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吾輩は猫である

作者:古々
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無印前
  吾輩、過去を語る

吾輩はカオスである。元人間のしがない猫である。今回は吾輩の出生と今日までの事をダイジェストで語ろう。
あれは2年前のことだ―――――――






―――――2年前――――――


「起きたら真っ白な空間にいたでござる。何を言ってr(ry」
「ん? 起きた?」
「あんた誰ですか? 三行で頼む」

「私神
 ここ天国
 間違って殺した
 上司に怒られるからお前転生しる」

「把握。でも4行目なんですか?」
「殺ってしまったのならなかったことにすればいいのです(ニコッ」
「何それひどいこの犯罪者。邪神。変態。うどん食べたい(切実)」
「バレなきゃ犯罪じゃないんですよぉ(ニコォ」
「おうふ」
「ではとっととこの中から引いてください」


なんか商店街の福引きみたいな箱が神(悪)の胸の前あたりに出現した。
金ピカだなおい。


「はい」


箱の中に手を突っ込む。


「2つまで引きな」
「はい、引けました」
「早いですね。何も考えてないのですね」
「はい」
「オラクル細胞、グルメ細胞ですね」
「細胞しかないですね」
「あなたがきっと単細胞だからです」
「ひどい」
「おまけにあなたを猫にします」
「嬉しくないです。人のままにしてください」
「猫が好きなので断ります」
「なんと」
「では逝ってきてください」
「はい」


足元に穴が空き、落ちた。


「これはひどいテンp」















目覚めたのは森の中だった。なぜか無数の木に傷がついている。
俺の姿は愛らしい黒猫で特に特徴と言える特徴も無かった。
特徴を無理矢理挙げるとするならとにかく黒い毛である。混じりっけの一切ない黒い毛がおそらく特徴とも言える部分だと思う。正直かなり微妙である。
神ももう少し容貌を高めに設定してもいいんでないかね。せめてAPP18あれば文句はないに……
とりあえず名前を決めよう前の名前はもう嫌だ、山田太郎ってどんだけ目立つと思ってるんだろうか。もはや逆に珍しい分類の名前だよ。
新しい名前は………状況的にめっちゃカオスだからカオスでいいか。うん、我ながらセンスもあるかっこいい名前だ! ← 厨二病再発!


名前も決まったことだし、少し散策するか……





























迷ったでござる。


見渡す限り森、森、森、ここは樹海か何かか?
歩き疲れたし少し休むか…………ん? ここなんか見覚えがあるな………
傷だらけの木々、妙に潰れた雑草………………ここスタート地点じゃないですかやだー!


うわっ、恥ずかしい。散々歩き回ったの結局元の場所に来てしまった。俺ってこんなに方向音痴だっけ?
もう日も暮れてきたしなんか食べる物探して今日は諦めるか………













何も捕れなかったで候


ねずみには散々翻弄された挙句逃げられ、鳥には近づいただけで逃げられる始末だ。自然界怖いわーすっげー怖いわー…………なんか鳥に鼻であざ笑われた気がしたがきっと気のせいだ。うん、そうしよう。そう思わないと泣きそうになる………グスン。
結局1日目は何も食べられずに終了した。寝床は最初目覚めたとこに作った。





2日目


リベンジだ!





参りました!




3日目


とりあえず参戦を考えよう。とりあえず罠だ! 人間の英知でなんとかなるはずだ!!





今は猫ですはい。




4日目


3日も飯を食ってないからヤバイ。もうふらふらして目が霞んで来た……
今日なんか捕れなかったら俺は死ぬだろう……こんな状態で捕れるかわからないが頑張ってみよう。





無理♪
むしろ初日より動きが悪かった。まあ、当然といえば当然な結果ですよねー
空腹で全力なんて出せるはずがなかった。
もう……疲れたよパトラッシュ……眠いんだ……最後にサイ〇リアのアンチョビのピザを食べたかったよ……お休み…………














5日目


オラクル細胞があることをすっかり忘れてた。
死ぬ直前に思い出して、動かない体に鞭を打ち、周りの雑草を一心不乱に食べてなんとかなった。味は所詮ただの雑草、そこらへんに生え、ただただ苦くまずい。しかし、数日ぶりに食べることができた俺は感激のあまり周りにあるものを手当たり次第に喰った。ひたすら喰った。雑草がなくなったら石を喰い、石がなくなったら木を喰らった。
喰い続けて満腹になった頃にはすっかり朝になっていた。それにしても……
なんということでしょう。見渡す限り木々で覆われていた森がた匠の食欲によって土がむき出しになった広間に。
オラクルさんぱねぇっす! 本当になんでも喰えるんですね!
オラクル細胞のせいか喰った物の情報が解る。それにしても本当にまともな物をまだ一つも喰ってないな。
体力も満タンになったし…………









復讐するか。


体力が満タン俺に勝てる小動物なんているはずがない!!
体力が戻ってから面白いくらいに捕まる捕まる。
今夜のご飯はネズミ15匹、鳥19羽、リス4匹だ!
………5日ぶりの肉……この世の生命に感謝して……いただきます!







肉うめぇ……ん? なんか体が輝いて……まさかグルメ細胞が!?
この感じ……まさか壁を越えたのか?
ネズミの肉で適合する俺の才能ェ……




6~9日目


ひたすらネズミや鳥などの小動物を食べてきたが、なんかリスを最近見なくなってしまった。ネズミも最近見つからなくなってきた。
そろそろ場所を変えるべきだろうか。いつかここいらの小動物を喰い尽くしてしまうだろう。
移動するか。そろそろ町を見つけないと、昨日ヘリの音が聞こえたから人はいるはずだ。




とりあえず真っ直ぐ進んだ結果なんとか町に出ることができた。
どうやらどっかのお屋敷の裏手の森だったらしい。
今日は適当に町を散策しよう。





どうやらこの町は海鳴市と呼ばれるとこらしい。なんかすごい金持ちと私立小学校があるとか。
なんかそれくらいだった……
なんか狩って今日はしまいにしよう。





町には小動物なんていなかったんや。コンクリうまうま。
牛肉喰いてぇ………




10~21日目


なんかコンクリ喰いまくってたら体が異様に硬くなった。
飛んできた空き缶が硬い物に当たったような音を響かせて凹んだ。当たったのは俺の腹だ。腹だ。大事なことなので2回言いました。
オラクル細胞の効果で俺の体は少なくともコンクリ並の硬さになってると思う。
なら鉄を喰ったら俺の体はいったいどうなってしまうのか? 気になります!
それから俺はひたすら町にある鉱物を喰い続けた。鉄、銅、金、銀、合金なんでも喰う。
その結果俺をはねた飛ばした車が逆に大きく凹んだ。運転手はめっちゃ唖然としてたよ。そりゃ、猫をはねたと思ったら自分の車が ベッコ! っと凹み、はねた猫は無傷で運転手に向かってドヤ顔で去って行くんだから当たり前である。
だがデメリットもあった。体重がなんと60kgを超えた。想像してくれ60kgの鉄の塊が縦横無尽に動きまわるのを……軽く恐怖である。
「わーい! ねこだー!」って言われながら子供に抱かれることもできない。突っ込んできた子供を避けなければその子っが大怪我するのは必須。
泣けるぜ!












「緊急ニュースです。海鳴市内にある廃工場、廃車が消える事件が多発しています。犯人の特定はまだできていません。おそらく犯人は―――――――」


やべぇ







今回の食事

ネズミ 58匹
鳥(カラスや雀など) 73羽
リス 10匹
雑草 50坪ほど
木 25本
コンクリート 約1t
鉱物 約20t
 
 

 
後書き
猫誕生! もう猫って言っていいかすら危うい! どう考えてもアラガミですはい!


次はこれの続きで一気に現在までダイジェストで行きます。



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