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ソードアート・オンライン~黒の剣士と紅き死神~

作者:ULLR
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アイングラッド編
SAO編
  答えと決意

 
前書き
お久です。 

 








決闘が始まった瞬間、大太刀が頭上から降ってくる。
システムアシストを受けずに振られたそれは、レイの筋力パラメータにより十分な威力を持っていた。

レイのステータスは筋力寄りバランス型、対する俺は敏捷寄り。

さらにソロプレイとパーティープレイのレベル差もあるため、レイの攻撃を受けるまたは受け流すだけでも看過できないダメージを負ってしまう。
そう判断し、横に跳ぶ。その勢いのまま、レイに突進する。

本当はソードスキルを使いたかったが、このまま突進すれば大太刀の間合いの内側に入ることができ、小回りの利かない大太刀に不利な展開になる。
事実、前回カイトとレイが模擬戦をしたときにこの方法でレイを窮地に追い込んだ(一瞬のスキに距離を取られて敗れたが)。

ソードスキルを無理に使わなかったのは技後硬直を嫌ったからだ。

狙い通り大太刀の懐、刀の最も効果的な間合いに入ることができた。


しかし、

「甘い」



突き出された刀に手を添え、僅に軌道を逸らせる。

ーー武器防御スキル‼︎

攻撃を逸らされたことにより、姿勢が崩れた隙に体術スキルによる攻撃が打ち込まれる。
決着をつけるのには十分な威力の拳を避け、大きく距離を取る。

(距離の弱点をゼロ距離技で克服したのか?)

というか、以前と本気度合いが違うのか。

後方に下がると同時に追撃をかけて来たレイの攻撃を紙一重でかわし、今度はレイの後方に突進し背後をとる。

「はぁっ!!」

必中の距離でのソードスキル。

しかも上位技5連撃。
本来ならば、これで勝負がつくはずだった。
だが、初撃を大きく弾かれて技は不発に終わった。

彼の二つ名『雷閃』は文字通り、彼の攻撃スピード、鋭さに起因する。レベル差はあれど、敏捷力では彼に歩があった。

だが、彼らの間ではそれは何かが違えば埋まってしまう程度の差でしかなかった。

例えばスキル熟練度、数値が高いほど発動の速さと剣速に補正がかかる。
ゲーム開始初期に大太刀スキルを手にいれたレイはすでにマスターして久しい。

だから、後だしのソードスキルでも迎撃することが可能だった。
体勢を立て直すために大きく距離を取る2人。

「その程度か?何を考えている」
「わかんねえんだよ。お前が俺に怒っている理由が。おれはアスナを守りたいなんて思っていない。少なくとも、今は」
「なら、もう一度問う。貴様がやりたいことは何だ。彼女の無事を確認する?その後は?また危険な最前線で戦わせるのか?」
「……俺にアスナを止める権利は無い。あいつが自ら考えて出した結論に口出しするつもりも無い」



「……これでもわからんのか」
「……何が?」
「前提から間違っている。アスナに限った話ではない。お前に何かを……失いたくないものを守る力はあるか?」
「……っ!!」

「傍に居ないから守れない。彼女が決めたことだから関係ない。それは自分に力がないということを認めない言い訳だ。お前はギルドマスターとして、メンバーを守れるか!?」

そう言ってレイは刀を納めた。もうお前の事など見限った、というように……。

「自分の真の気持ちに嘘をついてまで、自分の弱さを否定する者に何かを守るための戦いをする権利は無い」



「……悪かった。降参」



―You lose―



「世話の焼けるギルドリーダーだな」



「「そうね」」「うん」



「ってお前らいつからそこにいたんだ?」
「あんたが馬鹿みたいに突っ込んで行ったところから」
「つまり、最初からだね」
「……今起きた」
「……買い物は?」
「「………」」

「おい!?」



「さて、ほっといて何か旨いものでも食いに行くか。行くぞアード」
「……肉がいい」


「「「待ってくれぇぇぇっ!!」」」



薄暗くなった街で賑やかな集団が転移門に向かって行った。

















現実世界 日本海 海上




海上自衛隊が所有する護衛艦の甲板。その上に明らかに自衛官に見えない少女が立っていた。



その瞳は緋色。容姿はどこか血の繋がらない彼女の兄に似ていた。

「水城二佐」
「……何故貴方が居るのですか?菊岡二佐」
「細かいことは気にしない気にしない」
「……そろそろ目的地ですね。真面目に答えないのなら船の錨代わりに沈めましょうか?全身縛って」
「……勘弁して下さい」

「ご用件は?」
「兄上様はまだあの世界で生き残っているそうだよ」
「……そんなことを言いに来たのですか?」
「興味あるでしょう?」

「無いですね。速く居なくなって欲しくはありますが」
「盗聴機のチェックはしてあるから気にしなくていいよ」
「……何を言っているのか解りませんね」

「まぁいいけど」



そう言って菊岡は甲板のへりに歩を進めた。

「残念ながら螢君は帰ってくるよ。茅場先生が何をしようと、ね」
「それはそれで構いません。私達の対応はこれからも変わりませんから」
「全く、ツンデレなんだから……」



「総員に通達。甲板に痴漢が現れた。鹵獲し、海に沈めろ」



「ちょっと待って!?」



ぎゃあぎゃあ騒ぐ菊岡……もとい痴漢を完全に無視し、電源を入れた通信機に向かって指令を出す。



「目的地に到達し次第、即刻任務を開始する。総員、準備にかかれ」



『了解』



少女は年に似合わぬ低い声で命令を下し、その場を後にした。

その顔には苦慮の表情。













(お兄様……、必ず……帰って来て下さい……)











 
 

 
後書き
中々ボス攻略いかないな…。と思っていた方、すいません。
戦闘描写は省きます。理由?自信が無いから!

次回はオリ主登場なしです。彼をなしにその他が暴れる予定です。

現実世界の話も入れました。
螢の?を入れた理由が知りたいだって?某剣道少女と絡ませるためですよ。(書きながら思いついた) 
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