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ソードアート・オンライン~冥界を司る女神と平和の創り手~

作者:ほにゃ~
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第7,5話 《Untouchable!》 詩乃SIDE

バイトを始めて数日が経った。

意外にも遠藤達からの嫌がらせがなくバイトは順調に進んでる。

そのおかげもあり生活に余裕ができアミュスフィアとGGOをなんとか買うことが出来た。

そして、今、私は秋人にGGOの説明を聞いている。

何故かチュートリアル風に。

これが意外とうまい。

「以上がGGOでのチュートリアルだ」

「丁寧かつゲームっぽい説明ありがとう」

頭を下げてお礼を言う。

昔の私なら、「そう、ありがと」っとそれだけ言って終わっているだろう。

こんな風に会話することだってなかったはずだ。

「それじゃあ、俺は帰るな」

「ねぇ、秋人はGGO、今日は入るの?」

帰ろうとした秋人に声を掛け呼び止める。

「ああ、入るぞ」

「なら、私が新川君と向うで会った後、GGOで会える?」

「あ~、悪い。今日、GGOでの友達に会う予定なんだ。だから、今日は無理」

「そう…………」

その言葉に少し悲しくなった。

そんな私の気持を知ってか知らずか秋人は私の頭に手を置いて撫でてくる。

それがとても落ち着く

「なら明日、会おうぜ。俺がGGOでの戦い方からいい狩場まで色々教えるからよ」

「もう、子供扱いしないでよ」

強がって行ってみるが多分今の私の顔は緩みまくってるだろう。

撫で終わると秋人はすぐに自分の家に戻って行った。

もう少し居てもいいのに……………

「あ、約束の時間だ」

ベットに横になりアミュスフィアを付ける。

「リンクスタート」

そう呟いてゲームの世界に入る。

目の前に『キャラネームを設定してください』と出てきた。

秋人が言うにはこういうゲームでは本名を使わないのが普通らしい。

取りあえずキャラネームは『シノン』にしておこう。

これで設定は終わり。

キャラメイクや性別を設定することは出来ないらしい。

女キャラでしたくないがGGOでは性別を変えることが出来ないらしい。

仕方がないので女キャラでプレイをする。

できれば女らしくない女でありたい。

気づくと大地の上に立っていた。

「ここが………GGOの世界……」

最終戦争後の荒れ果てた遠い未来の地球が舞台って聞いてたけど、かなり暗い所だ。

まぁ、いつか本当の地球もこうなってしまうかもしれないけど………

「あの~、すみません」

振り向くと銀灰色の髪で細身の体型のアバターの人がいた。

服装や装備からして傭兵や兵士というよりまるで特殊部隊の隊員といったイメージだ。

「はい、何か?」

「もしかして、朝田さん?」

私の本名を知ってる!?

まさか………

「……新川君?」

「やっぱり朝田さんか!よかった~、人違いだったらどうしようかと思ったよ」

新川君?は柔和な笑みを浮かべて安堵の息を吐いた。

「あ、そうだ。ゲーム内では本名は厳禁だよ。というか現実での情報を話すのは避けた方がいいから」

「そう、分かった」

「ここでの僕の名前はシュピーゲルだから。それで、キャラネームは何にしたの?」

「シノンよ」

「そっか、良い名前だね」

良い名前なのだろうか?

本名を少し弄っただけなのだが………

「それにしても、シノンは良いアバターに当たったね。とても可愛いよ」

………え?

今、何て言った?

「ごめん、シュピーゲル。聞き間違いかな?今、可愛いって言った?」

「え?言ったけど……」

「………どこかに鏡ない?」

「えっと、あそこにあるけど……」

ミラーグラスを鏡代わりに自分の姿を見る。

そこには、十人が十人共美少女だと言うであろう姿があった。

「……………シュピーゲル」

「何?」

「アカウントの削除の仕方教えて」

「え……えええええええええええええ!?」

シュピーゲルが大声を上げる。

「そのアバダー捨てちゃうの!?勿体ないよ!それに作り直してもまた同じアバダーになる可能性だってあるし、それにお金も掛かるよ!」

うっ………確かに。

バイトを始めて少し余裕が出来てもできる限り出費は抑えたい。

それにGGOは毎月接続料を払わないといけないからその分お金も掛かる。

はぁ、仕方がないか………

「分かったわ。お金が掛かるのは困るし」

「うん、それがいいよ!」

シュピーゲルは頭を立てに振りながら言う。

「それじゃあ、僕のフレンドを紹介するから付いてきて」

「フレンド?」

「ああ、GGOを古くからやっていて、凄腕のプレイヤーなんだ」

シュピーゲルの後に着き、案内をしてもらう。

着いたのは落ち着いた雰囲気のバーだ。

扉を開けて入ると中には黒い髪をツインテールにした女の子がいた。

女の子がこちらに気付くと手を振って来た。

「お~い、シュピーゲル!」

「あ、シュート!久しぶり」

この子がシュピーゲルのフレンド。

結構可愛い子ね。

そんなことを思ってると急にシュピーゲルを睨みだした。

「あれ?久々に会ったのになんでいきなり睨むの?」

「いや、ただ不公平な神様の事を恨んでただけ」

と、不機嫌に緑色の何かを飲み干した。

「で、後ろの女の子は誰?」

「そうだ、紹介するよ。彼女はシノン。僕の、一応友達かな?それで、こちらはシュート。僕のフレンド」

「初めまして。シノンです」

シュピーゲルに紹介され一歩前に出て再撮をする

「どうも、シュートです」

手を差し出されたので握手をする。

うわ~、手、小っちゃいな~。

「えっと、シュートさんはGGO長いんですか?」

取りあえず当たり障りのない質問をしてみる。

「敬語はいらないよ。後、勘違いしてるかもしれないけど私、男だから」

「え?」

その言葉に私は耳を疑った。

今、男って言った?

この容姿で、男?

「えええええぇぇぇぇぇぇ!?」

おそらく今年一番の大声を上げた。

「嘘!?だって………どう見ても女の子じゃない!」

そうだ!

そう考えてもこれで男はおかしい。

絶対に女の子のはずだ!

「えっとね、シノン。シュートはM9000番系って言う非常に珍しいアバターなんだ。だから、容姿がこれなのは仕方がないことなんだ」

「信じられないならはい、カード」

カードを渡され見ると性別の所にはMaleとあった。

「ほ、本当だ………」

正直、まだ信じられない………

そう思いカードを返す。

カードを返されたシュートはシュピーゲルの方を向く。

身長が小さいせいか上を見上げる感じだ。

正直かなり可愛い。

「そんで、私に頼み事って何?」

「ああ、そうだった。彼女に戦闘のレクチャーをしてくれないかな?」

「いいけど、シュピーゲルがすればいいんじゃないの?」

「いや、僕よりも戦い慣れしてるシュートの方がいいと思ってね。どうかな?」

「まぁ、いいけど、それじゃあ、まずは適正でも調べようか」

「適正?」

どう言う意味なのかシュピーゲルに聞いてみる。

「どんな銃か合うかとか、ポジョション的に何処がいいのかとか調べることだよ」

言葉の意味に納得し、私は二人に近くの射撃場に連れていいかれる。

貸し出しの銃を使い一通り使う。

「うん、シノンはどれも平均的にやれるね。でも、狙撃銃での命中率が一番高い。狙撃手として有能になれるかも」

「狙撃………ね」

確かに、マシンガンとかハンドガンよりも狙撃銃を使ってる時の方が体にしっくり来る感じがあった。

狙撃の方が向いてるのかな?

「でも、シュート。狙撃手になるには結構な量のスキルが必要になるよ。それに、狙撃銃って結構値が張るし」

「銃なら大丈夫。最近いいものを手に入れたからそれを上げるし、スキルなら私とシュピーゲルが居るから問題は無いと思うよ」

お世話になって銃までもらうのは流石に甘え過ぎだから断ろうとしたがシュートは「いいからいいから」っと言って強引にこの話を終わらせた。

その後、近くの武器ショップに向かった。

メインに使う狙撃銃以外にサブで使う武器が必要だからサブマシンガンかハンドガンを買いに来た。

後、防具とか戦闘用の服とからしい。

「そう言えば、シノン、お金は」

シュートに聞かれて、所持金を調べる。

「…………千クレジット」

どう見てもバリバリの所持金額ね。

「じゃ、少し儲けようか」

笑顔でシュートがそう言う。

「シュート、あれをするの」

「もちろん!」

シュピーゲルはどうやら何なのか分かってるらしい。

「あれって?」

「シュートの稼ぎ場所だよ」

武器ショップの奥に案内され、あるものを見つける。

「これが、私の稼ぎ場所の一つ《Untouchable!》だよ」

幅三メートル、長さ二十メートルの金属のタイルを敷いた床を三メートルの柵が囲った場所。

奥には西部劇のガンマンの恰好をしたNPCが立って腰のリボルバー銃を抜きながら何か挑発的なことを言ってる。

「これは?」

「あのガンマンが撃ってくる弾丸を避けながらどこまで近づけるかて言うゲーム。プレイ料金は一回五百クレジットで十メートル突破で千クレジット、十五メートルで二千クレジットが貰える。で、もしガンマンに触れたら今までプレイヤーがつぎ込んできたお金が全額貰えるんだ」

「ちょっとやってみようかしら」

何も考えず五百クレジット支払いゲームを始める。

金属バーが上がると同時にスタートをする。

弾道予測戦という赤いラインが私の頭と右肩、左足にくる。

放たれた三発の弾丸を、左足を上げ、右足に力を入れて左側に飛ぶ。

私が居た所を三発の弾丸が通る。

これなら楽勝ね。

そう思った矢先、いきなりとんでもない早撃ちが来た。

「え?ちょっ!」

なんとかギリギリで躱しながら避けて進む。

しかし、結局呆気なく終了してしまった。

記録は十一,八メートル

何よ、アレ。反則じゃない」

結局、千クレジットを貰うに終わった。

最初に払った分を引けば五百クレジットしか儲かってない

「しょ、初心者にしては結構な方だよ」

シュピーゲルがフォローする。

それがよけいにつらい。

「そんじゃあ、いきますか」

シュートはささっと五百クレジット払い、ゲームを始める。

シュートがゲームを始めようとすると武器ショップに多くのプレイヤーがやって来た。

「ねぇ、どうしてこんなに人が集まるの?」

「ああ、シュートはGGOで唯一このゲームがクリアできるプレイヤーだからね。多くのプレイヤー達がシュートの動きをまねようと観戦に来るんだよ」

そうこうしている間に金属バーが上がりシュートが駆け出す。

私の時と同じように弾丸が飛んでくる。

放たれた三発の弾丸を、左足を上げ、右足に力を入れて左側に飛ぶ。

私と同様の方法で避ける。

八メートルを超えたあたりで早撃ちが来た。

私が驚いたところだ。

しかし、シュートはそれを体を捻り、頭下げ全てを躱す。

すごい。

その直後、ガンマンが有り得ないスピードで回転式弾倉シリンダーを取り換える。

素人の私にも分かる。

明らかにおかしい。

今度は二発撃って、時間を僅かにあけてからもう一発撃つと言った感じに撃つ。

シュートはその三発も躱す。

しかし、その直後に残りの三発が放たれる。

シュートは先程の三発を躱す為、無理な体制になっている。

あれでは避けれない。

周りもそう思ったのか声を上げる。

しかし、シュートは左手で近くの策を掴み、左手を軸にして一回転した。

それによってできた隙間の所を弾丸が通過する。

通過した瞬間走り出し、残り僅かでガンマンに触れられるところに来る。

すると急にジャンプをする。

ジャンプした瞬間、シュートがさっきまでいた場所に六本のレーザーが当たる。

レーザーってそんなものもアリなの……………

レーザーを交わした後、シュートはすぐさまガンマンに触れようと手を伸ばした。

しかし、シュートはその手をすぐに引き、後ろに下がった。

何故かと思ってみると。ガンマンはもう一丁の銃を持っていた。

二丁拳銃というやつだろう。

ガンマンは二丁拳銃でシュート目掛けて撃つ。

飛んでくる十発の弾丸、それを体を捻り躱し、頭を下げ、ジャンプしシュートは避ける。

そして、残りの二発が撃たれる。

時間差で撃たれたため二発バラバラでくる。

最初の弾丸を躱すと近くの柵に当たった。

そして最後の弾丸は真っ直ぐシュート目掛けて飛んでくる。

だが、シュートはそのまま真っ直ぐ走る。

そして、徐々に弾丸が迫ってくる。

弾丸が当たる。

その瞬間、いきなり火花が散り弾丸がシュートの股下をくぐる。

一体………何が?

そう考えてるうちにシュートはガンマンに触れた。

「オーマイ、ガ―――――――ッ!」

絶叫と共にガンマンは頭を抱え地面に膝をつく。

同時に狂ったようなファンファーレが響く。

そして、ガンマンの背後のレンガが崩れ金貨がざらざらと流れてくる。

その瞬間、周りから歓声が上がった。

私も無意識のうちに声を上げていた。

「儲けちゃった!」

シュートがウインクをしながらこちらに向かってそう言ってきた。

それにより、周りからさっきよりも大きな歓声が上がった。

そして私もさっきより大きな声を上げた。

殆ど無意識のうちに………………
 
 

 
後書き
シノンが何かに目覚めるかもしれない………… 
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