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ハイスクールD×D ~銀白の剣士~

作者:strik
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第6話

 
前書き
今日から駆け足で3巻の終わりまで更新していきます。

一日、2回更新で時間は10:00と22:00の予定です。

来週の半ばには終わる予定。 

 
Side 渚


「話はわかったよ」

 兄さんは祐斗を呼んで、聖剣の破壊についての説明をした。

「正直言うと、エクスカリバーの使い手に破壊を承認されるのは遺憾だけどね」

「私も、そちらが『はぐれ』だったら問答無用で斬り捨てているよ」

 祐斗とゼノヴィアさんがにらみ合う。そう言えば、彼女は確かもう一本聖剣を持っていたはずだよね。 さすがに名前までは思い出せないけど。

「やはり、『聖剣計画』のことで恨んでいるのね。エクスカリバーと教会を」

 祐斗は「当然だよ」と肯定した。

「あの計画のおかげで、確かに聖剣使いの研究は飛躍しただろう。でも、計画が失敗したからと言って、被験者ほぼ全員を殺すことが許されると思っているのか?」

 神に仕える側の行いにしては、確かにずいぶんと非人道的だ。

「その事件は教会でも嫌悪されている。処分を決定した責任者は異端の烙印を押され、いまでは堕天使側の住人をとなった」

「堕天使側に? そいつの名前は?」

 ゼノヴィアさんの話に興味を持った祐斗が訊いた。

「バルパー・ガリレイ。『皆殺しの大司教』と呼ばれた男だ」

「・・・・・・・堕天使を追えば、その男に行きつくのかな」

 仇敵のわかった祐斗は、新たな決意をしたようだ。

「僕も情報提供したほうがいいようだね。先日エクスカリバーを持った者に襲撃さえれたよ。その際に神父が一人殺されていた。殺されたのはそちらの者だろうね」

『!』

 この場にいる全員が驚いた。今まで黙っていたのは、何かしら思うところがあったからか・・・・・・・。

「フリード・セルゼン。この名前に覚えは?」

 思い出すのは、堕天使にかちこみをした時のことだ。祐斗の言葉に彼女たちは目を細めて、フリードについての情報を提供してくれた。

 情報によると、とにかくフリードはいろいろな人に嫌われているらしい。まあ、あの性格ならわからなくもない。

「まあフリードについてはいいだろう。エクスカリバー破壊の共同戦線と行こうか」

 紙にペンを走らせて、連絡先をこちらによこした。

「ありがとう。僕らの連絡先は―――」

「イッセーくんと渚くんの連絡先はおばさまからいただいているわ」

 母さん・・・・・・・勝手に教えるのはどうかと思うよ・・・・・・・。

「では、そういうことで」

 ゼノヴィアさんが席を立った。

「食事ありがとうね。また奢ってくれるとうれしいな」

 イリナは図々しいな。

 去っていく二人を見送り、大きく息を吐いた。屁理屈をこねただけだが、協力関係を築けたので、万万歳だ。

「・・・・・・・・どうしてこんなことを?」

 祐斗が僕たちに訊いてくる。

「ま、仲間だし。眷属だしさ。お前に助けられたこともあるし、借りを返すってわけじゃないけど、今回はお前の力になろうと思ってな」

 答えたのは兄さんだ。僕は眷属ではないけど、仲間だと思ってる。それに祐斗は友人だ。

「僕が下手に動けば部長に迷惑がかかるから―――。それもあるんだよね」

「それもある。あのまま暴走されたら部長が悲しむ。今回のことは俺が独断で決めたから、すでに部長に迷惑はかかってるだろうけど、木場が『はぐれ』になるよりはマシなはずだ。結果的には教会側と協力関係も築けたしな」

 祐斗は難しい顔をしている。納得できないのだろうか。

「・・・・・・・・祐斗先輩、私は先輩がいなくなったら・・・・・寂しいです」

 口を開いたのは小猫ちゃんだった。普段の無表情ではなく、悲しげな顔をしている。

「・・・・・・・私もお手伝いします。・・・・・・・だから、いなくならないでください」

 小猫ちゃんが祐斗に訴える。僕が言われたわけじゃないのに、すごくぐっときた。あんな顔で懇願されたら、僕は絶対に断れないと断言できる。祐斗もそんな小猫ちゃんの表情に、困惑しながら苦笑いをしていた。

「ははは・・・・・・。まいったね。そんなこと言われたら、僕も無茶はできないじゃないか・・・・・・・。それにみんなのおかげで真の敵もわかった。やるからには絶対にエクスカリバーを倒そう」

 祐斗もやる気になったようだ。小猫ちゃんも安堵の微笑みを浮かべている。

「よし! おれらエクスカリバー破壊団結成だ!」

「語呂悪いくないかな?」

 兄さんに向かって言った。ちょっと空気を読めてないかもしれないが、仕方がない。

 まあ、兄さんは聞こえなかったふりでやり過ごすようだ。

「あの・・・・・・・俺も?」

 そんな中、匙くんが手を挙げて訊いてきた。

「つーか・・・・結構、俺蚊帳の外なんだけど・・・・・・。結局何がどうなってるわけ?」

 そう言えば、グレモリーの眷属じゃない彼は、話が分からないのか。

「・・・・・・・少し、話そうか」

 祐斗がコーヒーに口を付けた後にそう言った。そして、自分の過去を語りだす。

 祐斗は次々と、自分の過去の出来事を語っていく。

 「聖剣計画」によって集めたられた少年少女、いつか特別な存在になれると信じていた。聖剣を扱えるようになると信じていた。

 しかし、待っていたのは「処分」という結果だけ。集められた子供たちは聖剣に適合できなかった。

「・・・・・みんな、死んだ。殺されたんだ。神に仕える者に。誰も救ってくれなかった。『聖剣に適応できなかった』ただ、それだけの理由で、僕らは毒ガスを浴びた。その中でも僕たちは神に救いを求めた」

 なんとか逃げられた祐斗も、毒ガスによってその体を蝕まれていた。その時、たまたまイタリアに来ていたリアス先輩に拾われ、今に至る。

 祐斗の過去を聞いて、みんなが思ったのは凄まじいの一言に尽きるだろう。

「うぅぅぅぅ・・・・・・」

 匙くんは泣いていた。号泣と言って差し支えないだろう。

「木場! 辛かっただろう! きつかっただろう! 畜生! この世には神も仏もいないのか! 俺はぁぁぁぁ、非常にお前に同情している!」

 祐斗の手を取って、泣きながらうんうんとうなずいている。祐斗は少し引き気味だ。

「俺はイケメンのお前が正直いけ好かなかった! だが、そういう話なら別だ! 俺も協力しよう! ああ、やってやる! 会長のしごきをあえて受けよう! 俺たちでエクスカリバーの撃破だ! 俺もがんばるから、お前もがんばって生きろ! そして、救ってくれたリアス先輩を裏切るな!」

 なんというか・・・・・・匙くんは熱いですね。でも、いいやつだ。少し感動したよ。

「よし! いい機会だ! 俺の話もちょっと聞いてくれ!」

 匙くんは気恥ずかしそうにしながらも、意気揚々と話し出した。

「俺の目標は―――ソーナ会長とできちゃった結婚することだ!!」

 自信満々に話し出す匙くん。ただし、僕と祐斗、そして小猫ちゃんの視線は冷たくなった。

(((ああ、匙くん(先輩)も兄さん(イッセーくん)(イッセー先輩)と同じなんだ(ですね)・・・・・・)))

 三人の気持ちがシンクロした時だった。

 兄さんは同志を見つけた喜びに浸っているようだった。二人で盛り上がっている。

「・・・・・・あははは」

 祐斗は乾いた笑い。

「・・・・・・最低です」

 小猫ちゃんは侮蔑。

「場所を考えようよ・・・・・・・」

 僕はファミレスという場所で、おっぱいと何度も言う二人を見て嘆息した。周りからの視線が半端ない。そのうち、お店の人から怒られそうだ。

 この日、兄さんと匙くんは何かで通じ合い、繋がりあっていた。


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