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新 バトルロワイアル

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プロローグ~第3話




別のサイトでメイン連載していたものです


このお話は今や私のライフワークともいえる
作品で現在53話総話数は百話にも及ぶ大長編です

物語は第1回放送が終わりもうまもなく第2回放送を
迎えるという処で死者は40人にも達しています

こちらに掲載するにあたり多少の修正を加えて
第1話から投稿することにしました

登場作品はboy 名探偵コナン 金田一少年の事件簿
デビルマン バイオレンスジャック 新キューティーハニー
うる星やつら めぞん一刻 人魚シリーズ 
らきすた GANTZ るろうに剣心 
魁男塾 仮面ライダー龍騎 ウルトラマンネクサス
ウルトラマンティガ 警部補古畑任三郎 コープスパーティー 
バジリスク甲賀忍法帖 踊る大捜査線等
早々たるメンバーが揃っています

しかもこれで全てではありません


話を追う毎に変わっていく文体も楽しみながら
ご覧ください



それではよろしくお願いします












新 バトル ロワイアル プロローグ



何処とも知れぬ闇の中 その闇の中で今
恐ろしいゲームの始まりの合図が鳴り響こうとしていた


ここはかなり大きな部屋のようだ その部屋に
何処から集めてきたのか多くの人間が床に
倒れ伏し気絶していた


暗闇の中どれほどの人間が集められたのか
その数は50人は居るだろうか


やがて気絶していた人達が目覚め始める
そして状況が把握できないまま恐ろしい声が
聞こえてくる


自分達を破滅へと導く邪悪な声が否 
それは本当に声なのか はたまた思念なのか


   《諸君目が醒めたかね 唐突だが
君達にはこれから殺し合いをしてもらう
生き残るのは 用意された椅子は2つ
さて諸君どうするかね ハハハ ハーハハ
ハハハハッ》


訳が分からない どういう事だと口々に
騒ぎ出す だが一方で知恵が回る者や
勘が鋭い者は理解していた 即ちこれは
現実だと


そんな中 声は話しを続ける


   《そうそう 諸君達には胃の中に
爆弾の入った小さなカプセルがある 
無理に吐き出そうとするとセンサーが感知して
爆破のスイッチが入る 逃げ出そうとした
ものには 容赦なく起爆させるぞ フハ
ハハハッ!!》


その言葉に皆が皆自分の胃をさする 
吐き出そうとした者はセンサーが感知すると
聞いて恐怖に座り込む者も居た


しかし 負けるものかと闇の中を睨み付ける
者も居た  それを理解したのか闇の声は
恐ろしい事をやってしまう


《ふむふむ どうやらまだ疑っている者が
いるようだな  なら試してみようか
こんな風にな (ポチッ)》
ブゥーン ブゥーン


すると何処のお腹の中から低いうなり声の
ような音が聞こえてくる


それが 自分のお腹から聞こえてくると知った
少女は絶望する


ゆたか「…うそ……いや…いやーー!!!」


ゆい「!?…その声 ゆたかッ ゆたかなのッ!?
何処ッ 何処に居るのッ ゆたかーーー!!!」


ゆたか「助けて お姉ちゃーーん!!」


ゆい「ゆたかーーー!!」


  ガバァ!?
   「よせーーー!!!」


日々野「!? 今の声ッ 清志郎かッ!!」


ゆたかと呼ばれた少女の爆弾がまさに
爆発せんとした時 直ぐ側にいた一人の少年が
少女を抱きしめる


それが気になったのか爆弾が一時止まる


   《ほう 勇気ある少年だ だが
無鉄砲な勇気は時として自分の身を滅ぼすぞ》


その言葉にも岡本清志郎は欠片も絶望しては
いなかった 何故なら彼は知っていたからだ


どんな絶望にも負けない 自分の仲間達を
不可能を可能にするあの人を


そして岡本清志郎は抱きしめた少女に
勇気を与える


岡本「大丈夫だよ…きっと大丈夫だからね
……今の声が聞こえたよね……あの人なら
日々野さんなら守ってくれるから……
きっとみんなを守ってくれるから」


ゆたか「……あ……あぁ…私…私」


日々野「清志郎ーー!! 何処じゃーーー!!!」


日々野晴矢は暗闇の中必死に目を凝らす
さっきの声は間違い無く岡本清志郎だ
声だけで十分わかる


彼奴は目の前で悲しんでる奴を見捨てるような
奴じゃない 例えそれが自分の死に繋がると
しても迷わずその道を行く


それこそが彼奴の勇気 俺様の自慢の部下
岡本清志郎だ


   《別れの挨拶はすんだかね なら死ね》


その言葉と共に岡本清志郎の爆弾が起動する
だが岡本清志郎に恐れなどなかった


弱虫だった自分は日々野さんから沢山の
勇気を貰ったのだから


ならばあの人の友達として最後まで負けたりしない


岡本「今のうちに笑っていろ…お前らなんかに
負けないッ 日々野さんは絶対に負けないッ!!」


その声で闇の中の日々野晴矢は遂に岡本
清志郎を見つける


日々野「!? 其処かッ!!」


その一瞬 暗闇の中だったが確かに岡本清志郎は
日々野晴矢見つけた


清志郎の表情に暖かい笑みが浮かぶ


岡本「よかった…最後に会えた……ありがとう
日々野さん」


その瞬間


   ボォンッ!!


岡本清志郎の腹部は破裂し彼は息絶えた


ゆたか「嫌ーーーーー!!!!」


日々野「清志郎ーーー!!!」


そして 小早川ゆたかの姉の成美ゆいも
妹を見つけた


ガバァ
ゆい「ゆたか!! ごめんネ遅くなって
……酷い……ごめんネ清志郎君……ごめんネ」


ゆたか「お姉ちゃんッ……ううぅっ……
うあぁぁぁッ!!」


姉妹は泣いた 一人は自分の身代わりになった
少年の為に もう一人は妹の身代わりになった
少年の為に 泣き続けた


ググゥッ ギリィッ
日々野「………清志郎」


日々野晴矢は岡本清志郎の亡骸を見下ろ
していた


漸く暗闇に目が慣れて見る彼の表情は
とても安らかだった


きっと自分のした事に微塵も後悔など
なかったのだろう 彼の言葉が蘇る


  ・・(「日々野さんならきっと皆を守って
くれるから 日々野さんは絶対に負けないッ!!!」)・・


日々野「……まかせとけ清志郎……お前の意志は
受け取った」



彼は一部始終をしっかりと見ていた 
そして胸に湧き上がる物があった


それが何なのかはっきりと分かっていた
これは怒りだ


???「……他人がやってるの見てはっきりと
わかるぜ……無抵抗の者をいたぶるのが
これほど醜いとはな」


そしてもう一度 彼の遺体に目を向ける
あいつの事は知っている


日々野晴矢と連んでいた一人だ あの時は
腰抜けだとおもっていたが今ならわかる


あいつは立派な男だったと そこに再び
暗闇から声がする


   《まったく何を考えていたのか
勇気と無謀を履き違えて私に刃向かうとは
とんだ愚か者だ ククク いや……それとも
戦うのが嫌で死にたかったのかな……
だとしたら とんだ軟弱者だ わかったかね
今死んだ弱虫君のように死にたくなかったら
腰抜けは私の話しを聞く事だ フハハ
ハハーーー!!!!》


ブッチィッ!!  ブッツンッ!!


その言葉に日々野晴矢の怒りが爆発する
その言葉に神崎狂の何かが切れた


2人はまるで示し合わせたように同時に
声を出す


日々野「おい 高みの見物をしてやがる
クズ野郎 覚えとけッ オレ様の部下に
弱虫はいねぇーー!!!」


神崎「おい ジャンキー野郎 覚えて
おくんだな 此奴が連む連中に 腰抜けは
いねぇーー!!!!」


二人の魂の咆哮が辺りを揺るがす だが
暗闇の声は嘲笑うかのように話しを続ける


   《クハハハハ 随分と威勢がいい連中だ
精々頑張りたまえ フハハハハーーーー!!
詳しいルールは君たちの足元にあるバッグの
中に入っている では ゲーム開始だッ!!》


  ・・遂に恐ろしいデスゲームが始まる・・


  ・・たった2つの椅子を掛けての
殺し合い・・


  ・・果たして皆に生き残る術はあるのか・・


  ・・岡本清志郎の意志を継いだ日々野晴矢と
神崎狂の二人の運命は・・


  ・・そして 岡本清志郎に助けられた少女
小早川ゆたかの運命は・・


  ・・闇の中 全ての黒幕は 一人
笑い続ける・・












新バトル ロワイアル 第1話 五代裕作






  ・・(「違うんです五代さんあれは
三鷹さんが勝手に  そんな嘘吐いたら
三鷹さん可哀想ですよ  五代さん?
  俺貴女の事もう何とも思ってませんから
・・だから三鷹さんと幸せになって下さい
  本当に私がいなくても大丈夫なんですか?
  はい・・大丈夫です  そう・・ですか」)・・




場所はFー1  時間はまだ闇が支配する深夜
そこにひとりの若者がいた


五代「何なんだよ……一体何が起こってるんだ」


新 バトル ロワイアル 第1話五代裕作


五代裕作は混乱していた 何がなんだか
わからなかった


自分の最後の記憶は三鷹さんと響子さんが
抱き合っていたのが誤解だとわかり一刻管で
元の日常が戻り自分は安心して部屋で
休んだはずだった


  ・・(「まあっ五代さん!?・・どうして
五代さんが此処に?  いっ・・いえ僕も急に
旅行がしたくなって・・それで開いていた旅館が
此処だけだったんですよ!! は・・はは
・・あはははは  まぁそうだったんですか
・・それじゃあ折角だから一緒に観光にでも
行きませんか?  はいっ是非とも!!」)・・


しかし次に目が覚めたら訳の分からない
暗闇の中の 大きな部屋に居て混乱していたら
暗闇の中から不気味な声がして目が醒めた
ばかりで混乱しているうちに少女が殺され
ようとしていた


自分は何も出来なかった 怖くて怖くて
何も出来なかった


少女を助けたのは少女と同い年ぐらいの
若い少年だった


大学生の自分よりもまだまだ年若い未来ある
少年だった


声しか聞こえなかったが雰囲気からそれは
十分わかった


そして少年が死んだ後暗闇の声に立ち向かって
行った二人の少年


それに比べて自分はただおびえている
だけだった


五代「ちくしょうッ……どうしろって
言うんだよ……しょうがないじゃないか」


無理もない 平穏だった日常が突然変わって
しまったのだ


五代裕作の反応は当たり前と言える 
問題はこれから彼がどうするかだ 


悩んでいた彼は 自分の側にバックが
転がっている事に気が付いた


五代「……そう言えばこの中にいろいろ
入ってるって言ってたな」


そこで彼はバッグをあける 中に入って
いたのは数日分のパンと水 地図と名簿
そしてカバーがついた針のようなものだった


訝しげに彼は付属の説明書を見る


五代「?……何だこれ………って毒針!?……ひぃッ!!」


なんと それは相手に刺せば刺した相手を
死に至らしめる毒針だった


急所に刺せば物の数分で死んでしまうようだ


五代「………こんなの使えるかよ」


そう言って支給品をバッグにしまい次に
彼は名簿を見た


知らない名前ばかりだったがその中に
知り合いを発見してしまう


五代「そんなッ……そんなことって……
そんなことって・・・響子さん」


知り合いがいたのは嬉しい だがよりにも
よって参加者の中に自分の想い人の音無響子が
居たのだ


五代「そんな事って……どうすればいいんだ」


悩む彼の脳裏に暗闇の中の声が蘇る 
生き残るのは二人 用意された椅子は2つ


ゴクリ
五代「………2人……用意された椅子は2つ」


  ・・そう言って彼はしまい込んだ毒針を
手に持つ・・


  ・・果たして彼が選択する未来は・・









新バトル ロワイアル 第2話 名探偵の共演






まだ日が登らない時間帯 場所はAー4
西に歩けば病院 東に歩けば刑務所 
南に歩けば 闘技場に辿り着くこの場所で
運命の出会いが訪れようとしていた


それは運命の悪戯か はたまた神の意志か
悪魔の囁きか 彼等の出会いはこの殺戮の場に
何をもたらすのか


新 バトルロワイアル 第2話 名探偵の共演
工藤新一 宮野志保 金田一一 七瀬美雪




  ・・気がつけば私の心の中には何時も
貴方が居た・・


何時からだろう私の中にこの気持ちが
芽生えたのは


何時からだろう 自分の想いに自分の本心に
気が付いたのは


貴方は何時も私を守ってくれて 私が
悩んでいた時も 辛い時も何時も支えてくれた


そんな時 貴方は何時もこう言ってくれたわね



くだらねぇ事気にすんなよバァロォ 
守ってやるって言ったろ


  ・・(「ねぇ工藤君聞いて良いかしら?
  んあ? 何だ灰原  どうして貴方は
何時も私を守ってくれるの 私の側に
居なくてもご両親なら元の身体に戻す方法が
見つかるのに  馬鹿だなぁお前は今更
何言ってんだよ・・守ってやるって言っただろ
  でも蘭さんが  なぁ灰原約束したよな
何時か組織の柵から解放してお前を普通の
女の子にしてやるって  えぇ・・覚えてるわ
  そしたらよ今度は元の身体で楽しい思い出
沢山作ろうぜ  ぅん・・ねぇ工藤君
  何だ  工藤か君の身体暖かいね・・
ずっとこうしていたい  ずっと傍に
いてやるさずっとな  約束よ  あぁ
約束だ」)・・


そっけない言い方だけど それが貴方の
照れ隠しだって分かっていたわ


私は罪深い女 貴方が苦しむ原因を作ったのは
私なのに そんな私を貴方は許してくれた


だから私はもう 自分の気持ちを押さえ
られない


私は貴方が好きです 決して叶わぬ想いと
分かっていても 貴方が好きです


工藤新一君 貴方が大好きです


志保「ふぅ……能力の制限 成る程ね
……詰まりこの時計みたいな腕輪が能力を
制限しているのね……そのお陰で薬の効果が
無効化された………か  そして胃の中には
爆弾………やっぱりこれも組織が関わって
いるのかしら」


灰原哀が意識を取り戻し辺りを確認すると
直ぐ傍に海が見える場所にいた


地図を確認するとエリアAー4だと分かった
だがそれ以上に驚いたのは自分の身体が
本来の宮野志保の身体に戻っていた事だった


そして腕には腕輪 バッグの中のルールを
見ると特定の人物には腕輪がされ能力を
制限するとの事だった


志保「詰まりは幼児化も考え方によっては
有利と見なされ制限されたのね」


確かにそうだろうと思う もし仮に自由自在に
年齢を変化できるなら恐ろしい脅威と
なるだろう


ならばこの制限は当然と言えるだろう


志保「でも……でもそれなら この殺し合い
には組織は関係ないのかしら……それとも
やっぱり私と工藤君の正体を知ってこんな事に
巻き込んだのかしら」


宮野志保は考える だが一人では限界がある
そもそも自分は科学者であって探偵ではない


知能指数が高い=探偵になれる訳ではないのだ
そこまで考えて彼女は工藤新一の事を
思い浮かべる


彼ならきっとその卓越した頭脳でこの状況を
打破出来るはずだ


そして自惚れではなく自分もそんな彼を
的確にサポート出来る自信がある


それは長い時間を闇の中で共に過ごした
信頼関係から来る自信だった


そして彼を想う度に膨れ上がるこの想い
知らず知らずの内に宮野志保は口を開いていた


志保「会いたい……工藤君……何処にいるの
………貴方に会いたい」


新一「光栄だな 宮野にそう言って貰える
なんてな」


志保「ひゃあッ 工藤君ッ 貴方何時から
居たのッ!?」


突然の声に後ろを振り向くとそこには
想い人たる工藤新一がいた


人をからかったような皮肉っぽい言い草だが
その口調とは裏腹にその瞳は優しく志保を
包み込んでいた


そして彼を見た志保の表情も先程迄と
違いとても落ち着いた表情になっていた


志保「(不思議だわ さっき迄はあんなに
不安だったのに貴方が居るだけでこんなにも
落ち着く何て・・やっぱり私は貴方が好き
・・大好きよ工藤君)」


自分でもその精神の変化に気がついたのだろう


そして改めて思ったのだ自分はやはり
工藤新一が大好きなのだと 心の底から
愛しているのだと


それを知ってか知らずか工藤新一は言葉を
続ける


新一「お前に会えて良かったよ宮野こんな近く
にいたなんてな・・正直さお前に会う迄は
不安だったんだ・・でもお前に会えたら
そんな気持ちは吹っ飛んじまった」


志保「工藤君・・ありがとう工藤君私もよ
私も貴方に会いたかった」


お互いがお互いを見る表情は相手を信頼した
者にしか出来ないとても落ち着いたものだった


だが時間は限られている 2人は直ぐ様
状況を整理しはじめる


まずは志保が自分の考えを新一に話す


新一「ふぅむ………成る程なぁ……組織が
関係している可能性は五分五分か……
やっぱり宮野も同じ考えか」


新一の言葉に宮野志保も驚く事なく言い返す


志保「やっぱり工藤君も同じ考えなのね」


新一「あぁ 状況的に考えれば可能性は高いが
……何せ情報が何も無い」


新一の言葉は彼女も考えていた事だった


志保「そうよね……迂闊な思い込みは危険よね」


志保の呟きに新一も頷くと自分の考えを話す


新一「あぁ…それにもし組織が関係している
のなら何故これ程の多人数を集めたのか
………それに…(ガサガサ)・・っ!?…誰だッ!!」


新一の声を遮ったのは背後からの新たな
人の気配だった


新一は志保を後ろに庇いながら気配の元を
睨み付ける


志保「……工藤君」


新一「大丈夫だ……誰だ………こちらには
戦う意思はない………そちらはどうなんだ」


新一のその言葉で安心したのか直ぐに
草を掻き分けて一組の男女が現れた


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


新一と志保の居る場所から移動する事
僅か二百メートル程の処にその二人は居た


美雪「ねぇ一ちゃんこれからどうするの?」


一「そうだなぁ・・何をするにしても先ずは
情報収集と仲間だよな・・暗闇の部屋で
聞こえたあの声の主はどう考えてもまともじゃ
ないからな」


名探偵金田一耕助の孫にして祖父の才能を
受け継いだ名探偵金田一一と幼馴染の
七瀬美雪である


二人は何の巡り合わせか飛ばされた場所が
同じだったのだ


二人はこれからの事を話し合っていた


美雪「清志郎君助けられなかったね」


一「あぁ・・情けないよな 只黙って
見ているだけしか出来なかった何てよ」


美雪「でも少なくとも暗闇の声に立ち向かって
いった二人は信用出来るよね」


一「あぁ・・あんな事芝居で出来るもんじゃ
ないからな 〔ガサガサ〕 ぅん?・・
近くに誰か居るのか?」


美雪「どうするの一ちゃん」


一「どんな奴か確かめてみよう 静かに
ついてこいよ美雪」


美雪「うん わかった」


その時前方から人の気配を感じた二人は
どんな人物か確かめる為忍び足で近づいていく
そして草木を掻き分け進んで行った二人が
見た者は


美雪「うわぁあ・・美男美女がラブシーン
してるよ」


一「うひゃあ綺麗なお姉ちゃんだなぁ
目の保養ですなぁ美雪さん」


美雪「本当に素敵な2人だよねぇ・・
何だか憧れちゃうなぁ私もあんな素敵な
女性になりたい」


一「全くだ小言ばかり言う何処かの誰かさん
とは大違いだ」


美雪「ちょっと一ちゃんそれってどう言う
意味かな? かな?」


その瞬間美雪の背後に大きな鉈を持った
白い服の少女が見えた気がした
それを敏感に感じ取った一(はじめ)の表情に
冷や汗が浮かぶ


タラリ
一「は・・はは・・冗談だって美雪そう
睨むなよ・・けど本当に何の話をしてるんだろうな
表情から察すると真剣な話しをしてるようだけど」


美雪「此処からだと良く聞こえないね」


二人の視線の先に現れたのは同い年位の
お似合いのカップルであった


その二人は真剣な表情で何かを話し合っていた
その内容が気になった一と美雪は耳をそばだて
近づいていく


一「もうちょっと近づいてみるか 〔ズルッ〕
 うわぁあっ 〔ガサガサ〕 「誰だ!!」
 やべっ」


美雪「もう一ちゃん何やってるのよ!!」


しかし不注意だったのか一は草に足を取られ
盛大に物音を立ててしまい茂みの向こうの
二人に気付かれてしまった


盗み聞きしていたのがバレてしまいてっきり
逃げられるか怒られるからすると思ったが
意外な事に茂みの向こうの二人は友好的な
発言をしてきた



   「誰だ………こちらには戦う意思はない
………そちらはどうなんだ」


美雪「一ちゃん姿を見せた方が良いんじゃない
悪い人達じゃなさそうだよ」


一「そうだな・・良しっ行くぞ美雪」


その口調から二人が信用出来ると確信した
俺達は茂みを掻き分け二人の前に姿を現した


金田一「いゃあごめんごめん 脅かすつもりは
無かったんだけどさ余所見してたら転んじ
まってさ あはははははは」


美雪「もうっ 一ちゃんったら何呑気に
笑ってるのよ 少しは反省しなさい!!
大体普段から言ってるでしょう もう少し
運動しなさいって そんなんだから何もない
処で転ぶのよ」


金田一「うるせぇな美雪は いいんだよ
探偵にはそんなもん必要無いんだよ」


現れた二人は悪意の欠片もない自分達と
同い年と思われる爽やかな男女だった
だが二人はその中のある言葉に反応した


志保「ねぇ……一君って言ったかしら
……貴方も探偵なの?」


その言葉に金田一一の隣にいた七瀬美雪が
自慢げに答える


美雪「へへぇん 一ちゃんはこう見えても
あの有名な金田一耕助のお孫さんなんですよ
………あれっ?……えぇと詰まりは貴方も」


新一「ほぉ……あの金田一耕助の」


志保「凄いじゃない」


金田一「おい美雪……こう見えてもってのは
どういう意味だよ」


美雪「さてどう言う意味でしょうねぇ」


先程の言葉が気になったのか志保に訪ねる美雪


新一は金田一耕助の孫と言う言葉に強く反応し
一は美雪の言葉に子供っぽく不貞腐れるのであった


そしてそんな二人のやりとりに新一と志保の
頬も綻ぶ どうやら完全に目の前の二人を
信用したようだ


志保「ふふ 本当に仲がいいのねお二人共
工藤君貴方も自己紹介したらどう?」


志保のその言葉に新一は自信を持って
名乗りを挙げる


新一「俺の名前は工藤新一……探偵さ」


  ・・別の世界で生きる二人の名探偵が
遂にこの場で邂逅した・・


  ・・果たして二人の名探偵はこの殺し合い
を打破出来るのか・・


   「(それに あの暗闇の中の声
俺にはあの声が自分の間近に聞こえたんだ
まるであの部屋の中にいた俺達参加者の中から
聞こえたように感じたんだ)」




あとがき


第2話完了です このお語では新一×志保ですが
私は毛利蘭が嫌いな訳ではありません
元気で可愛らしい女の子だと思います
あくまでも私個人からみた結果としてこ
のような設定になりました









新バトル ロワイアル 第3話



まだ太陽が姿を見せない闇に包まれた時間帯
場所はエリアのCー3闘技場


周りを頑丈で分厚い円状の壁で覆われ
その壁の高さは百メートルにも及び上空からの
侵入も不可能なこの闘技場の唯一の入り口は
正面からの一つしかない


そんな鉄壁の守りに覆われた闘技場の内部では
一人の少年が興奮覚めやらぬ様子で怒り
狂っていた


無論人を襲っている訳ではない ただ
じっとしていられなかったのだ


何かに八つ当たりでもしないと止める事が
出来なかったからだ 溢れ出る涙を





新 バトルロワイアル 第3話 
守れなかった絆(真友)新たな誓い

日々野晴矢 温泉マーク 古畑任三郎
刻命裕也





ドグガゥァ!!! ガガアァァ!!
晴矢「うらぁああッーー!!!! 〔ガガンッ!!!!
ドガアァ!!!!〕 うらああぁぁぁッーー!!!!!
 〔ドッガァーー!!!〕 っらああぁぁッ!!!
清志郎ーーー!!!!」
ドガアァ!! ダガアァ!!!


少年の名は日々野晴矢 私立楽園高校に言える
通う2年生である


彼は悲しんでいた 悔やんでいた そして
何も出来なかった自分を憎んでいた


気を抜けば直ぐに思いだしてしまうのだ
岡本清志郎の笑顔を 何時も真っ直ぐで
人一倍根性があって 将来は画家になり
絵を書くのが夢だと楽しそうに言ってくれた


そしてその夢は叶う寸前だった 彼奴は
一年の終業式と同時に本格的に絵の勉強を
する為にパリへと渡った


その為に最後の思い出作りとして清志郎と
一条誠と山奈みちると4人で京都旅行に行った


そして別れの日には空港に見送りにも行った


   「日々野さん一条君山奈さん本当に
ありがとう 皆さんと一緒に過ごした
楽しい日々を僕は絶対に忘れません!!
一生の宝物です!!  俺様の舎弟として
無様な姿は晒すんじゃねぇぞ夢は大きく持て
絵で世界征服してみせろや  はいっ
頑張ります!!  寂しくなっちまうな
・・けど人生何事も経験だ 何があっても
挫けるんじゃねぇぞ  ありがとう一条君
  毎週電話するからね夏休みに入ったら
遊びに行くから冬休みも遊びに行くから
・・だから・・だから・・さよならは
言わないよ いってらっしゃい岡本  
うん行ってきます山奈さん・・じゃあ
もう行くね  清志郎!! 餞別じゃ
受け取れや!! 〔ドッガァアアン!!〕
 こら日々野!! てめぇ何やってやがる
壁に穴が開いちまったじゃねぇか!!
  ははまぁ日々野らしい餞別だよな
  ありがとう日々野さんありがとう一条君
ありがとう山奈さん ありがとう僕の
生涯最高の大切な仲間達!!」


これから彼奴には幸せが待ってるはずだった
自分の夢を叶えて沢山の幸せを手にする
筈だった 彼奴の絵で世界中の人間に
夢を与えられる筈だった それなのに
それなのに


日々野「何でじゃあーー!! 清志郎ーーー!!!」
ダガアァッ!!!  ドグガゥァッ!!!


  ………その夢は もう叶わない…………


  ・・永遠に叶う事はない・・


そしてそんな晴矢を二人の年配の男性が
悼ましそうな表情で見守っていた


温泉マーク「っ……ねぇ古畑さん……情け無い
ですなぁ……あんな 年若い少年を見殺しにして
私達のような年寄りがのうのうと生きてる
なんて……どうして儂らが犠牲にならな
かったんでしょうなぁ」


年配の男性温泉マークの辛い告白にもう一人の
男性古畑任三郎も自分の意見を延べる


古畑任三郎「本当に自分が情けないです
………ですが温泉さん自棄になっては
いけません……岡本清志郎君の事は残念でした
……あってはならない悲劇でした……だからこそ
私達は前に進まないければなりません
……守りましょう今度こそ未来ある若者達を」


答えた古畑任三郎もとても辛そうだった
当然だろう警部補たる己が目の前で起こった
犯罪を止められずその結果年若い未来ある
少年を死なせてしまったのだから


だがそれでも絶望するわけには行かない
自分達は前に進まないければならない
守らなければならないのだ


今度こそまだ生きている未来ある若者達を
その想いが温泉マークにも伝わったのだろう
彼も決意を固めた表情で返事をした


温泉マーク「そうですな……守りましょう
今度こそ……未来ある若者達を……そして儂等は
子供達の礎となりましょう」


男達は仕事は違えど共に未来ある若者達を
守る仕事に就いていた


だからこそ岡本清志郎を助けられなかった事は
彼らの心に大きな楔となって残ったのだった


温泉マークは教師として常に生徒達を
見守っていた 自分が生徒達に人気がないのは
分かっていた


だがそれでも彼は生徒が大好きだった
教師という仕事にやりがいを感じていた
その結果素晴らしい生徒達に巡り会えた


諸星あたる 面堂終太郎 ラム君 三宅しのぶ
藤波竜之介 皆未来ある素晴らしい生徒達だ
そしてその生徒達の内何人かはこの場に
呼ばれているようだ


古畑任三郎は警部補だった 犯罪を防ぎ
常に市民を守り市民の生活を笑顔を守る
それが彼の仕事だった


否自分のやりがいだった これまで多くの
犯罪を目にしてきた その中には未来ある
若者達もいた 犯罪を止められなかった時
守れなかった時 何時も心には後悔の念が残る


そんな時何時も自分を支えてくれたのが
仲間達だった そして一番の部下今泉慎太郎も
この殺し合いに参加している


いつも馬鹿ばかりやっている彼だがその心は
市民を守ろうとする心は誰にも負けない


きっと今も皆を守ろうとしてる筈だ 
ならば無様な姿は見せられない守らなければ
ならない 未来ある若者達を犠牲にしては
ならないのだ


カラン カラン ペタリ
日々野「ふう…ふう……ふうっ……くそ」
漸く落ち着いたのだろう 晴矢が手に
持っていた金属バットを放り投げ地面に
座り込む


まだまだ興奮は覚めやらない様子だが
先程よりは多少落ち着いたようなので
二人は晴矢に話しかける事にした


無論迂闊な事は話さない この場合に
そのような話は逆効果になると今までの
経験から分かっていたからだ


だから晴矢に聞く事は至ってシンプルだった
それで十分伝わると分かっていたから


温泉マーク「なぁ日々野君・・岡本君は
どんな人物だったんだ」


古畑「日々野君を見ていれば良くわかります
……きっと素晴らしい人物だったんでしょう」


聞く方も辛い質問だ それでも聞いて
おかなければならない


そして二人のそんな優しさが伝わったのか
晴矢は口を開く


晴矢「そんなの決まってる……彼奴は
清志郎は俺様の……最高の部下だった
決して弱虫なんかじゃねえ…腰抜けなんかじゃ
なかった…彼奴はッ……清志郎はッ!!!!」


それ以上は言葉にならなかったのだろう
だが二人にはそれだけでこの少年が岡本清志郎
をどれだけ大切に思っていたのか十分に
伝わった


だからこそこの言っておかなければならない


古畑「日々野君……岡本君は最後に言って
ましたね・・ありがとうと……きっと
岡本君も君と同じ気持ちだったんでしょう」


温泉マーク「えぇ…私もそう思います
……きっと彼も日々野君の事が大好きだった
筈ですよ…最高の友達だったと思って
いたんですよ」


古畑任三郎と温泉マークのその言葉に
晴矢は唇を噛み締める そして強い決意の
籠もった瞳を2人に向ける


晴矢「ふぅ……わりぃなおっさん達 
心配かけちまったな……もう大丈夫だ」


その表情を見て二人も安心する そんな二人に
晴矢は幾分申し訳なさそうにしながらも
決意の眼差しを向ける


晴矢「すまねぇがよ少しの間一人にしてくれや
……大丈夫じゃ少しの間だけだからよ」


その言葉に二人は反論せずに納得しこの場を
離れる事にした


任三朗「分かりました では我々は外に
出ています……行きましょう温泉さん」


温泉マーク「えぇ行きましょう古畑さん」


そう言って2人は闘技場の外へと出て行く
それを見届けると晴矢は大きく息を吸い込み
空に向かって咆哮する


晴矢「清志郎ーーー!!! お前は俺様の
最高の部下じゃーーー!!!!! 胸を張れッ!!!!
後は俺様にまかせとけッ!! 俺様は無敵の男
日々野晴矢様じゃあーーーー!!!!!!!」ポタリ


  ・・絶叫する日比野晴矢の瞳から
涙が一雫こぼれ落ちた・・


晴矢の叫びは闘技場の外にも聞こえていた
それを聞いていた古畑任三郎と温泉マークの
顔に柔らかな微笑みが浮かぶ


温泉マーク「日々野君は立ち直ってくれた
ようですな本当に良かった」


任三朗「きっと岡本君もそれを望んでいた
筈ですよ……日々野君を見ればわかります
彼らの絆の深さが」


古畑任三郎の脳裏に嘗ての事件が蘇る
犯した罪は消せないが仲間を守ろうとした
強い絆を持った5人の若者達


今頃彼等はどうしているだろうか 罪を償って
新たな人生をスタートさせているだろうか


任三朗「……(smapの皆さん君達に勝るとも
劣らない絆を持った少年達がここに居ますよ
どうか彼らを見守っていて下さい)………」


古畑任三郎が物思いに耽っていると温泉マーク
から声が掛かる


温泉マーク「古畑さんそろそろ戻りましょう」


任三朗「えぇ・・おや?」


その言葉に古畑任三郎も頷こうとした時
西の方角から若者が走ってきた


タッタッタッタッ
刻命「ハア…ハアッ…大変ですッ 助けて
下さい!! 僕の仲間が襲われているんですッ!!」


全く汗は掻いていないが余程急いできたの
だろう 大きく息を乱して叫ぶその言葉に
2人は強く反応する


理由を聞くと刻命裕也と名乗った若者は
仲間達と病院に集まって居たらしい


しかし何者かが襲撃してきて自分が助けを
呼びに逃げ出してきたらしい


それを聞いて古畑任三郎は刻命裕也に確認する


任三朗「それは大変でしたね……刻命さんは
病院からずっと走ってきたんですね・・
途中で休む事もせずに助けを呼ぶ為に
此処まで走ってきたんですね?」


刻命「そうです!! お願いです力をかして
くださいッ!!」


古畑任三郎は少し考えた後温泉マークに
話しかけながらも小声で耳打ちする


任三朗「温泉さん私は彼と病院に行きます
日々野さんをお願いします……《彼は嘘を
吐いています まだ辺りに仲間がいるかも
しれない気をつけて 二回目の放送の後
中心の橋で持ち合わせしましょう》……」


その言葉に冷静に勤めながら少し考えた後
温泉マークも頷く


温泉マーク「そうですか……分かりました
日々野君は私に任せください……《古畑さん
何か嫌な予感がします気を付けて》…」


刻命裕也から何か不吉な予兆を感じたのだろう
二人共大事な所は小声で会話した後古畑は
刻命裕也に向き直る


任三朗「では行きましょうか刻命さん
案内をお願いします」


裕也「ありがとうございます助かります
こちらです……(くくく・・馬鹿な奴だ)…」
タタタタタッ


そして二人は闘技場から離れていく


温泉マーク「古畑さん・・どうかご無事で」


刻命裕也の瞳が獲物を見つけた獣のように
鋭く光る


任三朗「…………」


だが刻命裕也は気がついていない古畑任三郎は
既に刻命裕也の嘘に気がついていた事に


  ………刻命裕也と古畑任三郎の化かし合い
が今始まる………






第3話完了です

果たして二人の向かう病院では何が待ち受けて
いるのか 
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