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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん! 

作者:メア
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マジカル☆ウィッチルフェイちゃんアイスフェスティバルを楽しむ②

 





 今日はアイスフェスティバルも目玉であるアイスランが有ります。その為、昨日から楽しみにしていたのですが、目覚めからいい事が有りました。

「ふふふ、今日は10倍くらいですね……」

 漲るパワァー(魔力)が身体全体を回っています。これで計画通り、アイスランを楽しめます。


 昨日と同じメンバーでアイスランの観覧席へとやってきました。何時も走っている湖の外周に観覧席が作られています。そこには既に数百人の生徒がいました。それに合わせて出店もあります。私達は適当に食料を買い込んで観覧席へと向かいました。

「あ、あそこ空いてるよー!」

「前ですね。これはいいね!」

 さくらの声に、エスカが喜びます。この観覧席は学年ごとに場所が決まっています。年齢の低い子供から前に順番にです。もちろん、自由席もあります。

「ここは見やすいね」

「確かにそうですね」

「あっ、選手が出て来た!」

 さくらの声に競技が行わる湖を見ると、凍った湖の上で各寮のユニフォームを着た人達が滑って色々と確認しているようです。中には光る玉を持っている人がいます。

「そういえば、詳しい競技内容を知りませんでした」

「アイスランは寮ごとに11人の選手が選ばれて、前半と後半に別れて行われるの。前半と後半、両方に参加できるのはキーパーの人だけ。あの綺麗な宝玉を持ってる人が居るでしょ?」

 エリスが教えてくれます。確かにいますね。

「アレですね」

「あの人が持ってる宝玉を奪われたり破壊されると負けなんだ。逆に最後まで届けたらいいの。もちろん、途中でキーパーが入れ変わってもいいし、取りあえず、最後のゴールまで運べば得点になるんだよ」

 責任重大ですね。という事は、ゴーレムが妨害用として設置されるんですね。それに加えて5人の術者が護衛につくのですね。

「残り5人はキーパーの道を作ったりするの。湖の上はアイスリングになっているけど、途中の森とかは違うからね。一応、先生が作ったルートもあるけど、そこは敵側も防衛戦力を多く置いているし、最短コースは作った方が良いの」

「それはそうだね」

「後、アイスランはキーパーが箒とかで飛行するのを禁止しているの。あくまでも、地面を移動しろって。もちろん、ジャンプ台とかを利用するのはありだけどね。採点方法は速さ、技術、柔軟性だね」

 面白そうです。そういえば、やりたい事の確認を終えていませんでしたね。

「エリスは物知りですね」

「全部このパンフレットに乗ってるね」

「はぅ! さくら、いっちゃ駄目!」

「にゃははは」

「あ、開会式が始まりますよ」

 私達は最前列の席で手すりを掴みながら見ています。でも、直ぐにどうでも良くなって、パンフレットを借りてみました。その内容を考えるのに問題ありませんね。

 思考の6割を使用し、リンクを開始します。魔力バイパス接続完了しました。視界の映像を習得完了しました。各部チェック、問題無し。配置を確認。成程、最後の方ですね。

「ルフェイちゃん、どうしたの?」

「ん、すいません。少し遊んできます」

「え?」

「あ、やるんだ……身体は任せて」

「はい。お願いします」

 私はある術式を完全に発動させます。すると、身体が倒れていきます。

「にゃははは、凄い事をしようとしてるね」

「勝つためです」

「い、一年生は参加しちゃ駄目なんだよ?」

「大丈夫です。ルフェイちゃんが直接参加する訳ではありません。ルフェイちゃんのゴーレムが参加しているだけですから」

 意識が身体から剥離して、私は大きな身体へと移りました。






 目の前に広がるのは巨大なゴール地点。他のゴーレムも結構な大きさです。各部チェックは問題無し。さあ、ゲームを始めましょう。動力炉を通常運転モードで起動。

「おい、あのゴーレム、動いていないか?」

「まさか、まだ誰も来てないんだぞ……」

 対象ゴーレムの術式を解析。解析完了。命令の術式を再構築。他のゴーレムまで役50メートル。狙うはグリフォン寮のゴーレムです。

「動いてるぞ!!」

「馬鹿な、術者はいないのにどうなっている!」

 先生が慌てている間に、ホバークラフトとスラスターを起動して、瞬時にグリフォンのアイスゴーレムに接近して、首を鷲掴みにします。
 術式上書き。攻撃目標をドラゴン寮以外に設定。命令は見敵必殺。機動開始。

「誰か、提出された仕様書を持って来い!! 暴走している!!」

「げっ」

「どうした!!」

「やられました。アレ、意識あります。魂入りですね。動力炉も積まれています」

「って事は、最初から命令されているって事か」

「はい。ルール上は、ゴーレムも参加していますので、何ら問題ありません」

「あっそ。なら、放置だ。暴走じゃないなら、これはドラゴン寮の作戦だ。何も問題無い。むしろ計測しておけ。禁術だ」

 流石は真理を探求する魔術師ですね。貪欲に技術を得ようというのは素晴らしい事です。という訳で、グリフォンの起動を完了。グリフォンのゴーレムは翼を広げて飛び立ちました。次はセイレーン寮のゴーレムですね。こちらは巨大なゴーレムに音波術式をつけただけですね。問題無いので操作してぶつけます。ユニコーン寮のゴーレムは、巨大な馬型ゴーレムなのですが、何故か頭部の角がドリルになっていました。こちらも書き換えを完了して狩りに向かわせます。その後、戦闘能力を最大限に発揮する為に氷柱を沢山作り、氷山の様な場所に作り替えて、罠を仕掛け、濃霧を発生させて潜ませます。そして、大規模魔術の用意をさせます。作業が終わったので、堂々とリンクを切りました。




 瞳を開けると、眼前のモニターには先輩達が必死にゴーレム達から逃げながら進んでいる姿が有ります。ですが、それはまだ普通のゴーレム達です。

「戦況はどうなっていますか?」

「おかえり」

「今は、グリフォン寮が優勢だね」

 見ると、グリフォン寮はキーパーの男性と箒に乗って並走している魔女の少女2人だけで進んでいるようです。魔女の少女が魔術を放って、ゴーレムを次々に破壊して、高速で走り抜けていきます。

「あの魔女がウィルベルだよ」

 確かに名前が表示されていました。他の寮は基本的に6人で固まって移動していますが、グリフォン寮の残り4人が妨害に重視しているので、まともに進めていません。

「では、援軍を送りましょうか」

「え?」

「気にしないでください」

 私はアイスグリフォンに指令を送りました。








 
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