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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇

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第百六十九話 荒ぶる星神

 
前書き
  

 
           第百六十九話 荒ぶる星神
    ロンド=ベルが出て来た場所。それは。
「何だここは」
「ここは!?」
「艦長!」
トーレスがブライトに言ってきた。
「大変です!」
「どうした!?」
「艦の真下に地球が見えます!」
「何だと!」
それを聞いたブライトも普段の冷静さを失った。
「空間座標軸を確認しろ!」
「は、はい!」
サエグサが彼に応える。
「わかりました!」
「若しかしてだ」
「そうだな」
クワトロはここではアムロの言葉に素直に応えた。
「私達はだ」
「元の世界に帰って来たのかもな」
二人はそう考えたのだ。
「まさかな」
「そうなっているとうのだな」
「信じたくはないがな」
アムロは言いながらモニターを見ていた。その下にあるものは間違いなかった。
「あれを見るとな」
「しかしですよ、大尉」
「これはかなり」
アポリーとロベルトがクワトロに問うてきた。
「滅茶苦茶っていいますか」
「あの様な場所からこうまで容易に戻って来るのは」
「それは何故かは私にもわからない」
これはクワトロでもだった。
「しかしだ」
「しかし?」
「何かがあるというのですか」
「そうだ。それは間違いない」
こう言ってみせたのであった。
「この世界にもな」
「この世界については」
カラスが述べてきた。
「私達の世界で間違いありませんね」
「何っ、それでは」
「抜け出したというのか!?」
ザビーネとドレルは今の彼の言葉に問うた。
「我々の元の世界に」
「出られたというのか」
「はい」
まさしくそうだと二人に答えるカラスだった。
「その通りです」
「何故だ、これだけ簡単に」
「出られたのは」
「それはです」
このことについても己の見解を述べるカラスだった。
「あの存在の力が落ちているせいでしょう」
「となると我等の攻撃でか」
「それでだというのか」
「はい、そうです」
まさにその通りだというのだった。
「そしてです」
「そして!?」
「まさか」
「そうです。皆さん御注意を」
カラスは微笑んでいたが言葉はしっかりとしたものだった。
「決ます」
「!?まさか」
「今ここで!?」
誰もが咄嗟に感じた。そのプレッシャーを。
「来る!」
「間違いない!」
それを確信した時だった。前に彼等が出て来たのだった。
「来た!」
「やはり」
予想通りだった。アインスト達がそこにいた。
そしてそれもいた。
「我の名は」
「我の名は」
「何だっていうの!?」
「シュテルンレジセイア」
こう名乗るのだった。
「それが我の名だ」
「シュテルンレジセイア」
「それがか」
「そうだ」
まさにその通りだというのだった。
「それがだ。我の名だ。そして」
「アインストの核か」
それはもう察しているキョウスケだった。
「そうだな」
「その通りだ」
やはりであった。予想通りであった。
「やはり御前がか」
「しかしあれは」
「ああ」
「大きくなってやがる」
それを見てそのことに気付いたのである。
「全長三十五、いや」
「四十キロはあるわね」
「ああ、それだけはある」
「間違いない」
その大きさを見ての言葉だった。
「あの大きさは」
「間違いないわね」
「それだけはある」
「アインストの数も」
それも見る。数は。
「百万か」
「それだけはいるわね」
「残ったアインスト全部の数かよ」
「そうですの」
アルフィミィが彼等に答えてきた。
「あれが全てですの」
「それでお嬢ちゃん」
エクセレンがその彼女に問うてきた。
「あれでかくなってるわね」
「シュテルンレジセイアですのね」
「ええ、それよ」
まさにそれだというのだ。
「あれ、何で大きくなってるの?」
「まさかまだ上にアインストが」
キョウスケも彼女に問う。
「いたとでもいうのか」
「いえ」
しかしアルフィミィはそうではないというのだった。
「あれは同じですの」
「さっきの奴と同じか」
「その通りですの」
まさにそうだというのであった。
「あれは」
「馬鹿な」
キョウスケはそれを聞いてまずは言った。
「大きさが違い過ぎる」
「そうよね」
エクセレンもそれははっきりと見ていた。
「あれは」
「幾ら何でもだ」
キョウスケはまた言った。
「あの大きさはだ」
「有り得ないけれど」
「ヘルモーズよりでけえじゃねえかよ」
今言ったのはトウマだった。
「あんなでけえのは見たことねえぜ」
「質量もかなりのものよ」
ミナキはもうそれを分析していた。
「それも」
「つまり本当にでかいっていうんだな」
「ええ、そうよ」
まさにそうだとトウマに述べるのだった。
「あれはね」
「シュテルンレジセイア」
トウマもその名を呟いた。
「何だってんだ!?ありゃ」
「幾ら何でもあの大きさは」
ミナキも何故そこまで大きくなったのかわかりかねていた。
「どういうことなの?」
「空間をつなげた後で」
それについて述べたアルフィミィだった。
「こちら側での存在を安定させる為」
「その為に」
「一体何を」
「自分の依り代となるものを必要としていましたの」
「自分の!?」
「依り代!?」
「そうですの」
まさにそうだとここでも言ったのだった。
「そして」
「そして」
「宙の小惑星を飲み込んで」
「それでか」
「あの大きさに」
「それならばだ」
それを聞いたヴィレッタが述べた。
「あれはレジセイアと小惑星の融合体か」
「はい」
それだとヴィレッタに答える。
「あれこそが最終形態」
「あれがかよ」
「最後に」
「ですから」
ここでアルフィミィは言葉を続けてきた。
「これが最後の戦いなのですの、本当に」
「アインスト達と」
「ここで」
「その通りですの」
また言うアルフィミィだった。
「ここが」
「イーグル!」
ザズが彼に声をかけてきた。
「アインスト、来たよ!」
「そうですか」
「いよいよだな」
それを聞いたイーグルとジェオはそれぞれ言った。
「ここで遂に」
「本当に終わりだな」
「アスカ様」
「ここは」
「わかっておる」
アスカもシャンアンとサンユンの言葉に応えていた。
「こちらも進む!最後の決戦じゃ!」
「はい、それでは」
「行きましょう」
「姉様」
「ええ、タータ」
タトラも今は真剣な顔だった。
「わかっているわ」
「ほな行くで!」
三隻だけではなかった。どの艦も移動をはじめた。
そしてロンド=ベルもまたであった。ここで彼等はあることに気付いたのだった。
「!?奴等」
「私達に来ない」
「どういうことだ!?」
それを見て最初に気付いたのはウッソだった。
「あれはまさか」
「ああ、間違いない」
次はシーブックだった。
「あのコースは」
「大気圏内に入ります」
それを見抜いたのである。
「あれは」
「それならだ」
カミーユもまたそれに気付いた。
「ここが水際か」
「ならやってやるぜ!」
ジュドーはより直線的だった。
「ここで食い止めるだけだぜ!」
「そうはいかぬ」
だがその巨大なシュテルンレジセイアが言ってきた。
「はじまりの地の者達よ」
「また貴方ですか!」
トビアが彼に叫んだ。
「どうして貴方は!」
「この地は一度滅びなければならぬ」
その考えを変えていなかった。
「過ちを正す為に」
「まだそんなことを言ってるんだね」
「わからない人ね」
「言ってもわからないとは思っていたが」
ギリもローズもバーンズも冷静であった。
「それならね」
「やっぱり」
「倒すしかないか」
「新たな宇宙を創造する為に」
やはり言う彼だった。
「そしてそこにだ」
「俺達はいらないっていうんだな」
「またそれなのか」
カイもハヤトもうんざりとしだしていた。
「ったくよ、いい加減にしろよ」
「何度言えば気が済むんだ」
「御前達の様な欠陥品は要らぬ」
「もう黙っていろ!」
シローが彼に怒鳴った。
「何度言えば気が済む!欠陥品とな!」
「そうよ、もう聞き飽きたわよ!」
「一度言ったらわかるんだ!」
クリスとバーニィもだった。
「それによ。欠陥品は」
「御前も同じだ!」
「何だと」
シュテルンレジセイアはその言葉に一旦止まった。
「我が欠陥品というのか」
「そうだ!」
今度叫んだのはコウだった。
「そもそもだ!」
「そもそも」
「小惑星と合体しなくてはいけないとはお粗末な話じゃないか!」
「そうだな」
「その通りだ」
アムロとクワトロが今のコウの言葉に頷いた。
「今まで黙っていたが」
「その通りだ」
「我は礎」
だがそれを認めようとしないシュテルンレジセイアだった。
「完全なるものは我から生まれる」
「そう言うのか」
「まだか」
「我は混沌」
アムロとクワトロの言葉は聞いていなかった。
「しかれど」
「しかれど」
「どうだというのだ」
「純粋なるものは我から誕生する」
こう言うのだった。
「我からだ」
「残念だけれどそれは無理ね」
だがその彼にエクセレンが告げた。
「無理な話よ、女王蜂さん」
「無理だというのか」
「そうよ」
そして言うのだった。
「貴方にそんなものを生み出すことはできないわ」
「我は選ばれた存在」
「おいおい、言ったよ今の言葉」
「遂に」
ここで皆呆れてしまった。
「言うと思っていたけれど」
「遂にか」
「御前達とは違う」
だが彼だけが気付いていなかった。
「だからだ」
「では聞くわ」
エクセレンも今は最後までだった。
「何に選ばれたのかしら」
「何?」
「貴方よりもっと上の存在かしら」
こう問うのだった。
「それとも神様かしら」
「それは」
「そんなのいてもいなくても同じじゃないかしら」
こう彼に告げていく。
「だってお嬢ちゃんは貴方の意志から離れたわ」
「あの欠陥品がか」
「そして私達はここにいるわ」
「それは」
「貴方も同じなのよ」
また言うのだった。
「この宇宙に存在するものよ」
「それだというのか」
「そうよ。つまりは」
そして告げたのだった。
「特別な何かなんかじゃないわ」
「理解不能・・・・・・」
それをどうしても受け入れられないシュテルンレジセイアだった。
「それはどういうことだ」
「理解する必要はない」
その彼に冷たく言うキョウスケだった。
「それはだ」
「その必要はないだというのか」
「そうだ。そして」
「そして」
「また言っておく」
こう言ってからの言葉であった。
「俺達は御前が創り出す新しい宇宙なぞ望んではいない
「我の使命は」
だがまだ言う彼だった。
「はじまりの地の消去」
「また言ったぜ」
「またなのね」
いい加減誰もが食傷していた。
「他に言えないのかよ」
「それしかないのね」
「そして」
しかし言葉は続くのだった。
「新たな宇宙と生命体の創造だ」
「御前があくまでそれを守るのなら」
それにまた返すキョウスケだった。
「俺達は俺達の使命を守るだけだ」
「ああ、そうだな」
「そうね」
リュウセイとアヤがそれに頷いた。
「あんな化け物なんかにだ」
「地球を潰させないわよ」
決意をあらたにする彼等だった。
「その忌々しい姿をな!」
「消し去ってやるわよ!」
「そうだ」
レビも言った。
「私も戦う。この地球の為に!」
「御前達が」
それを聞いたシュテルンレジセイアの今度の言葉は。
「今のはじまりの地の守護者ということか」
「そうだ」
「そうね」
ブリットとクスハが応えた。
「四霊獣は目覚めたんだ」
「この時代に」
「御前達という存在を食い止める為に!」
「その為に!」
そのことを言うのだった。
「そしてその想いはだ」
「私達皆が同じなのよ!」
「そして俺もだ」
今言ったのはギリアムだった。
「再びこの地に舞い戻ったのはだ」
「そうだな」
カイが彼に言葉に頷いた。
「それはだ」
「この為だったのだ」
ギリアムは言った。
「そしてだ」
「そして?」
シュテルンレジセイアが彼に問うた。
「それは何だというのだ」
「まだこの世界で成すべきことが残されていると思いたい」
「そうだ、ギリアム」
カイは今の彼の言葉に頷いてみせた。
「そしてそれはラミア、アクセル」
「私達もか」
「同じなのだな」
「そうだ。何故命を得たか」
ラミアへの言葉だった。
「そしてアクセル、御前が俺達のところに戻ったのは」
「この世界で成すべきこと」
「それはか」
「わかったな」
そのことを彼等に告げたのである。
「それがな」
「まああれだ」
イルムはわざと明るく言ってみせた。
「最後の最後でデカブツを倒すっていうのはな」
「いつものことだな」
リンも言った。
「それだからな」
「やらせてもらうか」
「今まで何度も色々な世界を巡ってきたけれどな」
アラドが言う。
「それでもだよな」
「そうね。この世界に戻って」
「それで終わりっていうのもな」
「何か腑に落ちないわよね」
「ここまで生き残った俺達がだ」
フォルカの言葉だ。
「果たさなければならないことはだ」
「この世界を守る!」
一矢は言い切った。
「そう。何としてもだ!」
「そうだ。俺はまだやることがあるんだ!」
次に叫んだのはタケルだった。
「その為にも!」
「そうよね、タケルさんはお兄さんのことがあるからね」
アスカはそのことがよくわかっていた。
「だから」
「守るわ」
レイは一言だった。
「地球を私達の手で」
「つまりあれね」
今言ったのは美和だった。
「その為にも戻って来たのね」
「そうだな。こいつを潰す為にだ!」
宙も断言した。
「俺達は戻って来た!」
「何があろうともだ」
「ここは通さないわよ!」
ユウキとカーラが言った。
「俺達の地球をだ」
「やってやるわよ!」
「無駄だ」
何を言われても変わらない彼だった。
「御前達の思念、力はだ」
「まだ言うのか」
「それでも」
「それ等を我が全てに取り込み」
やはり言うのであった。
「世界新生の原動力とする」
「冗談じゃねえ!」
「そうだそうだ!」
「何度言ったのかもうわからないがな」
今言ったのはケーンにタップ、ライトだった。
「もう利用されたりするのはな!」
「沢山なんだよ!」
「他人の力をあてにはしないことだ」
これが三人の言葉であった。
「そんなにやりたきゃな!」
「手前一人でやれっての!」
「あがいてるだけだな」
「我々はだ」
マイヨも言う。
「御前の道具ではない」
「はい、確かに」
「その通りです」
「我々もです」
カール、ウェルナー、ダンも同じであった。
「あの者はそれがわかっていません」
「あくまであるのは」
「己だけです」
「その様な輩にだ」
また言うマイヨだった。
「我々は敗れはしない」
「その通りです」
「では我々は」
「勝利を手に入れるのみですね」
「御前なんかの裁きなんて受けるかよ!」
闘志也も叫んだ。
「絶対にだ。手前が受けろ!」
「その通りだ」
アポロもいた。
「ここでお星様にしてやる。本当のな!」
「だが」
「相変わらずだな」
「こいつ人の話聞かないのね」
「全く」
「本当に自分だけで」
皆このことはよくわかったのだった。
「人間による宇宙の汚染をこれ以上広げるわけにはいかぬ」
「それは手前の主観だ!」
「そうよ!」
「それだけだろうがよ!」
誰もがもうそれをわかっているのだった。
「いい加減にしろ!」
「宇宙はあんただけのものじゃないのよ!」
「そんなこともわからねえのかよ!」
「御前達が繰り広げる戦いでだ」
「宇宙の静寂か?」
「またそれね」
「宇宙の静寂を乱すわけにはいかぬ」
やはりこのことを言うのだった。
「決してだ」
「いい加減にしろ!」
「そうよ!」
アイビスとツグミが怒鳴った。
「私達は戦う為にやってきたんじゃない!」
「夢の為よ!」
「その通りだ!」
そしてスレイもだった。
「その為に銀河に旅立つのだ!」
「愚かな」
どうしても理解しようとしなかった。
「その意志こそが御前達の罪なのだ」
「それが事実ならばだ」
クワトロが言ってきた。
「私達はここで敗れ去る運命にある」
「それが今だ」
「だがまだ結果は出ていない」
「結果だと」
「そうだ」
今度はアムロだった。
「俺達には選択肢がある」
「選択肢がだと」
「御前が主観だけで言う罪と共に」
彼もまたシュテルンレジセイアの言葉を完全にわかっていた。
「ここで滅びるか」
「その通りだ」
「それともそれを背負って生きていくかだ」
「所詮御前の主観だけだがな!」
「あんたのね!」
皆さらに言う。そして彼もだった。
「御前達にその様な未来は残されていない」
「やはりそう言うのか」
「そうだ」
こうアムロに返したのだった。
「故に我が存在しているのだ」
「そうやって自分以外を否定するな!」
今叫んだのはカミーユだった。
「人間は御前が言う程愚かではない!」
「そうだ!」
ハマーンもそれがわかったのだった。
「私もまだそれに気付いた」
「俺はそう信じる!」
カミーユはさらに続ける。
「絶対にな!」
「ならばだ」
何処までも言うシュテルンレジセイアだった。
「その思念を抱いて滅するのだ」
「最早問答無用!」
ゼンガーが遂に話を切った。
「我等の答えは出た!」
「全軍攻撃用意!」
大河が告げた。
「総員に告ぐ!」
「はい!」
「いよいよですね!」
「これがアインストとの最終決戦だ!」
このことを告げるのだった。
「我々の未来の為に」
「はい」
「それじゃあ」
「我々は奴等を地球に行かせてはならない!」
それを強く言うのだった。
「この最終防衛線を守る!」
「了解!」
「わかりました!」
「あの魔星を撃つ!」
そのシュテルンレジセイアをだというのだ。
「そして我等の活路を切り開くのだ!」
「よし、行くぞ!」
「やりましょう!」
全員でアインストに向かう。こうして戦いがはじまった。
「行け、ここでだ!」
「残らず叩き潰せ!」
「地球の前に防衛ラインを敷け!」
叫びながら次々に動く彼等だった。
「いいか、ここでだ」
「一機残らず倒し」
「そうして」
「地球を、この宇宙を」
「守る!」
その為に戦うのだった。綾人が今弓を構えていた。
「綾人君、いいわね」
「はい、僕もこの世界の為にです」
戦うと。遥に答えた。
「このラーゼフォンと共に」
「もうあの姿にはならないのね」
「はい、けれど」
「けれど?」
「力はそのままです」
それはだというのだ。
「みなぎっています」
「力はなのね」
「はい、いけます」
こう答える綾人だった。
「ですから安心して下さい」
「わかったわ。けれどね」
「けれど?」
「油断はしないで」
それを今彼に言うのだった。
「油断だけはね。わかったわね」
「油断はですか」
「そうよ」
また言う遥だった。
「それがそのまま思わず怪我に通じるからね」
「怪我にですか」
「下手したらもっとね」
ここから先はあえて言わない。わかっていることだからだ。
「だからね。いいわね」
「はい、わかりました」
遥のその言葉に素直に頷く。
「それじゃあ」
「この戦いが絶対にアインスト達との最後の戦いになるから」
「そうですね」
「だからね。こんなところで死んだら話にもならないわよ」
あくまで綾人を気遣う遥だった。
「わかったらね」
「はい、それじゃあ」
「来るわ、また」
言っている側からだった。敵の第二波が来たのだった。
「綾人君、そのまま狙いを定めて」
「はい」
「それで」
「引き付けて」
そこから先はもうわかっているのだった。
「撃ちます!」
「え、今よ!」
敵が来たところで冷静に撃つのだった。数本の矢が一度に放たれそのうえで撃ち抜かれるのだった。ラーゼフォンも前線にいた。
ニコルはデスティニーを駆っている。それで素早く動き敵を倒すのだった。
「やっと完全にマスターしてきましたね」
「デスティニーをですね」
「はい、そうです」
こうシホにも応える。そうしながらその手に剣を持って前のアインスト達を切り裂いていく。
「何とか。何しろこの機体は」
「癖が強いですか?」
「そうですね。まずはそれです」
第一にはそれなのだった。やはりそれであった。
「シンに合わせてますからね」
「シン君の戦い方ってやっぱり」
「かなり独特です」
その激しい性格がそのまま出ているのである。
「それに合わせて設計されているガンダムですからね」
「だから余計にですね」
「そうです。それに」
まだあるのだった。
「力が物凄いです」
「力が」
「乗りこなすのにかなりの力が必要な程です」
ニコルをしてもというのだ。
「それだけでもです」
「そんなに凄い力なんですか」
「ええ。最初は戸惑いましたよ」
戦いながらシホに言っていく。
「コクピットの中で振り回されて」
「何っ、俺達はだ」
「別にそこまではなかったぜ」
イザークとディアッカが言ってきた。
「このジャスティスも確かにかなりのパワーだが」
「そんなにはな」
「デスティニーは独特過ぎまして」
やはりシンの個性が強く出ているのである。
「そのパワーも何か凄いんですよ」
「接近戦にも特化している」
「それもあるか」
「ええ。ジャスティスも接近戦用の兵器が多いですけれどね」
デスティニーはそれ以上なのだった。
「よくこんなの開発したなって思いましたよ」
「シンが今乗っているインパルスデスティニーはだ」
「そのデスティニーより遥かに凄いみたいだな」
丁度彼が今三人の目の前で暴れ回っていた。
ドラグーンを同時に複数放ち遠くの敵を倒しながら近くの敵は両手に備えているその接近戦用のビームで吹き飛ばしていく。まさに縦横無尽だった。
「俺の前に出る奴はだ!」
その真っ赤に燃える目で叫ぶ。
「倒してやる!アインストだろうが何でもな!」
「けれどあいつは乗りこなしているからな」
「やっぱりあいつは化け物だぜ」
「そうですね、こと戦闘にかけては」
下手をするとキラ以上の力を発揮するシンであった。
キラも戦っている。しかし彼程派手に暴れ回ってはいない。
「うおおおおおおおおっ!」
攻撃を分身でかわしさらにだった。
反撃でその敵を消し去る。鬼神の如きだった。
「一機倒す!絶対にだ!」
「だが。頼りになる」
「あいつ一機だけで相当なものですか」
「そうですね。やっぱりザフトのトップガンです」
それは大いに認められるのだった。
「彼がいるといないのとで」
「けれどニコルさん」
その彼にシホが声をかけてきた。
「ニコルさんもそうですよ」
「僕もですか」
「何でデスティニーに乗ってるんですか」
彼女が言うのはそこだった。
「イザークさんとディアッカさんもですけれど」
「むっ、俺もか」
「俺もなんだな」
「そうですよ。頼りにしてるんですよ」
これについては三人共通なのだった。
「ザフトのエースなんですから」
「俺は流石にあそこまでは無茶ではないがな」
「俺もな。シンはちょっと違うぜ」
桁外れだというのである。イザークやディアッカから見ても今のシンはそうだった。
「あの強さ。尋常なものではない」
「野獣だぜ、ありゃ」
「ですからエースですから」
穏やかに三人に告げるシホだった。
「頑張って下さい。今はニコルさん達が頼りなんですよ」
「頼りにしてもらえるなら」
言いながら両手のビームで敵をまとめて倒すニコルだった。
「僕はやらせてもらいますね」
「はい、それで御願いします」
「しかしそれにしても」
「また来たか」
「第三波だな」
第二波を倒してもすぐであった。また来たのだ。
「これだけいればだ!」
「的には困らないぜ!」
言いながらすぐに照準を定めて来た敵を殲滅する二人だった。これはニコルも同じだった。
そしてシホもであった。果敢に戦っている。
数は何とか減っている。しかしであった。
「まだ来るのか!」
「おいおい、あのデカブツ中々来ないな!」
「行きます?それじゃあ」
何気に積極案を述べるニコルだった。
「あの側にまで」
「えっ、今言ったのは」
「ニコル君!?」
それを聞いて驚きの声をあげた。フィリスとエルフィだった。
「ニコル君も結構」
「過激なこと言うわね」
「そうしたいのはやまやまだけれど今は無理じゃないのか?」
それはジャックが止めた。
「敵はまだまだ多いしな」
「そうだな。下手をすれば地球に降下される」
「まずはそれを止めよう」
ハイネとミゲルがそれを止めるのだった。
「だから今はだ」
「ここで迎撃するべきだ」
「そうですか」
それを聞いて今は自分の考えを収めるニコルだった。
「それでは」
「しかし。とにかく数が多いな」
アスランもそれにはいささか閉口していた。
「だがここで踏ん張ればだ」
「額がさらに広くなるか?」
「・・・・・・いや、そうじゃなくてな」
今の甲児の言葉には流石に言い返しにくいアスランだった。
「俺の額はそもそも」
「蝿になるとかか?」
「いや、もう蝿はいいから」
このことも言われるのだった。
「何か俺そればかり言われるな」
「仕方なかろう」
兵左衛門がその彼を慰める。
「しかし名誉なことではあるぞ」
「その通りだね。いや、僕なんてね」
「俺もだがな」
何故かバルトフェルドとライが出て来たのであった。
「悪役だよ、悪役」
「アルゴさんや藤原中尉も同じだったからな」
それを言う彼等であった。
「そこに行くと君なんていいじゃないか」
「ブリットもな」
「俺もですか」
「その通りだ。君達は恵まれている」
クワトロまで出て来た。
「もっとも私は鮫の他に忍者もしていたがな」
「何か話が妙になってきたな」
ディアッカは彼等の話を聞きながら首を傾げさせていた。
「俺はそっちには縁があまりないんだけれどな」
「一番縁があるのは俺だな」
「っていうか御前そのままじゃねえかよ」
「そうだな」
オルガにクロトとシャニが突っ込みを入れる。
「弁護士って何なんだよ、弁護士って」
「大金持ちになってたな」
「へっ、人徳だよ人徳」
自分ではこう言うオルガだった。そんな彼等の会話をアズラエルは実に苦々しい顔で聞いていた。そしてそれはシローと凱もであった。
「思えば僕もそちらの世界では結構なことがありましたからね」
「そうだったな。それは」
「最近じゃ恋姫とかに縁があるしな」
「俺はオカマではない」
今度はアレンが出て来た。
「何だ、最近俺を見る目が変わってるぞ」
「ああ、あれはな」
相棒のフェイも頷ける話であった。
「俺なんかマーマとか言われたことあるしな」
「何で皆こんなに古傷が多いんだろう」
それに首を傾げさせるユウナだった。
「僕はあまりないけれど」
「ユウナ様は幸せです」
「その通りです」
その彼にトダカとキサカが言ってきた。
「いえ、栄誉かも知れませんが」
「あちらの世界もまた」
「キラ君はキラ君で時々戦国時代にトリップするし」
かれも最近はそうなのだった。
「妙な話だよ」
「妙どころではないですが」
「既に」
とにかく色々となっているのである。
「そういえばそっちの世界にもショウ君がいたような」
「ああ、わかってる」
そのショウが出て来た。
「雅人もトロワもわかっている」
「わかっているんだ、やっぱり」
「自覚せざるを得ない」
そんな話であった。
「俺も色々と縁がある」
「そうだね。本当にね」
「それでですがユウナ様」
「戦闘のことですが」
トダカとキサカが何とかそこに話を戻してきた。
「宜しいですか?」
「今敵の最後の攻撃が来ましたが」
「あっ、そうなのかい」
言われてそれに考えを戻したユウナだった。
「じゃあいよいよだね」
「はい、まさに」
「これが最後の最後です」
「総員一層健闘を祈る!」
今はこう言うユウナだった。
「いいね、それで」
「了解!」
「わかってます!」
そう返す皆だった。
「じゃあいよいよ」
「本当に」
誰もが気合を入れる。そうしてだった。
敵のその最終波に一斉に攻撃を浴びせた。
「もうこれで何もかも使い切ってやる!」
「少なくともそのつもりよ!」
まさに総攻撃だった。
「だからこれで」
「どう!?」
その総攻撃でアインスト達を倒していく。プルとプルツーのキュベレイ達も舞う。
「じゃあプルツー!」
「わかっているプル!」
こう言い合う二人だった。
そうしてその身体から放たれたファンネルが舞う。アインスト達を次々に撃ち撃破していく。
そうして遂にシュテルンレジセイアが見えてきた。ここで、であった。
「キョウスケ!」
「エクセレン!」
互いの名を呼び合う。そうしてだった。
二機で向かう。だがここで。
「キョウスケ!」
「少佐!」
「これを使え!
こう言ってシシオウブレードを投げ与えたのだった。
「この剣で決めろ」
「シシオウブレードで」
「シシオウブレードで断てぬものはない。そしてだ!」
さらに投げ与えたそれは。
「これもまた・・・・・・」
「その斬艦刀も貸そう!」
それもだというのだ。
「その二本でだ。全てを断て!」
「はい!」
「エクセレンさん!」
「これを!」
彼女にはジャーダとガーネットだった。それぞれのヒュッケバインが投げ与えたものは。
「これを・・・・・・なのね」
「ブラックホールキャノンならな!」
「スラッシュリッパーもね!」
その二つなのだった。
「もう思う存分使ってくれ!」
「そのかわりね」
「ええ。わかってるわよん」
そこから先はもう言うまでもなかった。
「決めるわよ」
「よし、それならだ!」
「やっちゃって!」
「行くわよキョウスケ!」
「行くぞ!」
二人は動きを合わせた。まずエクセレンだった。
「まずはこれよ!」
「むっ!」
「スラッシュリッパー!」
それを投げる。忽ちシュテルンレジセイアの外皮が切り刻まれる。
そしてその後でだった。ブラックホールキャノンを構える。
「凄いパワーね」
そのパワーは彼女をしてもそう言わせるものだった。
「けれどこれなら!」
そのブラックホールを放つ。それもまた撃った。
シュテルンレジセイアの動きが止まった。今だった。
「よし、これで決める!」
右手に斬艦刀を、左手にシシオウブレードを構えての言葉だった。
「うおおおおおーーーーーーーーーーーーーっ!!」
それで上から下に一気に切り裂いたのだった。
さしものシュテルンレジセイアもだった。完全に動きを止めたのだった。
そうしてだった。彼は言った。
「何故だ」
「終わったな」
「そうね」
キョウスケとエクセレンは今の彼の言葉を聞いて述べた。
「完全にだ」
「もう動けないわね」
「完全な生命体になれなかった・・・・・・」
「貴方もだったのよ」
「何?」
今のエクセレンの言葉に問うのだった。
「何が言いたい」
「貴方も選ばれていなかったのよ」
「理解できない・・・・・・」
「貴方は地球を」
その彼にさらに言うエクセレンだった。
「はじまりの地からのルーツを」
「そうだ。それだ」
「知恵を得た生命体の進化を見守ることだけが役割だったのよ」
「そしてだ」
キョウスケも言うのだった。
「御前達を倒すのは俺達の役目だった」
「何故だ」
ここでも全くわかっていなかった。
「我ははじまりの地を」
「まだ言うのね」
「どうしてもわからないのだな」
その彼に哀しいものさえ感じている二人だった。
「あくまでそれに固まって」
「そこから進めないというのか」
「様々な危険な力」
「そう、そしてそれは」
「御前達もだった」
「はじまりの地に芽生えた力」
それを言うのだった。
「次元すらも」
「俺達だな」
「みたいね」
アポロとシルヴィアがそれを聞いて言う。
「その力ってのは」
「実際にこっちにも来てるし」
「超越する」
「特にグランゾンだな」
ギリアムがここで呟いた。
「あの力は」
「それはあいつにしかわからねえ」
そのシュウについて話すマサキだった。
「あのマシンのことはな」
「そうか」
「もう一つのルーツからの干渉」
その言葉はまだ続いていた。
「それによる混沌を正す為に」
「それを言うのね」
「今もか」
「我等の役目を阻む」
そうだった。まだ言う彼だった。
「もう一つの守護者の僕を」
「それこそが」
「四霊獣なのね」
ブリットとクスハは気付いた。
「その為に」
そして言う言葉は。
「門を開き。古の記録に触れる者を対序する為に」
「そしてその為に」
「戦ってきたというのね」
「そうだ」
まさにそうだというのだった。
「宇宙の静寂と秩序を守る為に」
やはりであった。
「はじまりの地から不純物を」
「それで俺達かよ」
「そういうことなのね」
アラドとゼオラが応える。
「何か何回も聞いたけれどな」
「同じことばかり言うから」
「新たな人間を。その為のサンプルを」
「そうして」
そのエクセレンが言ってきた。
「貴方達が目をつけたのが」
「その通りだ」
「私とキョウスケ」
その通りだったのだ。
「私達が乗ったシャトルと衝突したのはアインストだった」
「エクセレン」
今度はアルフィミィが言ってきた。
「貴女の肉体は」
「終わっていたのね」
「そうですの」
まさにその通りだというのだ。
「あの炎の中でほぼ朽ちていましたの」
「そうだったのね。やっぱり」
「だから」
それで言うアルフィミィだった。
「私達の一部を移植し」
「そうして」
「ベルゼレン=リヒカイトの中で再生させましたのよ」
「そういうことだったのね」
「それでは」
ラミアがそこまで聞いて述べた。
「エクセ姉さまはアインストとのつながりがそれで」
「ナンブ大尉や私達以上に彼等の声を聞いたのは」
アヤも言う。
「そのせいだったのね」
「中尉はそれで」
「みたいね。ただ」
ここでエクセレンは言った。
「色々混じってたみたいだけれど」
「色々と」
「けれど私は私よん」
それでも笑顔で言うのだった。
「皆が皆であるようにね」
「それではだ」
またギリアムが言ってきた。
「ベルゼインの中で中尉が蘇った後で」
「はい」
アルフィミィが彼の言葉に応える。
「創られたのがだ」
「私ですの」
「それではだ」
キョウスケが彼女に問うた。
「何故エクセレンだけを選んだ」
「そのことですのね」
「そうだ。俺も引っ張ればだ」
「引っ張れば」
「こうはならなかっただろう」
「それは出来ない」
シュテルンレジセイアから言ってきた。
「何故なら御前は」
「キョウスケ」
アルフィミィも彼に言うのだった。
「貴方はあの状況で死んでいなかったから」
「生きていたのか」
「そうですの」
「えっ、それって」
それを聞いて驚いたのはアラドだった。
「大尉ってシャトルが爆発しても普通に生きていたのか!?」
「おい、そりゃないよ」
トールもこれには驚く他なかった。
「俺だって何とか脱出ポッドがあって助かったのに」
「僕もそこまでは」
「私もだ」
ニコルにマイヨもだった。
「あの時は何とかコクピットが無事でしたから」
「私は運がよかった」
「まああれよ」
ゼオラも驚きを隠せないまま言う。
「大尉だから」
「それって説明になってるか?」
「多分なってないわね」
こうアラドに返しはした。
「実際のところ」
「だよな、やっぱり」
「そしてか」
ライが加わってきた。
「中尉を基に新たな人間を創り出そうとしたわけか」
「そのつもりだった」
「その割にはあれだな」
カチーナはいつもの乱暴な調子だった。
「手前とは似ても似つかない姿してるよな」
「あの娘は僕達と同じ姿なのに」
ラッセルも言う。
「何故」
「私はコピーに過ぎませんの」
するとアルフィミィが言ってきた。
「空っぽの」
「空っぽだと」
「そんな・・・・・・」
彼女の悲しい言葉に言葉を失いそうになったキョウスケとエクセレンだった。
そしてその間に。シュテルンレジセイアのあちこちから火が噴いていた。
「理解不能・・・・・・」
「いよいよか」
「そうね」
皆その彼を見て言う。
「遂にだな」
「滅びるのね」
「何故だ・・・・・・」
彼は最後までわかっていなかった。
「私は新たな」
「何かさ」
「そうだね」
ラリアーはティスの言葉に頷いた。
「デュミナスをね」
「思い出したわ」
二人は悲しげな顔で今潰えようとしているデュミナスを見ていた。そうして言うのだった。
「新たな生命を。人間を創れなかった」
「それは思うようにはできないものなのに」
デスピニスも呟いた。
「それなのにわからなかったのね」
「理解不能」
まさに彼はわかっていなかった」
「何故だ・・・・・・我は」
これが最後の言葉だった。彼は大爆発と共に消えた。後には何も残ってはいなかった。
そして僅かに残っていたアインスト達も全て消えたのだった。
「消えた」
「ああ、そうだな」
リュウセイがアヤの言葉に頷いた。
「これでな」
「終わったのね」
「それにしてもね」
エクセレンがここでアルフィミィに微笑みながら声をかけてきた。
「私だけをさらったのが失敗だったね」
「えっ」
それを聞いてはっとした顔になる彼女だった。
「どういうことですの?」
「それはこういうことよ」
笑いながら話す彼女だった。
「新しい生命を誕生させる」
「そのことにですの」
「それなのに女の私しか調べないんだもの」
彼女が言うのはこのことだった。
「それで人間なんか出来る筈ないじゃない」
「それは」
「!?ということは」
ニナがそれで気付いた。
「アインストには」
「人にとって全く当たり前のことを知らなかったのね」
モーラも言った。
「つまりは」
「あれだけの力を持っていたのに」
それを言ったのはラーダだった。
「彼等はそのことを知らなかった」
「そして気付かなかったのね」
ニナはまた言った。
「そうだったのね」
「つまりは」
カナンも考える顔になっていた。
「彼等も欠陥品だったのね」
「そういうことを考えられないとなると」
クインシィも言う。
「そうなるのか」
「それだけではないでしょうね」
今言ったのはリツコだった。
「彼等は」
「それはだ」
ここまで聞いたキョウスケが述べた。
「遥か太古より」
「太古より?」
「地球を監視してきた者達の最期には相応しくないかも知れないな」
こうエクセレンに告げるのだった。
「これは」
「そうなのかしら」
「俺はそう思う」
少なくとも彼はそうだった。
「どうにもな」
「そうかも知れないな」
彼の今の言葉に頷いたのはヒューゴだった。
「だがそういうものなのだろうな」
「何もわかっていなかったからってこと?」
アクアがその彼に問う。
「だからなのかしら」
「俺はそんな気がする」
彼は直感から語っていた。
「どうもな」
「そういうものかしら」
「とにかく戦いは終わったわ」
エクセレンはあらためて述べた。
「これでね。それでだけれど」
「今セダンから連絡があった」
ダイテツが言ってきた。
「何時でも使って欲しいとのことだ」
「あっ、そうなの」
「それはいいな」
エクセレンだけでなく神宮寺も言った。
「丁度地上の敵もいなくなったし」
「そこに入ってだな」
「そうね。それで」
「それじゃあ」
エクセレンはあらためてエルフィミィに声をかけた。
「アルフィミィちゃんもね」
「えっ!?」
「えっ、って当たり前じゃない」
「そうだぞ」
エクセレンと光が驚く彼女に告げた。
「私達に協力してくれたじゃない」
「だからアインストを倒せた」
光もこのことを言う。
「私達の宇宙をね」
「だからもう仲間だ」
「私が皆さん」
「行きましょう」
海が優しい顔で彼女に告げた。
「皆のところにね」
「ロンド=ベルには必ずありますわ」
風の言葉も優しかった。
「貴女の居場所が」
「そうだな」
ラミアも優しい笑顔になっていた。
「御前が自分の意志で決めるのならな」
「こういう人達ばかりなのよね」
エクセレンも同じ笑顔だった。
「私達の世界は」
「貴方達の世界は」
「さあ、いらっしゃいな」
「この気持ち」
アルフィミィもそれを感じていた。
「エクセレン、貴女のものなんですの?それとも」
「自分で思うのなら」
キョウスケが言ってきた。
「そうなのだろう」
「嬉しいですの」
「あっ、笑った」
「そうね」
皆彼女のその笑顔を見て言った。
「笑うと物凄く可愛いじゃないか」
「そうよね。とてもね」
「けれど」
それでもだった。アルフィミィは言うのだった。
「私は」
「来ないというのか?」
「感じますの」
一転して暗い顔になっていた。
「気配を」
「気配!?」
「まだ何か」
「まつろわぬ何か」
それだというのである。
「それを感じますの」
「どういうこと!?まつろわぬって」
「それは一体」
「だからですの」
それが理由だというのだ。
「私にはまだやるべきことがあるのですの」
「俺達の中でそれはできないのか」
「そういうことなの?」
「そうですの」
こうキョウスケとエクセレンにも答えるのだった。
「ですから。もう」
「そうか」
「何なのかわからないけれど」
「また御会いしましょう」
今度の笑みは寂しげなものだった。
「そうしてこの世界を」
「ああ、そうだね」
「そうね」
キョウスケとエクセレンが彼女に応えた。
「守る、そうだな」
「それしかないわよね」
「ですから今はこれで」
寂しい微笑みを浮かべてだった。彼女は姿を消したのだった。
後には何も残ってはいなかった。彼等だけがいた。
「戦いが終わって」
「残ったのは何なのかしら」
アラドとゼオラが言った。
「アルフィミィちゃんも何処かに行って」
「地球は無事だったけれど」
「一旦セダンに戻りましょう」
オウカが考える二人に言ってきた。
「いいわね、まずは」
「セダンに」
「まずはなんですね」
「そうよ。ここに留まっても何にもならないわ」
だからだというのだ。
「わかったわね、それで」
「はい、それじゃあ」
「今から」
二人もそれに頷いた。ここで今度はレフィーナが言ってきた。
「アクシズとソロモンからもです」
「あれっ、今度はそっちからかよ」
「それで何て言ってるんですか?」
「作戦成功おめでとう」
まずは祝福の言葉だった。
「何時でも好きな時に来てくれとのことです」
「そうか、アクシズとソロモンもなんだな」
「協力してくれるのね」
「今や全人類が私達を応援してくれてますね」
ラトゥーニも笑顔になっていた。
「これは」
「そうだな。そしてこれが」
クォヴレーがここで言った。
「人というものなのか」
「では全軍セダンに向かいます」
レフィーナの声は明るかった。
「それでいいですね」
「はい、それじゃあ」
「それで」
アインスト達との最期の戦いを終えたロンド=ベルはセダンに戻った。そうして今は束の間の休息に入るのだった。戦士の休息に。

第百六十九話完

2009・12・1     
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