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男子校×全寮制=薔薇がさく

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第弐章 【委員会編】
  男子校×全寮制=薔薇がさく 【第五話】

 
前書き
いつまでも壱章ってどうなの、と思って委員会編をつくってみました。

11月中に2回もテスト様がいらっしゃって、更新があまりできそうにないので
長文をいっきにupより短文をちまちまupすることにしました。

なので、主要キャラクターの委員会(図書・美化・体育・生徒会)の初顔合わせ=つまり委員会会議を
各委員会ごとに書くかんじです。

その三つを書き終わったら、委員会同士の顔合わせ=やっと伊吹と攻め候補の桐生君との、ファーストコンタクトになります。 ちなみに生徒会と王道くんも、そこで出すつもりです・・・・・やっとか。

記念すべき委員会編1回目は、もちろん図書委員会です。 主人公だもの。 

 
{no side}

四月の中頃、一年生にとっては初めての委員会会議。
伊吹と羽衣は図書室にむかって歩いていた。 そこが図書委員会の活動場所のようだ。
先ほど別れた椎名と一条も、それぞれの専門場所に行った。

「なんか緊張するなぁ」
「そうだねっ。 でも他の委員会より穏やからしいよ、図書委員会」

昨日は楽しみでしょうがなかった伊吹だが、いざ対面となると心臓がドキドキして鳴り止まない。
羽衣は伊吹といるだけで心臓が破裂しそうなのだが、昨日に比べてどもらなくなったのは大きな進歩だ。
それでも頬はふんわり染まっていて、周りから見れば意識しまくっているのがバレバレなのだが。

他愛もない話をしながら歩いていると、案外すぐに目的地に着いてしまった。
ガラガラと音を立てながら扉を開ける。
中にはすでに一年生が何クラスか集まって、図書室の机に集まっていた。
「あ、ねぇねぇ。君たちも一年でしょ? こっち来て」
その中心にいた男の子が手招きしてくる。 羽衣の手首をきゅ、と掴みながらその輪にはいっていく。

「なになに? 先輩とか来てへんの~?」
伊吹が近づいていくと、ぼんやりしていた顔が露になって、可愛い男の子も男前な子も目を丸めた。
遠くにいると地味で、綺麗な顔がまったく分からなかったのだ。
輪の中心にいた男の子が、ハッとして仕切りなおす。

「そうなんだ。先輩達がまだ来てないから、ここで駄弁ってたんだ」
「委員会会議って何分からやっけ?」
「三十分だよ。みんなちょっと早かったね」
指差す時計を見てみると、まだ二十分だった。

羽衣は恥ずかしそうに俯いているが、こっちは完全なるキャラ作りである。
伊吹が他の一年としゃべりだすと、他からは見えない絶妙な角度で、不機嫌そうに顔を歪めた。
(ちっ。楽しそうにしゃべりやがって......僕の伊吹くんなのに)

自分の方も気にかけて欲しくて、伊吹の手首をきゅうっと握ってみる。
「んん? 羽衣ちゃんもしゃべりたいん? ごめんごめん、ほったらかしにして」
伊吹はそう言うと、自分の前にひとまわり小さい羽衣をひっぱると、後ろからぎゅうっと抱きしめる。

「この子、香月羽衣ちゃん。 かわいいやろ~」
「羽衣ちゃん? よろしくね」
色んな人から頭をなでられて、不本意ではあったが恥ずかしそうに笑って見せた。
「「「かわいい~」」」
「ちょっとちょっと!羽衣ちゃんは俺のなんやからなぁ!」
そんな不毛な議論が繰り出されようとしたとき、図書室の扉がひらいた。

ピタリととまる一年生達に、二年生と三年生も固まる。
先輩側としては
図書委員会に入るくらいなのだからイスに座って静かに本でも読んでるかと予想していたが、一年生全員がもみくちゃになっていたので、ビックリして固まったのだ。

「えーと、図書委員会を始めたいから、適当に座ってくれるかな?」
優しそうな声で、委員長らしき人物が声をかけたのをきっかけに、皆それぞれちらばる。
全員が席に着いたのを確認すると、その人が口を開いた。

「はじめまして、僕が図書委員会委員長の緑川(みどりかわ)春途(はると)です。よろしく」
たれ目たれ眉でどこか頼りなく見えるが、落ち着いた雰囲気と安心する声音で、どこか委員長らしい風格がある。
どんな先輩なのかとビクビクしていたが、期待通りの委員長で一年生は肩のちからを抜いた。
「こっちは副委員長の小嶋(こじま)(つかさ)くん」
真面目そうな雰囲気で、クールビューティーといった風貌だ。
それもにこやかな笑顔で幾分か和らいでいる。
「よろしくね。今日は二年生と三年生はもちろん、一年生にも簡単な自己紹介をしてもらうからね」





1通り自己紹介が終わると、先輩たちはみんな満足したようだった。

「図書委員会の仕事は、図書室の管理と月1の本の整理。あとは定期的に皆でお昼を食べて親睦を深めたりとかもしてるかな」
どうやら図書委員会は本当に穏やからしい。
三年生は「あたらしい後輩とのピクニックは楽しみだね」とか言ってるし
二年生は「始めての後輩だぜ!?ぜったい愛でる!」とか言っている。

「じゃあ~......」
委員長が声を発して、一年生は始めての仕事か?と緊張したのだが
「委員会全部で集まる会議まで、まだ時間があるから、みんなでフルーツバスケットでもやろっか!」
とびっきりの笑顔でそう言われて、ぽかんとしたのだった。

                                【第五話】end 
 

 
後書き
図書委員会の話(おもに昼食会だったりお泊り会)は番外編で書きたいです。

今回は短いし、ひとりひとりにスポットを当てて^^ 

副委員長はおかん、委員長はおとん? 他の先輩はみんな兄ちゃんで家族ごっことかさせたい(笑)
図書は大家族みたいなイメージ。

次は美化委員会になるかと。 キャラもupしますのでよろしくお願いします。 
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