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モンスターハンター 兵士の狩り

作者:
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第一話

 
前書き
進撃の巨人について少し説明します。リアンの世界では人類は50メートルの壁を三重に作り、その中に住んでいます。理由は巨人は人を食べる事だけが目的で、その理由は捕食ではなく人間の殺戮。調査兵団は巨人の生態の調査を目的とした組織です。あまり物語に関係しないのでこれだけ頭の片隅にあれば結構です。では、どうぞ。 

 
リアンは激しく上下する馬上で視界に巨大樹の森を捉えていた。今までの壁外調査により発見された数十メートルはある木が密集する森だ。立体起動装置を生かすのにあんなに良い場所は無い。

視界に映る巨大樹の森の上に赤い煙が打ち上げられた。前方の班が巨人を発見したのだ。

「前方から巨人多数!」

前方から巨人の存在を知らせる怒号が響く。
リアンは命令を伝えようと剣を上に向けた。

「左方へ迂回!森に着き次第、立体起動装置を使用せよ!」

すかさず馬の鞭を打つ。リアンが左に動くと班員もそれに続く。森まで来たら木の枝から巨人の位置を見て班員の安全を確保しなければならない。ここからは班長である自分の決定が班の命運を左右する。
しばらくして森が前に迫ってきた。

前に進み続ける馬の上からタイミングを計って跳躍し、トリガーを引きアンカーを木に刺す。
すぐにガスを吹かすと足が宙に浮き、激しい風が体を包む。馬が慌てずちゃんと周辺で待っているのを確認し、目を森の中へ走らせる。

森の中を進む内にリアンの目が一体の巨人を捉えた。7メートル級だ。リアンは巨人の方へ体を向け、自分と巨人の延長線上の木にアンカーを刺した。ガスを大目に吹かし後は体を慣性に任せて、巨人のうなじを目に捉え続けながら巨人の弱点であるうなじの縦1メートル幅50センチの真ん中を深く切り裂いた

巨人が肉が切れる音と共に地面に倒れる。

「討伐数、1!!」

リアンは声を張り上げると体を再び森の奥へ向けた。班員が気になり少し後ろを見たが一人として欠けた物はいない。

「全員、異常はないか!」

「異常ありません!全員無事です!」

それを聞いてリアンは少し落ち着いた。訓練所から出た訓練兵が調査兵団に入って4年後に全て死んでしまうと言われるほど調査兵団の死亡率は高い。リアンも人の事を心配出来るほどベテランではないが自分の心配をすると死ぬ事ばかり考えてしまう。他人の心配をして自分の事を考えない様にしているのが楽だった。

巨人の血で汚れた刃を捨て鞘から取り出した新しい刃に取り換える。

「左方に15メートル級!」

班員の一人が巨人を発見したらしい。そこに目をやると、筋肉質な巨人が歩いているのが見えた。
距離はそう遠くない。アレを仕留めよう。リアンはそう考えた。

「巨人の腱を無力化しろ!!俺がうなじを切る!」

「「「ハッ!!」」」

班員が訓練通りの動きを見せる。全ての班員が訓練と大体同じの位置につくと、全員が行動を起こせるタイミングを見計らって班員達とリアンが動き出す。

二人の班員が巨人の両足に迫る。リアンは巨人の注意を引きながら正面から巨人に迫った。前から迫る餌を見つけて巨人が笑う。見ていると憎悪が湧き立ち、自分の家族を殺された時の光景が脳裏に映り自然と腕に力が入る。

駄目だ、落ち着こう。考えるのは後でも出来る。リアンは頭の中の憎悪を打消し、落ち着こうとして

ちらと巨人の腱を狙っている班員二人を見た。右にいる班員の横に影が動くのを見た。その瞬間、それが何なのか理解する前に、班員の死という未来が脳裏に浮かび、弾く様に体が動いた。

「ッ!!」

声にならない声が出る。リアンは力の限り叫んだ。


「マルクッ!!避けろッッ!!!」

マルクが驚いた顔をこちらに向けた。それがリアンが見た、彼の人生の最後の顔だった。
頭が大きい巨人がマルクの横から飛び出し、マルクと横にいた班員は命を失った。リアンは空中で呆然とした。自分の班員が死んだ。巨人に、殺された。


呆然とした頭でリアンは二人の死体を見つめた。ゆがんだ視界の隅に大きな何かが近づいてくる気がした。

  
それが巨人の手だと気づいた時には、すでにリアンはそれに激突していた。リアンは大きく弾かれ、鈍い音を立てて地面に頭から突っ込んだ。リアンの首の骨は折れていた。だがもうリアンが痛みを感じる事はなかった。




 
 

 
後書き
ちなみに兵士達の言葉や用語は想像です。 
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