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妖精の十字架

作者:雨の日
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~飛んで火にいる~

朝・・・
俺はミラとエルフマンにとめてもらった礼をして、ギルドに先に向かった
途中、血の匂いが鼻を突いた

「この匂い・・・嘘だろ・・・!?」

角を曲がり、匂いのもと、大木に近づいた
そこには

「レビィ・・・ジェット・・ドロイ・・・ッ!」

三人が、血にまみれて気に鉄ではり付けられていた
と、ちょうどその時マスターが現れた

「ファントム・・・ガキの血を見て黙ってる親はいない・・・」

久しぶりに見た、マスターの、怒り――

「戦争じゃ!!」

幽鬼の支配者は妖精を怒らせた―――




「ってなんで私たちは置いて行かれたのかしら・・・」

ルーシィは頬を膨らませながらミラと街をぶらついていた

「私たちじゃ足手まといよ・・・」

「そーかもですけど・・・あ、やだ、天気雨?」

「ほんとね・・・傘持ってないわ」

「しんしんと・・・」

背後から声が聞こえて二人は振り返った

「あなたは・・・雨女?」

「・・・ミラさん、知り合いですか?」

「ううん・・・」

「ごきげんよう・・・」

「は!?」

「ノンノンノン、それはいけませんぞ」

「今度はなに!?」

雨がどんなに酷くてもルーシィは突っ込む

「ノンノンノン、ムッシュソルにございます」

「・・・幽鬼の支配者が何の用・・・」

ミラは戦闘に構えた、が

「あなたに用はない。スライサー!!」

「!?キャアァァアアァ!!」

雨に混じって紅い血が流れた――




ギルドの精鋭が幽鬼の支配者に向かう途中、俺は一人幽鬼の支配者の支部に向かっていた
理由は単純。まだ双無を使いこなせていないからだ

「支部で訓練訓練」

肩を回して、扉をノックした

「ん?誰だお前?」

真っ赤な髪の男が顔を出した

「あ、妖精の尻尾から来ました、覇界神だ」

「んなッ!?」

突如、赤髪はギルドの壁に減り込んだ
俺は一歩踏み出して声をあげた

「全員まとめてかかってこい」

「舐めやがってぇぇ!」

「こちとら40人はいんだぞ!」

少ない・・・
三桁は期待したのに残念だ

「双無・覇王拳!」

飛びかかってきた魔法剣士の剣を粉々し粉砕して、意識を刈り取る
さらに足に魔力を集め、集団の中心に瞬間的に移動した

「ひぃ!?」

誰かの悲鳴が聞こえたが無視する

「双無・覇王乱脚!」

両手を地面につき、両足を振り回して一心不乱に骨を蹴り砕く

「ソル・フレイム!」

「温い火だな・・・双無・覇王拳」

炎をかき消しながら俺の拳が魔道士の体の芯を捕らえた

「・・・もっと来いよ幽鬼共ォ!」

俺は地を蹴って再び集団に突撃していった




「・・・流石だな」

全員片づけて外に出ると、フードをかぶって杖を持つ見るからに不審な男が立っていた

「ミストガン・・・お前も支部潰しか?」

「・・・まぁな」

「なら共闘と行こうか・・・?」

ミストガンは静かに首を縦に振った
 
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