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不老不死の暴君

作者:kuraisu
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第六話 誘拐犯に制裁を!

魔石鉱の採掘部についた。
あちこちに魔石が埋まっている。
魔石はそれ自体が青く発光しているのでなんとなく神秘的である。
ラーサーが懐から石を取り出し落ちている魔石を見比べていた。

「これを見たかったんですよ」

ラーサーが嬉しそうに声を上げる。

「なんだ?」
「破魔石です。人造ですけどね」
「はませき?」

ヴァンとラーサーの会話を聞いていたバルフレアの視線が周りの魔石からラーサーへと移ったが誰も気づかなかった。
だからラーサーは何も思わずヴァンの疑問に答えた。

「普通の魔石とは逆に、魔力を吸収するんです。人工的に合成する計画が進んでいて、これは試作品。ドラクロア研究所の技術によるものです」

その言葉を聞いたとたんバルフレアの眼は鋭くなった。

「やはり原料はここの魔石か・・・」
「用事は済んだらしいな」
「ありがとうございます。お礼は後ほど」

ラーサーは回り魔石を見ていたのでバルフレアの眼が鋭くなったことに気づかず御礼の台詞を述べる。

「いや、今にしてくれ・・・お前の国にまでついていくつもりはないんでね」

その台詞を聞いたラーサーがバルフレアの方に振り返り始めてバルフレアの眼が鋭くなっていることに気がついた。

「破魔石なんて古臭い伝説、誰から聞いた?」

ラーサーは答えず後ずさるがバルフレアはかまわず疑問を投げかけ、進んでくる。

「なぜドラクロアの試作品を持ってる?あの秘密機関とどうやって接触した?」

そうやって迫ってくるバルフレアから逃げるようにラーサーは後ずさり壁際に追い込まれた。

「お前、何者だ?」

そう言ってバルフレアはラーサーに問いかけた。
セアがそいつは皇帝の息子ですといってやろうかとも思ったがヴァンが帝国嫌いなので自分の弟子が皇帝の息子を殴ったりしたら面倒なので断念する。
するといきなり後ろから荒々しい声が聞こえた。

「・・・待ってたぜ、バルフレア!」

そういって緑色のバンガが丸い輪っかが先についたチェーンソーのような武器を持って入ってきた。
その後に続いて3人のバンガも入ってきた。
バンガの顔をみてバルフレアが心底嫌そうな顔をする。

「ナルビナではうまく逃げられたからな、会いたかったぜぇ? さっきのジャッジといい、そのガキといい・・・金になりそうな話じゃねえか。オレも一枚噛ませてくれよ」

まぁやりようによっては金になるかとセアは思う。
なんだってイヴァリースの覇権を争う二大帝国のひとつアルケイディア帝国皇帝の息子だ。
身代金でも要求すればとんでもない大金が手に入れることもできるだろうし、敵対国のロザリア帝国に売り飛ばしてもいい。
アルケイディア帝国から睨まれる覚悟があればの話だが。

「頭使って金儲けってツラか。お前は腐った肉でも噛んでろよ」

バルフレアは子連れで不利な状況なのに敵を挑発する。
その言葉に緑色のバンガが声を荒げた。

「バルフレアァァ!!!てめえの賞金の半分は、そのガキで穴埋めしてやらぁ!!!」

バルフレアは指名手配犯だったな。
そして確か犯人を殺すと賞金が半分になるんだったけ。
ということはこのバンガはバルフレアを殺す気みたいだ。

「この野郎! パンネロはどこだ!?」
「アァ?餌はもう必要ないからな。途中で放してやったら泣きながら飛んで逃げてったぜ!」

緑色のバンガがヴァンに気をとられた一瞬の隙を突いてラーサーが持ってきた人造の魔石を緑色のバンガめがけて投げた。
ひるんでる隙にラーサーが投げた魔石を回収して反対方向へにげる。
あれ投げていいのかとセアは思ったがヴァンがラーサーを追って反対方向へ走ったので全員が便乗する。

「こらっ、てめぇら・・・逃がすかぁっ!」

緑色のバンガが手下を引き連れて追ってきた。

「いちいち相手してられるかって。適当にあしらってずらかるぞ。」
 
バルフレアの台詞に一人を除いて全員が頷いた。
あの緑色のバンガが持っているのは機械仕掛けの兵器だ。
この世界の地上ではミミック菌という細菌が金属を腐敗させるので機械はもっぱら飛空挺に使われている。
だから地上での戦闘では剣や魔法が主流で機械を使用しているのは少ない。
なぜならコストが高すぎるからだ。
もし2年前のダルマスカの兵士全員を機械兵器で統一しようとしたらアルケイディア帝国並の経済力が必要になる。
加えて電気系統が変になっていないかメンテナンスもほぼ毎日しなくてはならないし、毎日武器が取り上げられていたら軍として失格だ。
だから使われるとしても簡単な造りの銃などが精々だ。
そんな武器しかないからあの緑色のバンガの武器は接近戦では圧倒的な強さを誇る。


「ちょっと俺が足止めする。みんなは先に行っててくれ」
「なに言ってんだよセア! 早くにげるぞ!」

セアのとんでもない発言にヴァンが逃げようと進めるがセアはヴァンを睨んで・・・

「行け」

物凄く低い声で言いヴァンは飛んで逃げた。
するとバンガ達が笑いながらセアを罵ってきた。

「お前、そんな武器で兄貴に勝てると思ってるのか?」
「馬鹿じゃねぇの」
「違いねぇ!」

すると緑色のバンガが話しかけてきた。

「ほう、逃げずに残るとは腕に自信でもあるンだろうな」
「そういえばあなたの名前を知らないがなんて名前だ?」

すると緑色のバンガがにたりと笑い武器を振りかぶって・・・

「バッカモナンだ!」

そういって武器を振り下ろした。
セアは眉ひとつ動かさず直撃した。

「ああ?」

バッカモナンは予想以上にあっさり仕留められたのに少し拍子抜けした。
するとセアが剣を持っていた右腕が動きバッカモナンの左腕を切りとばした。

「がああぁぁぁぁぁあああ!!!」
「馬鹿・モナンね・・・変わった名前だ」

セアは左肩から胸のあたりまで切り込まれていたがその表情は笑っていた。
手下のバンガ達は恐怖にかられ一目散に逃げ出した。

「喧嘩売ってきておいて・・・逃げるんじゃないよ」

そういってセアは魔法を唱え出した。
するとセアを中心に魔方陣が形成されそこから凄まじい勢いで炎が出て逃げていったバンガ達を襲った。

「「「ぎいぃぃぃぃやゃあああぁぁああぁあ!!!!!」」」

その叫び声が弱くなったところでセアは使った魔法を止めた。
彼らは黒焦げになったが耳を済ませるとうめき声が微かに聞こえる。
一応彼らは生きてはいるようだ。
そしてセアは倒れて呻いているバッカモナンに近づいた。

「二度と俺達に手を出すなよ? でなきゃ・・・ここであなたは死にますよ?」

そういってセアは剣でバッカモナンに{ポイズン}と{ブライン}の魔法を使った。
別に対象に猛毒をかける{ポイズン}だけでもいいような気がするが対象の目をつぶす{ブライン}も使った方が恐怖感を演出できると思いセアはその魔法をかけた。
実際効果は抜群でバッカモナンは恐ろしくて仕方が無かった。
左肩からは血が出ている。そして体がしんどくて仕方がない。目は何も見えず死に掛けているように思える。

「あ・・・・あああああうううう!」
「いいかい?」
「解った! 止めてくれえぇ!!!」
「じゃあ俺達のことを忘れろよ?」
「ああ、解った!」

その言葉を聞いてセアはバッカモナンの異常状態をとこうと思ったがちょっとものたりなかった為、最後に{コンフュ}の魔法を使った。
その効果は対象を混乱状態にする。

「あはぁぁがあ!ぐはぁげぇあ?おざがはぁあ!」

バッカモナンは変な声で叫び出した。
周りの黒焦げになった手下たちもセアによって様々な異常状態を付加され、バッカモナンと同じように自分たちのことを忘れるように誓わせた上で{コンフュ}を唱えていき全員が混乱状態になると数分放置した。
聞こえてくる悲鳴にセアは満足し失われた魔法を使用してバッカモナン達を元通りにし自分達に関する記憶を消し飛ばした。

「あれ?ここどこだ?」

バッカモナンが辺りを見渡す。周りのバンガ達も状況が解らず辺りを見回している。
それを見てセアが優しい笑みを浮かべ明るい声でバッカモナンに話しかけた。

「ここはルース魔石鉱ですよ」
「なンで俺が魔石鉱なんかにいるんだ?」 
「大方酒場で酔っ払ってきたんでしょう俺がここに来た時なんかあなた方ここで寝てましたし」
「俺がここで寝てた?」
「はい」
「なンか記憶が曖昧でおぼえてなぇな」
「そうですか大変ですね」

そう言ってセアがそういえばというふうな動きをして

「すいません出口に仲間をまたせてますんでこれで」
「・・ああ」

バッカモナンとその手下たちはなにか釈然としないもののセアを見送った。
セアは少し離れた場所でバッカモナンにしたことを思い出し腹を抱えて爆笑していた。
 
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