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ハイスクールD×D ~銀白の剣士~

作者:strik
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第5話



Side 渚


 あの後、売り言葉に買い言葉と言った感じで、イリナとゼノヴィアさん、兄さんと祐斗の試合が始まった。

 結果は二人とも敗北。祐斗は怒りにのまれて普段の実力を発揮できずにゼノヴィアさんに負けた。兄さんがアーシアさんと小猫ちゃんの服を洋服破壊(ドレス・ブレイク)で破壊すると言うハプニングが起こり、兄さんが小猫ちゃんにやられたのは予想外だったが。

「待ちなさい! 祐斗!」

 そして今、リアス先輩が祐斗を呼び止めるが、祐斗はそのまま立ち去ろうとしていた。

「私のもとを離れるなんてことは許さないわ! あなたはグレモリー眷属の『騎士(ナイト)』なのよ。『はぐれ』になってもらっては困るわ」

「・・・・・・・僕は同志たちのおかげであそこから逃げ出せた。だからこそ、彼らの恨みを魔剣に込めないといけないんだ」

 それだけ言うと、祐斗はその場から立ち去って行った。

「祐斗・・・・・・・どうして・・・・・・」

 リアス先輩が悲しそうな顔を浮かべる。

「わかってはいましたが、過去に縛られているんですね。祐斗は」

 僕のつぶやきに誰も反応することはなかった。


Side out





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Side 一誠


 次の休日。俺は会長の眷属であり、同じ『兵士(ポーン)』である匙を駅前に呼び出していた。部長経由で、何とか連絡が取れたのだ。ちなみにだが、渚とは和解?したらしい。

「あー。で? なんで俺を呼び出したわけ?」

「そうだね。僕も連れてこられたはいいけど、理由は聞いてないし」

「・・・・・・・三人で何するつもりだったんですか?」

 当初、俺と匙と渚で会う予定だったのだが、駅前に向かう途中で小猫ちゃんに捕まってしまったのだ。

 俺は咳払いを一つすると三人に告げる。

「聖剣エクスカリバーの破壊許可を紫藤イリナとゼノヴィアからもらうんだ」

 俺の告白に、この場の全員が驚いていた。

 そして、一泊空けた次の瞬間――――

「嫌だぁぁぁぁぁ! 俺は帰るんだぁぁぁ!」

 匙が逃げ出そうとした。

「・・・・・・・逃がしません。イッセー先輩、祐斗先輩のことですよね。私は協力します」

 小猫ちゃんは察してくれたらしい。

「そう言うことなら、匙くん、逃げ出さないでほしいな?」

 渚も匙の説得にまわってくれた。

「兵藤! なんで俺なんだよ! 俺はシトリー眷属だぞ! 関係ねぇ! 関係ねぇぇぇ!」

 涙を流すほどいやなのかよ・・・・・・。まあ、無視するか。小猫ちゃんと渚にアイコンタクトを送る。よし、うなずいてくれた。

「とりあえず、このことはほかの部員には言わない方がいいだろうね」

「・・・・・・・同感です」

 そうだろうな。止められるのはわかりきっているし。

「イリナとゼノヴィアは『堕天使の手から聖剣がなくなればいい』って言っていたんだ。三本盗まれたうちの一本ぐらい俺たちが壊してもかまわないだろうさ」

「・・・・・・そこで祐斗先輩にエクスカリバーに打ち勝ってもらうというわけですね」

 そういうこと。俺はうなずいた。

「祐斗は聖剣に勝って、仲間の復讐をしたい。教会側は聖剣を破壊してでも堕天使の手か奪いたい。意見はあらかた一致しているね。まあ、彼女たちが悪魔の言葉を聞いてくれるかはわからないけど」

 渚がそう言った。そう彼女たちが俺たちの話を聞いてくれるかが、問題だったがそれはもう心配ない。

「その時は、人間の渚が話せばいいだろ?」

 俺がそう言うと、渚は納得したという感じでうなずいていた。

「それだったら、最初から僕が話そう。下手をすると悪魔が天使の事情に首を突っ込んだことになるだろうしね。最悪関係が悪化しかねない。その点、僕は悪魔と関わっているけど人間だから問題ない」

 よし、これで大義名分的なものはできた。それと匙、天下の往来で騒ぎすぎだぞ。みんなの迷惑だろう。これだから、匙は困る

「普段、女子の中でAV広げてるやつが、何言ってんだよぉぉぉ! しかも匙だから困るって、お前は俺の一体何を知ってるんだ!」

 なんと! 心が読まれただと・・・・・・・。

「心を読んでんじゃねぇ! 兵藤てめぇ、口に出してるんだよ! バカにしてんのか!」

 おいおい、だからこんな大通りで暴れるなよ。一緒にいる俺たちが恥ずかしいだろ?

「殺す! てめぇはぜってぇに殺す!」

お巡りさーん! 公衆の面前で殺人予告です~。助けてください~。

「もうやめなよ」

「・・・・・ナギ先輩の言うとおりです。早く二人を探しましょう」

 二人にそう言われて、俺は匙を弄るのをやめてイリナとゼノヴィアの捜索を開始した。地団駄を踏んでいる匙を置いて行ったのは気にせずに。


Side out





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Side 渚


「えー、迷える子羊にお恵みを~」

「どうか、天の父に代わって哀れな私たちにお慈悲をぉぉぉぉ!」

 彼女たちは極秘任務で来ているんじゃなかったのかな? それとも頭がアレなんだろうか?

「・・・・・・簡単に見つかりましたね」

 いつもの口調で小猫ちゃんがそう言うが、少し目を見開いているので驚いているのだろう。

 しかし、目立つな。路頭で祈りを捧げてれば仕方ないのかもしれないけど。しかも、なんだか言い争いを始めたし・・・・・・。何がしたいんだ?

「これだから、プロテスタントは異教徒だというんだ!」

「何よ! カトリックの方がおかしいじゃない!」

 二人とも、所属してる人が聞いたらブチ切れそうな会話ですね。

「なんだと、異教徒め!」

「何よ、異教徒!」

 顔ぶつけ合って喧嘩するなよ・・・・・・。見る人が見たら、女の子同士でキスしてるようにしか見えないよ?

 少しの間静観していると、どうやら彼女たちはお金が無くて、お腹がすいているらしい。なんでも絵を買ったために、お金が無くなったとか。後先考えて行動しようよ・・・・・・。

 このまま、静観していても何も始まらないので、意を決して話しかけることになった。





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「うまい! 日本の食事はうまいぞ!」

「うんうん! これが故郷の味なのよ!」

「もぐもぐ・・・・・・」

 話しかけた瞬間、あまりにもひもじそうな視線を送ってきたので、食事に誘うことになった。ファミレスに到着するまでぶつぶつつぶやいていたのが気になったが。しかし、故郷の味がファミレスはないだろう・・・・・・。それと小猫ちゃん、いくら僕のおごりだからって少し食べすぎじゃないかい? 財布の中身は有限だよ?

 お金の方は、兄さんの悪魔の仕事であった森沢さんがあの後も、何回か定期的に呼ぶので問題ない。お金の無駄遣いだと思うが、森沢さんは満足しているようなので、深くは突っ込むまい。最近女装に慣れてきている気がするのはきっと気のせいだ。

「ふぅー、落ち着いた。悪魔に救われるとは、世も末だな」

「奢るのは僕だから、僕は悪魔じゃないから」

「おっと、そうだったね。失礼した」

「もぐもぐ・・・・・・すみません、これ追加でお願いします」

 悪魔じゃないと、意外と普通の対応してくれるんだな。・・・・・・小猫ちゃん、本当によく頼むなぁ。お金大丈夫かな?

「御馳走様でした。ああ、主よ。渚くんにご慈悲を」

 イリナが十字を胸の前できる。兄さんたちにダメージを与えていた。

「あははは、ごめんなさい。ついうっかり」

 テヘとかわいらしく笑みを浮かべた。

「それで、私たちに何の用なんだ?」

 ゼノヴィアさんがいきなり切り出してきた。

「単刀直入に言うとエクスカリバーの破壊に協力したい」

 僕がそう言うと二人は驚いている様子だった。

「一本だ」

 ゼノヴィアさんが口を開いた。

「一本ぐらいなら任せてもいい。破壊できるのではあればね。ただし、そちらの悪魔も協力するのかわからないが、悪魔だと正体がばれないようにしてくれ」

 意外に簡単に許可をもらうことができた。

「いいの? ゼノヴィア。確かに渚くんは人間だから、特に問題なさそうだけど彼は一応、悪魔側の陣営なのよ?」

「イリナ、この任務の成功確率は奥の手を使って三割だ。これは自己犠牲に等しい。確かに自己犠牲は信仰の本懐だろう。でも私は、任務を無事遂行し帰還することが本当の信仰だと信じる。生きて、これからも主のために戦う。―――違うか?」

「確かにそうだけど・・・・・・でも」

「だからこそ、悪魔の力は借りない。借りるのは人間の力とドラゴンの力だ。上も人間とドラゴンの力を借りるなとは言っていない」

「もぐもぐ・・・・・・」

 ゼノヴィアさんはそう言いながら、僕と兄さんを見据えた。

(小猫ちゃん? 今、割とシリアスな場面だからね?)

「屁理屈ね。でも確かにそうは言っていないわ」

 どうやら、協力関係は成立したようだ。

「協力関係は成立・・・・・・と言うことでいいのか?」

 確認のために兄さんが二人に訊く。二人は顔を見合わせてから、うなずいた。

「じゃあ、今回の俺のパートナーを呼ぶわ」

 兄さんは携帯を手に取った。

「もぐもぐ・・・・・・」

 結局、小猫ちゃんは兄さんのパートナーが来るまで食べることをやめなかった。


Side out


 
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