| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

パンデミック

作者:マチェテ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三十一話「本部防衛作戦」

ーーー【エクスカリバー本部・第1装甲壁 ゲート前】


「おいおいおい……どうなってんだよ……いきなり…………」

装甲壁上の兵士達は、突然の事態に驚きを隠せずにいた。
何故なら……装甲壁の周りを無数の感染者や、生物兵器が取り囲んでいたからだ。

「冗談じゃねぇぞ!なんでいきなり………」

「こっちが聞きてぇよ!そんなの……」

「ヴェールマン司令を呼べ!急げ!」


焦りと恐怖から、兵士達の動きは作戦時よりも乱れていた。

その間にも、感染者と生物兵器達は、荒々しく装甲壁とゲートを叩き、這い上がろうとしてくる。
しかし、装甲壁には掴まれそうな突起などがなかったために、装甲壁を上がることはできないようだ。
かといって、悠長に眺めているだけでは、いずれゲート部分が破られる。
そうなれば、一気に化け物共が流れ込んでくる。

「本部前の市街地は無事なのか?」

「コイツらの数を考えると……絶望的だな」

「チクショウ……俺たちは………グリーンゾーンの市街地すら、守れなかったのか……?」


感染者の数は、軽く1000体はいるだろうか………
それに混じるように、生物兵器が30体程度………

その場にいた兵士達は、全員同じような不安が頭をよぎった。















……………勝てるのか?















ーーー【エクスカリバー本部・第2装甲壁上】


シルバー・レイン作戦の最終確認中だったヴェールマンが、ようやく第2装甲壁に姿を現した。

「状況は?どうなっている?」

「現在、第1、第2、第3装甲壁のゲートを完全に封鎖。第1装甲壁で食い止めているようです。
"クラウソラス"はシルバー・レイン作戦の準備を全面的に中止し、戦闘準備に取り掛かっています。
予定では、あと10分程で全ての準備を終え、防衛に加わることができるそうです」

「そうか……無線機を貸してくれ」


エクスカリバー本部内にいる全兵士に、ヴェールマンから新たな指示が下された。


『兵士諸君、聞こえているか?たった今から諸君らの作戦を全面的に更新する。
エクスカリバー本部前に、無数の感染者と生物兵器が群がっている。現在、第1装甲壁で何とか
食い止めているが………恐らくそれも時間の問題だろう。
そこで………たった今から、シルバー・レイン作戦を中止し、"本部防衛作戦"を新たに展開する!
兵士諸君はシルバー・レイン作戦時のチームに分かれ、第1、第2装甲壁を死守せよ!
"クラウソラス"は全チームを4つに分け、第2、第3装甲壁の防衛にあたれ!
"カラドボルグ"は第2装甲壁上に集合し、私の指示を待て!
いいか、ここは人類の最後の希望だ!我々が負ければ、人類の未来は無いと思え!』













ーーー"本部防衛作戦" 開始











「うへぇ~………スゲェ光景だなぁ……こりゃ」

「サボってないで、さっさと突入の準備しろ、レオ」

「………おっさんも酒飲むの止めろよ」

「……………無駄話は済んだか?レオ、サジタリウス」

「スコーピオ、もうおっさんから酒取り上げろよ………」

「面倒だから断る」

「……………………」










「さて、行くか………絶望へ」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧