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剣の世界の銃使い

作者:疾輝
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面倒事との遭遇

「これで、・・・ピナを生き返らせられるんですね・・・」

「ん、その花の滴を形見に振りかければ、戻るらしい。ここでやっても、問題はないんだが・・・ここは来た時に分かっただろうけど、モンスターとのエンカウント率が高い。だから、とっとと宿に戻ってからにしたほうがいいと思う。ここで生き返って、帰り道でまた死んじゃった、じゃ元も子もないだろ。それでいいか?」

「はい!」

本当はここで使いたかったのだろうが、レイトの言葉を聞いて納得したシリカはプネウマの花をアイテム欄に仕舞う。
まずは、安全に街までたどり着くことが先だ。転移結晶を使ってもいいが、緊急事態でもないのに使うのはやめておいたほうがいい。シリカを促して、もと来た道を戻り始める。
帰りは行くときに大量に狩ってしまったせいか、ほとんどモンスターとエンカウントしなかった。シリカもプネウマの花を入手できたせいか、足取りも速くなっている。
ほどなくして麓まで戻ってこれた。後は街道を抜ければ、街に戻れる、のだが。

「はぁ・・・」

索敵スキルに何かが引っかかった。ある程度予想は付いてるし、見逃すわけないとは思っていたが、このタイミングでか・・・。
俺の付いたため息は、先に進んでいたシリカには聞こえなかったようだ。小川を渡ろうとしているシリカの肩に手を掛ける。シリカがびくっとしてこちらを見てくる。

「どうかしましたか?」

「うーん、なんて言ったらいいかな。ちょっとそこで待ってて」

シリカはさらに訳が分からなくなったようだったが、構わず橋の真ん中まで歩いて行く。

「もう看破済みだ。隠れてないで出てこい」

「え、レイトさん何を言って・・・」

「ふむ、どうしても出てこないというなら・・・!」

さっき出しておいたアイテムを放り投げる。

ジリリリリリリリリリリリリリリリリ―――――――――――

お手軽、簡単、アラームトラップ。ま、ダンジョンとかに仕掛けてあるような凶悪なものではないんだけど。それでも、ほっておくとモンスターが集まってくるぞ・・・。
すると不意に誰かが出てきて、アラームトラップを叩き割った。さらに橋の向こうの草むらからぞろぞろとプレイヤーが出てきた。ざっと数えて十人くらい。色は・・・・・・。
そして、橋の向こうに出てきた顔の中に昨日見かけた顔があった。

「ろ・・・ロザリアさん・・・!? 何でこんなところに・・・!?」

出てきたプレイヤーの一番前にいたのは、昨日宿の前であったロザリアだった。彼女は、シリカの問いには答えず、俺のほうを睨んできた。

「よくもやってくれたわね、あんたの索敵スキルは認めるけど、あんたにはマナーってものが無いのかしら」

「残念なことに育ちが悪いんで。でも、それはあんたらオレンジもだろ?」

オレンジとはオレンジギルドやオレンジプレイヤーを主に指す言葉で、システム上の罪を犯したものがなるカーソルの色からそう呼ばれている。
俺がロザリアからの罵倒を軽く流すと、ロザリアは今度はシリカのほうに視線を向けた。

「その様子だとし、首尾よく《プネウマの花》をゲットできたみたいね。おめでと、シリカちゃん」

シリカがロザリアの真意がつかめず、数歩後ずさる。すぐにロザリアが続けた。

「じゃ、さっそくその花を渡してちょうだい」

「・・・!?な・・・何を言ってるの・・・」

俺はシリカの頭をぽんぽんと軽く叩いて、彼女を背中の後ろに隠す。

「はい、そこまで。さて、俺はお前らオレンジとは戦いたくない」

「は、何言ってんの?」

「え・・・でも・・・だって・・・ロザリアさんは、グリーン・・・」

俺がロザリアと話をしているとシリカが質問してきた。シリカのほうに向き直り、説明する。

「全員がオレンジだと、街で動きにくいんだよ。何人かはグリーンが入っていて、オレンジの奴らの狩る得物を見繕ってるんだ。あとは、物資の補給とかもかな。昨日、部屋を盗聴してたのもそこのグリーンの奴だ」

「そ・・・そんな・・・」

シリカが愕然としながらロザリアを見る。まあ、オレンジではよくある手段だけど。

「じゃ・・じゃあ、この2週間一緒のパーティにいたのは・・・」

「シリカが前いたパーティの戦力評価って所じゃないの。だけど、シリカがプネウマの花を取りに行くって聞いたから、こっちに獲物を変えたんじゃないか?」

プネウマの花って高値で取引されてんのかね?確かにオークションじゃ見たことないけど。
そこで話を区切ると、ロザリアが割り込んできた。

「そんなところね。でもあんた、そこまでそこまで分かってながらノコノコその子に付き合うとか、馬鹿?それとも本当に体でたらしこまれちゃったの?」

「まあ、馬鹿なんだろうけどさ。さて、さっきの返事は?」

オレンジにどうこう言ったって意味が無い。軽い殺気を橋の先にいるオレンジたちにぶつけると、オレンジたちは一瞬ひるんだようだったが、動こうとはしなかった。

「たった二人でどうにかなると思ってんの・・・・?」

十人ほどのプレイヤーたちは武器を構えた。全員がニヤニヤと笑いながらこちらを見てくる。やっぱりダメか・・・。やりたくないんだけどなぁ。

「最後の警告はしたからな。お前ら程度、俺一人でも十分すぎる」

俺は武器に手を掛けた。  
 

 
後書き
このごろ更新できなくてすいませんでした!!
テストがあったので、パソコン封印してたんですよね・・・
これからはまたいつもどおり更新できると思うので、よろしくお願いします。
感想とか待ってます!! 
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