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ソードアート・オンライン~冥界を司る女神と平和の創り手~

作者:ほにゃ~
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第3.5話 銃の世界へ 詩乃SIDE

「詩乃。ここのやり方は?」

「そこのやり方は」

今、私は秋人と近所の区立図書館で勉強をしている。

正確に言うと、私が秋人に勉強を教えている。

何故かというとこの前行われた小テストで秋人が0点を取ったからだ。

そして、教科担任から次の小テストで平均点を取らなければ放課後、補習授業をすると言われたらしく

それで、私に泣きついてきた。

仕方がないのでこうして図書館まで足を運んで勉強を教えている。

それにしても

「よくこの学力で編入試験受かったわね」

秋人の成績は中の中というすごく普通の成績らしい。

一応うちの学校はそこそこレベルが高いのでよく受かったと本当に思う。

「でも、頭が悪いってわけじゃないわね。一回教えたらすぐにできるし」

「それは、うちの先生たちの教え方がわるいんだよ。一言で済むような計算式を

小難しく解説なんてするから、余計に分かり難いたらありゃしない」

「それは同感ね。」

「それに、そこそこ名の通った都立高って言うけど俺が通ってた公立中と何にも変わらねえし」

「それ、私も思った」

そんな他愛のない話をしていると時間が過ぎていく。

適当なところで切り上げ勉強を止める。

「私、2階の閲覧室に少し行くけど秋人はどうする?」

「俺、インターネット室を少し利用する」

「なら、1時間後に入口前に集合ね」

「OK」

秋人と別れ、私は2階に向かう。

閲覧室の棚から『世界の銃器』なるタイトルのグラフ誌を取り出しめくる。

写真であれば今の所パニック発作は起きないが

それでもあの銃が載ってるページを見ると気分が悪くなる。

でも、慣れて克服しなきゃいけない。

秋人も同じような目にあっているんだ。

だから、私も頑張って克服しあの事件を受け入れないといけない。

そう思いもう一度本を開こうとすると声を掛けられた。

「銃、好きなんですか?」

後ろを振り向くと痩せた小柄な少年がいた。

「朝田さん・・・だよね。同じクラスの」

確か、同じクラスの新川君だ。

彼の質問に嫌いだと答えようと思ったがならなんでこんな本を読んでるのかと言われるから

適当に言葉を濁した。

「そうね」

その言葉を彼は勘違いし、喜々と次から次へと銃の説明をしていく。

好きでもない、むしろ嫌いな銃の話をされ少し不愉快になる。

「そうだ。朝田さんは知ってるかな?ガンゲイル・オンラインっていうゲーム。

VRMMOなんだけど」

VRMMOってことはフルダイブ型のゲームのことだ。

名前だけなら知っているが正直興味が無い。

そう思ったが

「ガンゲイル・オンライン 通称GGOは俗に言う《剣と魔法の世界》って言ったやつじゃなくって

現実世界に存在する銃、もしくは存在した銃が出てくるんだ。

それを使って荒野を駆け巡ってプレイヤー同士で殺し合うゲームなんだ。

もし、やっていないんだったら朝田さんもどうかな?」

その言葉に私はあることを思った。

「そのゲームには、黒星っていう銃はある?」

黒星、それはあの5年前の事件で私が強盗犯から奪い取り強盗犯の命を奪った銃の名。

「も、もちろんあるよ」

新川君は当然とばかりに言いながら頷く。

なら、そのゲームをやってみようかと思った。

その時、頭に秋人の顔が浮かんだ。

もし、私がまた銃を握ると知ったら彼はどう思うだろう。

例えそれが仮想のものであったとしても。

「少し考えるわ」

そう言って席を離れる。

入口に着き数分待つと秋人がやって来た。

「悪い、待たせたな」

「ううん、今来たとこ」

図書館を後にし、そのまま二人でスーパーに向かい今日の晩飯の材料を買う。

買い物中もずっとGGOのことと秋人のことを考えていた。

後で聞いてみよう。

私がまた銃を握るのをどう思うか。

買い物を終え、自室に戻り、着替えをして秋人を待つ。

秋人が来たら一緒に晩御飯を作り食べる。

「ねぇ、もし、私がまた銃を握ったらどう思う?」

晩御飯を食べながら秋人に聞いてみる。

「急にどうした?」

「もしもの話よ。私がまた銃を握ったらって話」

秋人は少し考えてから質問に答えた。

「なんか理由があるんだろうから銃を握ってんだろうって思うかな。

まぁ、何があっても俺はお前の友達だ」

そう言ってまた食べ始める。

「ありがとう」

私はそう言って箸を進める。

これで決心がついた。

行こう。

GGOに。 
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