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ソードアート・オンライン ~時を越えたデスゲーム~

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第十一話

 
前書き
5人死んだトコからです。。(ご愁傷様) 

 
ザワ、とボス部屋のがどよめく。
ボスの攻撃たった1回で、5人ものプレイヤーが消えていった。
恐怖を感じるなと言う方が難しいだろう。

「うそ・・・そんな、酷い・・・・」
「これが・・・・二刀流の・・・試練・・・・」

二人の言葉は、周りの絶叫にかき消されていく。
でも、ここでアキトが二刀流を取らなければ、"75層"でこの世界を終わらせることは困難。
未来を知っている彼が、二刀流を取るべきなのだ。
でも。
でも、これは、酷すぎた。
気を抜いたのでも、ふざけたのでもない。
ただ単純に、ボスが強かっただけの話。

「これ以上・・・・・」
「死なせて・・・・・」
「「たまるかあああああっ!!」」

叫び、カズネとアキトは狂ったかのように剣を振りかぶった。
バーチカル・アーク、シャープネイル、ホリゾンタル・スクエア。
アヴォーヴ、スター・スプラッシュ、ガドラプル・ペイン。
目にも留まらぬ速さで、二人は必死に攻撃を続ける。
思考が加速される。
ボスの動きさえもゆっくりに見える。

そう・・・・

今だ!!


目を合わせたわけでも、打ち合わせをしたわけでもないけれど、アキトとカズネは同時に高く跳躍する。

そして空中から突き落とすかのように。

「「はああああああ!!!」」

アキトはヴォーパル・ストライク
カズネは、シューティング・スターを放った。

その光りにはっとしたかのように、周りのプレイヤーも攻撃を始める。
ようやく、元のペースを取り戻してきた。
でも、ボスのスピードは速くなるばかり。
それに対応できるのも、極わずかなプレイヤーだけになってきた。
その中に含まれるのは、もちろんカズネとアキト。
大本命はアキトだが、カズネだって巻ける気は全くない。

「・・・れで・・・・終わり、だあああああっ!!!」

アキトが貫くような叫びを上げ、巻き添えを喰らうまいとカズネが軽く後退する。
アキトはソードスキル、サベージ・フルクラムを・・・

放った。

ボスがポリゴンとなって散った。同時に、アキトの剣、シー・オブ・ジェイドが耐久値を全損させてポリゴンと化す。
変わりに、ストレージに新しい剣の存在。


フェアリー・レイニー。

雨降りの妖精。

色は深い蒼で、ずしりと重たい。
アキトが新たな相棒を確かめていると。

「オツカレー、アキト~」

どこか疲れたような、妹の声。

「お前も、な。な、見てこれ」
「新しい剣?」
「ああ。えーっと、フェアリー・レイニー」
「雨降りの妖精?」
「そんな感じ」
「へぇ、綺麗・・・つくづくボスドロップに恵まれてるね」
「確かに」

二人はふと、笑いを引っ込めて周りをぐるりと見渡す。
そこには。

((え・・・?))

二人を怯えたような瞳で見る、プレイヤーたちがいた。

「な、に・・・・?」

カズネが、軽く後退りをする。
すると、小さな、囁くような声でこう聞こえてきた。

「怖い・・・」
「子供のクセに・・・」
「恐ろしい・・・」
「何、あの子達・・・」

二人の、あの凄まじい剣閃。
プレイヤーたちは、「綺麗」ではなく、「怖い」と取ったのだ。
二人は軽蔑の目で見つめられる。

「ね・・・ねぇ・・・・何・・・?何なの・・・?」
「っ・・・・?」

二人が小さく声を漏らす。
ついに、誰かが言った。

「化けモンだろ」

小さいが、はっきりと聞こえる声で。

「確かに・・・あんなの、化け物だよね」
「化けモンはどっか行け!」
「消えろ!」

ボス攻略が成功したのに。
それも、アキトとカズネのお陰と言ってもいいほどなのに。
プレイヤーたちは、己より強い、小さな子供に、嫉妬を抱き罵った。 
 

 
後書き
え、酷ッ!!! 
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