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SAOもう一人の聖騎士

作者:ビビック
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追想~死銃の結末、疾風怒闘~

 
前書き
今回は死銃がどんなことになったのかの説明回です。作者の文章力不足によって語られなかった色んな事を菊岡先生が優しく解説してくれます。後ろのあれは・・・・・・・まぁ気にしないで下さい。 

 
「ほら、新川君ソース付いてるわよ」

「むっ・・・・・・・ああシノン、ありがとう」

イラッ

「し、慎・・・・・・・あ、あーん・・・・・・・」

「お、いいのか!?んじゃ、あーん」

イライラッ

「いやいや、青春だねぇ・・・・・・・ってうわうわ!?どうしたんだいクラディール君!?」

どうやら俺は、かなり凄まじい表情をしているらしい。とは言え、それも仕方ないことだろう。つーかこいつら恥ずかしく無いのか?そして何故こんなやつらと食事してるんだ俺は・・・・・・・

「あぁそうだ死銃の報告のためでしたねそうでした・・・・・・・ああああ」

頭を抱えながら嘆く俺。何故だろう、何故俺だけがこんな辱しめを受けているんだろう?こいつらは気にしていないのは何でなんだ・・・・・・・気にしてないからか!?そうなのか!?」

「クラディール、支離滅裂な上に声に出てるわよ」

・・・・・・・泣いていいですか?

「さて、クラディール君が撃沈しちゃったけど・・・・・・・まぁいいか。」

もう反応すらしてくれない。菊岡は俺を完全無視してシノン達に説明を始めた。

「やはりと言うか、どう説明したら良いか分からないが、簡潔に説明すると今回の彼・・・・・・・確か斑猫と言ったかな?も、初代死銃・・・・・・・ザザと同じように光学迷彩付きのマントで相手の住所を洗い出し、プレイヤーを消していた。君達が戦った斑猫は死銃を名乗っていたし、実際彼がプレイヤーを消していたのは事実なんだが、その実、GGOプレイヤーの総数は一人も減っていないんだ」

?マークが俺含む五人の頭上を乱舞する。つまり、今回現れた死銃は殺人をしていないと言うことなのだろうか?いや、だが俺がGGOに再度コンバートして調べた限り、死銃の被害に遇ったプレイヤーは二度と帰って来なかった。ならば、どういう事だ・・・・・・・?

「ちょっと待て、クラディールさん、あんた死銃について調べてたんだよな?じゃあ、何か変な事とか無かったか?個人的な違和感でも良い、何か無いか?」

思いの他ダインが食い付いた。確かに有り得ない事態だ。死銃の台頭、消し去られたプレイヤー達、しかし変わっていないGGOの総プレイヤー数。明らかな矛盾を孕むこの事件の真相は・・・・・・・

「・・・・・・・そうだ、一つだけ、どうしても腑に落ちない事があったんだ」

「な、何だよ!?」「クラディール君、一体どんな事なんだい!?」

「いや、大した事じゃないんだが・・・・・・・なんだか、危機感が薄いような気がしたんだ。何と言うか、”死銃なんて端っからいなかった„みたいな・・・・・・・」

バッ!とダインが菊岡の方に向き直り、叫ぶ。

「菊岡さん!今すぐ死銃が現れてからのGGOサーバーへの問い合わせ件数を調べてくれ!出来れば、パスワード関連の問い合わせを調べて欲しい!」

えっ、ちょっ、うわっ、と情けない声を上げながらタブレット端末を操作する菊岡。目当ての項目に辿り着いたのか、画面を俺達に突き出してくる。

確かに問い合わせ件数・・・・・・・特にパスワードに関する件数が死銃が現れた期間から激増している。その問い合わせの内容はただ一つ・・・・・・・『パスワードが変わっている』、『ログインが出来なくなっている』事。

「成る程な。つまり、そう言うことかよ」

恐らく斑猫は、死銃(ザザ)と同じ手口で対象の個人情報を洗い出し、ハッキングなりなんなりでパスワードを変更させていたのだ。その目的は・・・・・・・ひとつしかあるまい。

「ふざけているな・・・・・・・!」

ペイルライダーが怒りも露わに拳をテーブルに叩き付ける。推測に過ぎないが、恐らく斑猫はGGOの『金銭変換システム』を利用して、自らが消したプレイヤーの装備を売り払い、あろうことかリアルマネーを手に入れていたのであろう。

「菊岡さん、あいつは・・・・・・・斑猫はどうなるんですか?」

「いや、未だに目下捜査中さ。だがそう遠くない内に捕まるだろう。日本の警察は優秀だからね」

菊岡からこれ以上の事は国家機関に任せる事を約束させられて、俺達はそれぞれの家路に着いた。

何も解決してはいない。斑猫は未だ捕まっていないし、GGOプレイヤー達の努力はやつの所業によって水泡に帰した。しかし、平穏は、確かに帰ってきた。空に向かって白く染まる息を吐き、俺はそう考えながらマフラーを巻き直した。

一方その頃・・・・・・・・

「おおおおッ!」

ALO内、風妖精領近くの森で、一人の少年が短刀を振っていた。相対するのは紺色のコートを纏い、額にゴーグルを着けた青年。組手だ。少年は大振りの短刀、青年は奇妙な武器を手にしている。具体的に表現すると、手首から肘までの腕輪から、二本の鋭い刃が蟹の鋏のように競り出している。漆黒の短刀と、濃い青紫色の武器。周りは煌々と輝き眩しいほどだが、どちらの武器も一切光を反射していない。

幾重にもフェイントを折り込んだ複雑な踏み込みで距離を詰め、青年の懐に飛び込む少年。このまま勝負を決めようと少年の握る短刀が赤い光を纏う・・・・・・・が、

「ぐああああ!」

青年の一撃の方が一瞬速かった様だ。なすすべなく吹っ飛ばされ、地面を転がる少年。短めに切り揃えた金髪・・・・・・・いや黄緑色の髪が汗を滴らせ少年の顔全体を濡らす。

「おらおら甘ぇぞ!攻め続けろ!」

「はい!キューブリック師匠!」

怒鳴られ、怒鳴り返す。どうやらこの二人は所謂師弟の関係の様だ。青年は、自らの艶すらない武器で少年を叩きながら

「おいレコン!俺の事は疾風怒闘(スパイラル・アクセル)と言えっつってんだろ!」

夜は深くなっていく。深夜まで、刃がぶつかり合う音は鳴り止まなかった。 
 

 
後書き
なんかにゅるっとオリキャラ出ました。まあ、気にしないで下さい・・・・・・ 
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