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魔法少女リリカルなのは~過去を捨て今を生きる者~

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空白期編
  ばーか

 
前書き
皆さんどうも、いい加減に学校なんて爆発すればいいのにとか思っている作者です。
学校・・・宿題、多すぎると思うんだ。もっと減らしてくれてもいいと思う。
あと久々に桜欄○校ホスト部にハマった。
作者的には双子の・・・あれ、どっちが兄で、どっちが弟なんだろ?
とりあえず、あのツンデレっ子が好き。主人公と軽井沢だかでデートしてた方。
いやーもう、男のツンデレなんてキモいだけだけど、行き過ぎないツンデレは可愛いよねって話ですよ。
あ、どうでもいいですね。

それではっ
 

 
ミッドから帰ってからのオレたち三人はとてもひどかった。
オレは常時ボーっとして、授業中も上の空。
日課である練習も普段通りに行えない。
美愛は学校から帰るとすぐに地下の整備室に篭もり、カオリさんから預かったデバイスをいじり続る。
そのせいでただでさえ悪い成績がどんどん下がっていく。
アリシアは朝食を作る際に包丁で手を怪我したり、おかずを焦がしたりしていた。
最近良くなってきていた身体も、リハビリをサボっているせいでまた悪くなってきている。

どこからどう見たって、不自然だった。
母さんと父さんはそんなオレたちを見て、目の下の隈を濃くしている。

「いい加減にしろッ!!」

放課後。
そんなオレたちをずっと黙って見ていた慎吾がついに怒った。

「何なんだよ、お前らはッ!毎日毎日、一体何に悩んでる、困ってるんだよッ!オレたちは友達・・・いや、親友なんだろ!?なら愚痴ぐらい聞かせろよ!その程度もできないような関係だったのかよ、俺たちはッ!!」

まだクラスメートも数名いるというのに、そんなことも気にせずに慎吾は怒鳴る。

「ちょっと、慎吾・・・!」

同じクラスのフェイトが慎吾をなだめようとする。

「悪いフェイト、少し静かにしててくれ。・・・なあ陽龍、美愛。俺たちは休日にお前たちが何をて、どうなったかなんて知らねえよ。何も知らねえから、何もできねえ。でも、お前らは違うだろ!お前らは何があったのかを知ってる!そのくせして何もしねえ!っざけんな!そんなに一人で抱え込みてえならその面これ以上俺たちに見せんなッ!!」
「・・・まえに、何がわかるんだよ!何も知らないくせに、よくそんなことが言えるな!お前こそオレの前からいなく・・・」
「陽龍ッ!!」
「ッ・・・悪い、言いすぎた」

慎吾の勢いに釣られて言い返そうとしたとき、フェイトが言葉を途中で止めてくれた。

「さっきから言ってるじゃねえか。そうさ、俺たちは何も知らない。だから、教えて欲しい。その悩みを、俺たちにも分けて欲しい。一緒に、悩ませて欲しい」

さっきまでの怒りに任せた言い方とは変わり、慎吾が悲しそうな、辛そうな声色で言った。

「慎吾の言うとおりだよ。ねえ陽龍、美愛、私たちは親友、なんでしょ?だったらさ、少し位話してよ・・・。そして一緒に悩んで、一緒に答えをだそ?」

慎吾に次いでフェイトが言う。
その時オレは、なんとなく去年の始めを思い出した。
魔法に出会ったなのはが、ユーノの手伝いとしてジュエルシードを集めているときのこと。
魔法のこと、ジュエルシードのこと、フェイトのこと、なにより自分自身の悩みをオレたちに話さず、一人で抱え込んでアリサに怒鳴られた、なのはのことを。
あの時のなのはと、一緒だった。

オレはやっと冷静になって、改めて教室を見る。
そこには大切なオレの親友が、とても悲しそうな顔をしてオレと美愛を見ていた。
この情けないオレたちを、心配してくれていた。

「冷静になったか、バカ野郎ども」
「お前にバカって言われたくねえよ、ばーか」
「ほんと、慎吾にバカって言われると本気で落ち込んじゃうよ、ばーか」
「もう、バカバカ言ってないの」

ようやくいつもの調子を取り戻し、あの馬鹿らしく、とても楽しい会話をした。

「・・・みんなに、聞いて欲しいことがあるんだ」
「だからさ、みんなで行こ。翠屋に」

親友たちの顔をしっかりと見て、オレと美愛は言った。


あのあとオレたちは廊下であの怒鳴り合いを見ていたみんなを連れて翠屋に行き、そして数日前に起こった春香・ヴァレスティアが誘拐された事件を話した。
異世界の話だから聞いても意味のないアリサとすずかも、真剣に聞いてくれた。
聞いた上でアリサは一言、「バカじゃないの?」と言った。

「奪われたんなら、奪い返せばいいのよ。頭良いくせに、そんな簡単なこともわからないの?」

超ドヤ顔でアリサが言うと、あたりが笑い声で溢れかえった。
本当に、簡単な話だった。悩んでいたのがバカらしくなるほどに簡単だった。
そう、奪い返せばいい。ただそれだけの話だ。

「オレなんかよりずっと頭いいよ、アリサは」

オレはそう言ってまた笑う。

「まったく、今更気がついたって遅いのよ、ばーか」
「あ、アリサ、バカっていう方がバカって知ってた?ばーか」
「美愛、美愛のほうが多く言ってるよ、ばーか♪」
「お姉ちゃんまでバカって言ってるよ?ば、ばーか」
「フェイトまで乗った!?なら・・・ばーかばーか、陽龍のばーか!」
「よーし、ならうちらもまざらんとな!ばーか!」
「ちょ、はやてちゃん!?もう・・・ばーか」
「なのはちゃんまでぇ・・・」
「ほらすずか、なにやってるのよ!ばーか!」
「あ、アリサちゃん・・・もう、ばーか!」
「あーもううるさい、この馬鹿(しんゆう)どもがーーー!!」

こうやって笑い合うのがとても楽しくて、幸せで。
その時のオレは考えもしなかった。
まさか、この幸せが壊れる時が来るだなんて・・・。
 
 

 
後書き
とにかく平和。うん、紛れもなく平和だね。そしてフラグ。
どこからどう見てもフラグだね。
よくあるパターン。
そして短いからもう一個投稿します。

それではっ
 
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