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とある科学の煉獄魔王

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一部
  第5話

目を覚ますとそこはベッドの上だった

あれ? 俺何してたんだっけ?

少し記憶が混乱しているようだ

なんか頭いてーし

「あの~、大丈夫ですか? すいません僕の能力のせいで…」

俺が目を覚ましたのに気がついたのかベッドの脇から少女が声をかけてきた

そうだ、この子を落ち着かせてたんだ

でもなんで俺がベッドで寝てるんだ?

「やっと起きたみたいだね。 君、頭に花瓶をぶつけて二時間ほど寝てたんだよ」

少女の後ろから冥土帰しが話しかけてきた

「あっ! てめえ、この子が能力者だって何で言わなかった!? おかげでひどいめにあったじゃねーか」

俺は上体を起こしながら奴に不満をぶつけた

「レベル5にそんな心配はいらないだろう それじゃ僕はこれで失礼するよ。 まだ仕事が残ってるからね」

そう言って冥土帰しは病室から出ていった

俺は軽く舌打ちをして、少女の方に目を向けた

すると少女は深々と頭を下げてきた

「さっきは本当にすいませんでした!」

「もう大丈夫だから気にすんな」

そう言ってやると少女はホッとしたように笑って見せた

「とりあえずいろいろ質問してもいいか?」

少女の事をなにも知らないので情報収集をすることにした

「はい 大丈夫です」

少女は一瞬迷いもなくうなずいてくれた

しかし、何で俺こんなに信用されてんだ?

「まずは、名前と歳を教えてくれないか?」

「僕は五十嵐翼、14歳です」

俺と一歳差は予想外だったな

さっきは布団を被っていてよくわからなかったが、よく見ると背も高めだな。 150ちょいはありそうだ

あと、痩せてるがなかなかスタイルも良いな

「次はレベルを教えてくれ。 さっき能力使ってたからな」

「レベル4です。 能力名は天嵐姫巫(テンペストプリンセス)っていう仰々しい名前ですけど、空力使い(エアロハンド)の強化版だと思ってください」

どっかで聞いたことある名前だな

どこで聴いたかは思い出せないな

「レベル4なのになんでスキルアウトなんかに捕まってたんだ?」

とりあえず新たに増えた疑問を解消することにした

「近道しようと裏路地に入った途端に睡眠薬を嗅がされたんだと思います。 気がついたら拘束されてあいつらのアジトにいました。 そこで僕に暴行をー

「わかった、もうそれ以上言わなくていい。 お前が苦しいだけだ」

俺は翼の言葉を遮った

余計な事は思い出さない方がいいからな

「次はこれからの話をしよう。 退院した後、どうするつもりなんだ? 親御さんとかには連絡したのか?」

俺は強引に話題を変えた

「マンションで一人暮らしだったのでその点は大丈夫だと思います」

「でも学校は? 出席日数とか大丈夫なのか?」

どのくらい捕まってたか聞くわけにもいかんしな

やはり遠回しに聞くのが一番だな

「私が通ってた学校はテストさえ良ければ、進級出来ますから、休んでた期間を考えても大丈夫かと思います」

「じゃあ、だいたい大丈夫かな。 特に問題もないみたいだし。 俺はもう帰るよ」

そう言ってベットから降りようとすると翼が腕をがっしりと掴んできた

まだ何か問題あったかな?

「ずっとここに居てください! 一人だと怖いんです。」

とても怯えた目だ

「流石に面会時間もギリギリだし、ずっとは無理かな」

「ずっと僕を守ってくれるって言ったじゃないですか! それとも嘘だったんですか!」

俺、落ち着かせるときにそんなこと言ったの!?

あの時は結構必死だったから何言ったか覚えてないし

でも、翼の目を見る限りホントなんだろうな

どうすっかな~

「わかった、でも今日帰るよ。 ルールを守らないと他の人に迷惑がかかってしまう。 だが、君の怪我はそんなに大したものじゃないらしいから、明日には退院できるそうだ。 だから明日からはずっと一緒にいてあげる。 それでいいだろう?」

これなら言った言葉の責任もとれるだろう

翼は少し不満そうな顔をしながらも頷いた

「分かりました。 でも…」

「でも…?」

「退院したらマンションを引き払って、あなたと一緒に暮らします。 それが条件です!」

こいつは予想外の事態だ

一緒に暮らすは流石に考えてなかったぞ…

「翼が良いのならそれでもかまわない。」

少し折れるのが早い気もするが、男なら言った以上は責任を取る

それが俺が心がけにしてることだからな、仕方ない

「はい! あなたが守ってくれるのなら問題ありません!」

満面の笑みで返事が返ってきた

「じゃあ、明日の一時に迎えに来る。 それじゃあな」

「一時ですね。 楽しみに待ってます」

俺は手を降りながら病室をあとにした 
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