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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  ~無形物を統べるもの~

作者:biwanosin
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短編 一輝と安倍晴明 ②

「さて・・・そろそろどんなことが起こってるのか話してくれるか?」

一輝は車で生命神社周辺まで向かいながら、運転している陰陽師課の人間にそう聞く。
さすがに、一般人が巻き込まれそうだったため、学校を早退して依頼を引き受けたのだ。
学校には他にも陰陽師がいるので、一輝がぬけても大事になることは少ない。

「そうですね・・・竜巻から狐火による不審火、持ち主不明の式神が暴れたりと、他にも様々なことが起こっています。」
「死者は?」
「なぜか、一般人からは出ていません。ただ、対処しようとした陰陽師の人間や、こちらから依頼した陰陽師など、その現象に立ち向かった陰陽師は全員死亡しています。」
「となると・・・何か強い妖怪が目的を持ってやってるってことになるか。一般人の避難は?」
「既に完了しています。周辺にはうちの人間以外誰もいません。」
「なら、俺が到着したら俺以外全員を避難させろ。あと、報酬に壊れた家やそこにあるもの全ての弁償。それが完了するまでの間、その人たちに住む場所をしっかりしたところで無料提供。これを追加で。」
「・・・分かりました。貴方が成功した場合、全ての要求をのむよう言われていますから。」

一輝はそれで満足したようで、倉庫の中から水や火などの武器を用意しようとして、ふと思ったことを聞く。

「その辺りって、学校設備でも何でもいいからプールある?」
「そうですね・・・はい、いくつかあります。」
「晴明神社に向かいながらよれるところには全てよってくれ。武器を補充する。」
「了解しました。」

一輝はそのまま、三軒のプールに張ってある水を全て操り、現場に向かった。



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「では、ご健闘を祈ります。」

一輝は近寄れる限界地点まで付くと、車を降りてその現象に向かっていく。

「まずは竜巻を!」

一輝は操ろうとしたが操れず、同規模の竜巻をぶつけることで相殺した。
そして、水を使っていくつかの現象を潰しながら走ると、式神らしきものに出会う。

「骨だけのやつに動物を凶悪化したようなやつら・・・妖怪が元になった式神か。俺の式神じゃ対処しきれそうにないな。」

一輝はとりあえず水で対処することにし、まず三体を紙の状態にし、再召喚されないように倉庫の中に放り込む。

「さて・・・残りのやつらはどうするか・・・」

一輝は鹿が突進してきたり象が踏みつけてこようとしたり、狼が噛み付いてこようとするのを避けながら悩む。
そして、とりあえず鹿の角をつかんで突進を止めると、

「ウオラ!!」

そのまま振り回して狼にぶつけ、倒れたところに近づき尻尾をつかむと、両手にそいつらを持って象に向かっていき、その二体を使って象を紙の状態に戻し、残りの二体もぶつけて紙の状態にする。
結局、力技である。

「よし、このまま突き進もう!」

一輝はそのままその異常現象を潰しながら、一直線に晴明神社に向かった。



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「こんなんで何人もの陰陽師が死んだのか・・・いくらなんでも弱すぎだろ。ランク外ばっかりが挑んだのか?」

一輝は無傷で異常現象の中心地、晴明神社へたどり着いた。
まあ、これは一輝が異常なほどに強いだけで他の陰陽師が弱すぎたりするわけではない。

「さて・・・とりあえず神社の中に入るか・・・いっそ壊しちまえばこの現象は止まるのかな?」

一輝はそんな罰当たりなことを言いながら神社の中に足を踏み入れる。

「いや・・・そこまでする必要もないか。」

一輝は入ってすぐにその場の異常に気づく。
そこには、妖気と神気が充満していたのだ。

「何かの封印が解けたのか?いや、それよりはここに奉られてる存在から考えたほうがいいのか?」

一輝がそんなことを考えていると、どこからか声が聞こえてくる。

『ほう、ようやくここまでたどり着けるものが現れたか。その実力ならば、十分であろう。』
「は?一体どこから・・・」

壁などないのに、響いて聞こえてくる声に一輝がきょろきょろしていると、

『では、我が悲願を成し遂げるため、共に参ろう。』
「いや、だか、ら・・・」

一輝はそこで、意識を失った。



                ==================



「おーい、はよ起きんかい。わざわざ連れてきた意味がないやろ。」

一輝は自分にかけられた声と、頬を軽く叩かれる感覚で目を覚ました。

「あれ・・・ここは?確か晴明神社に入って・・・」

一輝は辺りを見回すが、そこには神社などない。どうやら山の中にいるようだ。

「お、やっと目を覚ましたんか。さすがに、陰陽師として覚醒してもいないところを連れてくるのは無茶だったみたいやな。」
「ってことは・・・アンタが俺をここに?確か、あそこからはもう人を避難させてたはずだが。」
「まあ、ボクが連れてきたのは正解やな。」
「なら、早くあそこまで案内してくれ。」

一輝はようやくその人物を見る。
そして、表情が驚愕に染まる。

「・・・は?そっくりさん・・・いや、このレベルの霊格は・・・でも、もう死んでるはず・・・」
「ん?何か言ったか?」
「いや・・・俺は、寺西一輝だ。あんたは?」

一輝はその質問で全てを解決するつもりだった。
全てが偶然のものだと、そうするつもりだった。
だが・・・

「ん、ボク?ボクは安部晴明やけど?君がいた時代ならかなり有名やし、しっとるやろ?」

だが、その期待はあっさりと、新たな事実と共に打ち破られた。
 
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