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銀河英雄伝説~物騒な副官~

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01始まりは突然に

 
前書き
多数、オリキャラが登場します。
ニンファドーラ・トンクス=ドーラです。 

 
~元帥府・カフェにて~
「おい、ワーレン。」
「何だ、ビッテンフェルト。」
「卿の所に新しい副官が来たらしいじゃないか。」
「ああ、ニンファドーラ・トンクス大尉の事か。」
「女?!」
ビッテンフェルトが大声で叫ぶ。
「まあな。」
「そのフロイラインは一体…その、どんな女性なんだ?」
「……一言で言うと…ハリケーンだな」
「おい、それはどうい」

「「「閣下っ!!!!!!!!!!!!!」」」」」

「「うわっっっ!!!!」」

ワーレンが条件反射で飛んできた物を叩き落として見ると、それらはナイフやフォークといったかなり物騒な代物だった。

「すみません!!!!閣下!!!!」
「……気にするな、これからは気を付けるように。」
「はいっ!!!!!!!!」
ダダダダッとドーラは去っていった。

「……いつもあんな感じなのか…?」
げっそりとした顔つきのビッテンフェルトが訊ねる。
「まあ、今回はかなりましな部類だろう。」
「その、なんというか、凄まじい破壊力だな、あれは。」
「 黒色槍騎兵艦隊に入れたらどうだ。ピッタリだと俺は思うぞ。 」
「冗談じゃない!俺の部下にだと!あんなヤツが来たらメチャクチャになるぞ!」
「……(ブチッ)」
「す、すまん、ワーレン。」

「キャッ!!!!!!!!」

「今度は何をやらかしたっっておい!!」
「見なかった事にしたいが…はぁ、よりによって何であいつなんかに……」
ワーレンはかなり大きな溜め息をつく。
「あの金銀妖眼野郎にコーヒーをぶっかけるだなんて運のツキだな。」
と、非常に分かりやすい解説をするビッテンフェルト。
「…今更言っても仕方あるまい。行くぞ。」




「本当にすみませんでした!!!!!!!!」
「…………」
「ロイエンタール、うちの副官がこんな事をしでかしてしまってすまん。」
「卿の副官だとは思わなかった。」
ロイエンタールが口をひきつらせながら言う。
「俺の個人的見解だが、この(クソ)女は副官に全くむいてないと思うぞ。」
「……………(確かにそうだが本人の前で言うなぁ!)」
「よく大尉にまで出世出来たな。」
「ロイエンタール!!」
「失礼する。」
ロイエンタールはシャワーを浴びる為にカフェを出ていった。
「トンクス大尉」
「はい、何でしょうか?」
「奴が今言ったことは気にしなくて良い。女性にかなり偏見を持っている上、親友のミッターマイヤー提督と昨夜の(馬鹿馬鹿しい)喧嘩で心が荒れ狂っているからな…」
「えっ?別に何も気にしてないんですが。」
「………(嘘だろう…?)」
「……(なんつー天然だ…)」
呆れて物も言えないワーレンとビッテンフェルトにドーラは更に追い討ちをかける。
「どうかなさいましたか、閣下?」
「いや……何でもない。執務室に帰るぞ。」
「はいっ♪」
ビッテンフェルトは、こんな超天然の部下を持つ羽目になった同僚に心からの同情の眼差しをおくった。と、同時にこんな部下を持つ羽目にならなかった事にホッとしたのであった。
ガンバレ、ワーレン



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワーレンの執務室にて
「遅いな。」
「……ええ、閣下。」
「かれこれ1時間ぐらい経っている気がするが…」
「…ええ、確かに。」
ワーレンとその参謀長であるライブルが話題にしているのはもちろんドーラの事である。
「ケスラーに書類を届けるだけの筈だが。彼女の仕事は」
「はい。その通りです。」
「……………嫌な予感がするな。」
「…ええ。」
この状況だけで最悪の事態を予測したワーレンは、立ち上がると言った。
「とりあえず、ケスラーの執務室に行くぞ。」
「了解。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「どういうことだっ!!!!!!!!これは!!??」
予測していたとはいえ、そのあまりにも酷い惨状に日頃は温厚な性格のワーレンもつい口調がきつくなる。ちなみにここはケスラーの執務室である。筈だが、元の状態が全く分からなくなっていた。
彼らの目の前には膨大な書類が散らばり、部屋の中が殆ど見えなくなっていた。
「…説明しろ、トンクス大尉。」
「あの、それは…」
「ちょっと待て。ケスラーはどこだ?」
「…あそこに…」
ドーラは書類の山を指した。
「何故、それを早く言わない!?急いで医療チームと応援を呼んでこい!!」
「はいっ」
「ライブル、お前は倒れている書類の棚を外に出すから手伝え!」
「了解。」

ケスラーとその部下は30分後救出されたが命に別状はなかった。ドーラが本当の意味で元帥府の名将達にその名を認識されるようになったのはこの時からであるが、ドーラが後でワーレンにこってり絞られた事は言うまでもない。






 
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