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妖精の十字架

作者:雨の日
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~羽休め~

「おじゃまします・・・」

「どうぞどうぞ~」

ミラの家に上がるのは初めてだ
家はエルフマンと二人暮らしなので、純、女性の部屋というわけではないが、ところどころにぬいぐるみや可愛らしい装飾が施されていた

「ん、なんか・・・恥ずかしい」

俺が部屋を眺めていると、ミラがもじもじしながらつぶやいた

「お、すまん」

その時、エルフマンが帰ってきた

「ただいま姉、ちゃ・・・ん・・・クルス!?」

「邪魔してるぞ」

驚いているエルフマン
それもそうか、家に帰ると突然俺がいるんだもんな

「姉ちゃん・・・女だな・・・」

エルフマン、何言ってんだ?

「エルフマン?急いで夜ごはんのしたく」

「ご、ごめん姉ちゃん・・・」

????
この姉弟、意思疎通ができるのか・・・

「とはいっても、三人、しかもs級魔道士に喧嘩吹っ掛けるほど奴らも馬鹿じゃないだろ」

「確かにね」

ミラに出されたお茶をすすりながら俺は指先に魔力を集め、暇をつぶす

「あれ?クルスの魔力って白あったっけ?」

そうか、ミラは知らないのか

「これ、お前の魔力だ。この前もらったら、なんか体になじんで使えるようになった」

「ふぅ・・・ん?」

そう言いながら俺の指先をまじまじと見つめるミラ
俺の指をずーっと見つめるミラの背後に巨漢が

「・・・姉ちゃん、あの」

「なななな、なに!?」

俺から高速で離れて振り返った

「そんなに慌てなくても・・・ご飯出来たから机片すの手伝って」

ミラは立ち上がって机に向かって歩き出した
俺も手伝おうかと思ったがミラとエルフマンに

「お客は座ってて」

と言われたのでおとなしくしておくことにした




「いただきます」

「どうぞ~」

「姉ちゃん・・・それ、俺が作った料理」

「気にしないの!」

いつも思うが、この二人は仲がいいな

「うん、旨いぞエルフマン」

「おう!料理もできてこそ漢だ!」

・・・そうか、な?

「あ、姉ちゃん、今日の訓練さ、クルス相手でいいか?」

訓練?

「そぉね・・・折角だしお願い!クルス!」

「なんだかよくわからんが、エルフマンに稽古つければいいんだな?任せとけ」

そう言って、家の前にある広場へでた
エルフマンの使う魔法は姉のミラと同じで全身吸収なのだが、力の暴走で過去に妹のリサーナの命を奪っていらい、片手しかつかえていない

「・・・本気でこいよ、エルフマン!」

「おう!!行くぞ!ビーストアーム・黒牛」

右手を変化させる
そして、勢いよく振りかざす

「衝撃は食い物だぞ?」

「あ!?」

案の定俺に衝撃を食われ、情けない拳と化す
俺は軽く手を払い、腰に回し蹴りを決めた

「く・・・ビーストアーム・爪蜥蜴!!」

エルフマンは前撃能力のある腕に変身して、横に薙ぎ払ってきた

「大ぶりすぎだ。かわしやすすぎる」

しゃがんでかわす。そして、アッパーを決めた。勿論、魔法は使わない

「素早すぎだ!漢か!?」

「・・・漢だ」

エルフマンはたまに突拍子もないことを言う・・・
エルフマンの攻撃はまだまだ続くが、一撃一撃が大振りすぎて一切当たらない
俺は徐々にしびれを切らせて、訓練の方針を変えた

「エルフマン、お前はこの魔力量で立っていられるか?」

「・・・は?」

俺は目を閉じて、魔力を解放していく
周りは、木々が揺れ、大気は震え、大地は鳴動している

「・・・・・・っ!?」

「お前は、絶対的に勝てない相手にどう立ち向かう?」

「それは・・・その・・・・」

一瞬黙ってから顔をあげた

「漢なら、立ち向かう!!」

残念。ここは負けを認めてほしかったところだ

「・・・ここまでにしよう」

「え?」

負けを認める勇気、それが大切だと俺は親父に教わった
エルフマンは確かに強者の部類にはいるが、まだ勇気が足りないのだ

「エルフマン、まだ片手なのか?」

「ッ!?」

「ちょ、クルス!?」

俺はエルフマンに詰め寄りながら告げる

「いい加減にしねぇと、ミラは守れねェからな」

「・・・」

「・・・クルス」

俺は踵を返して、その場から立ち去った 
 

 
後書き
えぇ・・・
更新遅れました・・・

理由はですね
受験勉強、です
これから本格的に始まるので、更新はかなり遅いかと・・・ 
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