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不老不死の暴君

作者:kuraisu
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第十六話 西へ!

アルケイディア帝国旧ダルマスカ王国領西ダルマスカ砂漠にて。
西ダルマスカ砂漠は交易路としてあまり使われない為東ダルマスカ砂漠と比べ危険な場所である。
そんな砂漠をチョコボに跨り西へ進む人物が一人。
もちろんチョコボに跨っているのはクライス・セア・グローリアである。
彼は勝手に空賊について行ったヴァンに自分がぼったくられたことに対する八つ当たりをするため西へと向かっていた。
因みの乗っているチョコボはラバナスタ西門にいたチョコボ屋ガーディからレンタルしたものだ。
レンタル料でセアの全財産が無くなってしまった。
しかしレイスウォール王墓にある宝でどうにかしようとセアは考えていた。
個人的には墓荒らしなどしたくないが幸い嫌悪しているあの覇王の墓だ。心は痛まない。
そんな事を考えながらチョコボを走らせていると砂嵐が出てきた。
面倒だと思いながらセアは自分を中心に魔法障壁を展開させた。
しばらく進むとチョコボが震え出し足を止めた。
何事かとセアが考えると前にかなり大きいドラゴンの影が見えた。
東ダルマスカ砂漠にいるワイルドザウルスの5倍はあるなと思いながらセアは大きい影に向かって剣を数回振り下ろした。
セアの遠隔攻撃を受け大きい影は断末魔の悲鳴を上げながら倒れ、砂嵐が晴れた。
セアは首を傾げた。砂嵐が晴れるのは予想外だったからだ。
影が倒れたところに近づいてみると上級地竜の一種のようだ。
その姿を見てセアは伝説の八竜のひとつで砂嵐をおこすアースドラゴンのことを思い出した。
なんでそんなドラゴンが西ダルマスカ砂漠にいるんだよとかアースドラゴンならもっとでかいはずだとか思いながらもセアはチョコボを走らせた。
考える事をやめ、自分は何も知らないということにしたのである。
しばらくすると人工的な施設が見えてきた。
どうやら西ダルマスカ砂漠をこえ、エンサ大砂海に入ったようだ。
ナブラディア王国とダルマスカ王国が滅びた今となってはエンサ大砂海がアルケイディア帝国とロザリア帝国の緩衝地帯である。
セアがここから先は徒歩の方がいいなと思いチョコボからおり、人工的な施設に登った。
この施設はかつてロザリア帝国が建設したもので石油をとる施設だ。
しかしグロセア機関があらゆる装置に転用されるようになると放置された。
放置された理由はもうひとつあるが・・・まぁ直ぐにわかることだろう。
西へ向かって走ってるセアの頭に矢が直撃しセアは矢が飛んできた方をみた。
そこには矢を持った亜人種がいた。
セアは亜人種めがけて氷系の上級魔法{プリザガ}を唱え、亜人種を氷付けにし、遠隔攻撃で氷を砕いた。

「ウルタンエンサ族の縄張りに入ったみたいだな・・・」

セアは小さく呟き、西へ再び走り出した。
ウルタンエンサ族。それがエンサ大砂海の事実上の支配者だ。
ウルタンエンサ族は国土を持つ風習を持たないが、縄張り意識が非常に強く、同族間の争いが絶えない。
まったく面倒なと思いながらセアは四方に気を配り視界に入ったウルタンエンサ族を片っ端から遠隔攻撃で倒し、近くにいた奴は真っ二つにに斬り、西へ走った。
途中でウルタンエンサ族を主食にするウルタンイーターを見かけついでにそれも魔法で襲われてるウルタンエンサ族ごと焼き尽くした。
西へ西へと走っていると砂海が北の方へずれ始めた。
どうやらそろそろ死者の谷に着くみたいだ。
未だに襲ってくるウルタンエンサ族を魔法や剣技で倒しながら、谷へ入って行った。
すると大きい建物が見えてきた。
レイスウォール王墓だ。
なんでこんなところに墓を建てたのかセアは凄まじく疑問だったがとりあえずヴァンたちが来ていないか入り口の方に向かった。
そしてセアは床に顔を近づけ床をよーく調べた。

「新しい足跡はないな・・・ヴァンたちはまだか」

ヴァン達がまだ来ていないことを知ると急に眠気がこみ上げてきた。
周りを見てみると大分前に日が沈んであたりは闇に包まれていた。
セアは床に寝転び、寝てしまった。
セアが寝て1分後、王墓の守護獣ガルーダが侵入者の気配を察知して飛んできた。
すると王墓の入り口で寝ているセアが目に入った。
ガルーダは腹も減っていたので寝ているセアは一口で飲み込むと空へ再び飛んでいった。
 
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