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俺が魔王の息子ってマジですか!?

作者:ユウスケ
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10話 人間界へ脱走します。

ー紅蓮視点ー

さて、黒龍事件から数ヶ月が経った今日。
俺は……。
魔界から、脱走しようとしています。
行き先は、人間界。
何故脱走を考えたかというと……。
幼馴染の侍女悪魔と契約した黒龍である紅(くれない)の
バトル。
黒龍事件の時に負けたのが悔しかったのか、
黒龍と侍女悪魔達+ラミアがよく戦っているのだ。
別に戦うなとは言わない。
彼女達は強く、誇り高い武人のような女性達だ。
醜い感情もなく、強くなりたいと純粋な思いでやっているのだろう。
ラミアに関しては、憧れているヒルダのようになりたいからだと思うし、
応援してやりたい。
しかしだ、庭や廊下に城の壁に被害を出すまでやらないで欲しい。
おかげで、始末書や大臣の小言で精神が大変な事に……。

ううっ!思い出したら気分が。薬!薬をくれーーー!!!



30分後



はぁ、はぁ、ようやく落ち着いた。
それで話の続きだが、その他にも、
新しい弟であるカイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ4世の誕生による、
落雷が焔王に直撃。
そして、そのまま焔王が大泣きして大火災が発生し、七日も消えず……。
しかも、被災した人たちの謝罪文や賠償金などに関する、仕事が何故か俺に……。
理由は、大臣曰く

「大魔王様が書いても、民の怒りを買うだけなので……。」

とのこと、お陰で俺は毎日部屋で仕事仕事仕事。
家臣たちや、侍女悪魔達の力を借りて、ようやく全てが終わり、
父に報告しに行くと……。

チャンチャカチャン♪

びんかんさーん!

「はい!今行きまーす!!

びんかんびんかん びんかんびんかん!
びんかんびんかん びんかんびんかん!

猿山商事に勤めてる……」

カラオケをしておりました。
もうブチ切れたね。
こっちが必死に仕事をしていたのに、アレは酷い。
俺と焔王が人間界で流行っているDQNネームだったと聞かされた
時よりも切れたね。

そんな理由から、人間界に逃亡する事を決意した俺は、
焔王がパクった、転送玉をこっそり回収し、置手紙を書いた。
内容はもちろん、ヒルダ達に対する謝罪と今後の事。
イザベラ達は今まで通り、焔王に仕えてもらい、
ヒルダはベル(ベル坊の事)の世話をするように、
紅は龍だし、自由にしろと書いておいた。

金も準備したし、荷物も問題ない。
護身用の閻魔刀(偽)も装備OK。
ちなみに、模擬刀でオーダーメイドで作ってもらった。
真剣なんか持って行って、国家権力の世話になりたくないからね。

荷物がつまった次元袋を腰のベルトに付けて、転送玉に魔力を流す。
たしか、魔力を流しながら行きたい場所を思い浮かべ……



あ、そういえば俺、人間界の土地勘なかったわ。


つまりこのまま行き先を『人間界』にすると………………。



やばい!もしかしたら、海の中や土の中もしくは空中に放り出される
可能性が!!
焦った、俺は転送玉を止めようとするが、もう遅い。
転送はすでに始まっており、俺の体の半分を飲み込んでいた。


ヘルプ!ヘルプミーーーー!!!

イザベラ!ヨルダ!サテュラ!ヒルダ!紅!

たーすーけーてー!!!

こうして俺は、人間界に旅立ちました。





ーヒルダ視点ー

昨日、ようやく全ての仕事が終了した。
当分は大丈夫だろう。
さっそく、紅蓮様のお世話でも……。

「おお、ヒルダさん。ここにいましたか、少しよろしいですか?」

「何だ?」

せっかく、紅蓮様の所へ行こうとしていたのに、大魔王様の
側近の者に呼び止められた。
用事なら手早く済ませて欲しい。
そう、思いながら側近の者を見る。

「大魔王様がお呼びです」


「大魔王様が?」

どうやら、大魔王様が私を呼んでいるようだ。
正直とても珍しいと思う。
あの方は、いつも紅蓮様を呼んでおられたのに。

「わかった。すぐに行こう」


側近の者に行く事を伝え、大魔王様の部屋に向かった。
大魔王様の部屋には沢山のローブを被った家臣たちが
すでに集まっていた。
何かあったのだろうか?
そんな事を考えながら、家臣たちの後ろに待機する。

「あ、わし。明日から人間滅ぼす。なんかさー、
あいつらさー、ウザくない?増えすぎって感じでさ。
全部消し飛んだほうがスカッとするよねー?」

「ですが大魔王様。明日は冥竜王様の結婚式が……。」

「マジで?じゃあ、明後日、明後日滅ぼす」

「明後日もご予定が……」

どうやら、大魔王様の思いつきで人間が滅ぼされるらしい。
まあ、私には関係ないな。

「じゃあ、アレだ。この間生まれたわしの息子。あいつにやらせよう!


ヒルダ」


「はい」

「お前、人間界に息子連れて行って。んで、適当な人間に育てさせながら滅ぼせ!なっ!」

「ちょっと、待ってください、大魔王様!」

「なに?」

大抵の命令なら従えれるが、この命令だけは無理だ。
何故なら私は、紅蓮様の侍女悪魔だ。
ベルゼ様に仕えるなんて、出来ない。
私は、大きな声で大魔王様に主張した。

「あー、ひょっとして。聞いてない?」

「な、何をですか?」


「紅蓮の奴にしばらく遊んでいてもいいよ、って言ってあるから、
どこかに遊びに行ってるんだよ。まあ、魔力も感じないし、
たぶんもういないんじゃね?大臣、紅蓮の奴どこにいるかわかる?」


「ちょっと、お待ちください」

カタカタ

大臣が機械を使って、紅蓮様の魔力を追跡しているが私はそれどころではない。
ああ、紅蓮様。どうしてヒルダに一言申してくださらなかったのですか?
もしかして、ヒルダが嫌いになったのですか?
はっ!もしかしたら、紅(大変腹立たしいが紅蓮様が名付けたので、そう呼んでいる)
に嫉妬で襲撃していたのがバレて嫌われた?
それとも……。

ピピ!


「発見しました。どうやら紅蓮様は人間界にいらっしゃるようです」


「マジで!?紅蓮ってエスパー!?マジ凄くね?さすがわしの息子!」


「しかし、大魔王様。何時、紅蓮様に遊びの許可を出したのですか?
昨日、紅蓮様が大魔王様に仕事の報告に来られた時、
大魔王様はカラオケをしており、そのような話はなされていなかったと
思うのですが……」


大臣の言葉で思考が断ち切られ、正気に戻る。
紅蓮様に話していなかった、それはつまり……。



「あー……。そういえば、わし言ってなかったかも!」


「……では、紅蓮様は遊びではなく大魔王様の思考を読んで仕事に行ったのですね」


いつもの大魔王様のうっかりだったようだ。
そうなると、頭のいい紅蓮様の事だ。
大臣の言ったように大魔王様の行動パターンを読んで人間界に言ったに違いない。
さすが、紅蓮様!
しかし、私に一言おっしゃらなかったのは……。
はっ!もしかして私の体を気遣い、一人で人間を滅ぼしに行ったのですね!←大ハズレ
おそらく、私に一言言えば、付いて来ると思った紅蓮様はお一人で人間界に向かったに違いない!
ヨルダという前例もあるし、紅蓮様のお人柄を考えると可能性は高い。
ああ!紅蓮様!私は紅蓮様の為なら、人間だろうとドラゴンだろうと滅ぼしますのに!!


「じゃあ、ヒルダ。さっきの話の続きだけど。人間滅ぼすついでに、アイツに
しばらく遊ぶように言っておいて。嫌なら、紅ちゃんに「行きます!!」
じゃあ、よろぴくー」




こうして、私はアランドロンと共にベルゼ様と人間界に向かった。




待っていてください!紅蓮様!!



ヒルダが今、参ります!!!






おまけ

とある黒龍さん。

「主は人間界に向かったか……。まあ、しばらく健康ランドでゆっくりしたら
主の所へ向かうか、待っていろよ、主。ククク」


彼女は仕事の疲れを、健康ランドで癒していた。



 
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