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沖縄料理

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第四章

「美味いな、これも」
「おお、そう言うかい」
「ああ、美味い」
「本土にはない味だよ」
「沖縄の人はこんな美味いものを食ってるのか」
 こうまで言う。
「羨ましいな」
「おいおい、それは言い過ぎじゃないかい?」
「東京にはこんな美味いものはない」
「そこまで言うかい」
「本当にな、こんな美味いものはない」
 また言う良馬だった。
「おかわりが欲しい位だ」
「じゃあもう一皿だね」
「これ食ってから頼む」
「わかったぜ、じゃあな」
 良馬はタコライスを勢いよく食べた、そしてだった。
 タコライスをもう一杯食べた、これがはじまりだった。
 彼はしょっちゅうタコライスを食べる様になった、この店だけでなく他の店でも食べた。そしてそのうちにだった。
 他の沖縄料理も食べる様になった、タコライスの様に洒落た感じのものだけでなく沖縄に元からある料理もである。
 居酒屋、木造の本土のものに似た内装の店のカウンターに座り緑の瓜か何かみたいなものを切って豚肉ともやしで炒めたものを食べる、そのうえで言うのだった。
「この瓜か何かの苦味と肉の味、それにもやしも入ってか」
「もやしを入れるのはうちの店のやり方だけれどね」
「滅茶苦茶美味しいな」
 箸を動かしながら目を丸くさせて言う。
「いや、本当にな」
「随分気に入ったみたいだね」
「この瓜みたいなの何だ?」
「ゴーヤだよ」
 それだというのだ。
「それで料理の名前はゴーヤチャンプルっていうんだよ」
「ゴーヤチャンプルか」
「そうだよ、沖縄の名物料理だよ」
 こう言うのだった。
「ゴーヤも沖縄にあるものだよ」
「ゴーヤか、美味いか」
「そうだろ、身体にもいいからな」
「そうか、後は」
 良馬はここで自分がゴーヤチャンプルの他に頼んだ料理も見た、見れば色々ある。
「この豚の耳もこりこりとしていいな」
「ミミガーだね」
「そばもな」
「そーきそば、いいだろ」
「ラーメンかと思ったが違うだろ」 
 親父はそーきそばについても笑顔で言う。
「だしは鶏がらだけれどな」
「少し違うな」
「そうだろ、昆布も入れてるんだよ」 
「それであっさりとしているんだな」
「麺の作り方もラーメンとまた違うんだよ、かん水は入れるけれどな」
「それでか」
 今度はそーきそばを食べる、そして言うことは。
「これも美味いな」
「だろ?いいだろ」
「足てびちもな」
 そーきそばの次はそれだった、豚足と大根を昆布と一緒にじっくりと煮たものを食べる、そして今度もこう言った。
「こんな美味いもの東京にはないな」
「お兄さん東京から来たんだね」
「そこからこっちに就職した」
 ここで沖縄の人民の蜂起の旗手になる為と言おうとした、だが親父はそれより先にこう言って来た。
「東京ねえ、この前まで騒がしかったらしいね」
「それでだが」
 言おうとする、だがだった。
 親父はさらに言う、その言うことは。 
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