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BALDR SKY

作者:メア
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07幼女レインちゃん、登場!







 エセルドレーダと出会って一ヶ月。敵対企業の情報奪取という依頼を受けて、企業の構造体に侵入。コアを押さえて必要の無いデータまで根こそぎ奪って、解析する。違法研究データがあればそれを使って脅し、お小遣いを追加で貰う。教えられた戦力と違えば依頼主に追加の料金請求。その場に居るPMCから見逃しを条件にお小遣いを貰う。こんな感じに毎日3、4件の依頼を受けて荒稼ぎをしてやった。くっくく、御蔭で資金は潤沢で、実戦データや敵シュミクラムの武装含む構成データ情報も手に入った。何より、手に入れた実験データを樹形図の設計者に入力し、試行錯誤を繰り返して完成させる。それをさらに改造させて連中より早く発表する。そう、ライセンスを先に取ってしまうのだ。初期投資がほぼゼロで莫大な利益があげられる。データにブラックボックスを仕掛けて誰でもダウンロードできるようにネットに上げればそれで終わりだ。即座に無数の会社にダウンロードされて利用される事になる。無数のダミー会社といくつもの国外サーバーを経由しているのでばれる事も無いし、トラップも仕掛けてある。

「ふふ、一ヶ月で766億か……笑いがとまんねえな」

「おめでとうございます、マスター」

「ありがとう。これで更なる強化が可能だ」

何を作ろうか悩んでいると、外から連絡が来た。

『そろそろ行くぞ』

「は~い。それじゃあ、離脱(ログアウト)



離脱(ログアウト)


 離脱(ログアウト)すると、ベットの横には母さんが居た。今日は引越しだ。なので荷物が多い。

「私は後から行く。それより、シャル。金をよこせ」

「ほいほい」

500億、ノイ先生の口座に振り込む。これでノイ先生には理論を完成させたエセルドレーダの肉体製造に入ってもらう。

「ふははは、これだけあれば色々とできそうだ。任せておけ」

「ノイ、どうせならシャルの護衛に使えるようにしてくれ」

「心得た。サイボーグどころの話に並ん奴を作ってやる」

「期待している」

「お願いしますね、ノイ」

エセルドレーダがちびっこ子犬バージョンで現れる。投影装置によって、こちらの映像をネットの中から見ている。

「まあ、何か問題が起きたら教えて」

「そろそろ時間だ。行くぞ」

「は~い」

「いってらっしゃいませ」

見送られて5年間……いや、6年間過ごした家を後にする。それから、車に乗せられてミッド・スパイアに入った。



 そして、面倒な手続きを終えた後、連れられて行ったのは原作では軽くしか描かれていない高層ビルの高級マンション。そう、レインの家だった。桐島と表札もあるし間違いない。母さんはチャイムを鳴らす。

「来たか。入ってくれ」

原作でもある通り、軍服を着た状態で桐島勲が迎え入れてくれた。

「お、おじゃまします」

「ああ。だが、今日から君はここで住む事になる。気にしなくていい」

「え?」

「おい、話していないのか?」

「ああ、驚く顔が見たかったのだが……想像以上だ。ほら、入るぞ」

楽しそうに笑う母さんに連れられて、中に入る。すると、原作通りのリビングがあった。ただ、中身は詳しくわからないが。

「座って待っていてくれ。今、アレ……「勲」……レインを連れてくる」

母さんに注意されて言い直した。一体どうなっているんだ?

「ほら、来なさい」

「い、嫌です! 新しいお母様なんていりません!」

奥で言い合っている声が届いてくる。その言葉に、俺は母さんを見るが楽しそうに笑って俺の頭を撫でるだけだ。それから、少ししてゴスロリの服装に身を包み、大きな兎のぬいぐるみを持った金髪の幼い美少女が勲に抱き上げられて連れてこられた。俺達は互いに向かい合うようにして座っているが、レインはこちらを睨んでくる。

「さて、母さん。どういう事?」

「なに、簡単な事だ。今日から私達もここに住む。それと、彼女の母親にもなる。シャルは……」

「駄目です! 貴方なんか私のお母さんじゃない!」

レインが母さんにぬいぐるみを投げつけたが、母さんがそれをキャッチした。

「レインっ!」

「ひっ」

「いい。私に任せろ」

怒ろうとした勲を母さんが止めた。そして、そのまま近づいて目線を合わせる。

「レインの言う通り、私は君を産んだ母親じゃないし、彼女はずっと君の母親だ。私はそれを忘れろなんて言わない。それにだ、私は君の母親になるが、それは別の理由。分かりやすく言うと、人は誰しも両親が後から増える事がある」

「?」

「まさか……」

「レインのお父さんとお母さんが結婚してレインが産まれた。お父さんとお母さんにはそれぞれの両親が居る。君にとってはおじいちゃんやおばあちゃんだ。そして、その2人は両方ともお父さんとお母さんのお父さんとお母さんにあたる。つまり、2人になるって事だ」

「うん……」

「そこでだ。私と勲が話し合った結果、私の息子とレインを婚約……結婚の約束をする事だが、それを結ぶ事にした」

「……お母さんになるの?」

「まだ早いが、いずれそういう事になる。今はお兄ちゃんだと思っておくといい」

「……よくわからないけど……わかった……レインはお母さんが2人になったっでいいの……?」

「そうだ。それでいい」

母さんが兎のぬいぐるみを渡して頭を撫でてやると、気持ち良さそうにしている。

「君もそれでいいかね?」

「えっと……」

考えよう。レインが許嫁。お兄ちゃんと呼んでくる。お兄様かも知れないが。レインは将来美人になるのは確定だ。空にご執心の甲に尽くすレインはぶっちゃけ可哀想だ。結構非道いめにあって、捨てられ、殺されるルートまである。妨害する気は満々だが、ちょっと想像してみよう。あの甲に心酔し、尽くしまくるレインを想像し、甲の位置を自分に変えてしまう。うん、いいんじゃないか?

「……お兄様、よろしく、お願いします……」

「あ、ああ……」

兎のぬいぐるみに顔を半分隠して、上目遣いに不安そうに見てくるレインボー。いや、かなりいい。というか、今からなら光源氏の如くレインをこの身の子に育て上げてしまえば、エセルドレーダと合わせて両手に花状態じゃないか。

「大丈夫です、問題有りません(キリッ」

「そ、そうか……」

勲の方に言った後、レインに向き直って近づく。ビクビクと震えるレインの頭を優しく撫でてやる。

「じゃあ、遊ぼうか」

「うん! あっ……はい……」

わざわざ言い直してくる。躾られているな。取りあえず、レインの手を取って、立ち上がらせる。

「レイン」

「は、はいっ」

勲に呼ばれてびくんと震えるレイン。レインは俺の手を小さな手で握りしめてくる。

「こら、レインを威圧するな」

「ぐっ。したつもりは無いのだが……」

「まあ、おいおいだな」

「取りあえずレインはシャルトス君に家の中を案内してあげなさい」

「……は、はい、分かりました……」

「シャルも行ってこい。だが、外には出るな。私達は片付けをしておく。ああ、駄目だ。これでは気分がでんな。着替えるか」

「おい」

俺は取りあえず、さっさとレインに色々と案内して貰った。それで分かったのだが、この家は結構大きい。お風呂場とか、空いている部屋も多く、倉庫になっている所もある。ただ、どこも綺麗になっている。ハウスクリーニングでもしたようだ。一室は研究室にさせてもらおう。その後、レインの部屋に案内された。なんていうか、レインの部屋は少女趣味だった。ぬいぐるみがいっぱいある。猫や犬のだ。

「もふもふが好きなのか?」

「……好き、です……」

「そうか。俺も好きだぞ」

パァーと笑顔になり、こくこく頷くレイン。でも、直ぐに陰った。

「でも、飼っちゃ駄目だって……」

「現実じゃ駄目だろうな。だが、仮想なら問題無いだろう。ちょっと待ってろ。レインににゃんこ達をプレゼントしてあげよう」

「本当ですか?」

「ああ」

「やった!」

物凄く喜んでくれるので、俺は張り切る。その為に荷物を取りに行く。

「母さん……」

「どうしましたか?」

リビングに戻ると、呆れた勲にてきぱきと指示するパッフェルさんが居た。服装は同じだが、髪型が違い正確まで変わっていた。

「俺の部屋はどこになるの?」

「レインちゃんと同じ部屋ですよ。ですよね?」

「あっ、ああ……それと、研究室も空いている部屋に用意してくれていい。悪いが、私とレインにもシュミクラムを用意してくれ。レインのは急がなくてもいい。中学生くらいから習わせようかと思うからな。だが、先に教えてくれても構わん。レインはシャルトス君に任せる」

「分かりました」

小型のサーバーを持ってレインの部屋に戻って開ける。スペースを作ってもらい、接続設定を行う。瞬時にプログラムして無機AIの猫達を作る。

「レイン、一緒にホームエリアにダイブしようか。やり方はわかる?」

「うん、大丈夫です」

「じゃあ、おいで」

レインと一緒にレインのベットに入る。レインの甘い匂いがしてくる。取りあえず、それを無視して2人で横になってダイブする。ダイブしたら、早速設定を書き換えて草原にした後、大量の猫と犬と兎を呼び出す。

「うわぁ~~」

大はしゃぎで動物と戯れるレインを見ながら、木を何本か植えて低い位置にハンモックを作る。落ちてもいいように、その周りの草は柔らかくして、上部にしておく。それと木の根を椅子のように加工する。そこに座りながら勲……父さんとレインのシュミクラムを考える。

「やっぱ、ガンダムだな統合政府だし……連邦がいいな。で、トランキライザーを使っているんだろ? なら、大きいの……フルアーマーZZガンダムか試作三号機デンドロビウムでいいか、いや、いっそフルアーマーZZガンダムをメインにして、デンドロビウムの追加装備を取り付けるか」

おっそろしい兵器になるが、構いやしないか。レインを貰うんだから、それぐらいはあげよう。後々、GOATと戦う事になったら無茶苦茶怖いけど。レインにはクシャトリヤを青くした奴を用意してやろう。もちろん、電子戦なども強化して、防御力もIフィールド……いや、このさいATフィールドを作っちまおう。







 
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