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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第27話:アホは何処にでも居るッスね

(大灯台)
マーニャSIDE

どうやらこの一族は全体的に生意気らしい……
リューノも慣れれば可愛いが、最初は生意気小娘にしか見えなかったし……
このリューラってのも、己の強さに驕りがある生意気娘のようだ。

新たな仲間に思いを馳せていると、またゾロゾロと敵さんがお出でました。
前衛のシンが敵を引き付ける様に戦い、後衛の私とミネアが攻撃・補助魔法で援護する。
これが私達がこれまでに体得したパーティ戦闘だ。

チラリとリューラに目をやると、『私の方がもっと早く敵を倒せる……』と小声で呟いている。
足手纏いと言われたのがショックだったのでろう……
理解はしてるが納得出来ない様子で俯いている。

「リューラ……早く敵を倒す事よりも、安全に敵を倒す事が重要なのよ。私達は平穏なグランバニアで、暢気に遊んでいるのとは違うのだから。誰かが死んでから気が付いても遅いのよ……」
悔しそうなリューラの顔を覗き込み、リューノが優しく諭す様に話す。
この()(リューノ)こんなにも物分かりが良かったけ?

「ケケケケケ、お前等トルネコの仲間だな!? ……トルネコは何処に行った?」
微笑ましい姉妹のやり取りを眺めていると、突如通路の前方にミニデーモンと思しきモンスターが立ち塞がった。

「な、何だお前は!?」
「ケケケ、俺様はミニデーモン様。この灯台に饅頭の様なトルネコって人間が現れると聞いて、食ってやろうと待ち伏せをしていたのだ! さぁトルネコを出せ……隠すと後悔する事になるぞ!」

どうやら大々的に金儲けをしているトルネコは、世界的にも・魔族的にも有名になったみたいで、ファン(?)が各地から押し寄せてきているみたいだ。
とは言え、町に置いてきてしまったので、隠すも何も無いのだけれど……

「さあ大人しく言え!」
「トルネコのオッサンならコナンベリーの造船所に居るぞ! オイラ達とは別行動中だ……あんな饅頭デブを隠せる余裕なんてない!」
トルネコの居場所を秘匿し、戦闘をしようと考えていたのだが、リューラの彼氏らしき少年が、アッサリと彼の居場所を暴露する。

「ケケケケケ、そうか……アイツは町にいるのだな!? では俺様自らが出向いて、饅頭トルネコを食べてやろう!」
嬉しそうに高笑いするミニデーモン……
町には行かせまいと身構えたのだが……

「ルーラ!」(ゴイン!!)
私達が攻撃する前に唱えたルーラで天井に頭を激しくぶつけ、そのまま絶命してしまった……
これは一体?

「何処の世界にもアホなモンスターって居るのね……」
「それはミニモンの事かなリューノさん……」
ミニモンって誰だろう……ウルフとリューノの会話に入っていけない。

「だってアイツ馬鹿じゃん!」
「そうは言うけど、アイツがラーミアの面倒を見てくれてるんだぜ。あのアホの子の面倒を見てくれるなんて感謝するべきだろ!」

何? 誰なのそいつら!?
楽しそうに話しているけど、私達には説明はしてくれないのかしら……

マーニャSIDE END



(大灯台)
シンSIDE

何だか良く解らないうちに事態は解決した。
ウルフさんとリューノちゃんが俺の知らない誰かの事を話している……
ラブラブ見えるのは俺だけだろうか?

しかし……
「アロー君。勝手にトルネコさんの居場所を教えちゃ拙いだろ……ミニデーモンのルーラが成功していたら、コナンベリーの町中にモンスターが現れる事になってたんだぞ!」
そう……もう少し状況を考えて発言してほしい。

「ごめんなさい……でも、オイラ達だけに苦労をさせておいて、あの饅頭オヤジが一人だけ楽をしているのが許せなかったんだ。……町にモンスターが現れる事まで考えなかったのはオイラの間違いです、本当にごめんなさい!」
気持ちは解るが気を付けて貰いたい。

「アロー君、大丈夫だよ」
するとウルフさんが、リューノちゃんとイチャラブするのを控えて話しかけてきた。
「何がですか?」

「このまま冒険が進めば、俺達はリューラの父親であるリュカさんと合流する事になる。あの人が横着なオヤジをソッとしておくハズがない! 俺達を利用してきた事を後悔する程酷い目に遭うはずだ。我々はそれを見て楽しもうじゃないか!」

相変わらずのイケメン爽やかスマイルで、何やら恐ろしい事を言い切るウルフさん。
リュカさんって何者なんですか?
怖い人なんですか?

「ウルフ……キサマ……お父さんを馬鹿にしているのか……?」
「とんでもないッスよリューラお嬢様! 俺が世界で一番尊敬してるのは、貴女方のお父上であらせられるリュカさんなんですよ! 娘の事は兎も角、彼を馬鹿になんてしませんよ!」

これを聞いてる何人がウルフさんの言葉を信用するのだろうか……
100歩譲っても馬鹿にしている口調で、尚かつリューラさんまでも馬鹿にしてきている。
しかし、良く考えるとリューノちゃんや彼女(マリー)さんの事も含まれているよね。良いのかな………

シンSSIDE END



(大灯台)
リューノSIDE

ウルフが先程から蔓延していた、不機嫌リューラの雰囲気を払拭してくれた。
お父さんの事を馬鹿にする様な話し方をし、リューラの不機嫌を自らに集め、そしてお父さんと合流出来れば心配する事がなくなると皆さんを宥める。

「ざけんなよウルフ! 私達姉妹を馬鹿にするとは言い度胸だな……後悔するぞコノヤロー!」
更には、言外に娘である私達までも馬鹿にする様な事を言って、私達の仲を隠そうと画策する。
その程度の事には気が付く私は、ウルフの策に乗っかって怒った風を装いリューラとの絆を深めて行く。

私とリューラは手を繋いだまま、目の前のウルフに対しギャーギャーと罵声を浴びせ続ける。
彼も楽しそうに……というか、人の悪い笑顔で嬉しそうに私達をヒートアップさせてくる。
うふふふふ……楽しいわぁ!

リューノSIDE END



 
 

 
後書き
ウルフとリューノはもう少し控えるべきだと私は思う。
でも、思春期真っ盛りの男女の様で、オジさんは微笑ましいよ! 
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