| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

気まぐれな吹雪

作者:パッセロ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第一章 平凡な日常
  21、独りぼっちの寂しさ

ちーっす。

現在オレは、近所の公園に来ている。

今日は珍しく非番で、雲雀からの連絡もないし襲撃も全くないから、久しぶりの私服でここにいる。

でもまぁ、非番だからと言ってすることもなく、ベンチに座ってボ ケーっとしてる他ない。

そんなとき、遠くから軽快なメロディに合わせてこんなのが流れてきた。

『アイスはいりませんか~。甘くてとろけるアイスはいりませんか~』

「アイスくださ~い!」

誰だ、今ドン引きしたやつ。

こう見えてオレ、アイスが大好きなんだぜ?

別に甘党じゃねぇよ?

ケーキだってチーズケーキ以外食えないし、チョコだって嫌いだ。

でもアイスは別だっ!

ダブルサイズのアイスを二つ買い、ふらふらと公園に戻ってきた。

すると、さっきまでオレがいたベンチに、黒髪の女子が座っていた。

んー何か見覚えある気がするけど……誰だっけ?

髪の長さは肩甲骨より下くらいで、雰囲気はフワフワしている。

…………凪じゃん!

「食べるか?」

気づけば左手に持つアイスを差し出していた。

「え? あの……」

突然出されたアイスに戸惑う、凪と思われる少女。

まぁ、普通のリアクションだな。

「ほら、溶けちまうぜ」

「え……? ありがとう……?」

彼女がアイスを受けとるのを確認して、その隣に座る。

「あの……誰?」

「オレは要。霜月要だ。よろしくな」

「要……さん?」

あ~なんだか癒されるぜ。

凪って半端なく可愛いよな。

食べちゃいt……失礼。

取り乱しました。

「お前は?」

「……凪。三千院凪」

「凪って言うのか。いい名前だな」

取り敢えず、とある漫画のキャラクターとフルネームが一致していることについては、ノーツッコミで行くとしよう。

あと誰だ?

オレの台詞がとあるジ●リ作品のとあるキャラクターの台詞と同じだー何て言ったやつは。

「あの……要さん」

「要でいいぜ」

「え……じゃあ、要?」

「なんだ?」

「どうしてアイスくれたの?」

どうして、か。

よくよく考えれば、原作キャラとは関わらないって決め込んでるんだから、普通だったら公園から出ているはずだ。

でもオレは、そうしないで凪にアイスを渡した。

なんでって……

「凪が、ひとりぼっちだったから」

「え……?」

「こんなに天気がいいし、鳥たちでさえ仲間といる。オレが言える台詞じゃねぇが、ひとりぼっちなんて寂しいだろ?」

こんなにいい天気なのに、凪の廻りは雨が降ってるかのように陰ってる。

オレは、自分で望んで一人になったが、他人が一人でいるのは見てられない。

だから、凪に声をかけたのかもしれない。

「えっと……あの、と……友達に、なってくれますか?」

「はい?」

「あっ嫌ならいいの……。ただ、要がよければ……」

「何言ってんだよ。いいに決まってるだろ!」

凪と友達になれるなんて、夢みてぇじゃねぇか。

極秘なんだが、前世のとき、もし会えるならクロームに会いたい、なんて夢があった。

それが、凪と会えるどころか友達だぜ?

「ならさ、メアドの交換とかいいか?」

「うん!」

気づけば、凪の表情も明るくなっていた。

赤外線通信で、交換完了っと。

急いで凪のメアドを、“親友”の欄に入れる。

因みに言っておくと、このグループには、武の名前も入っている。

雲雀は、“風紀委員”。

実は草壁のアドレスも持っていたりする。

そして不本意ながらにも、沢田と獄寺のメアドが入っていて、“クラスメイト”に分類してある。

「いつでもメールくれよな」

「うん。要って、いい人だね」

いい人……か。

そんなこと言ってくれたのは、凪が初めてだな。

前世での唯一無二の親友でさえ言わなかった、否、オレがいつも言っていた。

ま、その話はまた今度にして。

「じゃあな、凪。車に気を付けろよ」

「うん、わかった」

そう言ってオレたちは、いつの間にか夕日に照らされ出した町を、家に向かってあるいた。  
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧