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気まぐれな吹雪

作者:パッセロ
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第一章 平凡な日常
  26、脅迫まみれの体育祭

あ゙~、気づいたら体育祭の時期だよ。

書類整理やってたら、さりげな~く鎮座していやがったからな。

つか、それで気づいたんだけどな。

それでだ。

「総大将、任されてくれませんか?」

何でオレが男子種目である棒倒しの総大将を頼まれてんだ?

「よく考えてみろよ沢田。オレはこれでも一応女だ。なのに何でオレが男子種目に参加しなくちゃいけないんだ?」

「オレが推薦したんだぞ」

この声は……。

チッ、毎度毎度お馴染みの、ストーカー張りお騒がせなチビ介かよ。

「てめぇ、舐めてんじゃねぇぞ」

「べつにいいじゃねーか。きっと楽しいぞ。て言うか、もうお前で登録してあるからな」

「はあ!?」

「もし負けたら、問答無用でファミリーに入れるからな」

「ふざけんなぁ!!!」



†‡†‡†‡†‡†‡



「なぁ、恭」

「なに」

「オレが男子の種目に出るのっておかしいよな」

「棒倒しのことかい?」

「よくご存じで」

「そりゃ、僕が許可したからね」

………………………………………………

「お前かああぁぁ――――っ!!!」

殺す!

コイツ絶対(ぜってー)に殺す!

地獄の果てまで行ってでも殺してやる!!!

「もし勝てたら、チーズケーキ、ホールで買ってあげるけど」

「うぐっ……」

てんめぇ、それはずりぃだろうがよ。

「わぁったよ。やりゃいんだろ、やりゃ」

「因みに、負けた場合は風紀委員長補佐に任命するから」

「命を懸けてでも勝たせていただきます! 」

て言うか、

何で棒倒 し1つでオレはこんなにも脅迫されてんの?

つか、何で恭まで?

「僕もAクラスだよ」

「Really?」

あるぇ?

コイツのクラスってCじゃなかったっけ?

まいっか。



†‡†‡†‡†‡†‡



月日が経つのは早いもので、いつの間にか体育祭の当日になっていた。

て言うか、クラスリレーのメンバーになるとは思ってなかった。

ま、楽勝の一位だけどな。

つか、長谷川の運動神経半端ねぇ……。

「つー訳で、棒を倒したやつはぶっ飛ばす」

え、何してるかって?

チームを恐怖で支配してる。

そうそう、総大将が沢田じゃねぇから、ABCクラスの総大将が全員揃ってるぜ。

「用意開始!」

「がっ!」

「ぎゃっ!」

さらに言っておくと、どさくさ紛れに、恭に

器の使用許可をもらっておいた。

今のは、拾っておいた小石を如意珠の要領で弾き、BCクラスの総大将に当てただけだから問題外。

バランスを崩すのには、これで充分だ。

片方はすんなり落ちてくれたが、もう一人がなかなかしぶとい。

こういうときのための、武器だ。

「いくぜ、霜天氷龍」

短刀に力を込める。

その直後、オレの手の中には、小さな氷の龍が収まっていた。

言うなれば、白蘭のミニ白龍の氷版ってとこだ。

て言うか、霜天氷龍って氷雪系な訳なんだが、オレの属性ってなんなんだ?

まいっか。

「奈落の底へ逝ってらっしゃい」

ダーツのようにそれを投げる。

見事手に命中。

「うわああああああ」

「勝者、Aクラス」

うわー、なんか単純すぎた。

て言うか、救われた……。



†‡†‡†‡†‡†‡



「要、これ」

チーズケーキを頬張るオレに、恭がなにかを渡してきた。

赤い布に金色の文字が刺繍してある。

うん、風紀の腕章だね。

「何でだ? とっくに貰ってるだろ?」

「そうじゃない。よく見て」

よく?

え~っと

〈風紀委員長補佐〉

「何故に!?」

「優勝のご褒美」

腕章をもつ手が、怒りに震える。

恭を見ると、勝ち誇ったような顔をしていた。

「全然ご褒美になってねぇええーーーっ!! !」

次の日から、オレの腕章が2つに増えたのは、言うまでもない。  
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