト・スクエアを見ている事数分。


「……いた」


 見つけた場所を確認したら魔法を解除してから恭也さんに連絡し、夜になりかけた空をかけた。















「ここで……あってるな」


 辿りついた場所は港で人気が全くない倉庫だった。
 さて、中に進入を…む、あそこにあるのはエアダクトか。あのサイズなら俺でも充分通れるな。

 60㎝四方の四角いダクトの中に飛んで入る。
 こういう時は空を飛べるとかなり便利だな。
 通気口の金網を気の力で斬り破って中に入る。

(さてさて、どんな風になってるかな?)


 俺は物音を立てずダクトの中を進む。
 暫く進むと、出られそうな場所を発見。

 またも金網だったが同じように斬り裂いて出る。
 勿論、周囲の確認は忘れずに。

 どうやら吹き抜けで俺は2階部分に当たる箇所に居るみたいだな。

 下を見たら…手足を縛られたなのは、アリサ、すずかの三人が居た。

 目を覚ましているようだ。なのはとすずかは黙り込んでいるが、アリサは金切り声を上げて暴れていた。


「さっさと離しなさい! ただじゃおかないわよ!!」

「だからさらっただけで何もしねぇよ。俺達が用があるのは『月夜の歌姫』だけだ」

「なんですって!?」


 俺に?


「歌姫とアタシ達に何の関係があんのよ!!」

「いや、特に関係はねぇさ。ただ、ある噂を聞いてな」

「噂?」


 噂? 俺が知ってる中で誘拐なんかに通じるような噂は無かったはずだが……


「あぁ、歌姫の歌声が様々な所でほぼ毎日聞こえるのは知ってるか?」

「当然よ。そんなの海鳴のほとんどの人が知ってるわ」

「だろうな。ある日のことだ。その日は海鳴公園で歌姫の歌声は流れて来たんだが、突然止まったんだ」

「? 何で? 私が知っている中では途中で歌が中断されたことは無い筈よ」

「まぁ聞け。歌声が止まって一分もしないうちに公園の近くで大きな轟音が響いたんだ」

「何があったんですか?」


 話が気になったのか、黙り込んでいたすずかが男に尋ねた。


「轟音のした場所には地面に突き刺さった無数の鉄柱とそのすぐそばに座りこんだ女性がいたんだと」

「それは鉄柱が降ってきたってこと?」

「そのとおりだ。女性は茫然とした状態だったらしい」

「それは当然だと思うの。すぐそばに鉄柱が降ってきたんでしょ? 誰でもそうなると思うの」


 なのはも話に参加してくる。


「ここからが重要なんだよ。その女性はたまたま近くに鉄柱が落ちて来たんじゃなく、誰かが真上から降って来た鉄柱から助けてくれたって言ってたんだ。周りに誰もいなかったのにだぞ?」

「女性を助けたのが『月夜の歌姫』だって言いたいの?」

「そういうもっぱらの噂ってだけだ」


 なるほど。この事件の全容が見えてきたぞ。


「つまり……その噂を再現してるんですか?」

「まぁ……そうだな」

「……馬鹿じゃないの?」


 アリサの意見に激しく同意だ。何の根拠でそんな噂を信じたんだか……
 というかアイツよくしゃべるな


「仕方ないんだ! もうこれしか方法がないんだよ!!」

「仕方ないって何がよ!? どんな理由があんの!?」

「それは……まぁいいか。勝手に連れてきちまったしな、お詫びだ」


 おしゃべりスカウトマン男の話では彼らは万屋……所謂なんでも屋で唯雇われただけらしい。
 仕事内容は『月夜の歌姫』のスカウト、少なくとも事務所には連れてこいとのこと。
 だけど相手は誰も見た事のない、存在しないかもしれない人間だ。捜しようがない。
 情報収集や張り込みなど、様々な方法で捜したが姿のすの字も見えてこない。
 そこに先程の噂が耳に入った。
 そのことをクライアントに報告するとクライアントは誰かを誘拐して誘いだせと命令したのだ。
 いくら何でもやり過ぎだと彼等は反対したが結局クライアントには逆らえなかった。
 その時に噂が起きたという海鳴公園でなのは達を見つけ、勢いで誘拐してしまったということだ。


「それは……」

「ちょっと……」

「難しいって言うよりむちゃくちゃじゃないそれ……」

「だろ? 分かってくれるか。もうほんと大変でさ……」


 おしゃべり万屋男……もうおしゃべりでいいや。おしゃべりはその後もなのは達に対して仕事の愚痴をこぼし、なのは達はそれを親身に聞いていた。


(というかおしゃべりは誘拐犯だよな? なのは達は誘拐されたんだよな? 何でお前らそんなに仲良くなってんだ?)


 今大声で言ってやりたい気持ちを抑えながら携帯を取り出し恭也さんに電話する。


『どうしたんだ? 見つけたのか?』

「見つけたのは見つけたんですけど……これ俺一人で十分みたいです。というかこの事件の発端は俺らしいんで」

『何? ……どういうことだ?』

「今から説明するので……とりあえず何故か電話から伝わってくる殺気を抑えてくれませんかね? 強くないはずなのになんか怖いんですよマジで」










 拓斗、説明中










『なるほどな。それでなのは達が…………よし、お前今すぐに『自分が月夜の歌姫だ』と自白しろ』

「ちょっと恭也さん? 俺が何で歌姫やってるか知ってますよね? それを知っていて尚自白しろと?」

『月夜の歌姫はなのはと交わした約束のことだろ? もう再会して長いんだし、そろそろいいんじゃないか?』

「そうかもしれないですけど、やk「何を言ってるんですか!!?」ん?」

『どうした?』

「ちょっと待って下さい」


 恭也さんに一言断りを入れてから再び下を覗き込む。
 そこには先程いたなのは達とおしゃべり以外にも複数の男がいた。

 おしゃべりがなのは達をかばうように立っている。

 おしゃべりの正面にはいかにも悪そうな格好をしているちょび髭の男を囲うように黒服達が八人、そして入口あたりには見張りと思われる黒服が三人。

 ちょび髭がクライアントの芸能事務所の人間、黒服達はおそらく金で雇ったボディガードといったところだろう。
 しかしあの風貌で芸能事務所に勤めてんのか? あのゴツい体と顔で? どう見たって


「確かに誘拐をしても歌姫は来ません。ですが! だからってこの子達を殺すというのはどういうことですか!?」

「だから歌姫一人の為に誘拐してしまった事に問題がある。もし解放して誘拐をしたことを警察に通報されたらどうする? 命じた私が捕まってしまうだろう。逮捕されるのはゴメンなのでね、証拠は隠滅しないといけない。……しかし、私は運がいい。バニングスの小娘をさらってくるなんてな。これは大金が手に入る」

「なっ!? 殺すだけでなく身代金を!? 自分が何を考えているのかわかっていr「黙りな!」グハッ!!」


 ちょび髭に叫ぶおしゃべりを近くにいた黒服が殴り飛ばす。


「「「お兄さん(おしゃべり)!!」」」


 それを見て思わず声を出すなのは達。というかアリサ、お前もおしゃべりって思ってたのか……


「別に選択肢は殺すだけじゃねえよ。調教して精神ぶっ壊して俺らの操り人形にするって選択肢もあるしなぁ」

「どうせなら今やろうぜ」

「うはっ! お前ロリコンかよ!」

「せっかく良い顔してんだからやるっきゃね~だろ?」

「そうだな」

「あ~、俺らもいいッスか?」

「お~やれやれ」


 いきなり盛り上がる黒服達。


「……状況がかなりマズイ方へ変わりました今から言うところへ今すぐ来て下さい」

『どうした?』

「なのは達が危ないです」

『っ!? 分かった、今すぐ向かう! 場所は!?』

「場所は……」


 恭也さんとの通話を終え、三度下を覗き込む。


「勝手な事をするな……」


 盛り上がっている黒服達をちょび髭とめるように口を開く。


「キサマらは喋り過ぎだ」

「す、すみません!!」

「しかし、バニングスの小娘だけでなくいらない小娘も拐うか。無駄な手間を掛けさせるな」


 アリサを指差し言い放つちょび髭。


「で、ですがこの二人は月村と高町のガキです! 利用価値はあります!」

「ほぅ……高町……なるほどな……」


 なのはの名字である高町の名を聞いたちょび髭は声色を変える。


「ククク……なるほど……奴には少々借りがある……奴の娘を辱しめて奴の前に曝すのもいいだろう……」


 ちょび髭は愉悦に染まった表情で楽しそうに言う。
 コイツ等は何を言ってる? ちょび髭は芸能事務所の人間じゃないのか?


「では……」

「あぁ……やれ」

「ヘヘヘ……悪りぃなお嬢ちゃん」

「今からたっぷりお嬢ちゃん達に男の味ってヤツを味あわせてやるよ……」


 なのはとアリサ、すずかに襲いかかろうとする黒服達。


 ズボンのベルトを外して…パンツを脱ぎ、反り返ったモノを見て三人は悲鳴を上げた。


「「「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」











 なのはside

 目の前の男の姿を見て私はすごく怖くなった。

 あんな…変なモノが…!

 嫌だ…! 散々陵辱されて…最後に殺されちゃうなんて!

 助けて…助けて…助けて…

 拓斗君…助けて…

 まだ…死にたく…無いよぅ…


「…けて…たす…けて…助けてえぇええええええ拓斗君!!!!!!!」


 私の叫んだ声が大きく木霊する。


 そのとき、


「ハアァァァァァァァァァァッ!!!」


 聞き覚えのある…声…。

 そうか…神様は…なのはの願いを…聞いてくれたんだ……

 頬に走る…涙。


「ソイツ等に、触るんじゃねぇ」


 私は声の主を見て安堵した。










 拓斗side

「「「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」


 三人が叫び声をあげた瞬間俺は飛び出した。


「…けて…たす…けて…助けてえぇええええええ拓斗君!!!!!!!」


 なのはの叫びが響く。


「ハアァァァァァァァァァァッ!!!」


 俺はなのは達に近づいていた三人を殴って吹き飛ばして姿を現す。


「誰だ!?」

「通りすがりの死神兼噂の歌姫さ」


 そう言いながら目の前の男を垂直に蹴り上げさらに空中でサマーソルトをかます。


「ぐげっ!?」


 蹴られた男は数m吹き飛んで動かなくなる。気絶したんだろうな、どうでもいいけど。


「さて お仕置きの時間だ」


 全身から殺気を漲らせて威嚇する。


「はっ! こっちには人質が……っていねぇ!?」


 男達はなのは達を盾にしようとするがすでにその場にはいなく、


「残念ながらなのは達は俺が保護させてもらったよ」

「「「お兄ちゃん(恭也さん)!!」」」


 何時の間にか来ていた恭也さんがなのは達を抱え、距離を取っていた。


「ナイスです恭也さん。そのままなのは達を頼みます」

「分かったよ」


 恭也さんになのは達の護衛を任せる。


「さぁて 死ぬ覚悟はできてるか? まぁ 答えは聞かないけど」

「ふざけんなガキ!!」


 一人の男が拳銃を零に向け放つが、


「甘い」


 それを俺は素手で弾く。
 弾かれた弾丸は壁に当たりチュインッ!という音をたてる。

「ハァッ!?」

「人間その気になれば銃弾なんて横から叩いて簡単に反らせる」


 俺はそう言うが、


「「「「「イヤイヤ! 無理だから(なの)!!」」」」」


 誘拐犯となのはとアリサ、すずかの声がピッタリ重なって否定された。いや、無理じゃないからこうして出来るんだろ。


 それに対して、


「ハハハ……相変わらず凄いな………」


 毎朝一緒に模擬戦してる恭也さんは驚いたないみたいだな。


「こ、こいつ…」


たじろぐ男達。


「何やってんだ!たかがガキ1人じゃねぇか!」


 黒服のリーダーらしき男が周囲の黒服達に一喝する。
 黒服達は目線を合わせると一斉に襲いかかってきた。


「…遅い!」


 俺は一人目の胸元を途中で拾った鉄パイプで突いて吹き飛ばし、二人目を横払いで横腹を殴って吹っ飛ばす。


「背後ががら空きだぜぇ!」


 背中から聞こえる声。

 ああ、ダメダメだな。一般人なら有効だろうが…。


「はぁ……」


 鉄パイプを頭の上に掲げて男の一撃を防ぐ。どうやら鉄パイプ辺りで殴ろうとしたのだろうが。


「な…!?」

「弱すぎだよ!!」


 左足からの回し蹴りで男の鳩尾を蹴る。


「ぐぅぇ!!」


 男はその場に崩れる。


「くたばれぇ!」


 同じく鉄パイプで殴りかかってくる男。
 それは身体をずらしてかわしてから鉄パイプで男の顎目がけて突く。


「ぐがっ!」


 後ろに倒れる。


「てめぇ!」


 更に殴りかかってくる男。俺は男の右手首を掴んで投げ飛ばし、倒れた所を鉄パイプでスネを殴って骨を折る。



 しばらくして俺の周りには身動きしない男達が寝ていた。
 残ったリーダーらしき黒服は懐から拳銃を取り出した。


「へへへ…動くなよ…動けばてめえの眉間に大穴が開くぜ?」


 男はニヤニヤ笑いながら近づいて来る。


「ほら、その鉄パイプを捨てろよ」


 男は拳銃を構えていた。


「卑怯者~!!」

「黙ってろ! どんな手でも勝てば官軍、負ければ賊軍ってな!」

「…ああ、そうだな」


 俺は鉄パイプを床に投げる。


「へっへっへっ…あばよ」


――パンッ


 乾いた音が鳴り響いた。


「拓斗!!」


 俺は顔を傾けて弾を避けた。
 拳銃程度の速度なら容易い。


「え…?」


 男の呆然とする顔。


「どうした? しっかり狙わないと、当たらないぞ?」

「く、くそっ!」


 男は連射した。弾が飛んで来るが俺はそれを全て避ける。


「ど、どうなってるんだよ!?」


 五発鳴り響いたあと、むなしく響く拳銃の撃鉄音。


「…さてと…」

「ひっ…!」


 俺は床にあった鉄パイプを拾う。


「待ってもらいたい」


 ちょび髭が俺に声をかける。


「なんだ?」

「先程、お前は『兼歌姫』と名乗ったか?」

「名乗ったな」

「その歌姫と言うのは『月夜の歌姫』で違いないか?」


 その問いに口元に薄く笑みが浮かぶ。
 髪を束ねているゴムを外す。
 そして少し息を吸い、










――――幾千もの物語

     遠く古(いにしえ)に

      群青に包まれて 眠ってる


 その声はとても澄んでいて、とても優しいものだった。


――――時は流れゝ(ながれ)つく

     心のもとへ

      そして語り伝う

       今此処(ここ)に


 窓があったであろう場所から月明かりが差し込み、彼を照らす。


――――未来を分け合う

     強さは真実

      弧を描いて繋がる

       運命の始まり


 その光はまるで彼の為に作られた自然のスポットライト。


――――遥か遥か遠く芽生えた光

     いつか届く蒼い奇跡

      強く激しく出逢って

       満ち欠けてゆくのでしょう


 光に照らされながらも強く、美しく歌うその姿はまるで……





「月夜の……歌姫………」


 その名にふさわしい姿だった。















「拓斗! なんで自分が歌姫だって言わなかったのよ!?」

「いや、言わなくてもいいだろ。それに誰だって知られたくない事はあるし」


 現在、誘拐騒動の翌日の朝の教室。
 あのあと、士郎が呼んだであろう警察の奴らが来て男達を逮捕して行った。
 ちょび髭は確かに芸能事務所を経営していたが、裏では人身売買や殺し屋などをしていたようだ。
 アイツの言っていた借りというのは、以前ターゲットの護衛だった士郎に妨害をされたことらしい。
 おしゃべりは実際に誘拐したが、命令されてやったため罪は軽くなるそうだ。


「じゃあなんで月夜の歌姫なんかやってたのよ?」

「まず、歌うのが好きだってことと……なのはのことかな」

「ふぇっ? 私?」


 いきなり自分の名前が出て来た事に驚いたのか、変な声を出すなのは。


「あぁ。でももうやらないかもな。目的は果たしたようなもんだし」

「目的?」

「何なのよそれ?」

「少し違うけど……『歌い手』を見つけたろ?」

「え?……あっ! あれって!!」

「そういうこと」

「「???」」


 俺の一言になのはは顔を明るくし、俺は少し微笑んだ。
 アリサとすずかは何が何だか分からない様子で頭にハテナを浮かべる。


「なのは~……あれって一体何のことかしら~?」

「なのはちゃ~ん?」

「ふぇ? あ、アリサちゃん? すずかちゃん? どうしたの? 顔が怖いよ?」

「いいからキリキリ吐けぇえええ!!」

「ニャー! 助けてぇえええ!!」

「待ってー!!」

「大人しく捕まりなさーい!!」

「ハハ…元気だねぇ……」












 数日後、アリサとすずかが絵里さんに俺のことをばらし、絵里さんに質問攻めを受け、さらに『海鳴ジャーナル』に大きく掲載されたため俺が有名になってしまうのだった。


 え? なのはとの約束? それは……










『拓斗君! また…また会えるよね!?』

『ん? さあな、俺っていろんな所回ってるから。もし会えるとしてもそれは何年先の話か』

『そんな………』

『……そうだな、じゃあ約束でもしようか?』

『約束?』

『ちょっとおかしいけどな。明日から俺が、夕日が沈み始めてから沈み終えるまで海鳴のどこかで歌を歌うよ』

『歌?』

『そ、歌。お前が歌っているところを見つけることができたら、また会えるさ』

『その時は、友達になってくれる?』

『もちろん。友達にでも何にでもなってやるさ』

『ホント!? 約束だからね!!』

『あぁ、約束だ』 
 

 
後書き
~あとがき雑談会~

作「オリジナル完成!」

拓「面白いかどうかは知らないけどな」

作「そこ! 変なこと言わない!!」

拓「あぁ、悪い。ところで前回、雑談会や次回予告がなかったが……」

作「それ? オリジナルだから次回予告とかがうまく考えられないんだよねぇ……日常編では次回予告は出さないかな。雑談会はただ考え付かなかっただけ」

拓「あぁ、そう……そろそろ終わるか?」

作「そうだね。それじゃあ次回に」

作・拓「「トリガーオン!!」」





 それでなんで俺は『月夜の歌姫』って呼ばれてるんだ?

 声変わりしてないからね、歌声が女性に聞こえるのが一つ
 それと歌う時にゴム外すでしょ?
 見た人がそれで女性だと思ったんじゃない? 
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