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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百八十四話 バルマー侵攻

              第百八十四話 バルマー侵攻
 ロンド=ベルの動きは迅速であった。補給と整備を瞬く間に済ませた。
そのうえで総員各艦艇に入り。ルりとユリカの言葉を聞いていた。
「それではです」
「今からソロモンに向かいます」
「よし」
それを聞いて頷きさえする。
「そうしてあそこで」
「バルマーと」
「ソロモンの上にボゾンジャンプします」
ルリはそうするとも言った。
「それで宜しいですね」
「それでいい」
ブライトもそれでいいというのだった。
「そこに出てだ」
「はい」
「ソロモンを守る」
まさにそうするという。
「それで行く。いいな」
「わかりました。それでは」
「ソロモンでの戦いも久し振りだぜ」
今言ったのは甲児である。不敵な笑みを浮かべてさえいる。
「何かよ、腕が鳴るな」
「ああ、全くだ」
それに応えたのはハッターである。
「俺はソロモンのことはあまり知らないがな」
「そういえばそうよね」
フェイもこのことに気付いた。
「宇宙での戦いってセダンが拠点だったし」
「あそこが一番充実しているからね」
輝はだからだという。
「必然的にね。あそこから行くってことになるしね」
「そうですよね。宇宙だと」
「あそこの設備の充実は凄いからな」
マックスと柿崎も言う。
「動きやすいですし」
「あそこからだと」
「だからなんだよ」
ライラが彼等のその言葉に応える。
「ティターンズがあそこを本拠地にしたのはね」
「そういうことだ」
カクリコンも言う。
「だから設備も充実させた。ア=バオア=クーも持って来てな」
「どうだ?役に立つだろ」
ジェリドも笑いながら話す。
「あの基地はな」
「ああ、有り難いよ」
シローが彼の言葉に応える。
「おかげでな。メール=シュトローム作戦の時は参ったけれどな」
「全くだ」
「それはな」
それについてはというのである。皆は。
「けれど今はな」
「本当に助かってるわ」
それは紛れも無い事実であった。
「正直ああいった拠点があってね」
「確かに」
「あそこまでの拠点があるとね」
「そしてだ」
ここで言ったのはグローバルだった。
「ソロモンもそれは同じだ」
「失うわけにはいかないな」
フォッカーもであった。
「だからだ。行くか」
「よし!」
「それなら!」
こうしてであった。全員配置に着いた。そうして。
ルリとユリカ、それにアキトがボゾンジャンプをはじめた。それによって。
ソロモンは今圧倒的な敵が迫っていた。連邦軍の将兵達もその数には唖然となっていた。
「何だあの数は」
「まさに宇宙の闇が見えない」
「しかもだ」
それだけではないのであった。
「数だけじゃない」
「ヘルモーズが七隻だと!?」
「あの戦艦が」
そのことにも驚いていた。
「何という戦力だ」
「とてもではないが勝てはしないぞ」
「あれ程までだと」
これが彼等の言葉だった。そうして。
バルマー軍の方はだ。マーグがそこにいた。彼は自身の艦にいた。
そしてその艦橋において。ロゼの言葉を聞いていた。
「マーグ様」
「うん、ロゼ」
「ロンド=ベルは今は金星にいます」
「そこでゲストとだね」
「はい、そうです」
まさにその通りだという。
「ですから今のうちにです」
「まずはソロモンを陥落させてだね」
「そうです。それからです」
「彼等を迎え撃つ」
それこそがバルマー軍の作戦であった。
「そしてセダンもね」
「そうしましょう。それではまずは」
「ソロモンを」
こう話していた。そのまま七隻のヘルモーズを前に出して攻めようとする。しかし。
「!?マーグ様」
「エネルギー反応です」
その七隻のヘルモーズからそれぞれ声がした。そうしてモニターにそれぞれ髪の色が違う七人のジュデッカ=ゴッツォ達が出て来た。その中にはあのラオデキアもいる。
「ソロモンにです」
「何かが来ました」
「エネルギー反応!?」
それを聞いてマーグは怪訝な声をあげた。
「まさか。ロンド=ベル!?」
「!?まさか」
ここでロゼも言った。
「ワープしただと」
「そういえばロンド=ベルは」
「はい」
マーグの問いにすぐに答えるロゼだった。
「ボゾンジャンプがあります」
「ではそれを使って」
「まさかとは思いましたが」
それは予想はしていたロゼだった。
「ここで使ってきましたか」
「まさに、というタイミングだね」
「そうですね」
まさにマーグの言う通りであった。
「ここでそれをして来るとは」
「けれどそれを考えてだね」
「そうです、これだけの戦力を持って来ました」
「うん」
二人もである。それは読んでいたのだ。彼等も愚かではない。
「それはね」
「はい、七隻のヘルモーズと」
「圧倒的な戦力で」
「彼等が来ても対する」
その為の戦力であるというのだ。
「それならこのまま」
「はい、このままです」
「総攻撃に移ろう」
それは変えなかった。既にだ。
そうして彼等の前にであった。ロンド=ベルが姿を現したのであった。
「来たか」
「やはり」
「我等の前に」
七人のジュデッカ=ゴッツォ達も言う。
「それならばだ」
「総員戦闘配置!」
「総攻撃の用意だ!」
ソロモンを前にして構える。その彼等の前にだ。
ロンド=ベルが布陣していた。出て来るとすぐにであった。
「よし、間に合ったな!」
「そうだな」
クインシィがジョナサンの言葉に応える。
「これでよしだ」
「ああ、ソロモンは防ぐ」
そのつもりであった。嫌でも士気があがる。
その彼等にバルマーの大軍が迫る。そのまま来る。
「来た!」
「わかってる!」
勇がヒメの言葉に応える。
「数は」
「百万を超えているな」
また言う勇だった。
「これは」
「百万以上」
「いや、もっといるか」
後続を見ての言葉であった。
「三百万はいる」
「三百万・・・・・・」
「いけるな、ヒメ」
「うん!」
すぐに答えるヒメだった。
「やれるよ!」
「よし、ならいい」
勇もそれを聞いて納得した。
「それならだ」
「来たわよ」
カナンが言ってきた。
「本当に三百万の数でね」
「やってやる!」
勇だけでなく全員の気合が入った。そうして。
接近してきたバルマーのマシンに次々に攻撃を浴びせていく。
「金魚なんかな!」
「今更!」
まずは無人機から撃墜されていく。彼等はものの数ではなかった。
ロンド=ベルはソロモンの上に位置してその地の利を生かしながら戦っている。
それに対してバルマーは攻める方だ。ここでもう差が出ていた。
ソロモンのその設備も利用している。サリーがここで言った。
「やっぱりソロモンはね」
「そうよね」
美穂も彼女の言葉に応える。
「設備が凄いわね」
「おかげでちょっとやそっとダメージを受けてもね」
「すぐに回復できるわ」
そうなのだった。
「それにね」
「ええ、エネルギーや弾薬だってね」
「気にせずに戦えるし」
実際にマクロスも変形してそのライフルを放って敵をまとめて消している。
「これは大きいわね」
「敵の数は確かに多いけれどね」
「やれるわ」
ソロモンの安心感が彼等を支えていた。それに対して。
バルマーにはそれがない。それが大きく出ていた。
彼等は数を減らしていくだけだった。それを見たロゼがマーグに問う。
「司令、ここは」
「増援だね」
「はい、ソロモンを陥落させるならば」
その場合は、というのである。
「やはりそれが必要です」
「そうだね。その数は」
「どれだけ出しますか?」
「三百万だね」
それだけだというのである。
「一気にね。その数で押し潰そう」
「それで」
ロゼはまだ言うのであった。
「バラン=ドバン殿ですが」
「あの方かい」
「今はホワイトスターにおられますが」
「あの方は今はそこにいてもらおう」
こう判断を下すのだった。
「今はね」
「左様ですか」
「キャリコとスペクトラもね」
彼等もであった。
「あと孫光龍もね」
「あの男もですか」
「ここで陥落させられなかったら」
そのケースも考えているマーグであった。
「ロンド=ベルはホワイトスターに攻めて来る」
「その時にですね」
「そう。それに」
「ホワイトスターに何かがあったとしても」
「冥王星があるからね」
その星もあるというのだ。
「ここで負けてもまだ戦えるから」
「その時に備えて」
「最後に勝てばいい」
これがマーグの考えだった。
「彼等を消耗させてでもね」
「では。その様に」
「まずは三百万」
援軍の数はそれだけであった。
「それでここを攻めきれなければ」
「ホワイトスターまで撤退し」
「そして冥王星へ」
所謂暫減戦術であった。
「それをしていこう」
「わかりました。それでは」
こうして作戦も話した。そうしてであった。
彼等はその三百万を出した。それで攻めるのであった。
「来たな」
「この戦力でだ。ロンド=ベルよ!」
「汝等を下してくれる!」
ジュデッカ=ゴッツォ達はこう言ってその兵を向ける。彼等は陣頭で指揮にあたっている。
その数でロンド=ベルを押し潰そうとする。しかしであった。
「それでもな!」
「数が多くても!」
「勝ってみせる!」
ロンド=ベルの士気は高かった。
そうしてであった。迫って来るバルマー軍を倒していき遂には。
その数が大きく減ったところで、であった。
「よし!」
カミーユがここで叫んだ。
「後はだ!」
「突撃ね」
「ここまで敵の数が減ったら」
「ああ、そうだ」
ファとフォウに言う。
「今がその時だ」
「そうだ」
ヘンケンもここで言った。
「ここで仕掛けないとな」
「では艦長」
「総員攻撃だ」
ナタルに対しても言った。
「少佐、それでいいな」
「はい」
ナタルもはっきりと答えた。
「それでいいかと」
「わかりました、それでは」
「全軍攻撃に転じる!」
また言うヘンケンだった。そうして。
数が減ったバルマー軍に一気に攻撃を浴びせるのだった。
「これでだ!」
「決着をつけてやるわ!」
こう言ってであった。一気に勝負をつけた。
バルマー軍はそれで総崩れになろうとしている。しかし。
マーグはそれを見てであった。すぐに決断を下した。
「今はだね」
「はい、そうですね」
ロゼもマーグに対して頷く。
「これ以上の戦いはです」
「ただ損害を増やすだけだ。それなら」
「撤退ですね」
「そうしよう」
こう言って撤退させる。そうしてであった。
全軍撤退に移る。その後詰は。
七隻のヘルモーズが後詰に回る。ホワイトスターに撤退するまでの間だ。
「頼んだよ」
「はい、わかっております」
「それは」
またジュデッカ=ゴッツォ達が応える。
「軍が全てテレポートするまでの間」
「我等にお任せ下さい」
「ヘルモーズの力」
マーグはそのヘルモーズ達を見ながら述べる。
「有り難く使わせてもらうよ」
「はい、それでは」
「ここは」
こうして彼等は後詰を務める。流石に七隻のヘルモーズの力は大きかった。
「くっ、一隻だけでも手強いっていうのに」
「七隻か」
「厄介だな」
ロンド=ベルの面々もこう言って歯噛みする。
「ここはどうする?」
「このままじゃ敵に逃げられるわよ」
「折角勝敗が決まったのに」
「仕方ないですね」
こう言ったのはエキセドルだった。
「今は」
「仕方ないのですか」
金竜がその彼に問うた。
「ここは」
「はい、今は無理をする時ではありません」
そうだともいうのである。
「ここはです」
「ではあれですか」
「敵を退けダメージを与えただけでもですね」
「いいのですね」
ガムリンとドッカー、フィジカが言ってきた。
「それでよしとすると」
「左様ですか」
「今は」
「その通りです。こんなものでしょう」
エキセドルは欲を出してはいなかった。
「今はそれで」
「そうですな」
金竜もその撤退に入る敵軍を見ながら述べた。
「既に敵はかなり倒していますし」
「六割以上を倒しました」
エキセドルはその敵の数についてもコメントした。
「それを考えればです」
「今は」
「これ位で」
金竜とガムリンが言う。
「満足すべきか」
「そうみたいですね」
「次の戦いがあります」
既にその先も見ているエキセドルだった。
「ホワイトスターでの戦いがです」
こう言って今は積極的に追わなかった。七隻のヘルモーズに積極的に突っ込まなかった。
そうしてである。今は。
「よし、これでいい」
「全軍撤退したな」
「うむ」
ジュデッカ=ゴッツォ達がそれぞれ言う。
「ならばだ。これでだ」
「我等もだ」
「退くとしよう」
こう言って彼等も姿を消した。そして最後に。
「マーグ様」
「うん」
マーグとロゼも話をしていた。その一際大きなヘルモーズの中で。
「我々もこれで」
「撤退するとしよう」
「待て!」
しかしその彼にタケルが迫ろうとする。
「兄さん!」
「また御前なのか」
「聞こえている筈だ、俺は!」
「もう何度も言った筈だ」
マーグの返答は決まっていた。
「私は御前なぞ知らん」
「いや、それは違う!」
それでも言うタケルだった。
「兄さんは俺を知っている筈だ!」
「まだ言うのか」
「何度でも言う!」
タケルにも意地があった。
「俺は兄さんを!絶対に!」
「黙れ!」
ロゼも彼に対して言ってきた。
「マーグ様は御前なぞ知りはしないと仰っている!」
「それは嘘だ!」
「嘘ではない!」
彼女も何故か意固地になっている。
「その証拠としてだ!」
「証拠だと!」
「今のマーグ様の御言葉だ!」
まさにそれだというのだ。
「それが何よりの証拠だ、マーグ様の御前から消えろ!」
「嫌だ!」
タケルは何があろうとも引こうとしない。
「俺は!何があっても!」
「そうか、それならだ!」
業を煮やしたロゼがここで指示を出した。
「主砲を!」
「了解です!」
「それでは!」
艦橋の者達が彼女の言葉に応える。
「ゴッドマーズを」
「主砲で」
「そうだ、吹き飛ばすのだ」
それで完全に黙らせるつもりだった。
「わかったな」
「はい、それでは」
「その様に」
こうして主砲がゴッドマーズに向けられる。そうして。
撃とうとする。だがここで不意に。
マーグが叫んだ。何と彼に対して。
「マーズ!!」
「!?」
「マーズ!?」
「上だ!上に移れ!」
こうタケルに告げたのだ。
「すぐにだ!」
「わ、わかった!」
タケルはそれを聞いて咄嗟に動いた。
それによってヘルモーズの主砲をかわした。まさに紙一重であった。
「危ないところだった・・・・・・」
「司令・・・・・・」
ロゼはマーグに対して怪訝な顔を向けて問うた。
「何故」
「自分でもわからない」
こう言うしかないマーグだった。
「何故ここで私は」
「とにかくです」
ここでロゼはそのマーグにそっと寄り添って言った。
「撤退を」
「そうだね」
それに頷くマーグだった。
「ここは」
「はい、それでは」
こうして彼も撤退した。これでソロモンでの戦いは完全に終わった。
「兄さん・・・・・・」
「一時撤収です」
ユリカがそのタケルに言ってきた。
「いいですね」
「あ、ああ」
彼女の言葉に我に返る。そうして。
「それじゃあ」
「それでは」
こうして彼等はソロモンに戻った。それからであった。
「後はだ」
「ホワイトスターですね」
「いよいよ」
「そうだ」
まさにその通りだというのである。
「ここはだ。いいな」
「はい、わかりました」
「それじゃあ」
皆大河の言葉に頷きであった。
ソロモンで準備をしたうえで、であった。ホワイトスターに向かうのであった。
「いよいよだな」
「そうね」
「本当にな」
皆こう話すのだった。
「バルマーとも決戦か」
「その銀河辺境方面軍とも」
「遂に」
「それではだ」
ここでまた言う大河だった。
「次の戦いはだ」
「はい」
「激しい戦いになりますね」
「七隻のヘルモーズがいる」
まず注意するのは彼等に対してだった。
「次は彼等を撃沈することになるかも知れない」
「そうですよね。そして」
「そうなったら」
「ズフィルードだ」
続いて話に出すのは彼等だった。
「あの七隻のヘルモーズから出て来る」
「それを倒して」
「ホワイトスターを」
「いや」
しかしであった。ここで火麻が言うのだった。
「それで本当に終わりか?」
「えっ!?」
「っていいますと?」
「いやな、俺の勘なんだがな」
いささか参謀らしくない言葉ではあった。
「若しかしてな」
「若しかして」
「ホワイトスターの後でまた戦いが?」
「そんな気がする」
こう皆に話すのだった。
「まあ勘でしかないがな」
「そういえば何か」
「敵の動きに余裕があるような」
「確かに」
皆このことにも気付いた。
「気のせいじゃなくて」
「まさかまだ何処かに基地がある?」
「それは何処に」
「それはわからないがだ」
しかしまた大河が言ってきた。
「ここはだ」
「はい、そうですね」
「今は」
「まずはホワイトスターを陥落させる」
何につけてもそれからであった。
「いいな」
「はい、それでは」
「今から」
こんな話をしてであった。彼等はホワイトスターに向かう。だが彼等は緊張だけしているのではなかった。他の感情も持っているのだった。
「さて、と」
「ホワイトスターまでの間は」
「遊ぶか」
ゲームをしている面々もいた。
「でよ、ジュドー」
「何だ?」
ジュドーはディアッカの言葉に返す。彼等はテレビの前に集まってゲームに興じている。見れば格闘ゲームを皆でしていた。
「こいつ牧師だったよな」
「設定ではそうだな」
「何でこんなに強いんだ?」
見れば青い服の大柄な男の前にディアッカが使う学生服のキャラが負けていた。
「無茶苦茶強くないか?こいつ」
「強過ぎるぞ」
イザークも顔を顰めさせていた。
「幾ら何でもな」
「ラスボスだから仕方ないだろ」
ビーチャはそのイザークに対して言った。
「やっぱりよ」
「そうだよね」
モンドはビーチャのその言葉に頷いた。
「ラスボスは強くないとね」
「それでも限度がないか?」
ハイネが言う。
「この会社のゲームはそもそもだ」
「最後の敵が異常に強いな」
ミゲルはその顔を顰めさせている。
「クリアできないまでにな」
「まあ確かにね」
イーノはミゲルのその言葉に頷いた。
「無茶苦茶強いのは事実だよね」
「ほら、あの片目の赤いタキシードの奴」
エルは忌々しげに語る。
「あいつもえぐかったわよね」
「あれ、酷かったわよね」
ルーも知っているようである。
「もう飛び道具と対空技がね」
「コーディネイター以上です」
そのコーディネイターのシホの言葉だ。
「私も最初何なのですか、って思いました」
「こいつの次のラスボスもえげつないしね」
ルナマリアも忌々しげに語る。
「気付いたら負けてるから」
「こいつだって大概だしな」
「八人の中で最強だろ」
「間違いなくな」
今度はケーン、タップ、ライトが語る。
「もうよ。要塞っていうかな」
「詐欺だろ、マジで」
「他にも色々強いボスはいたにしても」
三人はそれぞれ言うのであった。
「それでもよ」
「幾ら何でもよ」
「強過ぎる」
「ちっ、負けた」
ディアッカが画面を見ながら顔を顰めさせていた。見れば確かに負けている。
「何だよ本当にこいつ」
「やっぱり無理か」
「勝つのかなり運だぜ本当に」
こうジュドーにも言うのだった。
「無茶苦茶だろ、マジでよ」
「そうですよね」
ニコルも言ってきた。
「このキャラ本当に」
「じゃあ次は俺な」
ジュドーは自分から名乗ってきた。
「さて、勝てるかな」
「無理なんじゃないのか?」
こう言ってきたのはエイジである。
「っていうかこいつ絶対ゲームバランス無視した強さだろ」
「最初に会ってそれでクリアした奴いるのかな」
トールは首を捻っている。
「こんな馬鹿みたいに強いの」
「無理だと思うよ」
キラもこう言う始末だった。
「僕この会社のラスボスに中々勝てないから」
「キラでもなの」
ミリアリアもそれを聞いて項垂れる。
「無理なの、この会社のラスボスに普通に勝てるのは」
「御免、無理」
はっきりと言い切るキラだった。
「人間技じゃ勝てないから」
「ああ、あとあのナイトメアも」
サイは別のキャラを出してきた。
「無茶苦茶強かったよね」
「俺あれ全然勝てないよ」
カズイも暗い顔になっていた。
「どうやったら勝てるの?若い時のあいつも」
「わからないな」
アスランも首を捻るばかりだった。
「あのスライディングと手を振って空中からの必殺技が」
「おい、こいつ本当に何だよ!」
ジュドーも画面を見て怒鳴っていた。
「マジで勝てねえだろうがよ、強過ぎるぞ!」
「勝てないんですね」
「無理だ」
こうカントにも言う。
「こんなひでえ野郎にはよ」
「ニュータイプの反応でもですか」
「こいつはそれ以前だよ」
またカントに対して言った。
「オロチだか何だか知らないけれどよ」
「次の作品の三人組はまだずっとましだった」
ナッキィも言う。
「ただ。最後の最後はだ」
「また詐欺だったしね」
「全くな」
プルとプルツーもうんざりした顔になっている。
「私達も勝てないし」
「どうしたら勝てるんだ?あれは」
「駄目だ、こんな奴運でもないと勝てねえ」
ジュドーもお手上げだった。
「何だってんだよ」
「シンやる?」
ステラがシンに問うた。
「次は」
「俺もいい」
彼も断る始末だった。
「そいつの前の鏡の女には勝てるさ」
「それはいけるんだな」
「あいつも強いけれどね」
スティングとアウルが突っ込みを入れる。
「それでも普通の強さだからな」
「まだな」
「そうだよ。けれどこいつはよ」
「無茶苦茶な性能だからね」
斗牙も困った顔になっている。
「僕滅多に勝ったことないよ」
「勝てるだけでも上出来なんだよ、こいつはよ」
エイジは忌々しげに画面で勝ち誇るその敵を指差していた。
「何をどうやったらこんなに強くなるんだよ」
「この会社のスタッフおかしいんじゃないの?」
ルナは彼等のせいにしていた。
「毎回毎回無茶苦茶な強さのラスボス用意して」
「あんたも勝てないのね」
「人間では無理よ」
ミヅキにこう返す。
「絶対にね」
「いや、サイボーグでも無理だぞ」
宙ですら言うのだった。
「ここまで酷い性能の敵だとな」
「ニュータイプもコーディネイターもサイボーグも無理」
「こいつがバルマー倒しに行けよ」
「全くよ」
遂には皆でゲームの向こうの相手に文句を言いだす。
「マスターアジアにも勝てるよ、こいつ」
「絶対にね」
「あの侍のゲームの巫女も」
今言ったのは勇だった。
「酷いからな」
「あれも無茶苦茶だよ」
ヒメも言う始末である。
「勝てないよ、本当に」
「けれど」
ここでレイが言うにはである。
「この牧師の人」
「何?この蛇男がどうしたの?」
今はアスカがゲームをしている。しかし例によって全く勝てない。
「ったく、あたしで勝てないって何なのよ」
「司令に似てる」
こう言うのであった。
「何か」
「似てる?そういえば」
シンジがそれを言われて気付いた。
「何かそうだよね。何処となく」
「強さは変態爺さんか妖怪忍者だけれどね」
シュバルツは遂に妖怪扱いであった。
「だから何なのよ、この化け物」
「化け物やなくてオロチやで」
「一緒のことよ」
アスカは忌々しげにトウジに返す。
「どっちにしろ詐欺臭い力なんだからな」
「このままやと負けるぞ」
「三人掛りでも全然勝てないじゃない」
三人目でも全く勝てなかった。
「こんなのどうしろってのよ」
「負けそうね」
「アスカでも」
ケイスケとヒカリも見ている。
「やっぱりこのラスボスは」
「異常なまでに強いわよね」
「ちっ、負けたわ」
アスカも駄目だった。
「だから何だってのよ、この強さ」
「もう止めねえか?」
ここで言ってきたのはジュドーだった。
「何かもう絶対勝てないだろ」
「そうね。じゃあ他のゲームする?」
「何するんだ?それで」
「改造コード入れてシューティングしない?」
今言ってきたのはシンジだった。
「もうさ。ストレス解消にね」
「ああ、駄目だよそれ」
このことにクレームをつけたのはクロトだった。
「それはさ」
「駄目なの?」
「邪道だよ。やるからには正々堂々と」
こう言って出て来たのである。
「やらないと駄目だよ」
「何だ、御前がやるのかよ」
オルガはいつも通りホンを読んでいる。今の場所から動く気配はない。
「まあ頑張れよ」
「精々活躍しろ」
シャニは音楽を聴いたままであった。
「気合入れてな」
「へっ、僕のゲームの腕前見せてやるよ」
「じゃあこいつ倒すか?」
シンはまたしても画面で勝ち誇るそのラスボスを指差していた。
「何ならよ」
「ああ、その会社のラスボスは存在自体が正々堂々としていないから」
「駄目かよ」
「無理、まともに勝てないよ」
「そうか、じゃあシューティングにするんだな」
「そうするよ。それじゃあね」
こう話してであった。ソフトを換えてシューティングをはじめるのであった。
クロトはそのゲームは順調にやっていく。見事なまでにだ。
「よし、それではだ」
「これからは」
こうして戦ってである。皆見ているだけでリラックスしてきた。
その中でだ。ディアッカが残念そうに言った。
「戦いの前だからな」
「どうしたのですか?」
「飲めないのが残念だな」
こうエルフィに返すのだった。
「それがな」
「ああ、そうだな」
それに頷くジャックだった。
「それがな」
「食べましょう」
フィリスはお菓子を出してきた。
「これを食べればいいですよ」
「まあお酒は」
「後にしよう」
プレアとカナードも言う。
「今はね」
「戦いの後だ」
「そうだよな」
ジュドーが二人の言葉に笑顔で返した。
「その後でじっくりとな」
「そうよね。それじゃあ」
「今はお菓子をね」
こうして皆お菓子も食べてリラックスした。戦いの前であったが彼等は余裕があった。それは間違いのないことであった。決戦前であってもだ。

第百八十四話完

2010・1・17  
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