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ハイスクールD×D 縛鎖の龍と紅髪姫

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2話

「…」

「…」

き、気まずい

彼を咄嗟に引き止めて

『私を連れて行って』

なんて言ったものの見ず知らずの相手に連れて行ってなどと言う人はどう思われるだろうか?

簡単だ………変人、その一言に尽きる

理由を話そうにもこの気まずい空気がそれをさせない

最悪だ…何が"冷静"だ、"かなり焦っている"の間違いじゃないの?

でも彼が今ここを去ったら彼に会う機会はもう二度とない気がした

なら正しかった?

………いえ、絶対に別の方法があった

例えば、『お礼をさせて?』から始める場合

それならお礼を断られてもここまで気まずい空気にはならなかっただろう

お礼を受け取るって言って貰えばレストランなどに行ってそこでじっくり話すことも出来た

あぁ………やっぱり失敗だ

そんなどんどん暗い思考に沈んでいく私に

「好きにしろ…」

と声をかけられた

「―――――――――」

一瞬頭がフリーズした

あの状況からまずありえない言葉を聞いた驚愕

そして私の夢が潰えなかった喜び

その二つが頭の中を埋め尽くしたからだ

「つ、ついて行っていいってことかしら?」

「好きにしろと言った」

「…ならついて行かせて」

「そうか」

そう言って彼は転移用と思わしき魔法陣を展開する

私も魔法陣に近づいて彼と共に転移する







転移した場所は一つの部屋だった

どうやらここが彼の家らしい

その彼はと言うと

「…」

ソファに座って本を読んでいた

………いつの間に…

私も彼の座っているソファに腰掛ける

「そう言えばまだ自己紹介もしてなかったわね、私はリアス・グレモリー、よろしく」

「龍凪 俊樹(たつなぎ としき)」

《我が名はネビュラロード》

「よろしく俊樹………」

え?

待って?

何、今の声?

《どうした女》

彼の右手から聞こえる

《そうか、我の事は知らなかったな》

すると右手が黒い手甲に代わり

《この神器『星輝龍の腕甲(カースドガントレット)』に宿る龍だ》

神器持ちだったのね

《俊樹共々頼むぞ》

「ええ、こちらこそ」





「~♪」

自己紹介してからしばらくして

私は夕飯を作っていた

俊樹がごく普通に夕飯の代わりに栄養スティックで済ませようとしているのを見て、その栄養スティックをひったくって

『私が夕食を作ってあげる』

となった

恐らく彼も作れるのだろうが作らない

なら私が作ってあげればいい

そう思った

料理は嫌いじゃない、むしろ好きと言ってもいい

ましてやそれが誰かに食べさせるならなおのこと

出かけた時よりも陽気な気分だった

「出来たわよ」

夕食を並べエプロンを外しながら席に着く

俊樹も本を読むのをやめて席に着く

………あれ?

………………これってまるで夫婦みたい…

「どうした」

「え!?い、いえ!なんでもないわ!」

わ、忘れましょう!

そして二人で料理を食べてゆく

自分でも美味しいと思ったし俊樹も嫌そうな顔しなかった…

口に合わないってことはなかったみたい

良かった……… 
 

 
後書き
多分ネビュラロードはこんな感じではない… 
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