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グラールの神機使い

作者:GOLD
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7-9

 考える間でも無かった。あいつがこんな事で悩むはずがない。あいつの答えなんて決まってる。

 俺は神機を構え、その殺意をアラガミに向けた。

 ずっと昔、窮地に陥った時、あいつにかけられた言葉を思い出しながら。

『戦わないで怖がってりゃ喰われて負ける。でもな、戦って俺達が負ける訳がない。俺達はゴッドイーターだ。神を、喰らうんだろ』

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 こんな所で死ぬ訳には行かない。身構えるヴァジュラに刃を叩きつけようとした、その時だった。

「……っ!?」

 標的が、消えた。正確には、視野から消えた。

 恐る恐る視線をずらせば、ドス黒い「何か」が、ディアウス・ピターに食らいかかっていた。

「う……あ……?」

 見たことの無いアラガミ。紫色の五枚のマントと獣のような体格から、恐らくヴァジュラ系統なのだろう。

 しかし、だとしたらおかしい。連中には同種の者を喰べないという本能「偏喰因子」があるはずだ。

『グァァァアッ!』

 ディアウスや他のヴァジュラも、俺から視線をそらし、その何かにのみ威嚇している。

 これほど激しく威嚇するヴァジュラなど初めて見たが、こちらには好都合だ。こっそりと群れの合間を抜け、少し離れた場所に避難した。

 崩れたビルの陰に入り、気絶した2人を寝かせる。これだけの傷を負い、気絶までして神機を手放さないとは、見上げた物だ。

 しかし、それを褒めるにはまだ早い。まずは救難信号を出さねばならない。

 そう思い、タツミの無線機を彼の装備から取り出した時だった。

『ギャアァァァァァァ!』

 強烈な悲鳴に、思わず耳を塞ぐ。

 音が止み、振り返ると、そこには壮絶な光景が繰り広げられていた。

 溢れ出る血潮。

 砕け散る甲殻。

 痙攣する筋肉。

 ズタズタに引き下がれたディアウス・ピターの首を、あの黒い何かが口からぶら下げていた。

 よく見るとそのアラガミは、体の何ヶ所かにオレンジ色のコアを持っているようだ。

 何とも禍々しい出で立ち……そもあれには、顔と言えるような部分がない。

 せいぜい巨大な口が、穴のように深く開いている程度だ。

 そして、バキバキと音を立て、ディアウス・ピターの生首までも、噛み砕いてしまった。 
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