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ソードアート・オンライン stylish・story

作者:黒神
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第四十六話 全て終わって

 
前書き
遅くなりました。やっぱりオリジナルの話って難しいです><

ではどうぞ!! 

 
和人と修也がALOの事件を解決して、数週間が経った。
逮捕された須郷は初めは事件を否定していたが修也が持っていた報告書のコピーと須郷の元にいた一人の研究者員が参考人として引っ張られ、逃げ場を完全に失った須郷はアッサリと自分の罪を自白した。
そこまでは良かった。しかしSAOに続きALOでのこの事件はVRMMOの運営に大きな打撃が入ってしまい、あちこちの運営が閉鎖してしまった。ALOを運営していたレクトも解散し、本社も大きな打撃を受けてしまった。

「まあ、分かってはいたが、ここまで大きな損害になるとは思わなかったな。んでも人の命を・・・明日奈を救う事が出来たのは嬉しい事だ」

修也自身も明日奈を救うためにやってきたこの二年間が無駄でなかった事を実感していた。

「それに俺も早い所、大学卒業して親父の荷を少しでも和らげてやんねぇとな」

結城家で心に傷を負っていたのは明日奈だけではなく、修也の父親もかなりのショックを受けていた。それもそうだろう・・・自分の本当の息子のように接してきた部下に裏切られ、挙句の果てには自分が経営している本社にもかなりの損害が出てしまったのだから。
そのショックを与えてしまったキッカケを作った自分にも責任があると修也は感じた。

「でも今日は明日奈の見舞いって事で、その事は一旦伏せさせて貰うか」

今日は日曜日で天気も良かったので、明日奈の見舞いに行く事にした。
病院に行く道中に果物屋に寄り、リンゴなどの消化の良い果物を購入すると病院へと向かった。そして病院に着き、エレベーターに乗ると一つの事が頭を過ぎる

「んでも、明日奈は和人とイチャコラやってんだろうけどな・・・見舞いのついでにその光景をからかうとしますか!!」

和人と明日奈は本当の恋人同士となり、会わない日はないと言う位に和人は明日奈に会いに来ていた。
その気持ちは分からなくは無かった。やっとリアルで名前を呼び合うことが出来、ゲームには無い物を二人は手にする事が出来たのだから。
【その時】の修也は心から二人の事を祝福していたが【今】の修也は二人のからかわれた姿を頭に思い浮かべながらニシシと嘲笑を浮べながら内容を考えていた。
明日奈の病室の前に着くとカードキーを差して、病室に入ると声をかける。

「よっ!!見舞いに来て、やっ・・・た」

「へっ・・・?」

修也は明日奈に見舞いの挨拶を交わして姿を見た瞬間、空気が凍った。
今の時間は昼を過ぎており、本来なら和人がいる筈なのだが今日に限って本人が居なかった。その代わりにあったのは女性独特の白い肌と細い肩、そして形の良い胸部だった。
要するに上半身がほぼ全裸の状態の明日奈がベットに座っており、彼女のそばにはぬるま湯の入った洗面器と右手には手拭いが握られていた。
おそらくはリハビリの一環として身体の汗を拭っている最中だったのだろう。

「あ、あるぇ?」

修也が呆気ない言葉を口にすると明日奈は自分の現状を理解したのかカタカタと震えながら俯き、そして側においてあった洗面器のお湯をベットの近くにある流し場に捨てると・・・

「・・・ば、ば」

「い”い”、いやべっ!」

「お兄ちゃんのバカァァァァァァ!!!」

身の危険を察知した修也は逸早く逃げようとしたが明日奈の叫び声と一緒に目の前には洗面器が迫って来ていた・・・

「いでっ!!(ナ、ナイッスロー・・・)」

明日奈が投げた洗面器はとてもリハビリ中の患者とは思えない程の速さと威力があり、それを額に受けた修也はひっくり返り、後頭部を思いっきり地面に打ってしまった。しかし持っていたフルーツバスケットは意地で守り抜いたみたいだった。

~~~~~~~~~~~

「もう!お兄ちゃんのバカ!!」

「だから悪かったって!!俺もお前が身体を拭いてるなんて思いもしなかったんだからよ!!」

一悶着あった後明日奈は病院着を着直すとベットに腰掛け、入って来る事を許したが自分の上半身を見られた事はまだ許してなかった。不可抗力とは言え、妹の身体を見てしまった事は悪いと思っているようだ。

「まあ悪気はなかったみたいだから、今回は許してあげる。でも次は無いからね?」

「分かった!分かったからそんな怖い顔をしないでくれ!!」

「よろしい」

(和人が明日奈の事を時々、【抜刀妻】なんて言ってるから何の事か分からんかったが今の表情で剣を向けられていたら堪ったモンじゃねぇな・・・抜刀+妻で【抜刀妻(ばっとうさい)】か・・・しゃれたモンだな、おい)

和人が考えたネーミングに頭を抱え、ヤレヤレと振っていると明日奈が表情を元に戻し尋ねる。

「それで何の用でここに来たの?」

「最近親父やら会社やらでゴタゴタしていて見舞いに来れなかったからな。来ちゃ悪かったか?」

父親は前に説明した通りだが、母親も大学の教授の仕事で来る事が出来ずにいた。
明日奈も勿論その事は分かっている筈だがやはり寂しい事に変わりは無かった。だがそれを消してくれるために見舞いに着てくれる修也は和人同様に心を癒してくれる存在だった。

「ううん。ありがと、お兄ちゃん」

「どういたしまして。あ、そうだ。果物買って来たんだが食べるか?」

「うん。折角だから食べようかな」

修也はバスケットを台の上に置くとそこからリンゴを一つ取り出し、椅子に腰掛けると持ってきていたぺティナイフでリンゴの皮を剥き始めた。すると修也が何かを思い出したのかふと呟く。

「そう言えば久しぶりだな。こうやってお前に果物を切ってやるの」

「そうだね。最近は自分でやってるもんね」

「初めは酷かったよなー、俺。包丁の扱いに慣れてなくて指切った時は痛かったの何の」

修也は中学生で料理もまだ全然出来なかった頃の話で、小腹が空いた明日奈と修也は食べ物を探していたがその時は丁度レトルトも切らしていたらしく、あったのはリンゴだけだった。仕方なく修也が剥く事になったのだがぎこちなく挙句の果てには自分の指を軽く切ってしまうと言う仕舞いになってしまった。

「あの時のお兄ちゃんの顔と悲鳴を思い出すと・・・ぷっ、あはは」

「人の不幸を笑うのはどうかと思うぞ?ほら、出来た」

思い出し笑いをしている明日奈を少し眼を細めた修也が言い聞かせるがそんな事を言っている間に修也はリンゴの皮剥きを終え、八等分に切り分けていた。そしてそれを紙皿に乗せると明日奈に差し出した。

「ありがとう。でもどうせならウサギが良かったかな~」

「・・・お前。それ俺が食って、持ってきた果物も持って帰るぞ?」

「嘘嘘。冗談だから。普段からかわれてきたそのお返し」

「はあ・・・妹にしてやられるとはね。どうしてこうなった?」

今回の見舞いはからう事も考えてきたのだが、逆に修也が明日奈にからかわれる事になってしまう事になるとは本人も思いもしなかっただろう。

~~~~~~~~~~~

少しの間食を終えた後、天気が良いので外に行かないかという修也の提案に明日奈は賛同した。とは言え意識を取り戻して数週間しか立っていない為、身体は筋肉萎縮が完全に治っていなかった。勿論リハビリをやっているが女性である明日奈は回復は男性よりは遅いみたいだった。しかし点滴は取れているためそれ以上に動き難くなる事はなかった。
なので明日奈は車イスで外に出る事になった。担当医師には修也が付き添うと言う事で許可を貰った。
修也は車イスを動かし、病院の中庭にやってくると空いていた長イスに腰掛けることにした。明日奈が車椅子から降りる時は修也が肩を貸し、ゆっくりと椅子に座った。その隣に
修也が腰掛ける

「う~ん。良い天気!」

病室に篭りがちだった明日奈は外の空気を吸い、上半身だけ背伸びをする。

「だな。今は1月の終わり頃で気温も寒いと思っていたが日が照って良い温度になってる。絶好の散歩日和だ」

「本当に戻ってきたんだね・・・現代に」

明日奈がSAOでの日々を思い出したのかそう呟く。

「だな。思えばSAOでの日々は大変だったが、生きがいはあったな」

「お兄ちゃんの名前は知らない人は居ないって位知れ渡ってたしね。私も血盟騎士団の副団長と言う事で知られてたみたいだったけど、お兄ちゃんには敵わなかったな」

明日奈の名前は和人の【黒の剣士】同様に【閃光】と言う名前でSAOの中で響き渡っていたが様々な人から依頼を受け、それをほぼ100%成功させてきた【真紅の狩人】の修也もSAOに響いていたのは確かだった。

「俺はただ仕事をやっていただけだ。それに比べたらお前の方が立派だったぜ?明日奈」

「でもその勇気をくれたのは、キリト君とお兄ちゃんだよ?」

明日奈が修也の顔を覗き込むように顔を動かし笑顔で自分の考えを述べる。
修也もSAOに入る前にはあまり見なかった明日奈の笑顔が返ってきた事には大きな嬉しさがあった。

(SAOで失う物もあったが、得る物もあったみたいだな。あの出来事は完全に悪だと決め付けるのは早とちりって訳か)

修也はフッと軽く笑みを零し答える。

「そうか。こんな俺でも役に立つ事があったんだな。兄としては嬉しい限りだ」

「あっ!!そうだ。キリト君には言って、お兄ちゃんには言ってなかった事があった」

修也は明日奈の忘れていた事に少し首を傾げていると・・・

「助けてくれてありがとう、修也兄さん」

明日奈の笑顔のお礼に修也は自分の右手を明日奈の頭の上に優しく乗せる。

「どういたしまして、世話かけ妹」

(お兄ちゃんから頭を撫でられるのって久しぶりかも)

明日奈は修也の頭摩りに軽く俯き、懐かしい安心を感じていたが・・・

「って!子供扱いしないで!!」

ハッと我に返り、急いで修也の手を振り解いたが修也はクスクスと嘲笑を浮べていた。

「ん~?でも満更じゃないって顔してたぜ?お前」

「う~~~!!!バカァァァ!!!」

図星だったのか顔を赤くして行き、声を張り上げ右のストレートを修也の頬に打ち込んだ。
勢いがあったのか修也はイスから転げ落ちてしまった。

「痛つつ。でもそれだけ元気がありゃ、完璧に動けるようになるのも遅くないかもな」

殴られた頬を押さえながら、妹の復帰を喜んでいた。
その後は明日奈のリハビリにも付き合い、今日一日は明日奈に付き添ったそうだった。 
 

 
後書き
遅い期日ですが新年、あけましておめでとうございます!!
年末のソードアート・オンラインのエクストラエディションは皆さんはご覧になりましたか?
ソードアート・オンラインの2期が来ましたね・・・と言う事は?ここはみなさんのご想像にお任せします!!

次回は直葉とのデート風景を書きたいと思います!!

では感想と指摘、よろしくお願いします!! 
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