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魔法少女リリカルなのはStrikerS ~賢者の槍を持ちし者~

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Chapter26「最高の一時をアナタに」

 
前書き
今話までがハーメルンで投稿していた話しです。
次回からいよいよ最新話の更新ですので、お楽しみください。 

 

時刻は8時過ぎ。

訓練を終えたティアナは他のフォワードメンバーより遅れて浴場に向かう。
その途中で偶然はやてと出会う。どうやら彼女も仕事上がりのようで今から入浴の為浴場に向かっていたようでそのまま2人は合流し浴場へと向かう。

「そうかぁ。ルドガーも意外と厳しいとこあるみたいやなぁ」

「なのはさん以上にルドガーさんには勝てない気がしますよ……」

ルドガーは魔法を使う事はできない。フォワード達の訓練では単純な身体能力と双剣技のみで参加し、それで4人全員圧倒してしまう事から、ある意味エースオブエースという異名で有名ななのは以上に勝てる気がしない。
そういった事から、実際にルドガーとなのはが戦う姿を想像してどちらが勝つか予想してしまう。

「あっ、フェイトちゃんにシャーリー」

名前を呼ばれた事に気付き、2人ははやてとティアナの方を見る。

「はやて、ティアナ!」

「珍しいですね、八神部隊長とティアナが一緒にいるのって」

言われて納得するはやてとティアナ。これまでを振替ってみてもこの2人だけで行動している事はなかった。言葉どおり珍しい場面だった。

「せやな。私はリインと普段一緒にいる事が多いからなぁ。ティアナはスバルといる事が多いな?」

「えっと…まぁはい、そうですね」

引きつった顔で笑うティアナ。今に始まった事ではないにしろティアナ=スバルという図式は彼女達2人を見ている者に自然と浮かび上がるモノだが、ティアナにはそれが少し不服のようだ。

「さっきそこで会ったんよ。2人はその手荷物からして今からお風呂かぁ?」

「うん。ガジェット関連の資料をまとめてたら時間かかっちゃって」

「本局用と地上用2つ作らないといけなんで苦労しました……特に陸用は」

「お、お疲れ様です」

地上本部用の資料作成に骨が折れたのか、最後の部分だけ心底疲れた表情を見せるシャーリー。
デバイス関連の業務にフェイトとの副官としての仕事も掛け持つ彼女はこれまで疲れた表情1つ見せる事はなかったが、いざこざのある地上本部用の資料作成だけは疲れを隠せないようだった。

「でも!今日はそんな日頃の疲れも吹っ飛ぶ最高の物を用意しました!」

「「「はい?」」」

さっきとは一変して片足ジャンプで一回転し、明るい表情を見せるシャーリーにどう反応したらいいか分からない3人。

「どうしたのこんなところで?」

はやて達の背後に声がかかる。声の主はなのはだった。
その手にはフェイト達と同じ入浴セットが握られている。
彼女も浴場に向かっていたのだろう。
その最中でこの4人の姿を見かけ声を掛けたようだった。

「丁度よかったなのはさん!ほら、見てください!」

手元にある入浴セットから輝きを見せる桃色の液体の入った小瓶を取出し掲げる。
ジャーン!という効果音が全員の耳には聞こえた気がした。

「何なんその小瓶?」

「香水でしょうか?」

「フッフッフ……」

シャーリーのその意味有りげな笑いを見たティアナは何となく面倒な事にこれから巻き込まれるのではと感付き、この場から出来れば離れたかった。しかし今更逃げる事など出来るはずもなく大人しくする事にする。

「これは先日私が友人から譲り受けたモモシアの実で作った、入浴剤なんですよ!」

「モモシアの実やて?」

「知ってるのはやてちゃん?」

「まぁ、うん。108部隊にいた時、ちょくちょくお目にかかる事が多かったからなぁ」

「108部隊……という事は密輸絡み?」

108部隊はスバルの父親が部隊長を勤めている部隊。
フェイトの言う密輸絡みと気付いたのは108部隊が密輸捜査を専門にしている事を知っていたからだ。

「そんなところや。モモシアの実は魔力素の特別強い場所にしか育たない実でな、せやからその稀少なモモシアの実は裏表関わらず、かなりの値打ちモンやから密漁者が後を経たなかったんや」

「シャーリーさん、その入浴剤ってまさか……」

密輸が後を絶たないという話しを聞いた事から、ティアナはどういったルートでシャーリーの友人がモモシアの実の入浴剤を手に入れたかのか気になり、疑いの眼差しをシャーリーに向ける。

「ち、違うから!今ティアナが思い浮かべたような方法で手に入れた物じゃないからね!?」

「で、ですよね!変な事聞いてすみません」

「あははは!(ホントは何処で手に入れたかなんて私も分からないんだけど……)」

内心深く入手先を詮索されなくてよかったと安堵したのは内緒だ。

「思い出した!確かその実から抽出したエキスを体に塗れば肌がスベスベのプルプルになるんだったっけ?」

以前偶々手に取った女性誌でモモシア関連の記事を目にした事をなのはは思い出したようだ。
そしてその効能を知ったはやては目を輝かせる。

「さらにさらに~モモシアの香りには男性を惑わす魅惑の効能もあるから、意中の人もメロメロの早撃ちだよぉ?」

「な、何で私に振るんですか!?」

シャーリーに肘で突かれ、赤面になるティアナ。初々しい反応を見たはやてとシャーリーはごちそうさまでしたと言わんばかりに良い笑顔を見せる。

「あの今思い出したんだけど、確か今日の浴場ってボイラーのメンテナンスで使えなかったんじゃ?」

盛り上がっているメンバーに申し訳なさそうに声をかけるフェイト。
その指摘で浴場の現在の状況を全員思い出したようだ。

「そんな些細な問題や。部隊長権限で男湯を今から女湯にすればええんよ」

「さすが八神部隊長!持つべき者は才色兼備な部隊長ですね!」

「「あはは……」」

(こういうのを職権乱用って言うのよね……)

異様にテンションの高いはやてとシャーリーを筆頭に、後ろからなのはとフェイト、ティアナも浴場へと向かう事になる。数分後、男湯は何の前触れもなくミッド語で書かれた『貸切 女性入浴中』という謎の貼り紙が貼られ、この日男性隊員は日付が変わった深夜にしか浴場を使用する事ができなかった。


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脱衣場で衣服を脱いだ女性陣は早速浴場へと足を踏み入れる。

「何だか男湯に入ってるのって不思議だよね」

「うん……これって合法なんだよね?私達って痴女じゃないよね?」

「合法かどうか分からないけど、とりあえずフェイトちゃん、痴女って言い方はやめてほしいかな?」

「そんなええねん。早よ入るよ!」

「はーい!…っとその前に♪」

シャーリーが小瓶の蓋を開け、もうもうと湯けむりが立つ湯船に入浴剤を一滴残らず注ぐ。
鏡のように透き通る湯に入浴剤はかき混ぜる必要もなく、あっという間に湯船全域へ桃色と特有の香りを広げていった。

「う~ん!めっちゃエエ香りやん」

「確かにこれは……」

「そう言ってもらえると頑張って調合した甲斐があるものです!」

湯に浸かったはやてとティアナは湯の気持ち良さに声を漏らさずにはいられず、すの姿を見たシャーリーは湯の気持ち良さとは別に自分の調合した入浴剤が良作だった事を知れた事で二重に喜びを覚えていた。

「ふぅ……温泉に入っているような気分だよ」

「少し粘り気があって、お湯も良い感じに柔らかいし、なのはの言うとおり本当に温泉に入ってる気分……これは確かに肌に良いかも」

少々テンション高めの2人を余所になのはとフェイトが湯の肌触りを確かめ、楽しんでいた。

「ホント不思議な入浴剤やなぁ。今度シグナム達にも勧めなかな」

無類の風呂好きであるシグナムには絶対紹介する必要があると思った心優しき夜天の主は、この入浴剤をシャーリーに余りがあるのなら譲ってもらおうと考えていた。

「香りはいいんですけど……ちょっとこの粘り気は私は苦手です……」

モモシア入浴剤特有の湯にもたらす効能にティアナは合わないのか、早くも湯船から立ち上がっていた。

「気になるのは初めの内だけだよ」

「慣れたら気持ちいでぇー」

「はぁ……」

ここでただ1人上がるのは、何かに負けた気がしたティアナはシャーリーの言った事を頼りに再び湯船に浸かる事にする。
ヌメッとした湯の性質に一瞬顔をしかめるも、それも数分もすれば変わり、入りたての頃と比べれば随分慣れきたものである。

「フェイトちゃん見て。ツルツルスベスベだよ」

「う、うん……でもちょっと熱いというか……変な気分になってきたよ」

そう話すフェイトの顔は少しのぼせているような色をしており、目も心無しかトロンとなっていて妙に艶めかしく見える。異性が今の彼女を見たら『GO!』サインと勘違いしてしまうかもしれない。

「思ったよりも気持ち良いけど、湯の温度以上に体が火照る気が……でもこのほんのり混じるこの匂いどこかで……」

湯を片手ですくい鼻でその香りを嗅ぐティアナ。スンスンと嗅覚に来るこの匂いは今日初めて知ったモモシアの香り以外にティアナがこれまで生きてきた中で嗅いだ事のある匂いだ。

この匂いはあれだ……まだティアナが幼かった頃に苦い記憶として残っている。


----------------------------

子供がとっくにに寝ている夜遅い時間。
仕事で遅い兄ティーダを玄関先で健気にお人形のように待つティアナ。
眠気に耐えながらも目を片手で擦り誤魔化す。

そしてようやく待ちにまった時がきた。


大好きな兄が帰ってきた。それだけでティアナの眠気は吹っ飛び、笑顔になる。


扉のコードを解除する音声が鳴り、中へティーダが入ってくる。

「お兄ちゃ---」


------------------------

「あれ?ティアナわかちゃった?」

匂いの正体と最悪の記憶を思い出していたティアナにシャーリーが声をかける。

丁度よかった。

この匂いの正体がティアナが予想した物か入浴剤の製作者であるシャーリーに尋ねようとするが、シャーリーは突如ザバッとお湯を飛ばしながら立ち上がり、仁王立ちで解説を始めだした。

「はい!この入浴剤はより美肌効果を上げるために、調合に調合を重ねた結果わらひにゃ、ほんのすこ~しだけお酒を入れる効果が倍増する事を発見しちゃいましたっ!にぁい!」

匂いの正体はやはり酒だった上、シャーリーの様子がおかしい事にティアナは状況を掴めずただ彼女の行動を黙って見ていた。

「でもお酒が入っているとはいえ、ヒック…人体に影響はれないのれ、ヒック…大丈夫らよぉ?ヒック…」

「出てます出てます!影響出ちゃってますからねシャーリーさん!!」

ツッコンでいる場合ではないのはティアナもわかるが、反射的にツッコンでしまった。


称号:ヒヨッ子ツッコミ銃士


そんな彼女の背後からはこの場にそぐわない……いやある意味合っている声が聞えてきた。

「うひゃ~しかしいつ見てもフェイトちゃんのおっぱいは大きいなぁ~」

「ちょ…はやて!?くすぐった…んっ!そ、そこはダメだって…あん!?」

「や、八神部隊長何してるんですかっ!?」

「何って…ナニをやってるんやけど?」

ティアナのツッコミにさも当然のようにそう答えるはやてに逆に自分が可笑しな事を言っているのかと疑ってしまう。

アルコールの効果もあるのかもしれないが、彼女の悪癖を知る犠牲者……もとい、者からすれば至って正常?に見えるはずだ。

「私もこれくらい、大きければな……」

「んっ……あっ、ダメ…そこは…あん!」

もにゅもにゅ

乳揉み魔になったはやてはお構い無くフェイトの胸を揉み続け、フェイトに喘ぎ声を出させ続ける。

「揉んだら大きくなっるってヤツ、あれ嘘や。小さい時からずっと揉んどるのにちっとも大きくならへん」

もにゅもにゅ

意味不明な愚痴を言いつつもしっかりとフェイトの胸を揉む。


称号:永遠の乳揉みマイスター


一心不乱に胸を揉むはやてだが、何かを閃いたのかフェイトの胸を解放し自分の胸に両手を置く。
解放されたフェイトは目を回してブクブクと泡わ起てながら湯に沈んでいった。

「そういえば意中の男の子に胸を揉まれた大きくなるって聞いた事があるなぁ……」

うーんと割と真剣に考え始めるはやてに悪い予感しないティアナ。

そしてその感は見事当たる。

「ほな、ルドガーに揉んでもらおか!」

湯船から立ち上がり浴場から出て行こうとするはやては現在進行系で欲情しており、もはや実力行使でしか彼女を止められない。

「あーもう!」

右手を前に伸ばしはやてをバインドで拘束する。
だがそう時間が経たない内にバインドはメリメリと音を立て崩れさりそうになる。

腐っても相手はSSランク魔導師。

未熟な魔導師のバインドなど時間稼ぎにもなりはしない。
自分の手ではこのH☆E☆N☆T☆A☆Iを止められないと悟ったティアナは同等の力を持つエースオブエースに食い止めてもらおうとするが……

「ふにゃ~……待ってくーちゃん」

「なのはさんまで!?」

頼みの綱のエースオブエースはアルコールにより倍増した入浴剤により撃沈。最早打つ手無し。

「ティーアナ☆」

「ちょ、えっ!?」

得体の知れない不愉快な感触を背後から感じたと共に、それは直ぐにティアナの胸部へと移行。
自身の胸元を確認すると脇腹から自分の物ではない手が彼女の胸を鷲掴みしている。

「ハッハッハ!我の覇道の邪魔するとは良い度胸よ、オレンジ!」

「オレンジ!?もしかして私の髪の事言ってます!?というか何で王様キャラになってるんです!?」

今は異世界エルトリアで星の腐食を抑える為奮闘するはやてを元にして闇の書から具現化したマテリアルの闇統べる王ロード・ディアーチェのような口調になったはやて。

声だけ聞くと彼女の声にしか聞こえないのは流石オリジナルと言ったところか。

「止めるならまずは貴様の胸で我の気を晴らしもらうとしよう……」

「な、何を言って……それに私のはフェイトさんのように大きくはないですし、部隊長が満足するとは思えま……せん」

途中自分で言っていて女としての敗北感を覚えるティアナ。
とりあえずまだ成長の兆しがあると自分に言い聞かせ誤魔化す事に。

「だったら私がティアナのおっぱい揉んで育てあげたるわ!!」

「きゃっ!?」

やられる!そう思った瞬間反射的に胸にある手をどけ、揉まれる直前にギリギリはやての手の内から脱出に成功し、たまらず湯船かタオルも巻かずに逃走する。
あと一歩で浴場から出る事ができ、この生き地獄から解放されるのだ。

だが運命はティアナの味方にはなってはくれなかった。

「ふぃ~今日も疲れたなぁ……ん?」

「あっ」

ドアに手を掛けようとしたその時、浴場からではなく脱衣場の方から開き、この場で最もあり得ない事態をティアナは目の当たりにする。

目の前にいる銀髪の人物。

間違いないくこの人物はルドガーだ。
お互い状況が掴めず目が点になっていたが、早くも回復したティアナはまず、自分の姿を確認する。
逃げる為に精一杯でタオルも巻かず所謂生まれたままの姿である事から当然、ルドガーにも全て丸見え……その事実にティアナは……

「いやぁぁぁぁぁぁ!!?」

「ちょちょちょ、タンマ!!えっ?えっ!?何コレ!?」

「見るなぁぁぁ!!」

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!?」

顔を真っ赤にし涙を浮かべたティアナの渾身の鉄拳がルドガーの顔面にクリーンヒット。
脱衣場の壁に激突し、人型の形を作る。

「はっ!し、しまった!」

全てが終わった後にティアナは自分が何をしたのか理解し深く後悔する。だがもう遅い。
彼女はこんな形にせよ最強の骸殻能力者に勝利してしまった。

「ルドガーさん!!」

浴場にティアナの叫びが響きわたる。


それから暫くして浴場にティアナの連絡を受けたシャマル率いる医療班が駆けつけ、風呂場で酔い潰れた4人を回収……事件は終結した。

その後の調べでルドガーがはやて達が貸切中の男湯に現れた経緯を調べた結果、彼が男湯に入る際、
貸切の貼り紙がその時だけ何らかの理由で消えていた事から誤って浴場に入った事が判明。


喜ぶべきか今回ルドガーは不名誉な称号をもらう事はなかった。


「お、俺は……悪く…ねぇ……」


 
 

 
後書き
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