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BALDR SKY

作者:メア
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06レインちゃん登場! の前準備







 エセルドレーダの電子体を確保して、その後母さんやノイ先生と食事をしてノイ先生の診療所に戻った。さて、エセルドレーダだが、彼女は肉体が存在しないワイアード・ゴースト(電子体幽霊)という存在だ。ワイアード・ゴースト(電子体幽霊)は実体の存在しない、またはリンクの途切れた電子体のことだ。実体が有れば復活する事も出来る。なので、次の目的は対アセンブラ用ナノマシンの開発と、エセルドレーダの肉体形成になる。

「ノイ先生、クローニング使わせてよ」

「待て、こら。何を作る気だ?」

「人間の形をしたナノマシン集合体?」

「お前は……」

「ワイアード・ゴースト(電子体幽霊)の女の子を確保したから、その子の実体を作ろうと思ってね」

「金はあるのか?」

「ない!」

「なら、稼いでこい。PMCに登録されているから、問題無い」

「わかった。ちょっとハッキングして違法研究してる所を攻めて、小遣いせびってくるね!」

可愛いエセルドレーダの為に頑張ろう。という訳で、ダイブする。

「マスター!」

ダイブすると、エセルドレーダが飛びついてくるので抱きしめるのだが、支えきれずに倒れてしまう。今はまだ、エセルドレーダの方が身長高いしね。

「マスター、マスター!」

スリスリしてくるエセルドレーダの頭を撫でてやる。犬耳と犬尻尾が装備された状態だ。用意した奴はわかってやがる。ちなみに尻尾はパタパタじゃなくてブンブンだ。ちなみにエセルドレーダが居るこのフロアは図書館(データベース)件研究所だ。その一角に部屋を用意した。部屋は絨毯が敷き詰められ、ベットとテーブル、タンスが置かれている。エセルドレーダの現在の格好は原作と同じゴスロリ状態だ。

「エセルドレーダ、シュミクラムって持ってるか?」

落ち着いたのを見計らって聞いてみる。確か、変更されたはずだし、あるよな?

「有ります」

「リベル・レギスか?」

「リベル・レギスです」

「戦えるか?」

「もちろんです。マスターがお望みなら、例えどんな事だろうと致してみせます」

狂信は相変わらず標準設定か。まあ、パートナーとしてはいいか。いや、どちらかといえばペットか?

「それじゃあ、行ってみようか」

「はい! お散歩ですね」

そう言いながら、自分の首に首輪をつけてリード(命令権)を渡してくる。うん、完全にワンコだ。そんなエセルドレーダを連れて、選んでいた仕事先に移動(ムーブ)する。

移動(ムーブ)】【移行(シフト)

移動(ムーブ)すると同時に移行(シフト)してシュミクラムの姿になる。今回はユニコーンのデストロイモードだ。ノイ先生、全然乗らないからこちらのテストも兼ねるのだ。そして、背後には……怖い怖い鬼械神が存在した。大きさ自体はシュミクラムの同じくらいか。

「サポート、頼めるか?」

「お任せ下さい、マスター。今回のお散歩の目的は構造体へ攻撃し、研究データの奪取とお小遣いを貰う事、ユニコーンの実践テストです。その為には構造体の最新部にあるコアへ到達する事です」

直ぐに情報が送られてくる。敵のPMC位置が把握されている。優秀だ。そして、リベル・レギスの手に黄金の弓が召喚された。そして、矢として十字架型の金色の剣を召喚し、番えた。

「先ずは邪魔者を排除致します」

上空に向かって放たれた矢は無数に分裂して構造体を突き進む。送られてきた敵のPMCの機体はほぼ全てがロックされているようで、矢はホーミングミサイルのような誘導弾として飛んで行く。着弾と同時に金色の光が辺りを飲み込んで破壊する。ボロボロになったが、耐え抜いたシュミクラムは微かだ。

「エセルドレーダ、よくやった」

「はいっ!」

「じゃあ、瀕死の連中に通達して。有り金ごと身ぐるみを置いていけば命は助けてやるって」

「イエス、マイマスター」

母さんに渡されたダミー口座に入金をした奴らを確認し、支払った奴らは放置する。それ以外の敵を殺していく。それから、内部に侵入して守っているPMCやフリーランスの傭兵を潰していく簡単なお仕事だった。敵の構造体だから、平気でビーム・マグナムも使えるし、俺に合わせて動いてくれるエセルドレーダの存在がかなり助かった。エセルドレーダは優秀だったし、常に俺の背後を守ってくれたのだ。っと、こんな感じでここ数日仕事をこなしている。







ヘイゼル







 さて、約束の場所についたな。高級な酒場に入り、連れの名前を言って通してもらう。案内されたラウンジには勲が酒を飲みながら待っていた。

「待たせたか?」

「いや、今丁度来た所だ」

「そうか」

こいつは中途半端な事が嫌いだからな厳格で偏屈な性格をしているから事実だろう。今は威厳と威圧感を感じないがな。

「好きに注文してくれていい。ここは私の奢りだ」

「そうか」

ウィスキーとつまみを注文する。その後、勲が頼んだやつを適当につまむ。少し世間話をしていると、注文の品が運ばれてきた。

「それで、どうなのだ?」

盗聴防止装置を発動して問いかける。特殊部隊に居た時の癖だが、今も特殊部隊と対して変わらないから重宝している。ちなみに流れている会話はデートのように感じる男女の会話だ。他人が入ってきにくい会話にはこれが一番いい。世間話の間にデータを収集して、会話は自動生成だ。

「問題無い。これがミッド・スパイアの居住権だ」

アーコロジー(環境建築都市)計画の最たる一つであり、清城市のシンボルでもある清城市環境建築都市ミッド・スパイア。内部は複層構造の階層都市であり、スペースコロニー技術が至る所に流用されており環境、物資、治安、人工陽光の存在とあらゆる要素が揃っており、真に理想的な近代都市だ。淫行条例には厳しく、治安維持用の飛行ロボットが巡回している。そして、何よりAIネットワークから隔離されており、アクセスするには改造した端末が必要なのだ。勲は妻の件でこちらに引越ししたそうだ。

「しかし、6人分でいいのかね?」

「ああ。基本は私達だけだろうが、保険だな」

私とノイ、シャル。そして、シャルが連れて来たエセルドレーダの分だ。これが有れば簡単に通れるからな。無ければ厳しい検査を受ける事になる。

「そうか。ふむ……何やら君が新しく作ったPMCが動いているようだが……」

「ん?」

私は端末を持って確認すると、確かに動いている。構成員は現在、私と息子、エセルドレーダしかいないのだから、動いているのは分かりきっている。ちなみに新しく作った理由は簡単だ。そもそも私と数人しか残っていなかったのだが、真紅の鎖という別のPMCを立ち上げるという話になり、丁度いいから抜けて、私も自分のPMCを立ち上げた。金はフェンリルから貰った物があるし、シャル達には小遣いは自分で稼げと言っておいた。

「息子が私に送られてきた依頼をしているんだろう」

「まだ子供だろうに……いや、この実力を見るに問題なさそうだがな……」

「そういえば、そちらの娘はどうだ?」

「アレは納得しておらんようだが気にする必要はない。まだ幼いからな。誰かと一緒に居させねばならない」

「娘と上手くいってないのか。まあ、その様子を見るとそうだろうな」

「上手くいかんものだ」

グラスの氷を揺らして鳴らしながら、勲の愚痴を聞いてやる。娘を愛しているのだが、接し方がわからんそうだ。教育は母親に任せていたんだろう。その母親がカルト教団に入って、狂ってしまった。勲は娘を助ける為に母親を始末した。

「先ずは娘をアレというのは止めろ」

「むっ」

「ちゃんと一個人として認めてやれ。名前とは名称であり、自身を固定化する為の識別票だ。お前は娘を機械(マシン)にしたいのか?」

「いや、それはないが……」

「なら、名前を呼んで頑張っているなら頭でも撫でて褒めてやれ。悪いことをしたら別だがな。それと、ちゃんと話し合ってみろ。シャルは例外だろうが、子供なら叱りつけるより褒めて伸ばす方が伸びしろがいいぞ。勲は軍人の教育と娘の教育を一緒にしているんじゃないか?」

「それは……有るかも知れないな……教育など、それぐらいしかした事がない。だが、どうすればいいのだ……?」

「仕方無いな。居候させてもらうんだ。其の辺はこちらで何とかしよう」

「本当か!」

「ああ。ただ、それだと私も介入する理由が欲しいな。その方が面倒がない」

「私と結婚するつもりかね?」

実年齢は早退して変わらんが、外見からしたら犯罪だな。別に気にもしないが。

「いや、それだと娘が納得しないだろ。ああ、簡単な方法があったな。取りあえず、彼女を私の息子と婚約させよう。それなら私の娘になる」

「……おい」

「なんだ、貴様は私とノイが育てたシャルが気に入らないのか? こう言っては親バカかも知れんが無茶苦茶優秀だぞ。なんてったて、私のシュミクラムを作ったんだからな」

「アレを子供がか……信じられん」

「それと、医療技術もノイ持込みで、私が操縦技術を教え込んだ。後は実戦経験を積めば化けるぞ」

ウィスキーを一気に飲んで、新しいのを注ぐ。

「確かに……考えると悪くないな。良いだろう。ただ、実際に結婚するかは最終的に本人に任せよう」

「それでいい。シャルには母親が居ても父親はいないから、私にとってもありがたい。必要かどうかはわからんが」

「そうだな。しかし、このシュミクラムを作ったのか……GOATのも作ってもらいたい物だ」

「高いぞ」

「高いかね?」

「ああ、ネットの使用料が普通のシュミクラムの倍だ。前は桁が違ったが」

「そこにライセンス代が入って来るとなると、洒落にならんか」

「まあ、娘さんや勲のは頼めば作ってくれるだろう。作るのは趣味みたいな物だしな」

「では、頼もうか」

「言っておく。それより、お土産を買って帰るぞ、勲も買って帰ってやれ。こういう細かい事も大事だぞ。仕事で奪った研究データをくれてやったら、大喜びだったしな」

「それはお前の所だけだろう。しかし、お土産か……私はアレ……レインの好きなものすら知らないな。よし、ヘイゼル。お前も女だろう。少し買い物に付き合え」

「おい」

「お前にとっても娘だろう。息子のお土産も奢るから、付き合ってくれ」

「ちっ、仕方無いな。じゃあ、無難にぬいぐるみと服だな。いや、こいう事はノイの方が詳しいか。手伝わせよう」

それから、私と勲はノイを強制的に呼び出して突き合わせた。本人もノリノリで選んでいたから問題無いだろう。結局、私は勲にサーバ用ホストマシンを買わせてやった。ノイは服だな。しかし、周りからの視線がすごかった。私とノイを侍らせたせいだろうが。






 
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