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鉄槌と清風

作者:deburu
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24部分:23:夜天の守護者1


23:夜天の守護者1

 結界を破り、外にでてみれば、絶望の表情をし、足元に紫の魔力光でベルカ式魔法陣を描いているはやて…その顔の前には、夜天の書。
 はやての近くに守護騎士の姿はなく、シグナムとシャマルの着ていた服だけが風で飛ばされていった。

 呆然と見守る三人…良彦、なのは、フェイト…の前で、それが始まる。
 はやてが苦しみながら紫の魔力光に包まれていく、その姿は身長が伸び、スタイルも変わっていって…銀の長髪に赤い瞳、黒のジャケットを纏い、全身に刺青のような帯を浮かべた、女性。

 「夜天の守護者…」

 良彦の口から漏れるのはかつてリトが彼女を呼んでいた名前。
 瞳を開けばそこにはかなしみ…そして怒りと絶望が浮かんでいる。

 「また、全てが終わる、主も守護騎士も、全てが消えていく」

 「諦めるな、はやてを起こせば!」

 「そうだよ、まだ手はきっとあるよ!」

 良彦となのはの言葉にゆっくりと首をふる、管制人格。

 「すでに闇の書は完成してしまった、後は破壊だけが残るのみ」

 「なぜ、そんなに直ぐ諦めるの!」

 フェイトが叫ぶ。

 「永い永い時、幾度も同じ事を繰り返してきた…もう止まらない」

 ゆっくりと両手を掲げる、管制人格…夜天の守護者。

 「我は闇の書、我が力の全ては、主の願いのそのままに」

 ベルカ式魔法陣が広がり、夜天の守護者の両手の間に闇が広がっていく。

 「闇に、染まれ」

 『デアボリック・エミッション』

 その闇が広がっていく。

 「空間攻撃か、距離をっ」

 良彦の言葉に、一気に離脱する3人、闇は広がり辺りを飲み込んでいく。
 
 「フェイトちゃん、よしくん!」

 「なのは、ヨシヒコ!」

 「なのは、フェイト!」

 闇に飲み込まれる瞬間、桃色のシールドが闇をうけとめ、フェイトがシールドを張ったなのはをひっぱり、二人を庇うように抱きしめた良彦が、『貫き』を発動させる。
 なのはのラウンドシールド、フェイトの機動力、良彦の『貫き』による風の結界…結果、高層ビルの影で3人はその闇に何とか耐え切ることができた。

 「いまのは、やばいね」

 「うん、もう一寸で、落ちる所だった」

 「夜天の守護者は、広域殲滅型の魔法が得意だからな…俺とは相性最悪だな」

 フェイト、なのは、良彦がそれぞれ感想を言い合い。

 「とはいえ、はやてをたたき起こさないといけねーし、な…ワンパンくれてやるか」

 「そうだね、まだ諦めたくない」

 「うん…まだきっとまにあうよ」

 『フェイト、なのは、良彦、無事かい?』

 『3人とも、大丈夫?』

 諦めない事を確認していると、アルフとユーノから連絡。

 「あぁ初撃はなんとかしのいだ、そっちは?」

 『直ぐつくよ、書は完成したみたいだね』

 「守護騎士との会話に集中してたら、結界はられて、その間にな…ま、諦めてやる気はないけど」

 『当然っ、フェイトもなのはもいるし、良彦もいる、あたしらも直ぐ付く、諦める理由とか無いよ』

 といっていると、アルフとユーノも合流。

 「ユーノくん、きてくれてありがとね」

 「ううん、なのはは大丈夫?」

 「うん」

 師弟コンビはお互いの無事を確認し。

 「フェイト、怪我はないかい?」

 「大丈夫だよ、アルフ」

 主従はお互いを思いやり。

 「んじゃ、アルフとユーノは、二人の防御と支援を、なのは、フェイトは、攻撃を頼む…俺は隙をみて、攻撃するから」

 「それだとよしくん一人になっちゃうよ?」

 「急造で、支援とかは逆にタイミング合わなくて危険だし…何より俺は一番この戦いじゃ、足手まといになる」

 「…なんで?」

 「フェイトはしらなかったっけ…射撃も砲撃も素質ないんだ、広域攻撃が得意な相手に近接オンリーとか、かなり危険だろ?」

 「そっか、そうしたら…その分け方のほうがいいね」

 「そういう事…遠距離は一個だけあるんだけど、撃つのに時間かかるからこの状況じゃ無理だしな…さて、そろそろいくか」

 ぱんっと拳と掌をたたき合わせ、気合を入れる。
 その掛け声と音を合図に、周囲に散開する5人。

 「いくよ、ユーノくん」

 『アクセルシューター』

 レイジングハートの声と共に桃色のスフィアが形成され、誘導弾を放つ。

 「いいよ、なのは…チェーンバインド!」

 アクセルシューターを片手のシールドで弾く夜店の守護者…其処に巻きつく鎖状の捕縛魔法。
 逆側では

 「プラズマランサー…」

 『ファイア』

 金色の槍が撃ち放たれ、同じようにシールドで弾く所を

 「そこだよ、チェーンバインド」

 アルフがユーノと同じ魔法で食い止め。

 「いくぞ、ゼピュロス!」

 「『貫き』」

 高速移動で、飛び込んだ良彦が、腕の使えない夜天の守護者に殴りかかる、その拳は青く光り風を纏う。
 が、

 「パンツァーガイスト」

 紫の魔力光に包まれた夜天の守護者の防御魔法で弾かれ…その間にチェーンバインドは砕かれ、再び自由を取り戻す夜天の守護者。

 「シールドも鎧もえらくかたいな…んじゃっ」

 弾かれた拳を引き、自由を取り戻したばかりの夜天の守護者の右腕をとり、鎧の魔力を『流す』、鎧は少しずつ光りを失い始め…る、所で、守護者の左拳が良彦に振るわれる。
 紫に輝く拳を、掴んでいた腕も放して両手でシールドを張って受け止め、そのまま後方に距離をとり。

 「なのは、フェイト!」

 溜め作っていた二人に声を掛ける…二人が同時にはなつのは、直射砲撃。

 「ディバイーン…」

 『…バスター』

 「プラズマ…」

 『…スマッシャー』

 桃色と黄金の砲撃が逆方向から、守護者へ襲い掛かる。
 守護者はそれぞれに手を掲げ。

 「盾」

 一言となえ、二枚のシールドを形成し、砲撃を受け止めながら。

 「刃以て、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー」

 『ブルーティガードルヒ』

 一言唱える…良彦の、なのはの、フェイトの周囲に魔力でできた短剣が現れ一瞬で殺到する。
 それぞれ煙に巻かれるなか、3人ともぎりぎり防御したのか、飛び出し、構え直す。
 その間に、守護者は次に行動に移っている。

 片手を高くかかげ、ミッド式の魔法陣を作り出す、手の先には桃色の光り。

 「咎人達に、滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ」

 それは、なのはの持つ最大攻撃魔法。

 「いけない、距離をとらないと」

 受けた事のあるフェイトはすばやく判断する…

 「え、なんで?」

 「至近じゃ防御の上からでも落とされる」

 「くっ、皆距離を」

 良彦の掛け声で、フェイトがなのはを、アルフがユーノを抱えて高速で距離をとる、良彦もなのはとフェイトの方向へ離脱。

 『サー、この先に動態反応、誰かいます」

 離脱中にバルディッシュからの警告。

 「はぁ?…此処って隔離結界だろ、誰がいるんだ?」

 『距離接近中、目視距離ちかづきます』

 その言葉に、フェイトはなのはを離し、なのはは足を滑らせながら着地して土煙が上がる、フェイトはそのまま信号機の上におりたち、良彦は上空で停止。
 その間も、桃色の光は強さをましていて。
 煙が晴れた其処には、金色の髪の少女と紫の髪の少女、見覚えのある制服をきた、見覚えのある二人…アリサとすずか。

 「アリサちゃん、すずかちゃん、なんで?」

 「なのはに、フェイト…?」

 「二人ともなんで、此処に」

 「わからないの突然…」

 「言ってる場合か、くるぞ」

 お互いを認識し混乱する4人に声をかけ、一番手前に着地する良彦。

 「良彦まで?、なにやってんのあんたら、そんな格好で!」

 「ごめん、話は後で」

 バシュバシュっとカートリッジが2発ロードされ、黄金の半球がアリサとすずかを包み込む。

 『ディフェンサープラス』

 バルディッシュの声が響く。
 半球の前にたち更にシールドを張るフェイト、その前でこちらも2発カートリッジをロードしたなのはとレイジングハートが

 「守ってレイジングハート」

 『ワイドエリアプロテクション』

 なのはの前方に桃色の障壁が出来上がる。
 更に前方、両手を組み合わせ、此方も2発カートリッジロード。

 「ゼピュロス…風を!」

 『風の大盾』

 青い魔力光でできた巨大なシールドの中心から外へ向かい風が流れる…受け流す事を目的とした大型防御壁。
 そして、紡がれる光りの呪文。

 「貫け!閃光! スターライト・ブレイカー!」

 空の一点から、桃色の光りが広がって、結界内を埋め尽くす…全ては光りに飲み込まれて………。
 光りが収まったあとには………———。
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管制人格覚醒から、スターライトブレイカーまで…。

次回は、その後の戦闘とはやて覚醒までいけるかどうか、です。
 
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