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吾輩は猫である

作者:古々
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無印前
  吾輩、過去を語る 続

22日目


鉄泥棒になりました。
喰い過ぎちゃった。注意しないと……
ん? テレビの前にロリとショタがいる。


「泥棒さんだって~怖いね~」
「そうだね~……たい焼きは貰った!」


あっ


「あっ! たい焼き返してえー!」


ショタがテレビに夢中になっていた隙にロリの持っていたたい焼きを掠めとっていきやがった。
ん~、でもあの子達どっかで見たことがありような………どこだっけな~?


「返してなのぉぉぉぉ!」


まあ、いいか。
しばらくの間は鉱物を喰うのを自重しよう。とりあえず、テレビで流れなくなるまで待ちますかな。
当分は海鳴の散策でもするか。


その前に………


「にゃ~ん」
「あら、かわいい猫ね~。おなか空いてるの?」
「にゃ~ん(はい)」
「はい、どうぞ。しっかり食べてね♪」」
「にゃ~ん(からあげ!)」


唐揚げうめぇ! ああ……白米が食べたい……この唐揚げをおかずに白米をかきこみたい……
もう人間には戻れないのかな……グスン



23~85日目


鉱物ばかり喰ってて体が硬く、重くなってしまった。しかたないので、体を柔らかくするためになにか柔軟性がある物を喰っている。
綿や布を喰い始め、50日目くらいから軽くなってきた。体重もおそらく15kgほどに、さらに体の大きさも少し上がった。チワワくらいの大きさからダックスくらいまで成長した。しかし、軽くはなったが柔軟性は全く変わってなかった。
次こそ柔軟性がメインの物を喰おう。柔軟といえばガム、ひたすらゴムを喰い続けよう。







グニャグニャになりました。
高い建物から落ちると跳ね返ります。硬くって重い物体から軽くって異常に弾力がある物体にジョブチェンジした。まあ、猫にしては重いが……



「臨時ニュースです。海鳴で布やゴムなどが盗まれる事件が発生しています。2ヶ月ほど前に起きました鉱物消失事件と同じ犯人と予測され、今も調査を進めており――――」



またやっちゃった。てへぺろ♪
やだ、自分でやっててきもい……


「また泥棒さん出たんだって~怖いね~」
「そうだね~……貰った!!」
「甘いの! もうそんな不意打ちには引っかからないの! 私だって成長してるのだよ!」
「くっ! 避けられたか……無念……(ニヤリ」
「ふふん♪ このクレープは私の物なの~、はむっ…………ッ!!!!!!!!!!!」
「くっくっく! 馬鹿め! 甘い、甘すぎるぞなのは! すれ違いざまにハバネロ粉末をふりかけといたんだぜ!!」
「ッ!!!! か、からいにょーーー!! み、みじゅーー!!」
「ほら、飲みもんだ」
「ゴクゴクゴクゴクg―――」
「あ、ごめんそれ温かい飲み物だったわ」
「」
「返事がない、ただの屍のようだ。……邪魔だから持って帰るか」


あの時のロリとショタがなんかコントをしていた。相変わらずショタの方は鬼畜のようである。
そんなとこに憧れるぅぅぅ! 痺れるぅぅぅ!
まあ、そんな事する相手もいないんだけどな。



86~120日目


それから海鳴を喰いながら練り歩いていた。すると、神社を発見した。
俺は好奇心に負けて、神社に入った。
神社は丘の上にあり、特に目立ったところもなくごく普通の神社だった。


つまらないっと思ったとき、それは目に入った。神社の縁側でこちらをジッと見ている狐が1匹いた。


『誰?』
『カオスです』
『かおす?』
『はい。ただの大喰いな野良猫です。そちらは?』
『久遠』
『久遠か~いい名前だな』
『うん。大事な人から貰った名前』


この子はどうやら久遠と言うらしい。


「久遠~ 久遠~。あ、久遠ここにいたのね。ん? その猫は誰? 久遠のお友達?」
「今友達になった。彼はかおす。大食いな野良猫だって。」


しゃ、喋ったあぁぁぁぁぁぁぁ!


「あら、そうなの? 最近の野良猫って名前持ってるんだ……。カオスか……猫も厨二病を発症するんだ……」


失礼な。こんなにかっこいい名前なのに……恥ずかしくないよね?
そんなことより……


『久遠! お前言葉を話せるのか!! てかお前何もんだよ!』
『妖狐だからこれくらい普通』
『妖狐……だとッ……!』


妖狐! 妖狐だって! 何この世界! ほのぼの現代物語な世界かと思ったら妖怪大戦争の可能性ありありの世界だったでござる。
お、俺もこの世界じゃ妖怪扱いされるのか?


『久遠、他には何か珍しいこととかあるか?』
『例えば何?』
『空を飛べる~とか、魔法が使える~とかそんなこととかないか?』
『魔法は分からないけど私空飛べる』


さすが妖狐、素晴らしいです。
いいな、俺も飛んでみたい……飛行機でも喰うか? てか鳥喰ったからなろうと思えば羽生やせるかもしれん。


『他には退魔師とか超能力とかある』


あらやだ、予想以上に殺伐とした世界だった。


『実は俺もただの猫じゃないんだ』
『うん、知ってる』


え? もしかして妖狐だから俺の異常さが解るのか? さすが妖k『変な猫』前言撤回この妖狐完全に俺のことを舐めてやがる。


『変っていえばたしかに変だが……あれ? 合ってる?』


あれ久遠の言ってること間違ってない? 解せぬ。


「久遠、今日のお昼はきつねうどんd「今すぐ行く」ちゃんと手を洗ってきてね」


ん? 手を洗う? 狐なのに? 肉球をゴシゴシと?
すると久遠が突然光だし、その光が収まるとそこには巫女服を来た幼女がいた。その幼女には狐の耳と尻尾が生えていた。


『く、久遠?』
「うん」
『人になれるとか羨ましい……』
「えっへん」


無い胸を強調して威張られた。
俺もいつか人になってやるもん。別に嫉妬なんかしてないんだからね!


「かおすもお昼食べる?」
『いただきます』


久遠についていくと巫女さんがちょうどお盆からちゃぶ台にうどんを並べていた。


「あれ? その子も一緒に食べるの?」
「うん、友達だから」
「にゃーん(お願いします)」
「うーん。まあ、まだうどんはいっぱいあるから大丈夫かな。じゃ、一緒に食べよう。食べやすいように小皿とかに取り分けよ」
「な~お(別に大丈夫です)」
「取り分けなくっても大丈夫だって」
「え、でも猫だから箸使えないだろうし、猫舌だから熱いものはダメかと……」
「にゃん(無問題)」
「問題無いだって」
「そ、そう? じゃあ、食べましょ」
「「「いただきます(にゃーん)」」」
「にゃーん(ごちそうさま)ゲプッ」
「「はやっ!?」」


何かめっちゃ驚かれた。なぜだこのくらいの量なんて自動車に比べたら少なすぎるくらいだ。てか、久しぶりのうどんウマー。


「うわ、汁が一滴も残ってない! え、何この食べる速さ!」
「かおす、妖怪?」
『妖怪のような何かだと思う』


そのあと巫女さんにいろいろ問い詰められゲロりました。
この巫女さんの名前は神咲那美というらしい。なんか久遠と一緒に霊を除霊してるとか。
…………霊ってどんな味がするんだろ。ジュルリ


「カオスは妖怪みたいなものでなんでも食べるんだね。なんだろ、聞く限りでは凄まじく危険なんだけど……さらに、食べた物の性質を取り込むなんて恐ろしい……」


ついでに言えばただの物理じゃ死なないんだけどね。オラクル細胞持ちだし。まあ、教えるつもりはないんだがな。
とりあえずこの神社を拠点にしてテリトリーでも広げていってみるか。





121~249日目



猫にとって人の作った行事や祝日は全く意味がない。何が言いたいかというと………










自分から積極的に休みにいかないと毎日が仕事ってことなのさ! 今俺に休みを言ってくれる奴なんていないから毎日毎日動き周り、テリトリーを広げ、襲ってくる犬や猫等をねじ伏せる。そんなことを昼夜問わず(飯時以外)100日以上続けてきた。いったい俺はどこのワ〇ミの社員だよ。久遠なんか那美との除霊がある日以外全部休みだというのに……
とにかく今日は休みだ! もう喰って寝る! てかこの世界に来てもう8ヶ月くらい経ったのか。時が経つのは早いな……
もう少しで新年、大晦日までコタツの中に逃げ込みたい。
久遠経由で那美に頼んでさざなみ女子寮に入れてもらおうかな、あそこ別に俺のような猫が1匹や2匹いても大丈夫だろ。メンツ濃いし、久遠も入り浸ってるし。
そうと決まれば行くか。


『久遠~』
「どうしたの?」
『来年までさざなみ寮に置いてもらえないか那美に頼んでくれないか?』
「わかった、ちょっと待ってて」


久遠が那美に訪ねにいった。少し待っていると久遠がトテトテと小走りで戻ってくる。


「大丈夫だって」
『じゃ行くか』
「くぅん♪」


久遠には懐かれた。よく寝るときや飯のとき俺の隣で食うようになった。
那美が「カオスに久遠を取られたぁぁぁぁ……」と泣いていたが、俺は気にしない。俺にとっては久遠は妹ポジションなのだ。かなり年上のようだが。


そんなこんなで寮に到着。


「げっ! カオス……」


着いて早々いきなり嫌がられた。
解せぬ。
こやつは陣内美緒、ここら辺の野良猫の元ボスだった猫人間だ。
那美に連れられここに初めて来たとき、美緒に突然挑まれたから叩きのめした。
一方的にな!


「にゃー!(下僕の癖に生意気だぞ!)」
「あの時は気を抜いてたから負けたんだ! 今戦ったらこっちが勝つのだ!」
「にゃ~(負け猫の分際でよく言う)」
「うがぁー!!」


美緒がこちらに突進してくる。
俺はそれを躱し、足を引っ掛けて転ばせる。


「ヘブッ!!」


顔からいったーーーー!! これは痛い!!


「うう……。このー!!」


次は殴りかかってきた。


「んにゃー(甘い)」


拳をギリギリで避け、がら空きの顎にカウンターを決める。


「なーーおーーー!(ニャッパーーー!)」


鉄以上の硬度を持つ肉球が美緒の顎を打ち抜く。


「ゴフッ!!」


アッパーの勢いをそのままに天井まで飛び上がり、倒れ込んだ美緒の鳩尾に頭突きで突っ込む。
死に晒せや!


「グエッ!」


決まったな。美緒の様子は―――


「」


気絶してるな。まあ、鳩尾にダイレクトだからしょうがないか。
これでここら辺のテリトリーは完全に俺のものになり、海鳴の4分の1が支配下になった。
今年はこれだけでいいか……。来年は海鳴全域を支配下に治めてやる。


「美緒どうしt……美緒ーー! しっかりしろーー!」


やべっ





今回の食事

布、綿
ゴム
人からのおすそ分け
廃棄車(大型車両、特殊車両)
那美の手料理
さざなみ寮でのご飯





 
 

 
後書き
まだ続くんじゃ!

知りもしないとらハキャラを出そうとしてこんなにかかったよ! ちくせう。



うちの猫は物理ではオラクル細胞のおかげで物理ほぼ無敵です。傷つけるには最低でも鉄をたやすく壊すくらいの威力がなきゃ無理です。
それでも傷ついてもすぐに塞がります。
魔法とか魔術は効くことにしたいと思います。
コアを壊さなきゃ無意味なんだけどな。
そして全く活躍しないグルメ細胞ェ……


激辛の物を食ったあとの熱い飲み物は拷問、俺に淹れたての渋茶を出した友人のことは絶対に許さない。絶対にだ! 
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