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世にも不幸な物語

作者:炎花翠蘇
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第二部:紅魔郷
  第十三章『紅霧発生』

 今日の朝は肌寒く感じる。
 夏真っ盛りの日にこんなに寒く感じるなんて今日は過ごしやすい一日になるかも知れない。
 朝の澄み切った空気を吸い込み、朝の景色を見ながら呟く。
「今日はすごし易い日になるな。空気は澄んでいるし、鳥はさえずり朝を報せる。そして、辺り一面に紅い霧が立ち込めている。なんていい朝なのだろう・・・・」
 今現在、輝は現実逃避をしている。
「いい朝な訳ないでしょうがッ!!」
「げふぅっ!」
 霊夢の強烈なドロップキックを喰らい、地面へ倒れこむ。
「あ、おはようございます」
「なに軽く現実逃避してんのよアンタは!」
「いえ、かなり逃避してました」
「・・・・・・・」


 ドスゥッ!!


「がはぁッッ!!」
 霊夢のコークスクリュウが輝のボディに炸裂した。




 まだ寝ていた風と零をたたき起こし、幻想郷の異変を報せると二人のテンションが上がった。
 この紅い霧の異変の物語について詳しくは知らないが、嫌な予感がする。この異変を起こしている犯人が妖怪だとしたら命の危険がある。輝は怖くてしょうがなかった。だが、風と零は幻想郷(この世界)のことを仮想世界とやや認識している節がある。それが心配だ。
 今はこの状況をどうしたら良いか朝食を取りながら考えていた。
「輝、おかわり」
「少しは遠慮しなさいよ」
 魔理沙も今朝の異変に気付き博麗神社にやって来て、霊夢たちと異変解決策を考えていた。だけど朝食に舌鼓(したづつみ)して考えていない。
「それにても、誰が何の為にこんな事を」
「知らないわよ。見つけ次第ギタギタにしてやるわ」
「ははは・・・・・」
 苦笑するしかない。霊夢なら確実にやる。
「ただ、どこから紅い霧が発生しているかが問題」
「飛んで探せばよくないか?」
「霧のせいで視界が悪くて無理。それに霧に妖気が紛れているから妖怪の気配も感じ難いから、奇襲される恐れがあるわ」
 沈黙が走る。霊夢が言っていることは正しい。
 風たちならある程度の場所までは知っているが、霊夢達に言えば歴史(物語)が変わってしまう。そのことを察してか、会話には参加していない。
「あんた達も食ってないで考えなさいよ」
「そういわれても・・・・」
「この手の話は・・・なぁ?」
 上手く話を逸らした。下手にこの後の未来(展開)を喋ってしまうだけでも変えてしまう。
「魔理沙さん。おかわりどうぞ」
 輝だけは慌てるそぶりもせずに主夫の仕事をしていた。
「輝もノンキに主夫やってないで考えなさい」
「考えるも何も、情報がないと無理ですよ」
「そんなの百も承知よ。だから情報をどう集めるか・・・」
「あ、情報の事なら大丈夫ですよ」
「「「「???」」」」
 その場にいた全員が頭の上に疑問符を浮べた。
 東方についてはまだキャラクターしか触れていない輝は紅魔館偏等の話には詳しくは知らない。知っていたとしても未来が変わるから下手に動くなと言った本人がそんな馬鹿な事はしない。
 言動に困惑していたら突然天井から声が響いた。
『輝の旦那。只今戻りました』
 霊夢達は声がする方を見たが気配がまるでしなかった。
 輝はこれが当たり前かのように突然声がしたことに動揺せず朝食を食べていた。
「ご苦労様。で、今の状況は?」
『紅い霧は一帯に広がっており、尚も範囲を拡大しています』
「人里には?」
『まだ進行していませんが、今日中には来るかと』
「なるほど・・・・」
 まだ来ていなかったがほって置いたら不味い。霊夢が「妖気が紛れている」と言っていた。普通の人間に悪影響が出ないとは限らない。それに、妖気を浴びた妖怪がいつ人里を襲うか分からない。
「発生場所は掴めた?」
『詳しくはまだ何とも。湖近辺から発生している事は確かです』
「そっか。ありごとう。もう還っていいよ」
『はっ』
 一通り情報が集まった。これからこの情報を元にどう動くかが問題だ。
 一人でそう考え込もうとしたが、みんなが視線をこっちに向けていることに気付いた。
「どうしたんですか?」
「どうしたもなにも・・・・・さっきの誰?」
「誰って、忍者ですけど」
「おお!やっぱりそうか!忍者ってのは人前に姿を現さないって本当だったんだな!!」
「おい輝!あの喋り方からして、あの猿飛 佐助か!?佐助なのか!?」
「主が配下の忍びのこと話す訳ないだろ?」
「おいおいおいぃぃ!!そりゃぁないだろ!?」
「お前の能力、何でも有りか?」
 色々とどたばたしたが、なんやかんやで作戦会議と朝食が終わった。









 朝食をすませたあと、各々異変解決への準備を済ませて鳥居の下に集まっていた。
 輝たちの服装は幻想入りして来た外界の服、つまり私服。戦闘は避けらないと予想して動きやすい服装でこれになった。霊夢や魔理沙は見た目的には変わっていなかった。やはり、こういう事にはなれているからなのだろうか。
 今朝の得た情報から湖付近からが霧が発生していることが分かり、やはりそこを重点的に捜索することになった。
「時間がないから私と魔理沙は飛ぶけど、あんた達どうするの」
屍馬(しば)を出して全速力で行けば二十分以内には湖に着くからなんとか」
「俺は走るのか?」
「いや、俺がもう一匹出して乗っけてやるから」
「なら問題ないわね」
 屍馬を二頭出し、零を乗せていざ異変を解決に出発を
「ちょっと待て」
「んだよ風ぇ?これからって時に」
「いやいやいや。だれもツッコミ入れないわけ?」
「ん?何にツッコムんだ?」
「俺だけが走ることについてだ!!」
「「「「・・・・・・・・・・。あぁ~(ポン)」」」」
「『あぁ~』じゃねぁよっ!!なんで俺だけ走んないといけねぇんだ!?」
「いくら俺でも、屍馬を全力疾走させると操るのが難しくなるから」
「ならどちらかの後ろにのせろよ!!」
「「いや、俺そんな趣味ないから」」
「そんな趣味ないわ!!」
「私は嫌よ。重い物運びながら飛ぶなんて」
「私も無理だ。乗せると全力で飛べなくなる」
「ならどうしろと!?」
「気合で走れ」
「気合でぇ!?無茶いうな!!」
「アンタ男でしょ。そのくらいの気合なくてどうすんの?」
「霊夢こればかりは気合だけではどうにもならねぇよ!!」
 尚もギャァギャァと文句と言う風。
 このままだと何時までたっても出発できない。どうするかと考えたが、直ぐに思いついた。
「風、何とかなるかもしれん」
「本当か!」
「ああ。ちょっと待ってろ」
 物置から工具を持ち出し何かを作り始めた。
 完成した直後、風は死ぬかも知れないと思った。






 博麗神社を出発した輝一行は湖に向けて森を駆けていた。
 森を駆けていると悲鳴が常に聞えてくる。恐怖に怯える悲鳴ではなく、例えるなら絶叫マシンに無理やり乗せられてあげている悲鳴だ。
 その悲鳴は屍馬の後ろからである。
「ぎぃぃいやぁぁぁぁあああぁぁぁああああああ!!!!!」
 今現在風は輝が作った即席の乗り物に乗っている。それはソリだ。
 ソリは輝が乗る屍馬に全速力で引っ張られている。急いで作った為、車輪を作る時間がなくてソリになった。それに即席で仕上げたせいでソリの安定感は最悪。風が必死で体重移動しながら安定している。しかも耐久力も低く、急カーブでもして横転したら即大破な状態なので屍馬を操るのも一苦労である。
「湖にはあとどれ位で着くんですか?」
「この森を抜ければもう少しよ」
「ぎゃぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!」
 走りながら霊夢に確認する。出発してもう十五分になる。早く着かなければ効果が切れてしまう。
「おい輝」
「なんですか?」
「お前の能力は二十分経ったあと、いつ使える?」
「のぉおおわぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
「五分後です」
「五分後か」
 自分の能力について魔理沙にまだ詳しく教えてなかったので今まで分かって来たことを報告する。そうすれば万が一にも戦闘時に時間切れが来ても皆の対応が楽になるに違いない。
「改めて聞くと輝は便利だな♪」
 魔理沙がケタケタと笑いながら言う。
「屍がいれば楽に暮らせるもんな」
「俺はそんなふうに使いう気はないです」
「おお~~、まるで主人公な台詞だぜ」
「イヤ、一様しゅ」
「なぁぁぁぁぁああああああ!!!死ぬぅぅぅぅぅううううう!!!!」
「風さっきからうっせぇぞっ!!」
 零が風に文句を言った瞬間、辺りが暗くなった。
「「「「「!!」」」」」
 突然の出来事に皆は急停止をした。当然の如く風は屍馬の後ろ足に激突した。
 直ぐに屍馬を還して他の屍を呼べる体制に、零は鳳凰を鞘から抜き炎を纏わせる。風はぶつけた所を摩りながらインドラを構える。霊夢と魔理沙は臨戦態勢を取る。
「まだ夜には早いですよね?」
「明かに妖怪の仕業ね」
 周りに注意してみるがそれらしき気配が全くない。
 霊夢聞えないように風に耳打ちする。
(こんな能力使えるキャラはいるか?)
(いるもなにも、たった一人しかいねぇよ)
(んじゃ、そのキャラの名前と弱点は?)
(名前は・・・)
 名前をと言おうとした瞬間、女の子の声が響き渡った。
「ねぇ、あなた達は食べてもいい人間?」
 両手を上げて現れた少女は、黒い服を着ていて、眼は赤く、髪は黄色。髪の毛に赤いリボンをしている。
 輝は少女を妖怪か?と疑問に思ったが風が少女を見ながら名前をいった。
(名前はルーミア。闇を操る程度の能力。二つ名は宵闇の妖怪)
 ルーミアの名前を聞いて輝は、以前に真を食べようとした妖怪の事を思い出した。もしかしたらルーミアが輝の事を覚えているとしたら戦いが避けられるかもしれない。
「おい、ルーミア」
「ん?何でわたしの名前しってるの?」
「以前神社で会っただろ。覚えていないか」
「そーなのかー。でもお兄ちゃんのことしらなーい」
「なっ!」
 姿は見てはいないが喋り方とこの声は確かに神社で会った黒い塊の主に違いなかった。
「輝、以前にルーミアに会ったって言ってたよな」
「ああ、覚えていたら飴でもあげて事を収めようとしたんだが」
「なら止めておけ」
「は?」
「お前が言っていた黒い塊はルーミアが作った闇だ。自分の周りに出ているせいで何も見えちゃいねぇ」
「つまり話しても無駄ってか」
 だからあの時フヨフヨ飛んで木にぶつかりながら帰ったのか。なら何故、真が襲われたのだろうか。もしかして犬並みに嗅覚が優れているのかもしれない。
「なに喋っているのよ」
 霊夢に注意されルーミアに意識を向ける。
 嫌な空気が漂う。嫌な汗がじんわりと出てくる。
「ねぇ、あなた達は食べてもいい人間なの?」
 ニコッと笑いと問い掛けてくる。この状況で無邪気な笑顔ほど怖いものはない。
「冗談じゃない。妖怪にそう易々と食われる私じゃないわよ」
「妖怪に食われる趣味は残念ながら持ち合わせていないぜ」
 霊夢と魔理沙は勇ましいくルーミアに対抗する。
「俺の炎は簡単には食えねぇぜ?」
「ということだ・・・・、さっさと退け宵闇の妖怪」
 この二人はノリで言っている。この先が不安である。
「そーなのかー・・・・・なら」
 とルーミアが何か言おうとした刹那、輝の視界が闇に包まれルーミアが視界から消えた。
「殺してから食べる♪」
「!?」
 突然の事に驚き隣にいる風に聞こうと向いたが、風の姿が何処にもいなかった。
「おい風!どうな――――」
 その時、左肩に何かがぶつかり激痛が走る。衝撃に飛ばされ地面を転がる。
 左肩を見ようとしたが闇に包まれて何も見えない。手元ですら全く見えない程の暗闇。急いで体制を立て直そうと体を起こそうとしたが風を斬る音がして体を捻り回避する。
「屍符『屍人の守り』!!」
 反射的にスペルを発動させ身を守った。
「輝!大丈夫か!?」
「ああ!」
 視界は遮られているが声は聞える。それに音も。
 視界は闇の中。『屍人の守り』が何かを防いでいる音が鳴り響く。身動きが取れないまま屍の使用時間まで待つ事しか出来ないのか。
 この状況を打破する方法を考えていたら、視界の闇が消え周りが見えるようになった。
「あれ~?誰もあたってないのかー」
 視界が見えるなりルーミアが空中に漂い当たったか否かを確認していた。
 風と零は運よく木の後ろに身を隠して難を逃れていた。霊夢と魔理沙は飛んで回避したらしく攻撃をくらった痕跡はない。
「まったく、厄介な能力ね」
「これじゃこっちの攻撃も当たらないな」
 悪態をついている霊夢と魔理沙だがまだ余裕の顔が見られる。流石場数を踏んでいる。
 それに比べ外界の二人は笑みを浮かべ浮かれている。大方、弾幕バトルが出来て嬉しいのだろう。そんな二人を呆れつつも羨ましかった。輝はルーミアの一撃を喰らっている。大したダメージではないがその代わり恐怖が生まれた。
 戦いにおいて恐怖は邪魔になる時もあればその恐怖に挑む勇気を糧にするのを聞くが、それは戦いに熟した者たちの例えであって今まで戦いとは無縁な輝は怖くて仕方がない。
「輝は下がってなさい」
「え・・・」
 胸中を分かったのか霊夢は輝を庇う様に前に立つ。
 霊夢の行動に一瞬唖然したがすぐに理解し安堵した。だが
「・・・・霊夢さん」
「?」
 輝はここ最近家事全般をこなし殆ど主夫化しているが、列記とした(オトコ)である。
「行為は嬉しいですが俺だって男です。女の後ろでコソコソするなんて男が廃ります」
「へぇ~いい根性してるじゃない」
 霊夢の隣に立ち白山刀をルーミアに構える。
「ん~~、もう一回やるしかないのかー」
「またやるらしいぜ」
 ルーミアがまた攻撃を仕掛けてくる。
 回避するにも制限時間は一分を切っている。この状況を打破すべく脳をフル回転させ考える。
「もしかしたら!!」
 打破できる奇策が閃いた。上手くいくかは五分五分か或いはそれ以下になるかもしれないが、迷っている暇はない。
「ちょっと待て!!」
「ん?なに??」
 以外にも待ってくれた。やはり知能は子供らしい。
「キミは俺たちを殺して食べるんだよな?」
「そうだよー」(ニッコリと無垢な笑顔で)
「ゴバァハッッ!!」((ロリコン)が吐血)
「つまり、こいつも食うんだよな」
 ビシッとある人物に指を指す。
「え、俺?」
 ある人物とは風である。
「???うん」
「実はこいつは・・・・・・」
「こいつは?」
「こいつは・・・・・・・・・・・・・・」
「こいつは?」
 息をたっぷり吸い込み宣言した。
「ちょ―――――――――不味い人間だ!!!」
「はぁぁ―――――――――っ!!??おい輝何言ってんだ!!」
 突然失礼極まりないことを言う輝に詰め掛けるが、それを予測していたかの如く輝は風の背後を捕り、首根っこを掴みルーミアの前に出せる。
「いい?こいつは腐ったミカンの味しかしないし、食ったら食ったで、後味が最悪だ」
「おい!!いいかげ―――」


 ドスゥッ(脇腹パンチ)


「がはぁっ!!」
「え~~~~~、だったら赤と白のヒトにするー」
「いやだめだ」
「なんでー??」
「食べ方にもルールがある」
 チラリと零にアイコンタクトする。零はすぐに理解し輝に加勢する。
「そうなんだルーミア。実は人間を食べる順番がある」
「え!そうなの!!」
「(やべぇ!カワユイ!!)ああ、俺らを食べるにはまずは腐った人間(風)からと決まっている」
「だ・か・ら!なにかって――――」
 

ドカァッ(鳩尾パンチ)


「がっ・・・・・・そこ・・・は・・・・・!!」
「だから赤と白のヒトから食えないんだ。わかった?」
「そーなのかー・・・・・・」
 見て分かるまで落ち込んでしまったが、難を逃れて輝は安堵した。
 まさか一か八かの奇策がここまでうまくいくとは思わなかった。だが犠牲が出たのは痛手だった(風は未だに蹲っている)
「よくこんな策を思いついたわね」
「以外すぎて笑えるぜ」
 霊夢達は半場呆れていたが、文句はないようだった。
 どんな形にしろ目的地に着く前に余計な体力消耗を使わずにすんだ訳だ。蹲っている風を叩き起こして、霧が発生している所に向かおうとした時。


 グゥゥ~~


 と腹の虫が鳴る音が響き、輝たちはお互いに確認するが誰も鳴っていないらしく、気を取り直して再び出発しようとしたら。


 ググゥゥ~~~


 また腹の虫が響いた。
 また確認するが先ほどと同じ答え。響いた場所を探し、腹の虫の発信源はルーミアだと判明した。
「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」
 俯いてお腹を押さえて経っているルーミアの姿を見ていて心が何故か痛んだ一同。
 相手は自分たちを殺して食べようとしていたのに、見た目が子供のせいか罪悪感がビシビシ来る。
 その罪悪感に耐え切れなくなった零がルーミアに近寄り左腕をさしだし
「左腕ならいいよ」
「「「「ちょっと待てぇ―――――――――いぃっっ!!!」」」」
「え?なにが??」
 零の突然の行動に一斉に止めに入るが、当の本人は然も当たり前の事をしていたのに注意された人と同じ反応をした。
「なにさらしと体の一部差し出しているのよ!!」
「古臭い事を言うが自分の体なんだから大事にしろ!!」
「これは流石に笑えない冗談だぜ!?」
「ならどうしろと!?」
 突然ギャクギレし始めた。
「お前らは心が痛まないのかッ!?こんなにも可愛い幼い子がお腹をすかしているのだぞ!!それなのにお前らはなんとも思わないのかッッ!!??」
「それとこれとは話が別だろ!!」
「うなぁ――――――――ッ!!俺はどうしたらいいんだ!!助けてアキえもん(輝)!!」
「何故俺に頼る!?」
「だってさっきあの馬鹿(風)が駄々こねた時だってアキえもんが解決してくれたじゃないか!!」
「アキえもん言うな!!」
「どうにかしてくれ・・・・でないとガチで左腕をあげる」
 目が本気だ。ここでどうにかしないと零は左腕をルーミアに上げ、主張できないほどのモザイクパラダイスになってしまう。
「・・・・・・・・・」
 額に手を置き新たな危機的状況を打破する策を考える。
 そしてすぐに思いついた。
 俯いているルーミアに近寄り、しゃがんで目線を合わせる。
 輝に気付いたルーミアは不思議そうな表情をして見ている。
「ルーミア、人間は無理だけど美味しいお菓子が在るけど食べる?」
「うん!食べる♪」
 やや暗かった表情が一気に明るくなり、目をキラキラさせている。
 紫からもらった飴袋から大きい飴玉を数個渡したら、ルーミアはさっそく一つを口に放り込んだ。
「おいし~~い」
「よかったよかった。お腹がすいたりしたら神社に食べに来てもいいぞ」
「いいの?」
「ただし、もう人間は食べないと約束できるならだけど。約束できる?」
「できる!!もう人間は食べない!!」
「んじゃ約束だ」
 そしてルーミアと約束をして、また何個か飴玉を上げてルーミアは森へと帰っていった。
 無事に零の問題を解決した輝は一同の待つ元へ帰還した。
「終わったぞ」
「ありがとうアキえもん♪そしてくたばれアキえもん☆」(鳳凰を振り下ろす)
「のわぁっ!!危ないわ!!」
「なんだかわからないけど☆無性に貴様を残滅したくて☆」
「最後に☆をつけりゃぁ可愛くおもっているのか!?!?」
「残☆滅」(輝に向かって振り回す)
「ぎゃぁぁああああああああああ!!!」
「漫才やってないで行くぞ」
 遠くへ避難している風が助けようともせずに見ていた。
「ちょ!!助けて!!」(ギリギリ白刃取り中)
「残滅☆残滅☆」
「いい加減にしなさい」
 と霊夢が弾幕を撃ち


 ピチュ―――――――――ン


 二人に当て落ち着かせた。
「ただでさえ時間くってんのに漫才なんてしてる場合じゃないでしょ。私達には時間がないの」
「「はい。すいませんでした」」
「やっぱりお前らは面白いぜ。そとの人はみんなこうなのか?」
「いえ、こいつ等が異常なだけです」
「「お前も十分異常だ。ジジィ」」
「おい!!」
 外界三人組みはまたいつものやり取りをし、魔理沙はそれを見て笑い、霊夢はこめかみを押さえていた。





 
 

 
後書き
大分久しぶりの更新です(‐_‐;) 
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