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パンデミック

作者:マチェテ
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第十五話「新たな脅威」

ーーー【旧イタリア・レッドゾーン "エリア48" ゲート前】


地獄の門の前に、兵士達が集結した。その人数は546名。
兵士達が全員爆撃機から降りると、タガートがゲート前まで誘導した。
ゲート前には、ヴェールマンが腕を組んで兵士達を待っていた。

「兵士諸君、全員整列!」

タガートの掛け声を合図に、兵士達は全員ヴェールマンの方に顔を向けて整列した。

「よし、全員集まったな?ではこれより、"レッドイーグル"作戦について説明する。
本作戦の主な目的は、殲滅のみだ。建物の破損調査などしなくていい。感染者を見つけて、ただ殺す。
一体も逃がすな。必ず殲滅させろ」

ヴェールマンの、いつもより強い口調と迫力に、兵士達はすっかり気圧された。
それと同時に兵士達は理解した。この作戦がどれ程危険で重要な作戦かを。

「それからもう一つ……本作戦には"殲滅特化部隊・クラウソラス"も参加する。もし危機的状況に陥った
場合は、彼等を無線で呼ぶんだ。彼等は、個人で感染者を100人単位で殺せる」

それを聞いた新兵達は、全員信じられないという表情を浮かべた。
感染者の脅威は数だ。それを個人で突破できるとあれば……間違いなく最強の部隊だ。

ソレンスは"クラウソラス"の方に顔を向けた。
全員、一切の恐怖も緊張もない。ただ無表情でヴェールマンの説明を聞いている。
その中に、見覚えのある兵士を二人見つけた。
一人は白髪で、右目と左頬にキズがある兵士。

「あれは……ブランクさん?」

あの人、殲滅特化部隊だったのか……まぁ、あれだけの実力者なら納得だ。

もう一人は金髪で、左目の下にアザのようなタトゥーがある兵士。
たしか……レックスという名前だった気がする。
「ブラック・アロー」作戦の終盤で、ブランクと会話をしていたところ以外見たことがない。
ましてや会話をしたこともない。どれ程の実力者なのだろうか……



ゲートが開かれた。

さあ、行こう。











チーム編成は以下の通り。
546名で42のチームを展開。
ひとつのチームに13人。




ーーー作戦開始から5分

既に各地で戦いが始まっていた。
しかし、数の減りは感染者の方が早い。兵士の犠牲はまだ一人もいない。
"クラウソラス"のメンバーと、兵士達の活躍は目覚ましいものだった。









建物の屋上から、戦いを眺める人間が二人。

「よう、スコーピオ。どうよ調子は?」

「あぁ、レオか……いい実戦データが取れそうだ」

「へえ、そうかい」

「"マンティコア"の様子はどうだ?」

「………腹ぁ減ってイライラしてるっぽいな」

「そうか………投下しろ」








絶望が、降ってくる。 
 

 
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