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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第三章 聖杯大戦編
  第七十七話    『総力戦。ネロの決死の一騎打ち』

 
前書き
再びのセイバーとの対決。
総力を決して挑んでいきます。 

 


Side シホ・E・S・高町


…翌朝、私は月村邸の一室で目を覚ました。
隣ではネロが少し大胆ではあるが下着の姿だけで一緒に寝ていた。
それに多少恥ずかしいという気持ちになったがそれだけである。
そういえばこの聖杯大戦にネロが召喚されてからどの戦いでも一緒についてきてくれた。
それはマスターとサーヴァントとの間柄だから普通の行動だけどアルトリアと同じくネロももう私の大事な人になりつつある。
絶対に脱落はさせないと心に誓いながらネロの頬をそっと撫でる。

「……奏者よー。余に、任せておくのだ~……」

寝言か。
微笑ましいな。ネロは夢の中でも私と一緒に戦っているらしい。
それとは別に私はネロの過去をもう何度か見た。
彼女が暴君と呼ばれたローマのお話。
ネロ自身は市民達を愛していたのだけれど彼女の愛と市民の考えは一致することはなく、誰からも愛されることなく最後には追い詰められて喉に短剣を刺して自決するという最後。
それはとても悲しいものだった。
だから私だけでもネロのことをちゃんと理解してやって一緒に戦っていこうという気になった。
だからネロ、そんなに自分を苦しめてはいけないわよ?

「…シホ。起きていますか? あ、ネロ、あなたはまたシホの寝床に侵入していましたか。困ったものです…」

アルトリアが部屋に入ってきてネロを見て呆れの表情をする。

「アルトリア。ネロの好きにさせてやって。私は気にしないから」
「そうですか? でしたら構いませんが…。それにしてもシホ。あなたはもう女性と一緒に寝ても平気になったのですね」
「あ、そうかも。これもやっぱり女性化してからの変化の一つかもね」
「男性の時はいつも恥ずかしがり私と部屋を一緒にしなかったシロウの時とは大違いですね」
「あはは、そうかもね」
「…むぅ? どうしたのだ、奏者よ。そしてアルトリア…」
「起きましたか、ネロ。朝ですからもう起きてください」
「…わかった。では奏者よ。少し着替えをする…」
「わかったわ」

それでネロは着替えを始めようとする。
でもその時、私は一瞬ネロの姿が透ける光景を幻視した。

「ネロ…?」
「ん? どうした奏者。そんな不安な表情になって…」
「あ、いや…なんでもない。そ、それより早く着替えようか」
「うむ。そうするとしよう」

気のせい、よね…?


◆◇―――――――――◇◆


そして私達はその後に学校に行ってもし攻めて来ようならすぐに学校にも結界を張れるようにエイミィさんが随時待機していてくれたので安心して学校生活をした。
そして全員で月村邸に帰り、これからについて話し合おうとしたその時だった。

ドンッ!

『ッ!?』

突如として月村邸に張られているキャスターとシャマルさんのダブル結界が揺れる音が響き渡ってきた。

ご主人様(マスター)! 敵襲です!! 完全に破られたわけではありませんが中へと侵入されました!」
「わかった。全員出るぞ!!」

士郎の言葉にサーヴァント達全員が姿を現し広場へと向かっていった。
そして入口までやってきてそこにいたのはやはり、

「ノア…」
「そしてセイバーだな」

ノアとセイバーの二人が入口のところに立っていた。

「エイミィさん! 結界をお願いします!」
『わかったよ! 頑張ってねみんな!』

それで月村邸一帯に結界が構築された。

「やぁ、シホさん」
「!? どうして私の名前を…!」

ノアが急に私に話しかけてきた。

「君は色々と有名だからね。すぐにわかったよ。まぁ調べたのは師匠だけどね…」
「そう…、言峰綺礼がね…。それで今日はあなたは何しに来たのよ?」
「当然…ここにいるサーヴァントすべての討伐にだよ。やっぱり下の者たちに任せたのがまず間違いだったんだよ。
最初からセイバーをぶつけていればすぐに全員倒すことはできたね。
まぁ、君たちに感謝すべき点ではサーヴァントを四体も倒してくれたことかな?」
「…おいおい小僧。俺たちを舐めてんのか? セイバー一人でここにいるサーヴァント全員を倒すだと…?」

ランサーが挑発的なノアの言葉に血管を浮き上がらせる。

「その通りだよ。なんせセイバーは最強だからね」
「ほう…いうな、小童。呵呵呵! ならばその最強とやら、儂の必殺を受けて崩してやろう!」

アサシンが豪快に笑い拳を構える。もう戦う気マンマンである。

「油断は禁物ですね…。あのセイバーはアルトリアよりおそらく出力は上ですから」
「油断しないでかかっていきましょう」
「私は後ろから援護します!」
「私はもう油断なんてものはないわ。片っ端から捻り潰してあげるわ!」

ライダーは警戒の色を強め、オリヴィエ陛下が自身を鼓舞し、キャスターが呪符を何枚も構え、ファニーヴァンプが爪を硬質化させいつでもいいという感じに構える。

「なんであろうとモノならすべて殺しきってやる…」

殺人貴もナイフを構えていつでも突撃できる態勢に入っていた。

「奏者よ。そなたが命令を下してくれ。我らは皆そなたの言葉でいつでも仕掛けられる!」
「わかったわ。ネロ。…みんな! まだギルガメッシュが残っているけどこの戦いを決死の覚悟で乗り切りましょう!」
『おう!』

私の声でなのは達、そしてサーヴァント全員が声を出す。

「ふふふ…楽しい戦いになりそうだね。セイバー? これを最後の戦いで終わらすよ?」
「…了解しました」

セイバーがエクスカリバーを構えて殺気と魔力を放出し足を一歩踏み出す。
それだけでビリビリとした威圧と重圧感が襲ってくるがみんなはそれを耐えて仕掛けていった。


◆◇―――――――――◇◆


まず最初にランサーが仕掛けた。

「おらおら! まずは俺の槍をお見舞いしてやるぜ!!」

ランサーはゲイ・ボルクを構えて疾駆しセイバーへと迫る。
それを迎撃するセイバー。
それは剣と槍のぶつかり合い。
そこはさすがランサー。
最初はスピードとパワーで圧倒していた。
だがすぐにセイバーはそのスピードになれると今度は何度も剣に力を込めてランサーに打ち込んでくる。

「遅いな、ランサー。ランサーのクラスの名が泣くぞ?」
「いってくれるじゃねーか!」
「ふふふ…さて」

そこでセイバーは空中へと飛んだ。
セイバーが元いた位置にはアサシンが拳を振るっていたが、

「儂の気配を直感で読むだと? やりおる!」

そしてセイバーは空中から叩き落とすようにアサシンに剣を振り落とそうとしている。
そこにライダーが鎖を振るって剣に巻きつけ怪力でセイバーを地面へと叩きつけようとする。

「甘いッ!」

瞬間的に魔力放出をして黒い風を起こし叩き落ちる前に体勢を整えて地面へとなんなく着地するがそこに、

「はぁあああーーー!!」

ファイターが拳を構えてセイバーへと迫っていたがセイバーは剣を構えてファイターの拳を剣の腹で受け止めた。
そこから押し合いが発生するがそこはやはりセイバー。
徐々にファイターを押してきている。
背後からファニーヴァンプと殺人貴が爪とナイフを振るおうとしているがその場で魔力を高めて小爆発を起こし周囲にいる一同を吹き飛ばす。

「なんで!? セイバーってあんな強かったの!?」
「無駄口を叩く暇があるなら爪を振るえ! アルクェイド!」
「わかってるわよ! 志貴!」

吹き飛ばされて悪態をつくファニーヴァンプに殺人貴がもっと本気を出せと発破をかける。
しかしそこでセイバーが背後を晒していた。

「その隙、いただきです! 陣地作成で築いた私の結界の底力。受けてください! 全魔砲門術式展開!!」

途端、結界内に設置してある何十もの数の魔法陣から魔力が溢れてそこから炎天、氷天、密天の三種の攻撃が一斉にセイバーに向けられて発射された。
セイバーはそれに包まれるが、ただそれだけ。
魔力放出ですべてを吹き飛ばした。

「私の渾身の一斉攻撃を魔力放出だけで吹き飛ばした!?」
「まずは、一人だな…」

セイバーがそうつぶやきキャスターめがけて疾駆した。

「やばっ!?」
「キャスターよ。下がれ!」

控えていたネロがセイバーの剣を受け止める。

「ぐぅっ!? やはり重たいな!」
「ほら、どうした? 真のセイバーになるのだろう? その程度で弱音を吐いてどうする…?」
「わかっておるわ! 少し黙れセイバー!」

ネロがセイバーの剣を打ち払いセイバーは空中に反転して後ろへと下がる。
そしてついに構える。
エクスカリバーを。
極悪な魔力がエクスカリバーへと集まっていき全員は一斉に来る! と直感した。
この中でエクスカリバーに対抗しうる突進力を放てる宝具を持つサーヴァントは限られてくる。

「私が行きます!」

ライダーが声を上げた。

「ペガサスよ! 私に力を! 騎英の手綱(ベルレフォーン)!!」

ライダーとペガサスが光になってセイバーへと突撃していく。
そしてついに高まったセイバーのエクスカリバーは漆黒の光を宿して振り下ろされた。

約束された勝利の剣(エクスカリバー)ーーー!!」

騎英の手綱(ベルレフォーン)約束された勝利の剣(エクスカリバー)が衝突した。
それによって周囲は破壊されていく。
だがそれも最初だけで少しずつライダーが押され始めてきている。
それを見ていたすずかは咄嗟に、

「最初の令呪に命じます! ライダー! 駆け抜けてーーー!!」
「はい! スズカ!!」

すずかの令呪のブーストによって騎英の手綱(ベルレフォーン)の出力が倍増し、今度は約束された勝利の剣(エクスカリバー)を押していく。

「セイバー! これで勝負を決めます! 二乗の騎英の手綱(ベルレフォーン)!!」

ライダーは発動中の宝具にさらに宝具の力を上乗せしてついにはセイバーの約束された勝利の剣(エクスカリバー)の出力を上回った。
それによってライダーは走破してセイバーへと一撃を浴びせられると思っていたが、そこはやはりうまくいかない。
ノアが令呪を構えて、

「最初の令呪で命じる。セイバー、全力で避けてください」

それによって必勝は覆された。
ライダーが駆け抜けた場所にはセイバーの姿はなくボロボロになった敷地だけが存在した。

「さらに第二の令呪で命じます! エクスカリバーでここら一帯を彼ら諸共吹き飛ばしてください!」

再度セイバーはエクスカリバーを構えて黒い斬撃を放ってきた。
ライダーはもう力を出し切った為にすぐに宝具を使うことはできない。
ここで他のサーヴァントにセイバーのエクスカリバーを防げる可能性は著しく低い。
だがここにそれを覆す人物がいた。
いつの間にかアルトリアとユニゾンをしていたシホがみんなの前に立ち、

全て遠き理想郷(アヴァロン)!!」

それによって物理干渉のすべてをシャットアウトし、セイバーのエクスカリバーを防ぎ切った。

「私の鞘を…! 小娘、貴様何者!?」
「何者だっていいわ! あなたを倒すためならね!」
「奏者よ。ここは余に任せてくれないか…?」
「ネロ…?」

ネロがシホにそう話しかけた。

「余の宝具で圧倒してセイバーに止めをさそう! 奏者が命じてくれれば余はそれが可能だと信じている」

ネロはそう言うがシホは今朝に見た幻視した光景を思い出して不安な表情になった。
だがネロはそんなシホの表情を察してか、

「そう不安な表情になるな、奏者よ。余は負けん。絶対に奏者に勝利を捧げよう。約束するぞ!」

ネロの力強い言葉にシホも心が決まったのか頷き、

「ネロ、お願い!」
「任された!」

そしてネロは一歩前に出て剣を構えて、

「セイバー! 一騎討ちをそなたに挑む!」
「…いいだろう。まずは貴様から葬ってやる」
「一騎討ちに応えてくれて感謝する。いくぞ!
レグナム・カエロラム・エト・ジェヘナ―――築かれよ摩天、ここに至高の光を示せ! そして我が才を見よ、万雷の喝采を聞け! しかして讃えるがよい、黄金の劇場を!!」

それによってここら一体の空間が歪み、次にはまるでローマの劇場のような空間へと様変わりする。
これこそネロの宝具。
招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)』。
かつてネロがローマに築いた劇場を再現する宝具。
この中ではネロの様々なパラメーターがランクアップし敵のパラメーターをも下げる絶対皇帝圏を発動できる場所。

「これは…」
「さぁ、セイバー。この中で余とともに舞ってもらうぞ!」
「いいだろう! 受けて立ってやろうではないか!」

そしていつの間にか全員観客席に座らされていてセイバーとネロの戦いを鑑賞するという場になっていた。
それにより全員はいつの間に座らされたんだ…?という感想を抱くがここでは詮無いことである。
ちなみにノアは反対側に座っていた。
劇場の中ではセイバーとネロがまるで舞うかのように戦闘を繰り広げていた。

「はぁ!」
「ふっ!」

剣と剣がぶつかり合い火花を散らせる。
この戦いはもう互角である。

「うぉおおおおーーー!!」
「はぁああああーーー!!」

剛と柔の剣がお互いに衝突しあいまるで叫びを上げているようだ。
一見互角の戦いのように見える。が、このネロの宝具にはタイムリミットがある。
これが切れればまた両者のパラメーターは元に戻ってしまいセイバーがネロを圧倒するだろう。
ネロはここで勝負を決めようとしていた。

「奏者よ。この剣、そなたに捧げよう! いくぞ! これが…最後の一撃だ!!」
「こい!!」
「この一撃に、すべてを賭ける! 童女謳う華の帝政(ラウス・セント・クラウディウス)!!」
「負けん! 約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」

二人の技が至近距離で同時に放たれた。
そしてネロの攻撃はセイバーの腹を見事貫通した。
しかしその代償としてセイバーの攻撃によりネロは袈裟切りに切られていた。

「ッ………」
「ふっ…まさか、この私がやられるとはな…お前の勝ちだ、セイバー…。
…ああ、これでまたあのカムランの丘に戻ることになるのだな…。まぁ、それもまたよかろう…」

そうしてセイバーは消滅した。
そしてネロも切られた致命傷でその場に崩れ倒れた。
劇場も崩壊していきシホはすぐにネロの下へと向かった。

「ネロ…!!」
「………」

ネロは目を閉じて無言。
エクスカリバーで切り裂かれたのだ。体がまだ繋がっているのが儲けものだが真っ赤な衣装がネロの血によってさらに真っ赤に染まる。
それでもシホは目に涙を浮かべながら治癒魔術をかけ続けて必死にネロへと呼びかける。

「ネロ! 死んじゃダメよ! あなたとはこれからも一緒に生きていきたいんだから! だから、死ぬな!!」
「シホちゃん…」

シホのあまりの必死の姿になのは達が涙を浮かべる。

「令呪によって…!」

そこでとうとうシホは令呪でネロの魂を呼び戻そうとするが、それはネロの震える手で遮られた。

「…天よ…。今一度の、祝福を…」

掠れた声だがその声はネロから確かに聞こえてきた。

「ネロ…?」

次の瞬間、ネロの体が発光しだしセイバーにやられた傷がみるみるうちに塞がっていく。
シホはまだ知らないことだがこれこそネロのもう一つの宝具。
三度、落陽を迎えても(インウィクトゥス・スピリートゥス)』。
これはネロが自害した三日後、一人の兵士がネロの亡骸におそるおそる外套をかけると、死亡したはずのネロが突如起き上がり、『遅かったな。だが、大儀である』と、最後の言葉を遺したと言う。
これが逸話となり宝具にまで昇華し、ただ一度だけの蘇生を可能とする奇跡の宝具だ。

「…奏者よ。余も、そなたと、生きていきたい…。だから決して余から、離れるな…?」
「ネロ…!!」

シホは感極まってネロを思いっきり抱きしめた。
その目から涙が幾度も流れ出している。
ユニゾン・アウトしたアルトリアもそこに加わり三人で抱きしめ合う。
ネロの瞳からも涙が一筋流れた。
なのは達もそれで貰い泣きをしているほどであった。

「そんな…セイバーがやられるなんて…僕は…!」

だがそんな感動的な光景とは対照的にノアはまさかセイバーが敗れるとは思っていなかったのかひどく狼狽えている。
シホは一度流した涙を袖で拭き取り、ノアに向かって立ち上がり、

「ノア…あなたの負けよ。降伏しなさい…」
「まだだ! まだ僕には小聖杯という存在意義がある! だからこんなところで終わるわけがない!」
「―――そうだ、ノア。お前にはまだ利用価値がある」

ドスッ!

「………あっ………」

その声と共にノアは背後から黒鍵で貫かれた。
それによってなのは達が悲鳴を上げる。
そう、ノアの背後にはいつの間にか言峰綺礼の姿があったのだ。

「言峰綺礼…!」
「ほう…シホ・E・S・高町の姿があるからと思い見てみればアーチャー…いや、衛宮士郎、貴様の姿もあったか…」
「言峰綺礼…! 何をしているのか分かっているのか!?」
「承知しているとも…。もう、ノアにはマスター権はない。しかしまだ小聖杯は残されている。だからそれを私は譲り受けに来たのだよ」
「師匠…なにを…?」
「よく頑張ったな、ノアよ。しかし一体もサーヴァントを削れなかったお前にはもはや用はない。よって…」

言峰が手を水平に構える。
そして次の瞬間、ノアの心臓部に手を突き刺しその心臓をえぐり出した。
それによってノアから大量の血が噴出する。
それでノアの目から一瞬で光が消え失せ心臓を引き抜かれてそのまま口から大量の血を吐血させて体から漏れ出た血の海に沈む。
そのあまりの残酷な光景によって気の弱いすずかが気絶して他の一同も息を呑む。

「これが手に入ればよい…」
「言峰…!!」
「小聖杯…確かに受け取った。そして…」

言峰は今度は自身の胸に黒鍵を突き刺し穴を開けた。
気が狂ったか!? と全員は思ったが話はそう単純ではない。
言峰はその穴にノアの心臓を心霊手術を執行し移植したのだ。

「はははははッ!! そうだ! この力が欲しかったのだ!!」
「言峰綺礼…! あなたを生かしておけないわ!」
「…まぁそう焦るな。私は当分の間、これが馴染むまで戦いは起こさん。それまでのわずかな期間、一時の平和な時間を過ごすことだな。
そして次には貴様達全員を葬ることを誓おう…さらばだ」

そうして言峰綺礼はそこからまるで転移魔法でも使ったかのように消え去った。
そして後に残されたのはノアの死体だけだった…。

「せっかくの勝利も、後味が悪いものになってしまったな…」
「ええ…」

こうしてセイバーとノアとの戦いは終止符を打つことになった。
だが最悪の敵を代わりに生み出してしまったのだった。


 
 

 
後書き
全員を相手にしても圧倒的なセイバーでしたが最後は一騎打ちで終わらせました。
まず『招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)』…本来なら詠唱は前半と後半別々のものですが一緒に唱えたらカッコイイだろうという事で両方繋げて唱えました。
そして『三度、落陽を迎えても(インウィクトゥス・スピリートゥス)』…この宝具を再現したいがためにネロには一度斬られてもらいました。

そして神出鬼没みたいな感じで出てくる言峰綺礼。
結界が張ってあっただろ?とかいうツッコミはナシの方向でお願いします。
謎めいた不思議な力で侵入してきたということで…。
UBWルートではシンジはイリヤの心臓には適合せず暴走して肉の塊に変貌しましたが、聖杯の泥に一度飲まれて生かされた言峰なら適合は容易いだろうと踏んで今回の凶行に手を染めてもらいました。
ノアに関してはこのためだけに言峰に今まで生かされてきたといっても過言ではありません。
徹底的に悪役を演じていますね、言峰さんは。 
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